2006年 9月17日 5日目 Jungfraujoch観光、Zematt移動

 
 この日も天候は相変わらずで、昨日に比べれば多少小降りになっているものの、雨は上がりそうにない。
 本日はユングフラウヨッホに上がってから、ツェルマツトへ移動なのだが、この天候ではアレッチ氷河は見られそうにないな。

 朝食を取った後荷物をまとめて駅にむかうが、重い荷物を持って移動するのは大変なので、ライゼケベックで荷物だけツェルマットに送ることにする。
 本日中に荷物を到着させるにはちょっと高いエキスプレスサービスを使う必要があるが、重い荷物を持ってユングフラウヨッホに上がるのはちょっとつらい。
 経路が多少複雑になるためか、荷物の到着は本日の21時頃になるとのこと。
 寄り道していく我々でも19時前に到着するのに、荷物の方が遅くなるのはちょっと納得がいかない。

 荷物を預けたら、昨日と同じ時刻のWABの列車に乗り込みクライネシャイデックををめざす。
 途中天候の回復を期待したが、昨日よりは多少ましと言う程度で回復は見込めない。
 クライネシャイデックでJB(ユングフラウ鉄道)に乗り込み、一路ユングフラウヨッホを目指すが、かなり気温が低く結構寒い。

 JBの列車は途中のトンネル区間が長いので、登りの時のみ途中のアイガーヴァントとアイスメーアに停車して、外の景色を見られる様になっているが、見晴らしはききそうにない。
 列車の方は車内にディスプレイが設置されており、各国語で案内が流れるが、発車前の起動画面がWindows2000だったのがちょっと意外だった。
 クライネシャイデックを出発すると、しばらくは地上区間を走り、最初の停車駅アイガーグレッチャーで荷物の積み卸しをした後はずっとトンネル内の走行となる。

 最初の休憩地点であるアイガーヴァントで列車から出てみると、まるで冷凍庫の中のように寒い。
 とりあえず窓のそばまで行ってみると、外は雨が雪に変わっていた。
 かなり寒いとは思っていたが、この様子だと頂上は氷点下なのは間違いないが、どのくらい寒いのか想像も付かない。

 アイガーヴァントの次はアイスメーアで再度下車するが、気温の方はさらに下がっているのが実感できる。
とりあえず窓際に行ってみるが、見えるのは吹雪ばかりで景色は全くわからない。
このときこの列車に乗ってい韓国の団体さんが大挙押し寄せ、外を見ていた義母のバックパックの上に手を置いた時は戦闘態勢ONとなったが、別にスリというわけではなく、ただなれなれしいだけだったようだ。
 ただ、この列車にこんなに韓国人が多いのに気が付かなかったが、相変わらず騒々しいことこの上ない。
 再度列車に乗り込み、終点ユングフラウヨッホを目指す。
 クライネシャイデックから約50分で無事ユングフラウヨッホに到着。
以前はここで高山病の気配があったが、今回は比較的標高の高いグリンデルワルドに宿泊していたためか兆候は全くない。
義母も妻も全く問題なく、いろいろ心配していたがとりあえず大丈夫のようだ。

先ほどの団体さんはさらに上のスフィンク展望台に向かったようなので、こちらはかち合わないように氷の宮殿から見て回ることにしよう。
実は前回来たときに私も見ていなかったので、どんな場所かよくわかっていなかったが、氷河をくりぬいて中を通れるようにしてあるのがなかなかおもしろい。
各所に氷の彫像が配置されており、いろいろ遊べる様になっているので結構飽きない。
義母も妻も喜んで居るようで、いろいろなところで写真を撮りまくる。

氷の宮殿を堪能した後は、一度外に出てみるが、外は相変わらずの吹雪のようだ。
でも9月に雪を見られる機会などそうそうないことから、妻と義母も景色は見れないが、大喜びだったので上がってきた甲斐はあったようだ。

 一度、中に戻りロビーで暖をとるが、なにやらスイスには似つかわしくないラーメンの香りが漂っているような?と思ったら、なぜか韓国の辛ラーメンが売られていた。
 正直何でこんなところで?とも思ったが先ほどの団体さんの様に最近は韓国人も結構スイスにくるようになったためでしょう。

 ロビーでちょっと休憩したのち、さらに上となるスフィンク展望台に上がってみる。
 直通エレベーターに乗り込めば数十秒で標高3571mの展望台に到着。

 外の気温はこのとき−3C゜で、再度外に出て写真を撮るが、風が強くいつまでも外にいられないので早々に中に引き返すことになる。
 このとき一緒に外にいた高校生くらい一団は元気いっぱいで、薄着の上に雪の中を転げ回っていても平気なようで、見ているこちらがさらに寒くなってくるのだった。

 エレベーターでロビーに降りて、帰りの列車まではコーヒーで暖をとることにする。
 途中一服のため二人と別れ、喫煙所に行って戻ってくると、二人が買い物しようとしたときに先ほどの韓国人の団体の中のおばさんがいろいろやらかして、売店の女性をマジギレさせていたことを聞いた。
 二人に韓国人に間違われなかったか聞くと、どうやらこちらの人も結構区別がつくようで、別に不愉快な思いはさせられなかったようなので一安心だ。
 
