11月25日 ソウル→釜山


 朝目が醒めると江稜を出発したときと進行方向が異なっており、途中で方向変換をしたようだ。
昨日の江稜出発時にはそれほど寝台車の利用者はいないようだったが、清涼里駅に到着時には結構な人が乗っていた。
清涼里駅到着は朝6時過ぎで、昨日はあんまり寝られなかったのでちょっと体が重い。

 とりあえず地下鉄1号線でソウル駅に向かい、釜山行きのセマウル号の切符を購入することにする。
予約した列車は9時発のセマウル号で、窓口の人は日本語ができないようだったが、英語が通じたので助かった。
でもどうやらこの列車は特室しかないのか、2等車を頼んだのだのに特室のキップが出てきた。
まだ発車まで時間が有るので南大門市場に買い物に行くことにしよう。
と言うのもコートの袖にいつの間にかタパコで焼けこげたのか、穴があいていたので安いコートが無いか探しに行くことにしていたのだ。
南大門市場は朝4時からやっているそうなので、7時くらいなら問題もないだろうと思っていたら、この日が日曜で有ることを忘れていた。
さすがに南大門市場も日曜はほとんどの店がやっていない。
コートについてはあきらめてソウル駅に戻って朝食にする事にしよう。
構内にはマクドナルドがあるのでそこにしようかと思ったら、移動途中らしき米軍の兵隊さんたちで大盛況となっており、相当時間が掛かりそうだ。彼らもハングル書きのマクドナルドの看板が珍しいのか、盛んに写真を撮っていた。
他にはバーガーキングが有るのでそちらにするが、こちらはあまり混んでいない。
私自身もバーガーキングよりマクドナルドの方が好きなのだが、たまには違う所でもいいか。でもやっぱり味はあまり好みでないな。

 9時前に改札が始まったようなので、小腹すいたときのために韓国海苔巻きを仕入れてから、ホームに向かう。
ホーム上は韓国新幹線のための工事が行われていて、かなり雑然としている。
列車は10両編成を2本連結しており、私の車両は結構前の方でかなり歩かされた。

 早速車内に入るとさすが特室だけあってシートもなかなか豪華で座り心地も良い。
車内放送も韓国語、英語、日本語、中国語と4カ国語でなかなか国際色豊かであるが、ついこの間まで教科書問題等で対日関係の悪化から日本語の放送は取りやめていたらしい。
ただこの教科書問題も韓国の言いがかりにしか過ぎないと思うが、それで旅行者に不便をかけるというのは、どういう了見なんだろう?

 列車は定刻に発車したが、動力車が両端に集中しているため車内は静かだ。
あまり揺れると言うほどでもないし、夜行列車の睡眠不足からか睡魔がおそってくる。
車窓は単調な田園地帯が多く、時たま新幹線の真新しい高架橋が見えてくるが、この韓国新幹線とっくに開業しているはずなのにいろいろと問題が発生して開通が遅れているようだ。
工事の遅れに、フランスから導入したTGV方式の列車がトンネルの風圧に耐えきれずに車体にヒビが入ったとか、聞こえてくるのは悪い噂ばかり。完成したら乗ってみたい気もするが、正直かなり怖い。
それで無くても、以前あった橋の崩落にデパートの倒壊と、どうも韓国の構造物には良い印象がない。
この新幹線も突貫工事で作っていたら、有名なコリアンタイマーが作動するのも文字どおり時間の問題だろう。

釜山観光

セマウル号は途中での遅れも無く、ほぼ定刻で釜山の駅に到着した。
今回の目的だったセマウル号乗車も何となくあっさり終わった気がするが、正直車内では特筆する様なことも無かったのも事実だし。
とりあえず今夜の宿を確保する必要があるので、釜山駅前のアリランホテルに行ってみる。
入口はすごい人だかりで、今日は混んでいるのかと思ったらどうやら結婚式が開かれていただけらしく、部屋の方は問題なく確保できた。
ボーイさんが荷物を持って部屋まで案内してくれると、部屋の中にはサムスン製のパソコンが1台あった。
インターネットはお好きなだけどうぞと勧められたが、ハングル式のキーボードに手も足も出そうもないので、自前のパソコンで何とかしよう。
後はお決まりの、「お兄さん、女いらないか?」攻撃が炸裂したが、笑って断る。
ただ、こずかい稼ぎに熱心なのか非常にしつこくて正直うざったい。
韓国のホテルはボーイが売春を斡旋しているという噂があったが本当だったんだなあ。
しかし、このホテルの部屋、広さはまあまあなんだが、部屋の中の内装が古いうえ何となく怪しい雰囲気ではある。

部屋でちょっと休んでから、実弾射撃のためタクシーで海雲台へ向かう。
釜山には実弾射撃場が3カ所有るが、前回来て値段が判っている海雲台の射撃場を利用することにする。
途中渋滞のため、1時間ほどかかったが、4時過ぎに無事到着。
前回は20発だったが、今回は30発プラスサービス10発の計40発を撃つことにしよう。
以前はチェコ製のCZ75Bを使ったが、他に魅力的な銃も無いことから今回もCZ75Bを20発、他にイタリア製のベレッタM92を20発を撃つことにする。
指導してくれるインストラクターも前回と同じ人で、前に教わったことを言うと、「拳銃好きそうですねえ」と言われてしまった。
まあ、事実だからしょうがないが。
撃ち方に付いては前回レクチャーを受けているのでいきなり弾丸を装填すると早速撃たせてもらうことにする。
最初はCZ75Bからで、2回目のため自分の癖を考慮して撃ってみると前回に比べ格段に上達したことが分かる。
以前に比べ的の中心に弾が集まり、十分納得できる結果であった。
気をよくしてベレッタに換えるがどうも違和感が有るなと思って撃って見たら、その感覚がもろに反映されたらしく惨憺たる結果であった。
とりあえず的を外すほどでは無かったが、初めて撃ったときよりひどい結果でぎりぎり的に当たっているという程度。
やっぱり個々の銃に対する慣れも重要な要素だったらしい。
結果についてはいまいち納得できないが、来年2月に大学時代の仲間と再度銃を撃つことになっているので、次回への課題としておくことにしよう。


射撃後は、海雲台の海岸線を散策するが、どうやら有名なデートスポットらしく、一人でいると何となく違和感が有るなあ。
途中1組のカップルから写真を撮るように頼まれたので快く引き受けるが、なにかのオブジェに腰掛けてポーズをとってもらい、シャッターを押そうとした瞬間バランスを崩して2人とも後ろにひっくり返ってしまった。
こんなシャッターチャンスなかなかないので、ばっちりとその瞬間を激写してしまったが、しばらく3人とも笑いが止まらなかったのは言うまでもない。
気を取り直して再度写真をとってあげるが、あの決定的瞬間が2人の間の良い思い出となってくれれば、撮った甲斐もあると言うものだ。
海岸を後にすると、前回寄った焼き肉屋で夕宿にするが、以前食べたカルビタンが忘れられなったので、今回もカルビタンを注文する。
食後は付近の市場を覗き、鯛焼きをかじりながら周囲散策するが、海運台駅から釜山に行く列車は8時過ぎなのでまだちょっと時間が有るようだ。
別にタクシーで戻ってもいいのだが別に急ぐ訳でもないので、駅の待合室で時間をつぶしてから、列車で釜山駅に戻る。
9時過ぎにホテルに入ってメールでも送ろうかと思ったらネット接続用のソフトが壊れてしまって接続できない。
部屋のパソコンでは日本語も読めないようなので、あきらめて寝ることにしよう。
明日は昼傷のビートルで帰国だ。