2001.3.4 博物館見学

 
  本日は今回の旅行のメインの故博物館の見学である。
7時過ぎに起き出し、ホテルの食堂でバイキング形式の朝食を食べてからタクシーで故へ向かう。
途中有名な円山大飯店の前を通り、約15分で故博物館に到着。

  故博物館見学
 入口で入場券を買おうとすると、父がめざとく60歳以上は無料とあるのを発見し、ただになるのかと聞いてみたが外国人はだめなそうだ。
 入口脇で、ガイドの機械を借りていざ内部に入るが、最初の方は昔の青銅器ばかりで大して興味を引くような物は無い。
 さっさと2階にあがるが、ちゃんとした順路が無いようで、同じ所を何度も回ってしまう。
 焼き物などは有名な唐三彩などあったが、意外とみずぼらしいので、こんなのが国宝なの?と罰当たりな事を思ってしまう。
 2階は基本的に書画がメインのため目当ての彫刻関連がある3階に先に行くことにする。
 3階も2階同様、迷路の様で現在地を見失いがちだが、細かな象牙細工など思わず唸ってしまうような逸品の山であった。
 特に象牙の塔と、球の中にいくつもの球が納められた透かし彫りなどいったいどうやって作ったのか不思議でならない。
 さすがに彫刻の細かさに、父も唸りながら食い入るように見入っていた。
まあ、連れてきた甲斐があったかな。
 3階を充分堪能した後は、4階の喫茶室でちょっと休憩する。
 本場の烏龍茶を楽しむが、意外と値段が高い。
 まだ足の捻挫が完治していないので、歩き回るのは結構しんどいな。

 休憩後は飛ばしていた2階を覗くが、書画については余り詳しくないので全然わからない。
 適当に一巡すると大体見終わってしまったようだ。
 誰かから故は1日では見きれないと言われていたが意外と呆気ない、まあこんなものか。
 一応父が収蔵品のガイドが欲しいとのことで、売店で本を選んでから故旧を後にする。


 台北の悪徳タクシー
 博物館の正面で昼食をどうしようかガイドブックを見ているとタクシーの運転手がどこに行くのか声を掛けてきた。
 声を掛けてくるのはうさんくさい奴だろうかと思いつつも、小龍包で有名な「ディンタイフォン」に行くように言ったら、予約が無いとダメだとのこと。
 本当かなと思いつつ、鳥料理の鶏家荘に変更するとそこも予約が必要だとのこと。
電話で確認するからと携帯で聞いてくれたが、2時過ぎなると言っている。
 とにかく店の前まで行こうとタクシーに乗るが、しばらくしたら時間が来るまで無料でお茶が飲める所に案内するからそこに行こうと言い出してきた。
 さすがに父もこいつはやばいと思ったらしく、足で合図を送ってくる。
 お茶はいらないからとにかく鶏家荘の前に行くように言ったが、結局お茶屋の前で降ろされた。
 店からはここぞとばかりに店員が出てくるが、こんな所で買ってもぼられるだけなので、無視してとっと立ち去ることにする。
 1ブロックほど南に移動してから公園でゆっくり現在地を確認すると、目的地よりずいぶん手前で降ろされたらしい。
 鶏家荘まで1Km程度なのでぶらぶら歩いていくが、店に入ったらガラガラだった。
さっきの電話はしているフリだったようだ。
 全くとんでもない奴だ、きっとお茶屋とグルなんだろうが、油断ならんな。
 まあ実害はちょっとよけいに歩かされた程度だが、何か気分が悪い。


 昼食は名物の三色鶏を頼むが、かなりボリュームがありちょっともて余し気味であった。
 (帰国後、上司に三色鶏の事を話したら、ここでは鍋を頼むべきだったと後で指摘された。ここの鶏鍋に芋葉を乗せて食べるのが、もたれた気味の胃にはいいらしい。話を聞いていたのにこのときはすっかり忘れていてしまった。)