下りの列車に乗り込むと我が家の居眠り姫様(女王様の方が適当かな?)は相変わらず外が見えないとの事で早々にお休みモードに突入している。
 義母の方はその辺どん欲なようで、なんでも見ておこうというということで、列車に乗っていてもほとんど居眠りする事は無かった。

 クライネシャイデックでラウターブルネン行きに乗り換え、昨日ミューレン行くときに乗ったルートで山を下る。

 ラウターブルネンでBOBの列車に乗り継ぎ、途中で本来なら今日乗っているはずだったシーニゲプラッテ鉄道を横目に見ながら、インターラーケンオスト駅に到着。

ここで若干の乗り継ぎ時間が合ったため、駅前の売店で昼食用のホットドックわ仕入れ、次の乗り換え駅となるシュピーツ方面に向かうICに乗り込む。
 インターラケーンオストからシュピーツまでは20分ほどで到着だが、シュピーツでのブリーグ方面への乗り継ぎが悪く、こちらの到着直前にブリーグ行きが出てしまうのは、前回と同じだ。
 次の列車まで1時間ほどあり、二人に寒くない待合室で待ってもらっている間こちらはいつもの撮影タイムとなるのだが、雨降りのため光量が足りず、余りよい写真は撮れずじまいだった。
 
 
 1時間ほどの待ち合わせの後、ブリーグ方面へ列車に乗り込み、車内で先ほどのホットドックをほおばりながら、ブリーグを目指す。
 この区間は私鉄のBLSの区間となるが、葛折りで峠を越えてブリーグ側ででは渓谷に沿って走るためスイスの景勝路線の一つだが、近々この区間を一気にトンネルで抜ける路線が開業するらしく、このすばらしい車窓が見納めになる日も近いようだ。

 峠の長いトンネルを抜けると先ほどまでの悪天候がずいぶんと回復してきており、薄日が差してきている。
 アルプスの南側はどうやら天気が良いようで、これなら明日のマッターホルンは大丈夫かもしれないとの期待も膨らむ。
 
 ブリーグでは一度駅前に出て、ツェルマットに行くMGB(マッターホルン・ゴッタルド鉄道)の乗り場に向かう。
 ホームには2本の列車が停車していたが、先発の列車は氷河急行のため指定券のいらない後続の普通列車でツェルマットに向かう。
 車内では特段変わったこともなく、全員車窓を楽しみながら一路ツェルマットを目指す。
 列車の方は途中ラックレール区間を抜けながら、渓谷に沿ってツェルマットに18時過ぎに到着。
本日の宿は駅前の道をまっすぐに進んで、マッターフィスパ川のほとりにあるアドミラルに宿泊する。

 ここの宿からはマッターホルンがよく見えて、さらに部屋の前をゴルナークラードバーンの路線が通っている鉄向きの部屋である。
 荷物の到着が21時頃なので先に夕食にするが、ここのところ義母もこちらの料理にギブアップ気味のようなので、確か以前来たときに日本料理の店が有ったはずだと思い、記憶を頼りマッターフィスパ川沿いにある日本料理屋FUJIに行くことにする。

 店の方は問題なく見つける事が出来たのだが、外見は日本料理屋なのにずいぶんとチャイニーズが混じっているような?
 ひょっとするちゃんとした日本料理屋では無いのではとの疑念も浮かぶがここまで来たらしようがないので、店に突撃することにする。
 内部は鉄板焼きの店と行った趣で、外見ほどチャイニーズが入っておらず、ちょっと安心するが、応対してくれた料理人の方は一見すると日本人のようだが、日本語が分からないようだ。
 ここの経営は日本人ではないのかなと疑念を抱きつつメニューを見ているとその中に「JAP」の表記があり、その疑念は確信に変わった。
 普通このような場合は「JPN」ではなく「JAP」と書くのではないのだろうか?
 日本料理屋なのに蔑称を表記するのはいかがなものだろう。
 この表記を見た瞬間にここではとんでも料理が出てくるのではと警戒心が頭をもたげるが、とりあえず私は定食のツナステーキ、妻と義母はJAPヌードルと有ったのでうどんだろうと判断して、それぞれ注文する。
一応ビールはキリンの一番絞りが有るようなので、妻はそれもチョイスしたようだ。

 店内はそれなりに現地の人が入っており、鉄板を囲んだカウンター席は適度に埋まっている。
 ここの売りは鉄板でのパフォーマンスのようで、料理人が派手なアクションで料理をしている。
 しばらくすると鉄板で塩焼きそばが調理されているなと思っていたら、うどんかと思ったヌードルとは、焼きそばのことであったようだ。
妻と義母は思っていたのと違った料理にちょっがっかりしたようだが、こればかりはしようがない。
 でもJAPヌードルと書いてあって焼きそばが出てくるのも納得がいかないな。
 私の方はとりあえずかっぱ巻きが出され、その後はツナステーキの調理となるが、焼き方を聞かれて思わずミディアムと条件反射で答えるが、よく考えたら魚なのでウェルダンに変更してもらう。
 出された料理のほうはとりあえず問題ないようだが、御飯の器が茶碗ではなく、お椀なのが気にかかる。
 海外の日本料理屋は日本人ではないケースも結構あると聞いていたが、どうやらここはその様な店のようだ。
 食べ終わるとそろそろ荷物の引き取り時間のため、そそくさと店を後にし、駅に向かう。
 駅で荷物を受け取れば、ホテルに戻り今日の行動は終了となる。

 明日はマッターホルン観光だ。