12月29日 ポルトガル移動日1日目
     モン・サン・ミッシェル→イルン

 本日はポルトガルのエボラまでの移動日で、朝からバス列車を乗り継いでエボラ到着は途中の待ち時間のためも有るが翌日の17時とほぼ30時間かかる。
普通はこんな移動手段は使わずパリに出て飛行機を使う方がよっぽど早いのは明白だが、フランスとスペインの国境の町イルンから出発するシュード急行(南急行)に乗るのが目的なので非効率でも全然問題なしだ。
それに今まで乗った路線を1つのネットワークに繋げる目的もあるため、スペイン、ポルトガルとフランスを繋ぐ必要もあった。

 この日はバスの出発が9時30分なのでゆっくり起きて食事してから9時過ぎにチェックアウトする。
どうせバス乗り場はホテルの真ん前なのであわてる必要は無いし。
天気の方は土砂降りだが、バスに乗ってしまえば後は問題無いが、ちょっと風も出てきたようだ。
バスが来るまで城門の下で雨宿りしているが、どうも目がよく見えないと思ったら眼鏡をホテルに忘れた。
かちょっわりーと思いながらもフロントで事情を話して鍵を借りて無事眼鏡を回収。
しかし普段眼鏡を掛けていないと、ちょっとしたことで忘れてしまうかもしれないので気をつけよう。

バスの方にはまだちょっと時間があるが、自分以外には誰も待っていない。
本当に今日はバスが走るのか、ちょっと不安になってきたぞ。
城門からは道路の遙か先まで見通せるが、それらしきバスの姿が見えないのでちょっと気をもむ。
結局発車時間丁度にバスが到着したが、やはり乗客は私だけで貸しきりのようだ。

バスは昨日通った田園地帯を快調に飛ばし、途中のバス停では結構乗客を拾いながら順調にレンヌを目指す。
途中レンヌ市街でちょっと渋滞にはまったがそれほど遅れることも無くも11時前にレンヌ駅のバスターミナルに到着。
予定では11時30分の列車で移動なので、手持ちの切符の経路変更もしなければならないし窓口に急ごう。
当初の予定では一度パリに戻るつもりだったので、日本でパリ〜イルンの列車を予約していたのだが、ナント経由に変更してもらおうと思ったけど、どうやら日本で予約した切符は変更ができないようだ。
ただTGVの予約は変更できるので、乗車券だけ後で日本で払い戻してもらうことにして、新規にイルンまで購入する。
変更後の経路はレンヌ〜レドン〜ナント〜ボルドー〜イルンとなり、最後のボルドー〜イルンは当初予約していたTGVになるが昨日の2等車が狭かったので、たまには1等にさせてもらおう。

 1本目 レンヌ〜レドン

 レンヌからの最初の移動は4両編成のディーゼルカーで、レドンまでは約1時間の移動だ。
沿線はちょっとした渓谷と言った感じで思っていた以上に景色が良い。
やっぱり経路変更して正解だったかな。
列車はかなりの速度で爆走し、定刻より若干遅れて、レドンに到着。
降りてみると結構、風が強い、今後の予定に影響が無ければ良いが、、、


 2本目 レドン〜ナント

 レドンの駅では次のナント行きのホームが大混雑だ。
これは席に座れるどころではなさそうだが、とりあえずナントまで1時間なのでなんとかなるでしょう。
とりあえず構内の売店で、昼飯のサンドウィッチ買ってから列車に乗り込むと、案の定車内は満員だ。
居場所が無くて困っていたら、車掌さんが気を利かせて、荷物室を解放してくれたので、他の乗客とともに荷物室に何とか居場所を確保する。
内部は殺風景で貨車と変わらないが、狭い通路に立っているよりはよっぽどましだ。
ただ何となく、この殺風景なに車内は戦争時の兵員列車や囚人の護送列車のようなイメージが頭から付いて離れない。

 列車は強風の中、多少の遅れは有ったものの何とかナントに到着。(別にシャレのつもりでは無い)
今までの所、1時間乗るとだいたい5分遅れるようだ。
まあ、風も強いのでこの程度の遅れはしょうがないか。

