2007年 6月9日 14日目 ストックホルム観光1日目

 昨夜は船上ホテルに宿泊したため、揺れで眠れないかと思ったが、横になってしまえば揺れはほとんど感じずにぐっすり眠ることが出来た。
 時差ぼけも完全に解消して、朝早く起きてしまうこともなく、朝食を取った後9時頃から行動を開始する。
 最初に博物館などに入れるストックホルムカードを購入する必要があるが、ホテルで売っているか確認したところ駅で購入してくれとのこと。
 早速ガムラ・スタンの駅に向かい窓口に行くと駅員はいるのだが、今は対応していない時間のようでなにやら表示をを指さして、奥に行かれてしまった。
 さて、こうなってくると中央駅のインフォメーションで購入する事になるが、まずこの駅には自動券売機が無いようだ。
 さらに駅員にも対応してもらえないので切符の購入が出来ないし、無理矢理構内には入れそうだが抜き打ちの検札があった場合高額の罰金を請求されるのも怖い。
 そもそも正規運賃を払っても1駅なのに30クローネ(約600円)もするし、その切符自体が買えないことから、ここは節約を兼ねて隣の中央駅まで歩いていってみることにしよう。
 中央駅まではダラダラ歩いて15分ほどで到着、インフォメーションがどこかわからないので構内で案内をしているらしいSJの女性係員にカードを買いたいことを伝えるが、ストックホルムカードと言うところを誤ってコペンハーゲンカードと言ってしまい、思いっきり「?」と言う顔をされたが、事情がわかって笑われてしまう。
 言い直して場所を聞くと地下のSL(ストックホルム地域交通)のインフォメーションで売っているらしいのでそちらに向かい、無事24時間券を購入する。

 さてカードも無事手に入ったしこの後はこれで観光し放題のはずである。
 まず最初は中央駅からほど近いストックホルム市庁舎に向かうが、ここはノーベル賞の晩餐会会場に使用されることで有名だ。
 受付に行くとすでに10時のガイドツアーは動き出したようだが、まだ始まったばかりなので急いで混ぜてもらう。
 ガイドツアー自体は英語とドイツ語ともうもう一カ国(どこだか失念)で日本語のツアーは無い。
 この後は30分語の中国語ツアーのためこれに入らないと中国の団体さんと一緒になってしまう。
 正直あの騒々しい人たちと一緒なのはご免なので助かった。
 
 ガイドはこれぞ北欧と言った感じをうける知的な女性で、妻も姿勢が良くて格好いいと感心していた。
 英語も結構聞き取りやすいので、私も完全ではないが単語を追いかけて何とか断片的ながら内容が理解できる。
 最初の部屋はブルーホールでいきなり核心部分から入るようだ。
 ここがノーベル賞(平和賞を除く)の晩餐会会場かと思いつつレンガ色の赤い部屋なのになぜにブルーホールかと思ったら、当初は青で塗る予定だったが、レンガの赤色が見事なので変更になったとのことである。
 後でどのような色にするか色見本のようなものの説明ががあったが、それを見た限りでは塗らなくて正解だったように思える。
 その後は議会堂やその他の部屋を見るが、部屋の名前は失念した。
 中には結婚式を挙げる部屋もあるのだが、土曜日にはものすごい数のカップルが式を挙げるらしい。
 そんなに捌ける物なのかと思っていたら、こちらの結婚式は3分で終わるらしい。
 誓いをたてておしまいと言う感じらしいので、そんな物で終わってしまうようだ。

 最後にノーベル賞受賞パーティーの舞踏会が行われる黄金の間を見てガイドツアーは終了だが、黄金の間の女神の絵だけが部屋のイメージに合っていないようなデフォルメされた絵であったのが個人的にはちょっと残念。
 ガイドツアーも無事終了し、この市庁舎で島津製作所の田中耕一さんが受賞したのかと同じエンジニアとして感慨にふける。 
 市庁舎を後にすると中央駅に戻り、地下鉄でガムラ・スタンに向かう。
 この後は王宮で衛兵交代式を見ようと思うが、時間としてはちょっと中途半端なので先に昼食を食べてから向かうことにしよう。
 駅から王宮に向かう坂道の途中にちょっとしたレストラン街があるので、比較的リーズナブル場所を探して昼食をとる。
 食後は交代式まで余り時間が無いことから急いで王宮に向かうがちょっと出遅れたらしく、かなりの人手でまともに見られそうもない。
 仕方ないので後ろの方から見学するが前に人が多すぎでまともら見られそうに無いなあ。
 そのうち軍楽隊の先導で交代の衛兵がやってくるが、まともに見られないようなので明日改めて場所取りを行うこととして、今日はさっさと他の場所を見に行くことにしよう。
 王宮正面の王族の居室は式典の真っ最中だから近づけないので、王宮の正面右手にある宝物の間を見学しに行くことにしよう。
 側面に回り王宮に沿って歩けば入り口らしき場所はすぐにわかったが、どうも扉が閉じられて入れるような気配ではない。
 今日は見学させていないのか?と思いいつさらに裏手に回っていくと、湖に面した当たりにスウェーデンと中国の国旗がはためいている。
 どうもいやな予感がするが、この感じだと中国の要人が来ているのか?だとすると王宮は警備で入れないかしれない。
 実はストックホルムカードは高額で1日券で270クローネもするため、今日1日で有料の所を回って、明日は無料の所を見学する作戦でいたが、思いつきりもくろみが崩れてしまった。
 とりあえず王宮の他の見られるところは開いていないか確認するため、さらに進んでいくと丁度衛兵交代の一団が進んでくる。
 着ている制服は水兵用と迷彩服で、衛兵専用の制服はないようだ、さらに迷彩服を着ている人たちの年齢がかなり高いのが気にかかる。
 それに対して水兵は若い兵士が多いことから、陸軍では若い兵士は最前線でベテランが衛兵にかり出されるが、海軍では経験の浅い若い兵を衛兵にさせているのではと解釈する。

