9月19日 リスボン観光

 思いおこせば一年前、リスボンで市電の写真ばかり撮っていて観光名所をほとんど廻ってないことから企画された今回の旅行だが、いざ目の前を市電が走り回ると決意が鈍りそうになる。
 まあ、暇を見て撮ればなどとすでに本来の目的を見失いつつ市内観光に向かう。
 まず最初は28系統の終点プラゼレスまで行ってみる事にする。(いきなり脱線しているような気もするが。)

 途中、国会議事堂などを車内より眺めて一応本人は観光のつもりである。
 終点プラゼレスは大きな墓地である様だが、別に墓参りするわけでは無いので次の市電でエストレラ大聖堂の前に戻り、ちょっとだけ写真を撮ったら未乗車区間である25系統に乗ってみる。
 アレ、こっちの市電は同じ車両だが28系統の様なポール集電では無く、パンタグラフを上げている。
 28系統は非常に狭い路地を通る区間があるのでパンタグラフだと建物にぶつかるらしくポールを使用しているらしいことは判る。ということは、この25系統はは比較的広いを通りを通る公算が大きいな。
 いざ乗ってみると、アルファマの様な細い路地は無いが、結構クネクネよく曲がり、これはこれで楽しい。
 終点のサントスで降りて地図を確認するとビッカのケーブルカーが結構近い様なので徒歩でケーブルカーの麓まで行く。
 1年ぶりのケーブルカーは特に変わり無いが、ちょっと落書きされているのがかわいそうだった。
 ケーブルカーは結構込んでいて積み残しの人が出るくらいの混雑で坂を上がり、また28系統の市電でバイシャに戻る。

 とりあえず観光らしい事をせねばと去年行ってなかったサンタ・ジェスタのエレベーターの上に上ってみる。
 上がったとたん天気が曇ってきてしまったがやっぱり見晴らしいいなあ。エレベーターの上はカフェになっているので、コーヒーでも飲みながら景気を楽しむ。
 15分ほど休憩したのちエレベーターを降りようとすると、黒ずくめの服の人が目の前を横切った。よく見ると神父さんが首からビデオカメラを下げて観光してるではないか!!なんかスッゲェー違和感が有るのは私だけなのかもしれないが、唖然としてしまった。周りの人は別に気にも留めている様子は無いので、普通の光景なのかもしれないが、こんな時まで神に仕えて無くてもいいのでは?と思ってしまう。
 エレベーターを降りるとロシオ広場の前を通り、ラウラのケーブルカーもまだ乗ってなかったので上まで乗ってみるが、上がっても特に展望台があるわけでは無いのですぐに降りることにする。
 グロリア線の様にすぐ脇が展望台ではなく、生活路線のようであるので何となく地味な雰囲気が漂ってるなあ。
 いつの間にか昼飯時なのでフィゲイラ広場のマックで昼食にする。
 食後は、グロリア線のケーブルカーで展望台に上がり、バイロアルトまで徒歩で下ってまた28系統の市電に乗る。今度はアルファマまでいってサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会の前でおりるが、すぐそばには超有名なアルファマの単線区間が、、、10分だけと思いつつ去年の様に写真を撮ってしまうのであった。ああ、鉄系人間の悲しき性であろうか?
  写真を取り終わると、アルファマの路地を下へ下へと下っていく。結構狭い路地に入り込み、この先行き止まりじゃ無いことを祈りながらすすむと大通りに出た。
 周りを見るとサンタ・アポローニア駅近くの軍事博物館の前だったらしいのですぐ中に入る。この博物館は軍の施設の一部を利用しているらしく、館の中や周囲に軍人さんが異様に多いなあ。中の案内係に聞いてみると彼らは陸軍だとのことだった。
 館内の展示物は剣や18世紀の銃から大戦前くらいまでの兵器が展示されていた。
 別にすごいものは無いが、銃身が3mくらいの古い銃があった。どうやら銃身の先端が自分の重さで下を向いているようだ。近くの兵士に「バレルが下向いてるけどにこれで当たるのか?」と聞いたらやたら受けていたのが印象的だった。
 博物館を後にすると、向かいのサンタ・アポローニャ駅の内部を覗いてから、確か駅近くで泥棒市がやっているのを思い出したので行ってみることにする。
 駅から徒歩で約10分ほど坂を上がると、フリーマーケットの様な感じで市が開かれていたが、売られているものは、泥棒が盗んだ盗品と言うより、どっから拾ってきたと言うようなガラクタの山だった。いったいこんなの誰が買うんだ?と思いながら一回りすると、中には結構まともなものを売っている人もいた。でも結局買うような物のは無かったなあ。
 この近くの市電の乗り場は、さっき降りたサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会の前の停留所なので向かうが、途中急に雨が降り始めた。
 今年は傘を用意しているので問題無いと思ってリュックの中を見ると宿に忘れたらしい。意味ねえなあと思いつつ、近くのカフェで雨宿りする。
  
  幸い10分ほどで止んだので市電でポスタ・ド・ソル広場に行くが、途中で市電の運転手が突然急ブレーキを掛けて止めたかと思うと車内に向かいものすごい剣幕で怒鳴り始めた。何事と思っていたら、女の子が不正乗車をしたらしい、電車からおろされる女の子の態度がふてぶてしいが当然の処置だろう。
でも、電車の後ろにしがみついている子供には寛大なのが何か不思議だ。
 ポスタ・ド・ソル広場で降りてサン・ジョルジュに向かうと、道の途中でたくさんの猫を引き連れた猫おばさんに遭遇し、頼んで写真を撮らせてもらいながらサンジョルジュ城を一回りする。
写真を適当に撮った後は先ほどのポスタ・ド・ソル広場でまたも市電の写真を撮ってしまう。
 カメラを構えていると市電の運転手が徐行してくれて、いい写真は撮れたか?とサムアップしてくるのでこちらもサムアップで答える。
 やっぱり観光の目玉の1つでも有る訳だし、サービスいいなあ。
 最後は、グラサ広場まで市電で移動し、グラサ展望台から日の傾いた市内を眺めてから、徒歩でアルファマの路地を抜けくちばしの家の前を通って宿に戻る。
 夜になり食事に出ると雨が降っていた。後でグロリア線に乗りに行こうと思っていたが今日は食事だけにしておこう。