2003.9.19 8日目 インスブルック移動 

 本日の予定はヒトラーの山荘があったケールシュタイインハウス(英語名でイーグルネスト、日本語だと鷹巣山荘)に行ってから、次の目的地インスブルックに移動する。
 ケールシュタインハウスはドイツ領内にあるため一度オーストリアを出国することになるが、途中の国境に検問所有るわけではない。
 
 ケールシュタインハウスへ行くのはザルツブルグからの場合はツアーに参加するのがてっとり早いので昨日申し込んでおいたパノラマツアーの集合場所に8時45分頃に行く必要がある。
 とりあえず荷物をホテルに預けてちょっと早めにツアーデスクに行ってみる、受付はしているがツアーバスはまだ到着していないようだ。
 係りの人いわく、9時丁度にバスが来るとの事なので、ツアーデスク裏の売店でコーヒーでも飲みながらのんびりパスを待つことにしよう。

 係りの人が言っていたとおり、9時ジャストにバスが広場に到着したので、入口で私が参加するツアーに間違いないことを確認してから乗車する。
 このバスには途中の岩塩鉱を見学するツアーも一緒に乗っているので、途中の案内をちゃんと聞いていないと違うところに連れて行かれそうだ。
 結構大型の観光バスだが、車内は7割ほどの乗車でなかなか盛況の様だ。
 全員の乗車を確認してから9時15分頃バスが出発。
 ツアーコンダクターは陽気でロープタイが似合うおじさんで、名調子っぽい案内で周囲を和やかな雰囲気にしてくれるが、完全にヒアリングできないので、案内の内容のうち理解できたのは半分くらい?

 バスの方は快調に進み、途中の岩塩鉱で別のツアーを降ろすと、いよいよ険しい山に分け入ってケールシュタインのシャトルバス乗り場に到着。
 ケールシュタインハウスへは山の中腹から専用のシャトルバスでしか行くとができず、数台連ねて運転されるがその内の1号車は私たちのツアーの貸し切りの様だ。
 ガイドさんの話では周囲はバイエルン州主導の総合リゾート開発の真っ最中で2,3年後には大型ホテルを併設したリゾート地として売り出す計画があり、工事の方が行われていた。
 
 シャトルバスは5台ほど連なって上り坂を上がって行くが道幅はバス1台分しかないので、専用のバスのみで一般車が入れないのは当然の処置か。
 途中下山するバスの一団を待避スペースでやり過ごしながら結構な断崖沿いの道路を順調に高度を上げていく。
シャトルバスが終点に到着すると山肌にトンネルがポッカリと口を開けており、山の上には目的地のケールシュタインハウスが見える。
 ここからは徒歩でトンネルの中に進み、奥に据え付けられた専用エレベーターで山荘に上がる事になる。
 エレベーターの中は金張りなっており、ガイドさんいわく「中でフラッシュ焚くとみんな目がくらむから使用禁止だよ」とジョークで言っていた。

 上に到着するとケールシュタイハウスの内部レストランとなっており、イタリアのムッソリーニがヒトラーの誕生日に贈ったとされる赤大理石の暖炉のまえで簡単な説明を受ける。