 今日はの天候かなり暑く、北欧だというのに汗だくで熱中症になりそう。
 衛兵の方も暑さにばて気味のようで、水のタンクと紙コップを持った兵士が巡回し、適時水分補給を行っているのだが、その様子もなにか仰々しいのがおかしかった。。
 兵士の中には立派な口ひげを生やしたこれぞバイキングの末裔と言った風貌の兵士がおり、密かにグスタフ君と命名。(スウェーデン人の名前はこれしか知らん。)

 王宮の周りを半周して、グスタフV世のアンティーク博物館までくるとやっと開いているようで、内部の見学に移るが余り大きな施設ではないためあっという間に見学が終わってしまう。
 さらに進んで王宮博物館に行ってみるとこちらは開いていないようで、今日は王宮がらみの見学は無理だとあきらめ大聖堂の方に言ってみることにしよう。
   
 大聖堂は王宮の斜め前のため元来た道を戻っていると、コペンハーゲンで見かけたTVクルーを再度発見。
 ここでまた遭遇するとは思っていなかったが、邪魔をしないようにその場を後にする。

 大聖堂に到着し中に入ると意外と見所が多く、しばらくゆっくりと見て回ることにする。
 黒檀の祭壇やセントジョージと龍の彫像などなかなか興味深く見学してから教会を後にすると、丁度交代式を終えてきた軍楽隊がパレードしながら大聖堂の前にやってきた。
 どうやらここで演奏が終了となるようだが、最後の反省会も同時に行われるようで、ホルンの奏者に指揮者がなにやら注意されているが、そのやりとりが何となくおもしろかった。

 さてこの後はどうするか悩むところだが、大聖堂のすぐ隣にノーベル博物館があるのでそちらを覗いてみるが、歴代受賞者の紹介やパネル展示がメインのため、さらっと見てしまえばそれほど長居をしそうな所ではない。
 ただ、ここのカフェではノーベル賞授賞式の晩餐会で出されるデザートのアイスが食べられることから後で食べにくることにしよう。
 
 ガムラ・スタン近辺の観光は後は明日に回すことにして、ユールゴールデン島にあるヴァーサ号博物館に向かうことにする。
 博物館まではフェリーか市電で向かうことになるが、フェリー乗り場がよくわからない。
 仕方ないので市電の乗り場を探すが、意外と停留場の間隔が長く、強い日差しの中汗だくになりながら何とか市電乗り場を発見するが、ずいぶんと目的地に近いところまで歩いてしまったらしい。

 しばらくしてやってきた市電にカードで乗車するが乗ったのは停留場で3つほど隣のため3分程度下車となる。
 それでも停留場を一つ行き過ぎてしまったようだ。
 
 また歩いて戻るが、公園の中のためまだ日陰が多いのが助かるが、ここで暑さのため妻が音を上げてしまう。 
 本人曰く「足の裏がピキピキする。」とのことなので、日陰のベンチでしばらく休憩していくが、妻の方は靴まで脱いで本格的に休むようである。
 確かに靴を脱ぐと楽かもしれないが、私の方はここのところ蒸れるのか足から発酵臭がすることがあるので、ここで私が脱ぐとバイオハサードになるかもしれないのでやめておく。
 しかし、こちらの人は日光に飢えているのか、芝生の上で水着になって日光浴している人が結構多いのに驚く。
 我々はすでに日焼けしたくないので日陰の方を好んでいる状態だが、ドイツより北に来るほど暑くなって薄着になっていくのが信じられない。
 北欧は涼しい物と思っていたので、長袖しか持ってこなかったとをちょっとだけ後悔する。 
 しばしの休憩で妻の方も復活したことから、博物館の方に移動する。
 館内は冷房が効いて薄暗いことから最初からここで休憩していれば良かったとちょっと後悔する。
 肝心のヴァーサ号の方は思ったより大きく、なかなか美しい船である。
 ただ、船首の造形はカブトムシの角の様に張り出しているのが新鮮で、このようなスタイルの船は初めて知った。
 
