9月22日 リスボン観光、日本帰国

 今回の旅行も本日が最終日、今日は近場をちょっとだけ見る予定なので、ゆっくり朝食を取って9時過ぎにチェックアウトする。荷物をレセプションで預かってもらい、とりあえずフィゲイラ広場からベレン行きの市電に乗る。
 ベレンに到着すると、まずはジェロニモス修道院の隣の海洋博物館に向かうが、まだちょっと時間が早い様なので発見のモニュメント、ベレンの塔を先に見に行く。
 でも去年両方とも中を見ているので、今回は外側から写真を撮っておしまいだ。
 今回のベレンの塔はテージョ川の水位が高いときらしく、ちゃんと水の中に有った、去年はちょっと水位が低くて情けない姿だったからなあ。
 一回りしていたら、ちょうど博物館の開館時刻になったようなので移動する。
 博物館の中は大航海時代の帆船の模型がところ狭し並び、結構壮観だ。
 でも大昔の人はこんな船に乗って世界中に旅立っていったんだからすごい勇気だよなあ。この博物館、実物の展示はあまりないが、中世から現代までのポルトガルを代表する船の模型がたくさんおいてあり、見入っていたらあっという間にお昼近くになっていた。

 さて後は4月25日橋のたもとに有る市電博物館を見に行かなくちゃ。市電博物館がどこに有るのかよくわからず、インフォメーションで聞くと、車庫の正面を入って右だよと教えてくれた。車庫の入口で博物館を見に来た事を告げて中に入るが、博物館の受付には誰もいない。
 入場料はいいのかなあと思いながらも、中に入って勝手に見ていると中から係りの人が出てきて切符を買うように入口まで連れ戻された。まあ、平日の昼時に見に来る方もどうかしてたかなと思いつつ中を見て回るが大した展示物は無い。
 これだけで300エスクードは高くないかと思い、先ほどの係りの人にこれだけか?と聞いたらちょっと待ってろとのこと。
 どこかへ電話してから裏口みたいなところで待たされた。
 係りの人は「日本人か?ここの市電が日本に行ってるけど知ってるか?」と言うので、「高知の土佐電だね」と答えると非常にうれしそうにしていた。 そうこうしているうちに1台の市電が車庫の方からやってきて目の前で停まると、運転手が乗れと合図している。どうやら、他の見学場所まで電車で移動するらしい、私1人のために電車を走らせてくれたのだ。
 電車に乗ってるのはほんの1、2分であるが、着いたところには昔使っていた、ちょっと大型の市電やバスなどが展示されていた。でも見ているのは私一人でとても贅沢だよなあ。出口に行くと、先ほどの運転手が待っていてくれて、車庫の出口までまた電車で連れて行ってくれた。
昼飯時に来て、悪いことしたなあ。丁重にお礼をを言って車庫を後にした。
 後は、市電でフィゲイラ広場に戻ると、あんまり食欲は無いので近くのファーストフードで昼食とする
 食後は、最後だからとサンタ・ジェスタのエレベーターの上に上がり、コーヒーを飲みながら景色を眺める。また、ここにこれる事は有るのだろうか?などと考えを巡らすとちょっと感傷的になる。カフェのウェイターに挨拶して帰ろうとすると、不意に「アリガト、サヨナラ」と言ってきた。
 この国にも結構日本人が来ているんだなあ。そういえば、市内の両替屋にも日本語で、両替ってあったよなあ。
 さてそろそろお土産を買わないといけないので、ロシオ広場の周りでワインやタイルを購入する。後は空港の免税店で買うことにしよう。
 宿に戻り荷物を受け取り。4日間お世話になったスタッフに挨拶してからタクシーでリスボン空港に早めに移動する。