 この後は下のシャトルバス乗り場に11時30分に集合と言うことで自由行動となったが、集合時間まで30分しかない。
 とりあえず山の上からケールシュタイハウスを見下ろせる地点に言って写真を取ることにしよう。
 どうせ山荘の内部はレストランにされていて、暖炉以外は取り立ててみておかなければいけない物も無いようだし。 
 ケールシュタイハウスから山荘が見渡せる山の頂上までは大して距離は無いが、それなりに高低差がある。
 余り時間が無いことからさっさと山頂まで行って全景の写真を撮ることにしよう。
  撮影を終えて、ケールシュタインハウスまで戻ってくると、ツアーま集合時間までそれほど時間もないことから、エレベーターで降りて、集合場所であるバス乗り場向かうことにする。
 バス乗り場でツアー客が全員集合していることを確認すると、再びシャトルバスで麓の一般駐車場に移動する。
その後はツアーバスで出発地点である、ザルツブルグへ帰ることになるが、途中のガルミッシュパルキンテンで食事のため小休止となる。
 ツアー客は適当に近所のレストランに向かっているので、こちらも広場近くのオープンテラスで昼食にしよう。
今日の昼食は、ポークソテーの赤ピーマンソース掛けにライスが添えられたものにする。
 赤ピーマンの酸味が効いて結構口に合うため、量がちょっと多かったが、問題なく完食だ。
 食事を終えるともう出発時間は間近なため、さっさとバスにもどり、ザルツブルグに14時前に戻ってきて、ミラベル広場で無事解散となる。
 解散後は広場そばのホテルに戻り、荷物を受けって次の目的地インスブルックに移動するため、駅に向かう。
ミラベル広場から中央駅までは大した距離ではないようだが、タクシーを使うには短いし、ある国はちょっとという感じのため、路線バスで駅に移動する。
 ザルツブルグからからインスブルックへ向かうルートはドイツ領内をショートカットする回廊列車と、南に大きく迂回しオーストリア国内のみを通過する2経路がある。
 所用時間は回廊ルートの方が圧倒的に短いのだが、景色としては南回りの方がきれいだと言うことで時間がかかるが南回りで向かうことにしよう。
 それに急いでインスブルックに向かっても今日はどこか観光に出られるほどの余裕はないし・・・・・

 ザルツブルグを14時20分に出発する各駅停車で乗換駅のビショフスホーフェンに向かう。
 乗車時間は1時間ほどだが、各駅停車のためこの列車にも一等車は連結されておらず、ちょっと窮屈な感じの二等車に揺られることにする。

乗換駅のビショフスホーフェンでは20分の待ち合わせで、グラーツ始発のインスブルク行きECに接続のはずだが、時間になっても列車がやってこない。
 ちょうどホームが工事中のためもあり、ほかの主要駅ではある行き先を示す電光表示板が無いため、本当に待っているホームが正しいのかを確かめるべき駅本屋のインフォメーションに何度か確認に行く羽目になる。
 情報では20分程度の遅れが発生しているだけで、ホームの変更とかはないようだが、いつまでたっても列車がこないので確認に行くたびに遅延が拡大しており、いつ列車がくるのか全くわからない状態だ。
 結局列車は40分遅れで到着となったが、無事列車に乗れて一安心。
 この列車はECのため当然一等車が連結されていることから、一等コンパートメントに席を確保させてもらう。
 ただこの列車のコンパートメントは通常6人席のところを4人席になっており、作りが豪華なようだ。
(帰国後調べたら、たまたま陣取っていたコンパートメントはビジネスコンパートメントで別料金が必要な様だったが、車掌さんは検察の時にとくに注意する事もなく、予約が無いのでそのまま使わせてくれたようだ。)
 列車の方はきれいな風景の中を順調に進んでいくが、遅れのは方は引きづったままで、特に回復運転をしている様子は無い。
 インスブルックまでの中間地点である、ツェルアムゼーは線路そばにきれいな湖が広がっており、途中の車窓は抜群だ。
 ちょつと時間が早いが食堂車が連結されていることもあり、早めの夕食にさせてもらうが、食堂車はガラガラだ。
 今日の夕飯はニンニクのスープと子牛の煮込みチューリッヒ風にさせてもらう。
 いつも思うことだが、流れゆく車窓を眺めながら食べる食事は格別だ。
 列車の方は結局インスブルックまで遅れを回復できず、8時前にインスブルックに到着なる。
 今晩の宿は駅からあまり離れていないはずだが、地図がいい加減なため、ちょっと迷ってしまい15分ほど市内をうろうろする羽目になってしまった。