2002.9.17 5日目 Jungfraujoch観光、Zermatt移動

 昨日は比較的遅くまで起きていたので、今朝ちょっと寝坊するかとも思ったのだが、いつも変わらず5時前には目が覚めてしまった。
 今日から日本の方も平日になるので、仕事の方が問題ないのか、連絡を入れる必要がある。
 一応今日の所は問題無しだが、金曜日までは毎日電話しておこう。

 本日の予定はユングフラウヨッホに登ってから、ツェルマットに移動だ。
 本当ならインターラーケン近辺でもっと時間を取りたかったのだが、どうしても都合が付かないため今回はあきらめよう。

ホテルで朝食を取ってから、7時半過ぎにチェックアウトし、徒歩1分の駅に向かう。
 最初に荷物をロッカーに放り込んで身軽にになってから往復キップを購入。
 ユングフラウヨッホに向かうには、ラウターブルネン経由とグリンデンワルト経由の2通りのルートがあるのだが、どちらで行っても時間は変わらない。
 通常インターラーケン発の列車はラウターブルネンとグリンデンワルト行きが併結されているので、どちら経由を選択するかは本人の自由だ。
 ただ、私が乗車した8時過ぎの列車はラウターブルネン経由しかないので、帰りはグリンデンワルト経由にしよう。
 発車までしばらく時間があるし、列車もまだ入線してないのでホームでしばらく待つことになるが、日本人のツアー客がやたらと多い。
 道中の飲み物でも買っておこうと売店で並んでいたら、ツアーの老人が割り込んでくる。
 おいおいと思ったら、前の地元のおじさんもしかめっ面をしているではないか、、、
 流石にここで放って置くわけにも行かず注意して後ろに行かせるが、こんな連中のせいで個人の旅行客まで現地の人から鼻つまみ者みたいな扱いを受けるのは勘弁してほしいよ。
 ツアー客と同類と思われるのはいやだなと思っていたら、ラウターブルネン行きの列車はツアー用の貸し切り車両が増結されているようで、先ほどの人たちはそちらに集められた。
 内心、一般の客から隔離されたので、これ以上周りに日本の恥をさらすこともないだろうとちょっと安心。

 車内に入ると以外と空いていて、私が乗った車両にはほかに日本人らしき人が1人いるだけだったが、その人がやけに薄着なのがちょっと気にかかる。
 流石にユングフラウヨッホの辺りは3000mオーバーだから、日中でも氷点下近いはずなのに、、、、
 
 インターラーケンを発車すれば、次の乗換駅ラウターブルネンまではベルナー・オバーランド鉄道(以下BOB)で約20分。
 途中の道のりは川沿いの谷間を進んで行くので、もの凄い景色が見られるほどでもない。
 一応途中にラックレールの区間もあるようだが、あんまり急勾配でもなさそうだ。

 最初の乗換駅ラウターブルネンでBOBからからヴェルゲンアルプ鉄道(以下WAB)に乗り換えだ。
 乗り換えようと席を立つと、先ほどの薄着の方からユングフラウヨッホへの行き方がよく分からないので、連れていってほしいと頼まれた。
 まあ旅は道連れと言うし、大したことではないのでユングフラウヨッホまで案内することにしよう。
 話を聞いてみるとこの方はお医者様で、ミラノで学会があったついでスイスに寄り道したそうだが、何も準備していなかったため、行き方がよく分からないらしい。
 どうりで雪の残る山に登るにはシャツ1枚の軽装なのも頷けるけど、本当に大丈夫なのかな〜?
 ただ、よけいなお世話だが、この方、車内で車掌さんが乗り換えの案内を丁寧に教えてくれていたのに、全然理解できていないようだったけど、学会とかに出ても意味あるのかな?

