11月22日 福岡→ソウル

この日のフライトは9時35分発のJAL971便で、7時ごろ家を出てタクシーで福岡空港に向かう。
いつもは国内線ターミナルばかりの利用で初めての国際線ターミナルだが、まだ新しいのでなかなかきれいだ。
地方空港のターミナルとしてもずいぶん立派だし。

韓国ウォンについては国内での両替ができないので現地ですることとして、搭乗手続きを早めに済ますが、事前の荷物検査もテロの影響かじっくり見ているようでなかなか進まない。
もっとも福岡→ソウルでハイジャックするなら北朝鮮への亡命(するやついるとは考えられないが、、)くらいだろう。
自爆テロするにも福岡では福岡ドームくらいしかないだろうし、、、
でも北朝鮮に連れて行かれたら、多分帰ってくる時は別人が成りすましで戻ってくることになるのだろうから、そう考えるとちょっと怖い。
やっとのことでカウンターまで進むと比較的早くのチェックインだったため、事前座席予約をしていたのに係りのお姉さんが足元の広い席が空いているのでどうするか聞いてきた。
せっかくの申し出でだから受けさせてもらうことにしたが、座席番号を見たら81Aと「ずいぶん後ろだなー」とも思ったが別に気にするほどでもないか、、、、、

 JAL971便 福岡→仁川国際空港
荷物のチェックも出国審査もいつものごとく何事も無く、待合室で搭乗を待っていると仁川空港が濃霧のため出発するが、福岡に最悪引き返すかも知れないとのアナウンスがあった。
これは韓国旅行が韓国遊覧飛行になるのではとの懸念もあったが飛ぶだけまだましで、ここで欠航にならないだけまだ降りられる確率が高いのだろう。
でも初めて知ったが引き返したは場合免税品は払い戻しとなるので開封してはいけないのか。
もっとも何も買っていないので問題無いが、、、、、

今回の機材はB767でいつもB747ばかりなのでたまに乗ると新鮮だ。
9時15分ごろちょっと遅れて搭乗が始まり、機内に入ってみると81Aとはビジネスクラスの一番前の席であった。
うおおぉぉ、生まれて初めての国際線ビジネスクラス!カウンターのお姉さんありがとう!!。
心の中でガッツポーズをしつつも、でもどうせならヨーロッパ線でアップグレードしてほしかったと贅沢なことを考えるのだった。
とは言えせっかくのビジネスですので、しっかりと堪能させてもらうこととしましょう。
どうせ飛行時間は1時間しかないし、、、、
座席を観察するとどうも国内線のスーパーシートと同じようだが、足元も広いし隣との肘掛も広いのでゆったりしているのでやっぱりいいかもしれない。
だが、ここで贅沢を覚えると今後のエコノミーでの長時間がきつくなるに違いない。
ひょっとして、エコノミー客にビジネスを味あわせてエコノミーに乗れない体にするJALの戦略か?

全員の搭乗が済むと機内は満席で、私の隣にはどう見ても堅気に見えないおっさんが陣取った。
服装はラメ入りのスーツにシャネルのポーチと、普通こんなわかりやすい人も珍しいくらいだが、チーフパーサーもいろいろ気を使っているみたいで、ものすごい上客か、リマークされているかのどちらかだろう。
もっとも係わりあいになりたく無いので適当に外を見て過ごすとしよう。

10時前に定刻より遅れて福岡空港を離陸し釜山上空を経由して仁川空港を目指す。
韓国領空では空からの写真撮影はご法度なので、外を写すわけにもいかないようだ。
一応この路線、機内食が用意されているのだが、時間が短いため普通のトレイではなく幕の内弁当のおかずを少なくしたようなランチボックスが配られてお仕舞いのようだ。
あとは広い肘掛をこちらの方まで使うおっさんにちょっとむかついたが、所詮アップグレードの身だし言ってわかるような感じには見えないのでほおって置くことにしよう。
途中からずいぶんと雲が多くなったと思ったら飛行機はその中に降下していくようだ。
雲に突入してまったく外が見えなくなるが機体はかまわず降下していく、そのうち何か見えたと思ったらもう滑走路で視界は500m程度のように見えるが11時過ぎに無事着陸できた。
空港内の濃い霧のためかフォローミーカーに先導されてスポットインするが、先導されるとこは始めて見た。

最近開港した仁川空港はさすがに韓国が国際ハブ空港を目指して建設しただけのことはあるが、干潟を埋め立てて造成したためかなり濃い霧が頻繁に発生するあたりがハブ空港としては大減点のようだ。