 ゆっくりと食事をしたが、故宮が意外とあっさり終わったので、駅近くの土産物屋を覗いてみることにする。
 台北駅と国民党本部の中間に位置する中華工芸館は値段が両親的との事前情報があり、再度タクシーで移動する。
 外見からは、余り土産物屋という雰囲気ではないが、建物内部は台湾の特産品が所狭しと並べられてる。ここはどちらかというと高級品を主に扱っているらしい。
 家へ土産に急須を1つ買うが、後は値段が張る物ばかりなのでさっさと後にする。

 現金なお茶屋のおばはん
 後はお茶を買おうと思っていたので、ガイドブックを頼りに台北駅南側の華泰茗茶に入る。
店は余り繁盛している様子ではなく、我々しか客はいない。
 応対したおばさんはちょっとがめつい感じで、やけに高い物ばかり進めてくる。
一応安いお茶を試飲させてもらうが、父は私が去年阿里山で買っていったお茶を気に入っており、同じ物を購入したいので、同じ産地の物を頼むと2番目に高いお茶であった。
高いお茶のせいか、これについては試飲させてくれといっても、なかなかうんと言わない。
 必ず買うから試飲させてくれと頼んで、渋々入れてくれたが本来は1杯目は捨てるはずのお茶をそのまま入れてよこした。
 一応1杯目は捨てるのでは?と指摘したがおいしいお茶だから大丈夫という。
だが、一口飲んで思わず父と顔を見合わせてしまう。
 苦いというか、渋いというか全く旨くない。
 高い割になんだこれはと思いつつ、父は買うと言った手前購入する事にする。
私もどうせ1袋だろうと思っていたら、なんと4袋も購入する気である。
 いきなりおばさんも上機嫌になるが、現金の持ち合わせが心もとない。カードで購入しようとすると、この店はカードの使用ができないため、父を1人残して近く銀行でキャシングしてくる。
 店に戻ると、さっきとは別人の様に愛想の良くなったおばさんが2杯目のお茶を勧めてくる。
こんどは、以前飲んだお茶と同じ味であり、やっぱり1杯目は捨てるのだなと実感する。
父も思っていた通りのお茶を購入できて満足そうであるが、一時はどうなる事やらと冷や冷やしたものである。
 後はついでとばかりに、会社の同僚へのお土産用のティーパックの烏龍茶を購入して店をでる。

 一度荷物を置きにホテルに戻り、ディンタイフォンは予約できるかスタッフに確認すると土日は予約を受け付けていないので並ぶしかないそうである。
大体土日は1時間待ちとのことだが、明日月曜は定休日なので行くなら今夜しかないようだ。

  ディンタイフォンの小龍包

 タクシーでディンタイフォンに行くと店の前は黒山人だかりであるが、列ができている様子はない。
 どうやって並ぶのかと思案していたが、黙っていてもありつけそうも無いので、予約受け付けているらしいウェイトレスを捕まえて、どうするのか訪ねると、整理券を配るので、店の前の電光表示が自分の晩になったら店に来るよう片言の日本語で教えてくれた。
 自分の番号まで大体60組前後あるようなので、店の周囲の繁華街をぶらぶらしてからきっかり1時間後に自分の番になり店内に入る。
 入り口の辺りは小龍包を包む職人が両脇に並び一心不乱に小龍包を作っており、さながら戦場の様な忙しさだ。

 店の間口は小さいが、意外と奥は広く、結構な座席数がある。
 台北で小龍包といえば必ずここの名前があがるので、父も非常に楽しみにしていた。
 名物の小龍包と海老餃子を頼むが、小龍包は蒸し器の上の方にあった物なのか、いまいち熱々では無かったが結構いける。食べ比べた感想ではどちらかというと海老餃子のほうがお薦めだと思うが、どちらも旨いことには変わりない。
 
 店を出た後は、タクシーでホテルに戻り、昨日に引き続きメールの送信にトライする。
 昨日はだめだったアクセスボイントを他の物に替えたら、あっさり送れてしまった。
 海外でのネット接続は、意外と単純なことで繋がらなかったりするものと思いながらも送れて安心したのか、早々と就寝することにする。
 でも、意外と小龍包が重かったのか、結構いつまでも胃がもたれた感じがする。