2006年 9月22日 9日目 Milano移動日

 本日はレーティシュバーンのベルニナ線に乗って、イタリア側に抜けてミラノを目指す。
 相変わらず朝のサンモリッツは霧が深く立ちこめているが、少し離れれば晴れるだろう。

 本日もスイスパスが切れていることからミラノのまでの切符買うが、異常に安いなと思ったら3人分と言ったのに1人分だたったためあわてて買い直す。
 今回は3人での移動のため、昨日とは異なり一等車に陣取る。

 9時頃の列車でとりあえずベルニナ峠のイタリア側となるアルプ・グリュムを目指が、ベルニナ線の車両をそのうち模型で再現したいと思ったことから発車前に資料となる写真を撮りまくる。
 今回も見晴らしの良いアルプ・グリュムで途中下車してパリュ氷河を見物していくことにしよう。

 サンモリッツを発車するとしばらくは牧草地や森林の中を進んでいくが、高度が上がるにつれてだんだんと荒涼とした風景に変わっていく。
 ベルニナ峠のあたりではレイネイル、ラーゴビアンコと湖の脇を進み、ガイドブックの受け売りであるが湖の名前の由来などを二人に説明しながらガイド役に徹する。
 
 
 
 サンモリッツから1時間ほどの乗車で10時過ぎに、アルプ・グリュムに到着。
 駅の中が雑然としているなと思ったらティラノ側の区間で線路の付け替え工事の真っ最中で、色々な重機がうなりをあげており静かな山中の雰囲気が台無しであった。
  まあ工事用列車が停車していたりしたのはちょっとラッキーと言うことで、こちらの列車も適時写真を撮っておくことにしよう。
 駅からはパリュ氷河が見えるのだが、5年前に比べると短くなっているような気がする。
 これも温暖化の影響なのだろうか?
 
 しばらくは駅のベンチに腰掛けて氷河を眺めたりしながら過ごし、適当なところで駅舎に併設されているレストランでお茶をしていくことにしよう。

 本来なら1時間後の後続列車でティラノに向かっても良いのだが、ミラノ行きとの接続を考えてさらに1本後の列車で出発する事にして、駅に到着する列車の写真を撮らせてもらうことにする。
 ただ、駅のティラノ側は工事をしていたため、重機が写ってしまうのは残念でならない。
 
 
 
 12時の列車でティラノに向かうがこの列車はベルニナ急行だったため、指定券が無くても乗れる電動車の1等室区画に席を確保する。
 パノラマ車も眺めはいいのだろうが、窓が開けられないので個人的にはあまり好きではない。
 アルプ・グリュムを出発すると、葛折りで一気に400m高度を下げるが、車窓にこれから通る線路が見えるのはやはり楽しい。
 途中適時窓を開けて後方の編成を入れて写真を撮るが、パノラマ車でも窓が開けられる車端のあたりでは結構、身を乗り出して写真を撮っている多い。
 
 列車は順調に進み、ポスキアーボ湖畔を抜けるとこの路線の最期のハイライト、ブルジオのオープンループを通過する。
 ここではわがまま言って妻にデジカメを持って貰い動画モードで撮影してもらうが、撮影に夢中で景色を見られなかったらしいので、かなりかわいそうな事をしてしまったと反省する。
 
 
 
 その後は順調に進み、13時前にイタリア領となるティラノに到着。
 駅の外に出るのにはパスポートコントロールを通過する必要があり、二人とも陸路でパスポートを見せるのは初めての経験なので、ちょっと不思議な感じがしていたようだ。
 
 さてここからはミラノ行きの列車に乗れば後は一本だが、発車までは時間があるのでイタリア国鉄駅に併設されているカフェテリアで昼食をにする。
 さすがにイタリアに入るとスイスほど物価が高くないのでホッとする。
 食後は私が荷物番をしている間二人には町の中を見てきてもらうが、小さな町の上観光地と言うわけでもないので戻ってきてしまった。

 入れ替わりに今度は私が散策に出るが、それほど見所がないのはこちらも同じで駅構内に停車中の列車の写真を撮ったりして過ごすが、イタリアは基本的に鉄道施設の撮影が禁止のため捕まらないうちにやめておくことにしよう。

 2人に合流すると後は列車の到着までベンチで過ごすが日差しが強く、南欧に来たとの実感が湧いてくる。
 構内には他に1人旅らしき日本人の女の子がいたが、さすがイタリアの軟派男が放っておく訳はなく、いろいろ話しかけられていたがまんざらではなさそうだった。

 15時過ぎの列車でミラノに向かうが、スイスからイタリアに入ったとたん列車がずいぶん汚れているようだ。
 一等車なのにシートは薄汚れていて車内も非常に埃っぽい。
 妻の方もそれまでのスイス清潔さと比較してとたんに評価が厳しくなる。

 ティラノからは途中風光明媚なコモ湖のほとりを抜けて、直通列車で約2時間。
 17時過ぎには無事ミラノ中央駅に到着。

 今晩の宿は地下鉄で一駅のレップブリカ駅が最寄り駅のため地下鉄で移動するが、地下鉄構内は治安が悪そうと言う印象を受ける。
 とりあえず切符を購入して地下鉄に乗り込むが人が多いので義母もはぐれないようにかなり必死な様子だ。
 地下鉄の乗車は1駅だがここで一つの疑問が浮かぶ、ヨーロッパの地下鉄のドアは自分でスイッチ操作して開けるタイプが主流だが、この列車はどうも勝手が違うようだ。
 ただ、ドアの脇に赤いレバーは有るのだが、一見すると非常用のドアコックのようにも見える。
 下車駅について操作せずにボケッとしているとドアが開かないかもと、いろいろと想像を巡らすが結局は駅に着いたら自動でドアが開いて一安心。
 中途半端に知識があると思わぬところで悩むことになる羽目になる。
 
 宿の方は駅から歩いて5分強のチェルボだが、バウチャーに書かれている地図がいい加減でよくわからない。
 とりあえず二人に駅出口で待機していてもらい、一人でホテルの場所を確認しに行くことにするが地図にマーキングされているあたりはかなり大きな雑居ビルといった趣でどうもホテルが有るような雰囲気ではない。
 裏通りにも回って見たりしてみるがどうもそれらしいホテルが見あたらない、仕方がないので通りすがりのご婦人にバウチャーを見せて教えてもらったあたりに行ってみても結局見つからずじまいでだいぶ焦りが見えてくる。
 住所の番地を頼りにさがしても大きくはずれていないようでどうもおかしい。
 仕方がないので大通り反対側のさらに1本奥の大通りまで捜索範囲を広げることで何とかホテルを発見するが、結局地図と通りが2本ずれているのが原因だったようだ。
 急いで駅まで戻り、二人と合流するが時間がかかったのでだいぶ心配を掛けてしまったようだ。

 なんとかホテルにチェックインして部屋に荷物を置くが、スイスで泊まっていたホテルに比べるとずいぶん落ちる。
 
 少し部屋で休んだ後、夕食を食べに駅の方まで行ってみるが、結局めぼしいレストランがなんったことからホテルのレストランで夕食にする。
 食後はホテルのそばにスーパーが合ったことから飲み物等を仕入れた後は、それぞれ部屋で休むのだった。

 さて、明日はミラノ市内の観光をした後、夜の飛行機で日本に帰国だ。
 2泊余計に泊まっていく二人がかなりうらやましいが、こればかりはしょうがないか