 シュタウバッハの滝が眺められるラウターブルネンを出発すると、列車は急激に高度あげて行く。
 車窓にはシュタウバッハの滝が見られるのだが、谷が深すぎて朝日がまだとどいていないため、写真を撮ってもちょっと見栄えがしない。
 その先も山陰を走っているせいか、いつまでも日陰のままだ。
 この区間は午前よりも午後に乗った方がいいのかもしれないなあ。


 2回目の乗り換え駅クライネシャデックでユングフラウ鉄道(以下JB)に乗り換えれば、後は40分ほどで目的地ユンクフラウヨッホだ。
 クライネシャデックの正面にはアイガーの北壁がそびえ立っているが、太陽がアイガーの陰にあるため駅一帯がもの凄く薄暗い。
 JBはクライネシャデックの近辺のみ地上を走り、全体の3/4はトンネル区間でアイガーの山中を通過するためほとんど車窓を楽しむことはできない。
 その分登りの列車だけ、途中で表が見られる休憩ポイントが設定されている。
 JBに乗り、途中のアイガーヴァント(アイガーの窓)、アイスメーア(氷の海)と途中でガラス越しに周りの風景を楽しんだあと、ヨーロッパ最高地点の駅ユングフラウヨッホに到着、先ほどのお医者様と別れて、一人でとりあえず展望台に行くが、高度が高いため空気が薄い。
 ちょっと歩くと息苦しくなり、いつもの自分ペースでは歩けない。
 何とかゆっくり歩くことで、かろうじて意識を保っていられる感じで、ちょっと気を抜くと貧血みたいにブラックアウトしてしまいそうだ。
 ただ、深呼吸さえしていれば今のところ大丈夫のようで、高山病の症状である頭痛や吐き気が無いので、あわてて下りる必要は無いかもしれない。

 まず最初は駅の近くの外に出られる場所があるので雪山に出てみるが、やっぱり動きが緩慢だ。
 表に出ると、アレッチ氷河が彼方まで続いているのがよく見える、さすがヨーロッパ最長の氷河だけあって迫力あるなあ。
反対側に目を転じると、インターラーケン方向は緑が目にまぶしく、ユングフラウヨッホの北と南で対照的な風景が広がっているのが興味深い。
 ただちょっと納得いかないのは、こちらは息苦しくてゆっくりとしか動けないのに、ミニスカートに高いヒールを履いた雪山には不釣り合いな日本人がキャーキャー言いながらはしりまわっていることだ。
 やっぱり人により個人差があるのだろうが、動けない自分がちょっと情けない。
 しばらく雪原で風景を見ていたが、風がほとんどないので全く寒くない。
 冬用のコートを着てきたが、風さえなければちょっと薄手のウィンドブレーカーでも大丈夫かもしれない。

 少しは環境に慣れてきたような気もするので、エレベーターでさらに高いスフインクス展望台(3571m)に行くことにする。
 高さ的には120m程度上がるだけなので、それほど環境に変更は無いだろう。
 展望第に上がってみても特に景色は下で出た雪原とは変わらないような気がする。
 しばらく表のテラスで景色を眺めていたら、ちょっと体が冷えたようだ。
 下のカフェでお茶でも飲んでから下山する事にしよう。
 カフェでメニューを見るとユングフラウカフェなどという物があるので、どんな物かと頼んでみたらたっぷりとブランデーが入っていた。
 こんなところでアルコール取ったら酔いが回るのも早いかもしれないが、もう下山するからちょっとくらいならいいか、、、
 12時の列車でユンクフラウヨッホを後にするが、先ほどのユンクフラウカフェが効いたのか、ちょっと意識が飛びそうになる。
 まあ車窓は見れないし、途中で休憩するところもないので特に問題がないように思えるのだが、進行方向を向いて座ったため、下りの列車では当然前が下側になる。
 おかけでちょっと居眠りしそうになると、椅子から前に乗り出してしまいそうで危ないので何とか踏ん張るが、ちょっとやばいなあ。
 そのうち車内では車掌がアンケート用紙を配り始め、一応日本語版もあることからちゃんと答えようとするのだが、マークシートに記入してても眠くて思い通りの所をちゃんと塗りつぶせない。
 クライネシャデックに到着するころには復調し、おなかも空いたので軽く食事にすることにしよう。
 駅のレストランでヴルスト(ソーセージ)とレティッシュ(ジャガイモを焼いた物)の昼食を取ってから13時の列車でグリンデンワルトに向かう。
 WABの列車乗り場ではまたしても日本人のツアー客と遭遇するが、朝の時の人たちに、さらに別のツアーが合流して結構な大所帯となっている。
 まあどうせ貸し切りの車両に隔離されるから問題ないと思っていたら、やってきた4両の電車の内、3両がツアー客の貸し切り車両だった。
 他の一般客から明らかに怒りのオーラが出ているので、余り乗る気はしないが、しょうがないので混雑した車内に乗り込む。
 車内は立つ客が出るほどの混雑だが、貸し切り車両の方は相当余裕がありそうだ。
 鉄道会社ももうちょっと考えろよなあ。
 