 このヴァーサ号17世紀に建造された現存する完全船としては世界最古とのふれこみであるが、処女航海に出発した直後ストックホルム湾内で突風を受けて横転沈没という何とも情けない経歴の持ち主でもある。
 横転の原因はトップヘビーによる重心の悪さと言われているが、私が見ても船の大きさに大して喫水線が低い印象を受けることからバランスは確かに悪そうだ。
 1960年代に引き上げられてここで展示されているとのことだが復元作業は難航を極め世界最大のジグソーパズルと呼ばれたらしい。
 戦艦の割には結構装飾が施されていて、船の後部には立派な像が多数配置されているのはきれいなのだが、戦闘艦としては不要な様に感じられる。
 
 ヴァーサ号の見学を終えると博物館裏からフェリーが出ているので、そちらを使ってガムラ・スタンに戻ることにしよう。
 やってきたフェリーはルート図を見るとこのあたりを巡回しているようなので、迷わず乗船するがどうも路線図と違うところを運行しているような気がする。
 結局フェリーは南側のセーデマルム島にあるヴァイキングラインの乗り場近くに停泊している大型客船への連絡用だったらしく、再度博物館前を経由してベルツェリー公園前のフェリー乗り場で船を下りる。
 乗船中は昨日の良いがまだ残っているらしい妻はかなり辛そうだったが、昨日の電車酔いが翌日のフェリーにまで影響するのはにわかには信じられない。
 フェリー乗り場を後にして王宮近くのノーベル博物館へアイスを食べに向かうことにしよう。
 途中の道路は規制線がはられ、車の乗り入れが出来ないようになっており、まもなく要人が到着するのだろう。
 博物館へは無事到着し、早速カフェに行くと館内では無く、なぜか裏側の大聖堂との間にあるオープンテラスに案内された。
 目的のアイスは問題なく注文でき、やってきたアイスにはノーベル賞のメダル型チョコレートが付いていた。
 味の方は甘さ控えめでさっぱりしておりアイスクリームというよりシャーベットと言った感じた。
 
 アイスを堪能してさてこの後はどうするかと思ったが、妻が中央駅北側のヒョートリエットで見たい店があるとのことなので、そちらに向かうことにしよう。
 再度ガムラ・スタン駅にむかい地下鉄で2駅のヒョートリエットに向かう。
 目的の店はすぐに発見できたが、どうも思ったような品揃えではないようで結局何も購入せずに終わる。
 このままホテルに戻っても仕方ないので、ヒョートリエットから北側に向かって歩いていく事にしよう。
 途中雑貨屋があればおや下に良さそうな物が無いか覗いていくが、なかなか丁度良い物がない。

 結局地下鉄1駅分を北に歩き、ラドマンスガタン駅より地下鉄に乗るが、ストックホルムの地下鉄は確か素堀の状態の駅があったことを思い出し、ガイドブックをめくると10号線の駅にそのような駅があるらしい。
 中央駅で10号線に乗り換えて隣のクングスロードゴーデン駅のまで行ってみることにする。
 中央駅の10号線ホームに行くと、そこは写真で見たことのあるストックホルムの素堀の地下鉄駅となっていた。
 表面をよく見てみると吹きつけコンクリートが施されているようで、完全な地盤むき出しではないようだ。
 地下鉄に乗って隣のクングスロードゴーデン駅に行くと中央駅とはまたデザインが異なっており、1駅ごとに意匠を変えているらしい。
 しばらく構内をブラブラしていると、結婚式帰りの人がやたらと多いようだ。
 そういえば今日は土曜日だったか。
 旅行期間が長くなってきたので曜日間隔が完全に無くなってしまっている。
 10号線の地下鉄駅の見学も無事終わり、時間も結構遅くなってきたことから一度ホテルに引き上げることにしよう。
 地下鉄でガムラ・スタンの駅に戻りホテルには17時30分頃到着。
 丁度ホテルでは日本人のご夫婦がチェックインしてきており、ちょっとした雑談をしてから適当なところで夕食に出かけよう。
 最初はホテルそばのスタンドですまそうかと思ったが、メニューが現地語で全くわからない。
 そのままガムラスタンをブラブラ歩いて適当な所を探すが、レストランのあまりの高さに結局ファーストフードでの食事となる。
 食後はホテル戻り、後部デッキで橋を行き交う列車の写真を撮って過ごすが、夕闇が迫る頃になると気球が上空を通過していく。
 そろそろ10時になるのだが湖ではボートで遊んでいる人が多く、こちらの人のタフさには感心してしまう。
 
 さて明日もストックホルム観光だが、夜行列車での移動となるので荷物の整理をしておかねば。