今回はビジネスのため真っ先に飛行機を下りられたので入国審査も混雑しておらず、すぐに順番が来たが入国の書類には馬鹿正直にホテル名を書かないでいておいた。
審査官のホテルはどこかの問いに、予約していないと答えたら渋い顔していたが書類に?マークを書き込んだだけで無事入国スタンプを押してくれた。
後は税関で荷物のエックス線検査をされただけで無事入国完了。
中の銀行でウォンに両替してリムジンバス乗り場を目指す。
何処で乗るのか良くわからないので、インフォメーションで聞いてから切符購入、バス乗車と進みとりあえず地理がわかるソウル駅に向かう。


ソウル市内
バスに乗車すること約1時間で無事ソウル駅に到着。
約2年半ぶりののソウル駅は韓国新幹線の建設のため周囲は工事の真っ最中といった様相で結構ごみごみしている。
まずはホテルをどうするかが問題であるが、明日の板門店ツアーを取り仕切っている大韓旅行社があるロッテホテルに向かうことにしよう。(ロッテホテルに向かうが、泊まるほどの甲斐性は無い)
地下鉄で移動し、無事ロッテホテルに到着したが旅行社が何処にあるのかよくわからない。
とりあえずホテル横のロッテデパートの中かも知れないと思い、案内所で聞いてみるがどうやらわからないらしい。
2、3箇所で聞いてみたがどうも良くわからないようで、荷物背負っているのもつらくなってきたので、先にホテルを探すことにしよう。
ガイドブックではすぐそばに経済的なホテルがあるようなので、そちらに荷物を置いてからまた来ることにする。
ロッテホテルから徒歩5分のところにあるメトロホテルのレセプションで今晩の部屋が空いているか聞くと今夜はあいているが明日はまだわからないとのこと、とりあえず1泊でも良いからここにすることにしよう。
だが値段を聞いたらガイドブックには50000ウォン(5000円)とあったのに72000ウォン(7200円)とのこと、どうやら最近韓国のホテルはワールドカップに向けてホテルの料金が上がっているらしい。
これなら日本で予約しても一緒だったかも知れないが、まあしょうが無い。
また荷物もってうろうろするのも嫌なのでここにしてしまえ。
部屋に入ってみるとそれほど広くもなく、あんまり綺麗と言うほどではないが、まあこんなもんでしょう。
とりあえず部屋に荷物を置いて再度ロッテホテルに向かうことにする。
大韓旅行社はどうやらロッテデパートではなくホテルの中にあるようなので、ホテルの入り口で場所を聞くと新館の3階にあることが判明。
無事見つけて明日のツアーに参加できるか聞いてみると明日はツアーが行われないとのこと。どうやら明日23日はアメリカ軍の祝日らしい。
これについてはまったく想定外であったが、事前に確認してないのでしょうがない。
せっかく来たのにとも思ったが、でも明日はDMZと第三南侵トンネルの見学ツアーがあるらしいのでそちらに参加することとした。
板門店はまたこの次にするしかないなあ。

ロッテホテルを後にするとこの後の予定は前回休館日で見学できなかった戦争記念館に行くことにするが、ホテルを出たとたん怪しそうな親父が近づいてきた。
向こうにはどうやらこちらが日本人とわかるらしく「オ兄サン、1人デスカ、寂シクナイカ?彼女紹介スルヨ。私怪シクナイデスヨ」と言ってきた。
自分で自分を怪しくないという言うやつほど怪しさ大爆発だが、何のことは無いただのポン引きではないか、無視して行こうとするがしつこくてしょうがない。
さっさと振りほど地下鉄の明洞駅に向かうが日本人と見ればこのセリフ、まったく海外で日本人はなにやってんだ?情けないぞ。


戦争記念館

地下鉄三角地駅で下りて戦争記念館に向かうと以前は周囲が工事中でゴミゴミしていたが、きれいに整備されていた。
前回休館日に前庭だけ覗いたときには韓国準国産のK-1戦車が正面に鎮座していたが、どうやら展示場内の模様替えをしたようで以前は比較的ゆったり配置していた戦車類も間隔を狭くして1個所に集めてしまったようだ。
以前は人がほとんどいないのをいいことに戦車に上り、またがった状態で記念写真を撮ったりしたがさすがに今は上るのは禁止されている上、搭載機銃などの備品類も取り外されていた。

記念館のホールではインカ文明の展示が行われているらしく中学生が大勢いてやかましいが、記念館本体のほうには入ってないので、ゆっくり見学できそうだ。
内部は日帝36年の支配うんぬんで反日的なのかと思ったら意外と古代からの展示が行われており、日本による併合時の展示もあるがメインは朝鮮戦争とその後の北朝鮮との攻防が取り扱われているようだ。
展示の説明書きはハングルなので内容は分からないが、展示の感じから韓国軍の活躍を称えるような内容のようだ。
でも韓国はおろか古代朝鮮の頃からほとんど戦争に勝った試しはないはず、、、
それでなくとも朝鮮半島の国と組んで戦争すると負けるというジンクスは今だに健在だ。
有名どころだけでも元寇に、太平洋戦争の日本軍しかり、さらにはベトナム戦争のアメリカ(韓国軍参加)とちょっとあげただけで、当時の列強がそろいもそろって討ち死だ。