この旅行最大のピンチ


 空港に到着したのは15時過ぎで、出発は18:30だから出発ロビーで本でも読みながら、飛行機の案内が出るのを待っていた。でも一本前のエールフランスのパリ行きが無茶苦茶遅れているようで15:40の出発が17:00に変更になっていた。アレ?大丈夫かなあ。それほど気にも留めず出発ロビーで時間をつぶし、16:30頃ふと表示版を見ると案内が始まったようだ。でも表示を見ると、右側に黄色い文字が表示されているけどポルトガル語なので判らない。しかし、英語に切り替わった瞬間この旅行最大のピンチが私に降りかかった。 
 その表示はなんと「フライトキャンセル」と表示されていた。「なにー飛行機が飛ばない?乗り継ぎはどうなるんだ?そもそも日本に帰れるのか?チケットはどうなる?」予想しなかった事態にしばし固まるが、とにかくここで途方に暮れていてもしようがない、エールフランスのチェックインカウンターに行くが誰もいない。
 他のインフォメーションを探して、列に並ぶと前に2人ほどいる、こういったトラブルでの要求事項を英文で整理しようとしても動転しているのか考えがまとまらない。
 そうこうしているうちに私の番が来たのでチケット見せて何とかしてくれと言うと、一本前の便が遅れているから待たせるので、すぐそれに乗れとの事。
 荷物は預けられるかと聞いたら、貨物室はもう閉めた。あんたの荷物ならそのまま入っても問題無いとのこと。9番ゲートに直行してくれ、それから時間が無いから走れだと?
 全くこっちの空港でろくな目に遭わないな、行きのパリでも走り回っていたな。
 なんとか、チケットを受け取ると荷物を抱えて9番ゲートに直行する。
 お土産については、非常時だからしょうがない、パリで買えばいいや。
 9番ゲートに到着しあわただしく飛行機までのバスに乗り込むと、もう一家族後から来たかと思ったらすぐ飛行機へ向かって走り出した。
 ちょっと本に夢中になって表示を見るのが遅れていたら、やばかったなあ。 まさにタッチの差で帰れる事になりそうだ。
 機内に入ると、すぐ出発とのことで汗も乾かぬうちにエンジンを始動して出発となった。
 席については通路側だが、こんな状況ではわがまま言っていられない。乗れただけで良しとせねば。
パリ→成田 AF272便
 パリまで約2時間、特に問題なく到着し、とりあえず日本には無事帰れそうだと安心する。もう周りは日本人ばかりだしね。
 リスボンで預けられなかった荷物を預けなおして、セキュリティチェックを受けると案の定荷物を開けろと言われた。
相変わらずパリから日本に帰るときは厳しいようだ。
 後は免税店でお土産を買えば、もうやることは無い。ベンチに座っていたらなんかどっと疲れが出た。
 帰りの飛行機はおなじみB747-400で席については通路側だった。機内では特にすること無く、食事位しか楽しみは無い。
 食事の時にフランス人のアテンダント(結構美人)に「メルシー」と言ったらやたら愛想が良くなった。まあ、周りの日本人は無言で受け取っているから確かに感じ悪いよなあ。
 その後もカートが引っかかってる時に手伝ってあげたりしたら、何かに付けて気を遣ってくれた。おかげで快適なフライトだったが、コクピットを見学できないかとお願いしたら、残念だけど時間が悪いといわれてしまった。もっと早く言っとくべきだったかもしれない。
そのほかは、前の席の人が食事中もシートをリクライニングさせたままなので、食事中は戻すように注意するが、翌朝の食事時も倒したままだった。全く学習能力の無いやつだ。今度はちょっと強めに戻せと抗議する。やっぱり黙っていては何も始まらない。
 順調に飛行し無事成田には到着するが、そういや今日は太陽を見て無いな。
さて、今回はワインの免税範囲を超えているので、初めて税関で申告するがその納税額はたったの100円であった。
納税して表に出ると、いつも迎えに来ていただいているYさんのご厚意に甘えて、家まで送ってもらう。まあ、ワイン買って来たからそれで許してもらおう。空港を出て気が付いたのは、日本円をそれほど持っていないことだったが、しょうがない明日おろすことにしよう。
 でも今回は最初の4万円しか使わなかったので、トラベーラズチェック10万円がそののまま手つかずとなってしまった。また次の機会で使えばいいか、どうせまた何処かに行くだろう。
こうして、構想1年の第二次ポルトガル旅行も無事終了した。

さて次はどこに行こうかな?