12月31日  Edinburgh市内観光

 この日は、久ぶりにゆったりしたベットで眠ったせいか、ちょっと寝坊気味で8時過ぎに起き出して朝食に行く。
このホテルの朝食はバイキングスタイルだが、ここのところパンとシリアル程度の朝食だったので久々のちゃんとした食事に期待も膨らむ。
 それでなくても、昼食、夕食と外ればかりでまともな料理は今まで無かったので、ソーセージ、ベーコン、スクランブルエッグ等のオーソドックスなメニューでもごちそうに見えてくる。
 前に何かで読んだが、イギリスでまともな食事がしたければ1日に朝食を3回食べれば良いと有った。しかし、ここまで食べた料理を思えば、まさにその通りとだと納得してしまう。
 まあ、今日の他の食事でも外れを引く可能性は非常に高いのでここでしっかり食べておかねばと気合いがはいる。
 だが、このオーソドックスなメニューの中にこそ予想もしない落とし穴が潜んでいたのだった。
 並んでいた料理のなかで一番ボリュームが有り、全世界でどうやっても味の変りようが無いだろうと思っていたソーセージを口に入れたとたん、その違和感に思わず全身が硬直する。
 なんだ、このくそ不味いソーセージは?中身は肉と言うよりネチャネチャした脂肪っぽい物体が入っていた。
 まったくのノーチェック状態だったためダメージは計り知れないが吐き出すわけにもいかず、涙がちょちょぎれそうになりながらも無理矢理飲み込む。
こんなものまで不味くできるイギリス人の感覚に軽い目眩を覚えるが、とにかくこれは止めておいて他のもので食事を済ますことにしよう。
 しかし、ここまでやられるとベーコンでさえ味がおかしいのでは?と、その後は必ず毒味してから本格的に食べるようになったのは言うまでもない。
(注:イギリス留学経験がある上司の話では、イギリスの朝食でソーセージだけは手を付けない方がいいとの話を後日聞いた。ちなみに中身は挽肉に小麦粉を混ぜたものらしい。そのため食べるとネチャネチャして脂肪っぽいだけでうまくない。)
 他にもデザートで食べたヨーグルトも外れだったし、フルーツも全くだめ。この時点で、もう完全に疑心暗鬼になっており、この国でまともに食べられるものは、マクドナルドしか無いと強く思うのだった。

 明るくなるのを待って9時過ぎにチェックアウトし、タクシーで駅にもどる。
昨日に引き続き荷物を預けて駅前に出るが、まだ循環バスは走っていないようだ。
 観光エリアはそれほど広く無い範囲に固まっているので、とりあえずエジンバラ城方面に行ってみることにしよう。
 エジンバラ城に続くロイヤルマイルから脇にそれる路地をクロスと呼び、ジキルトとハイド氏のモデルになった人物がいた辺りの路地をブラッディクロスと呼ぶらしいので探したが、結局何処か判らずじまいだった。 
 今日は大晦日のためか、エジンバラ城前には、特設ステージが設営されており、昨日とはずいぶんと趣が異なっている。

 エジンバラ城からグラスマーケットまで散策し、適当なところで循環バスに乗車する。
 この循環バス2階建てなので当然上に陣取るが、屋根のない吹きさらしのため、冬場はかなり辛い。
 
 循環バスで市内を1巡してから、再度エジンバラ城に戻り、近くのスコッチウィスキーヘリテイージセンターを見学する。
 ここは、スコツチウイスキーの製法と歴史を紹介する資料館だが、カートに乗り内部を見学する仕掛けになっている。
 一応、待ち時間にスコッチウィスキーの試飲ができるが、下戸の私では即死となる量(ワンフィンガー)を出されてしまい酔っぱらいそうと思ったが、寒さのためか全然酔わなかった。
 やっぱり寒い地方では、強い酒は必需品なのがよくわかる。

 見学後はロイヤルマイルの土産物屋を覗き、ウールのセーターを1枚自分用に購入する。

 ロイヤルマイルをうろついていたら、イギリスに来て始めてフィッシュアンドチップスの店を発見したので、話の種に食べてみることにする。
 たっぷりとビネガーを掛けてもらい、寒い中道ばたのベンチで食べて見ると結構うまい、と言うより他の物がひどすぎるのだ。
 しっかり食べて、久しぶりの満腹感に安堵するが、ちょっと量が多かったので1羽だけ居た鳩にポテトを1本あげたら、瞬く間に数十羽の鳩が群がってきた。
 あまり数の多さに怖くなってすぐ逃げるが、むやみに餌を与えない方が賢明のようだ。、
 

 食後は循環バスでホリールード宮殿に行き、内部を見学する。
ガイドの人について、内部の説明をうけるが、話すのが早くて内容が理解できない。せいぜい聞き取れるのは、人の名前くらいであった。
 でも、エリザベス女王が現在でも訪れるだけ有って内部は豪華だった。


 3時過ぎに駅に戻り、ロンドン行きの列車の案内を見ると30分ごとに有るはずが、全く表示されていなかった。
 なんか、やばいかもと思いながら窓口で聞くと5時に出発するロンドン行きの最終までないとのこと。
 どうやら年末年始の特別ダイヤのためらしいが、ロンドン到着は11時過ぎになる。
 宿までの移動を考えると、新年をトラファルガー広場で迎えるのは難しそうだ。それに到着が遅くなるので、宿に電話を入れておくことにする。
 待ち時間が1時間程度なので、また出かけるほどの時間も無いので、しばし駅の待合室で時間をつぶす。

 
 エジンバラからロンドンに向かう列車はイギリスご自慢のHST225だが、通常4時間のエジンバラ〜ロンドン間が6時間の運転では速度はそれほど上がりそうにない。
 一等車に入ってみると案の上、乗客はほとんどおらず、私の他に老夫婦が1組いただけだった。
一等車は各シートにテーブルが備え付けられており、カップが置いてあるので、車内販売の時に使うのかと思っていたら、コーヒー、紅茶はサービスで、適時アテンダントが注ぎに来てくれるなどサービス満点であった。

 列車は雨の降る中淡々と走り続け、予定通り11時過ぎにロンドンに到着した。
 地下鉄でパディントン駅前のホテルに向かうが、車内には酒瓶がゴロゴロしており、ハイテンションな人が多くちょっと怖い。
 こんな調子では、トラファルガー広場に行くのはちょっと怖いなー。
 12時前に宿に到着し、テレビでビックベンの鐘の音を聞いたが、何しにイギリスまで来てたのかと、ちょっと寂しくなる新世紀の幕開けであった。
 今日も疲れた、さっさと寝てしまおう。でも、もう明日で帰国か、今回はあわただしい旅行だな。