旅行日記その10

9月23日 ユーラシア最西端ロカ岬到達

 この日は、ロカ岬に行くためロシオ駅からシントラへ向かう。
電車は結構新しく車内もきれいだが、あまり速度が上がらず結構のろのろ走っていた。車内では老婆の物乞いに遭遇。きっぱり断った私には見向きもしなかったが、「何か用?」といった表情をしてしまったAとNさんにはしつこく食い下がっていた。見かねた車掌さんが止めてくれたが、結構周りの人は簡単にお金を渡していたのがちょっと不思議だった。途中で降りていった老婆は何かぶつぶつ言ってたので多分ケチな東洋人に呪いの言葉でも吐いていたに違いない。
 終点シントラで下車してバスでロカ岬に向かうので世界遺産のペナ宮は今回はパス。山の上のなんとも言えない建築用式の宮殿を遠目に見ながらシントラを後にする。約40分バスに揺られると、大西洋に突き出た岬の先に灯台が見えてきた。極東の島国からユーラシアの西の端まで約11000kmようやく到達だ!
 まずはインフォメーションで最西端到達の証明書を買う。証明書には通し番号が付いていて私は66700番だった。岬にはあまり人がおらず、一通り写真を撮り終わると水平線を眺めながらしばし感傷にふける。(昔の人は、この先で海がなくなっているとか、はたまた魔物が棲むとも考えていたのか....)
 などと物思いにふけっていると数台の観光バスが到着し瞬く間におじちゃん、おばちゃんで騒がしくなってしまいせっかくの雰囲気がぶち壊しである。
でもよく見るとこの岬の日本人の比率もかなり高いような?私たちのほかに5,6人いたぞ。
 帰りのバスまで時間があるのと風が強いのでインフォメーションの待合室のソファで休んでいたらいつのまにかZZZ...
いかん、こんなところで寝てしまうなんて気が緩み過ぎだと、はっとしたところAとNさんが1人の女性と話こんでいた。
 なんとなく話しに入りそびれていたが、彼女は2ヶ月以上ヨーロッパを旅しているらしい(失礼、名前忘れたのでここではBさんとします。)。1人のためファドを聞きに行きずらいらしく4人でファドを聴きに行くことになった。
 ロカ岬を後にしバスでカスカイスに向かうが、このバスの運転手が無茶苦茶すっ飛ばす。運ちゃんあんた絶対職業を間違えてるぞ、あんたラリードライバーになるべきだった。大型バスで山道を駆け抜けカスカイスに着く頃には完全にグロッキーになってしまった。 (バスに乗車して恐怖を感じたのは初めて)
 カスカイスの街を散策しながら名所の地獄の口まで徒歩で行く。日差しが強く結構バテるが、約30分で到着。名所と言われるが、日本の東尋坊とかの方がすごいような気がする。結構釣りをしている人がおり、おこぼれにありつけるのか猫が多い。
 駅に戻り切符を買うが、窓口の係が曲者でなかなかお釣りを出さずにこちらの顔色を見ながら1枚ずつ札を出してくるのでちょっとムカついた。
車内では、Bさんが買った鰯のフライを分けてもらい、談笑しているうちにカイスドソドレ駅に到着。
 ファドを聴きに行くので時間を約束した後一度ホテルに戻り食事をしてからグロリア線乗り場で待ち合わせ、バイロアルトのファドハウスへ向かう。店はグロリア線から徒歩3分のオ・フォルカードで、店の中は日本人の団体さんが結構入っていた。今回我々は飲み物のみ、まだちゃんとポルトワインを飲んでなかったので頼むと、25年もののビンテージワインが出てきて一同びっくり。でも下戸の私は酒の味がよくわからないのでもったいない話である。歌の方は女性ファディスタ4人と男性ファディスタ1人の計5人のステージで、1人2曲の演奏だった。最初のうちの演奏は素人目にもいまいち(アマリア ロドリゲスしか聴いたことないが)だったが3人目の演奏から実力のある歌手が歌い始め、その声量と感情表現に驚き真剣に聞き入る。4人目は男性ファディスタで黒いマントで登場するが、この人が一番聴かせるので一発でファンになってしまった。
 演奏が終わると歌手たちがテープやCDを席に売りに来るので即座に先程の男性ファディスタCDをゲットする。でも3500エスクードはちょっと高いような?
その他にもう1枚購入するが、最初のころ歌っていた歌手のテープは余り売れていないようだった。(やっぱりこれも実力次第か) 買わないか?と我々の席ににも来たがちょっと可哀想かなと思いながらも断ってしまった。(さすがに3枚はいらないよ) あと、この店のウェィターさん達は実にサービス精神旺盛でいろいろ楽しませてくれた。
 日本の団体さんが帰ると急にすいてしまうが、ショーの方はこれからが本番で民族舞踏やファドの演奏を聴いて12時ごろ店をでる。料金は1人3000エスクート゛でものすごく得した気分だ。出口近くのウェイティングバーでファディスタたちが休憩していたが、CDを買ったのでわざわざお見送りしてくれた。