 3本目 ナント〜ボルドー

 ナントからはディーゼル機関車牽引の列車でボルドーまで約4時間と今日の昼間の移動では一番の長時間だ。
先ほどの荷物室は懲りたので、今度は座っていけると助かるが、、
車内は全車コンパートメントで、結構座席予約されている席が多かったが何とか空席を確保して一安心。
まあ、窓際では無いので、外も見えないし寝て行くくらいしかなさそうだ。
ただ、車内はあまり広く無く、足元も狭いので結構窮屈だ。

途中の駅ではお祭りか、デモかもよく分からないが、プラカードを持った人々が列車を取り囲み20分ほど立ち往生した場面が有ったが、いったい何だったのだろう?
ここでの遅れがもろに響いたのか、ボルドーにはきっかし20分遅れで到着。
次のTGVまで50分の待ち時間が有ったので問題は無いけど、駅前を見て歩くほどの時間もないようだ。

 4本目 ボルドー〜イルン

本日の4本目の列車はボルドーを19時に出発するイルン行きのTGVで、パリモンパルナスを15時過ぎに発車してきた列車だ。
本来ならこの列車にパリから乗っている予定では有ったが、ただTGVばかり乗っていてもつまらないの確かだし。
おかげで結構無茶苦茶な行程にはなったが、まあ、これはこれで良かったかな。
 最後のTGVはちょっと奮発して1等車とする。
座席も1人列なので周りに気兼ねしなくて助かる。
でも座席の幅は問題ないけど、やっぱりシートピッチはあまり広くはないようだ。まあ、車体が小さいからあんまりピッチ広げるとただでさえ少ない定員がさらに減ってしまうからなのだろう。

途中小腹がすいたので、ビュッフェに行くが、相変わらず食べ物はサンドウィッチ程度しかないようだ。いい加減飽きてきたが、ほかに無いのでそれで夕飯とすることにしよう。
列車は快調に夜の南フランスを飛ばし続け、ほぼ定刻でイルンに到着。
もうここはスペイン領で話す言葉も当然スペイン語の方が主流だ。
降りてみると、かなり南に来たためレンヌに比べたらずいぶん暖かい。
これでリスボンまで言ったらコートがいらないかもしれない。
ホームの反対側にリスボン行きのシュード急行はすでに入線していたが、やっぱり広軌のスベイン国鉄は線路の幅が広っ!

 5本目 イルン〜リスボン シュード急行

 本日最後というか、今晩の宿となるのはリスボン行きのシュード急行だ。
ここは奮発して個室寝台を押さえていたのだが、乗車前の車掌のチェックで寝台の予約券だけで、別途乗車券が必要な事が判明。
道理で個室寝台しては値段が安いと思った。車掌氏の話では車内でも買えるから、部屋で待機しているように指示された。
車内は日本の個室A寝台よりちょっと広いと言った程度だろうか。
ベッドに関してはこちらの方が確実に広いと思うが。
列車は定刻の22時にイルンを発車し、先ほどの車掌さんも切符を売りに来てくれた。
代金はスペイン国鉄分7000ペセタとポルトガル国鉄分の7000エスクードづつ。
手持ちのエスクードは有ったが、ペセタは無いのでフランで代わりの払わせてもらう。
最後に部屋の鍵を渡してもらえば、後は自由だ。
しばらくは車窓を楽しむが、あまり遅くならないうちにすぐ隣の食堂車を覗いてみることにしよう。
行ってみるとすでにテーブルは満席だが、置くのビュッフェの方はそれほど混雑してないので、そちらでコーヒーでも飲むことにしよう。
周りはみんなビールを飲む中、一人コーヒーとはちょっと変わった奴だと思われたみたいだが、うまいと思わないのだからしょうが無い。
そう言えば室内にはウェルカムドリンクでワインの小瓶が有ったっけ、後でちょっと飲んでみるか。いつも海外ではアルコールを一滴も飲まないし、たまにはいいか。
ビュッフェで10分ほど時間をつぶしてから、部屋に戻る。

しばらくは車窓を見ていたが、先ほどのワインをちびちびやっていたら、結構眠くなってきた。
明日はリスボン到着が10:45(時差が有るから実際は11:45)なので寝坊しても大丈夫でしょう。
列車に揺られて眠るのも久しぶりだ。