最後の方には韓国国産の兵器も展示されていたが、あんまり大物は無く小銃とか、弾薬といった軽装備類が主流のようだ。
でも韓国国産と書かれたK-1小銃はアメリカのM16の朴李(パクリ)ではないか、これは国産ではなくてライセンス生産と言うのでは?ひょっとするとブランド品のバックとかと一緒でコピーでもしたのか?。


戦争記念館を後にすると明日以降の予定を立てるため時刻表を手に入れる必要があるので一度ソウル駅に向かう。
ここは日本語が通じる案内所があるので時刻表が無いか聞いてみると、ソウルと釜山を結ぶ京釜線の主要列車が載ったものしかないらしい。
売店で聞いてみることにして案内所を後にすると、比較的身なりのいい日本語を話す女性が「今お金が無くて、困ってます。お金ください。」とさも困っている風に言ってきた。
こちらは見ず知らずの人にお金は上げられないと最初はやんわりと断っていたが、「それはわかるが、困っている」の一点張り。
「判ってんならしつこく言うな!!」と強く注意して追い払うが人のいい日本人ならあげちゃうんだろうなあ。
どうせ観光客目当ての寸借詐欺のようなものなのだろうが、こちらの人は本当にしつこいなあ。

構内の売店で時刻表も無事手に入り、調べてみるとハングル一色と思った内容も漢字とアルファベットが使われているのでほとんど日本の時刻の感覚で使うことができる。
鉄道以外はハングル一色でわけがわからないが、鉄道利用だけだったらこれで十分だ。宿に戻ってから明日以降の予定を立てることにしよう。

時間は4時を過ぎで、だいぶ日も傾いてきたしソウル駅からそれほど離れていない南大門市場を覗くことにしよう。
以前この辺りで買い物したこともあり、記憶を頼りに歩いていくと以前と風景も変わらず相変わらず狭い道に屋台や店の商品を並べて大繁盛のようだ。
前回はここでメガネと米軍払い下げらしき時計を買ったことがあり、そのとき以来の習慣か海外に出ると安い露天商の時計を買う癖があるので今回も物色することにする。
どうせ中身は中国製だろうから見た目のデザインがちょっとでもよさそうなものを値切って買うのが鉄則だ。
いい値で買ったら馬鹿みたいに吹っかけられるのは目に見えているし、、、
とりあえずちょっとよさげな物があったのでいくらか聞くと40000ウォンとのこと、ずいぶんと吹っかけているらしいので買うかどうするか悩んでる振りをして値引きを要求する。
最初は小出しにしか引けないと言っているので、適当なところでやっぱいらないと言って立ち去ろうとするといくらなら買うのかと聞いてきた。すかさず半値の20000ウォンと言ったらなんとその場で即決となってしまった。
なら最初から早く引けよと思ったが、それでも儲けが出てんだろうからずいぶん吹っかけていたんだろうなあ。


買い物も済んで、腹も減ったので市場のサムゲタン屋に入ることにする。
味の方はまあまあと言った感じで基本的には健康増進のための料理なのでものすごく美味しいというほどではないようだ。
食後は完全に日も暮れたので、南大門の写真を撮ってから宿まで歩いて帰ることにするが、ソウルの街は大通りに横断歩道が無く、地下道を歩かされるため結構登り降りが多くて余り歩行者にやさしい街ではないな。
それに結構地下道の造りが交差点の四つ角にちゃんとあるわけではないので、地下から上がったら向かうべき方向を見失いがちとなってしまう。
途中屋台のタイヤキを買ってから7時過ぎに無事宿に到着。
いったん部屋に戻って休んでいたが、ミネラルウォーターがほしかったので宿のそばのコンビニに9時ごろ買い物に行く。表に出てみると宿そばの交差点ではストリートファイトの真っ最中で、さすが兵役がある国は喧嘩も派手だと感心しながらファミリーマートで買い物してからちょっと遠回りで宿に戻ることにする。

さて明日のツアー後の行動をどうするかと時刻表を調べていると、韓国一の山岳鉄道路線である嶺東線、太臼線経由で江稜まで片道7時間かかることが判明。車窓がすばらしいらしいので乗ってみたいのだが、これは片道を夜行にしないと時間的に厳しいな。
明日はこのホテルで部屋があるかどうか判らないし、部屋が取れなければ明日の夜行で江稜まで行って戻ってくることにしよう。