 予定通りクライネシャデックを出発すると、すぐアイガー北壁の直下を下っていく。
 ただ完全に逆光のため、山自体がよく見えない。
 どうもこの辺りの列車を乗るときは、時計回りに乗るのが正解みたいだな。 
 グリンデンワルトでBOBに乗り換えるが、出発まで30分近くあるようだ。
 とりあえず車内に入って何気なく外を見いてると、昨日コーヒーをご馳走になったご夫婦が歩いてくる。
 そう言えば今日はグリンデンワルトに泊まっていたはずだったな。
 また再開できるとは思わなかったが、今日はインターラーケンに移動とのことなので、またご一緒せていただくことにしよう。 
 お話を聞くと、このご夫婦は広島からいらしているとのこと。
 こちらは福岡だから以外と離れていないと所からいらしているのだな。
 せっかくだから写真を取らせて頂き、後日メールで送らせていただく約束をする。
 
 
 発車してしばらくすると向かいの席に座っていた女性の2人組が話しかけてきた。
 拙い英語で会話してみると、アメリカのテキサスからいらしているようだ。
 彼女たちの一方は東京に来たことがあり、雨の中で傘が無くて困っていたときに傘を貰った事があるようで、日本人には好意的なので助かった。
 せっかくなので写真を取らせて貰うが、ここでもデジカメを見て、その小ささに興味津々のようだ。
 向こうがカメラを使ってみたそうなので自分の写真も取って貰うが、レンズに爪が掛かっているからどかしてと言っても分かってもらえなかったのがちょっと鬱。
 でもいろいろな方と知り合いになれて有意義なひと時だった。
 そうこうしている内に、インターラーケンに到着、乗り継ぎ時間はあまりないので、先ほどの人たちと別れてロッカーに急ぐ、荷物を引き出し、チューリッヒ行きの急行に飛び乗る。
 この列車2階建て車両なので2階に席を探すが、以外に景色が良い湖側は空いていないようだ。
どうせ次の乗換駅シュピーツまでは20分ほどだからどうでもいいけどね。
 シュピーツで約1時間の待ち合わせの後、ブリーク方面に向かう特急に乗車。
途中レッチェベルクトンネルを通過して、次の乗換駅ブリークまでは1時間強だ。

 ブリークのかなり手前から、線路の右下の遙か彼方に次に乗るブリーク・フィスプ・ツェルマット鉄道(以下BVZ)の線路が見えるのだが、もの凄い高低差がある。
 線路は徐々に高度を落として、やっと線路が合流するところでブリークに到着。

 ここで最後の乗り換えをしてツェルマットに向かおう。
 BVZの駅は、国鉄駅の外にあり、何となく道路上に列車が止まっているようなさっかくを覚える。
 さて、一等車はどこかと探してみると、氷河急行に使われるパノラミックの車両だった。
 新しいからきれいだし、天井まで窓が広がっているので視界がいいのだが、車体が狭いのに4列シートを配置しているので窮屈な感じがちょっとやだな。
 ブリークから約1時間30分でツェルマットに到着する頃にはすっかり日もくれていた。
 ホテルは駅のすぐ裏のちょっとした山小屋風の外見のアレックスだ。
ちょっと路地を入ったとこなので、ちょっとだけ見つけにくかったかな。
 食事は表に行く元気が無いので、ホテル内で済まし、さっさと就寝しよう。
明日はマッターホルンとご対面だ。