2007年 6月12日 17日目 オスロ観光2日目

 本日はオスロ市内観光の後、夜行列車でベルゲンに移動する。
 本来で有ればオスロに2泊したいのだが、ホテルが空いていないのではしょうがない。

 今日はホテルそばの国立美術館からスタートするのであわてる必要もなく、かなりゆっくり動き出す。
 10時前にホテルをチェックアウトし、夕方まで荷物を預かってもらう。
 国立美術館はホテルから歩いて3分ほどなので、着いてもまだ10時前だった。
 しばらく美術館前で開館するのを待ち、10時ジャストに開館したので早速見学にも向かう。
 あわてて行くわけではないが、最初にムンクの叫びを見ておこうとムンクの作品が展示されている部屋に行くと、日本人ツアー客で叫びの前だけが黒山の人だかりとなっていた。
 これではしょうがないので、ムンクのそのほかの作品を見て回るが、ムンクの作品には意外とまともな絵も有ったんだ。
 
 しばらくすると団体さんがいなくなったので、目玉の叫びをじっくり見学させてもらう。
 不安感から叫び出したくなった心情を表現したとの事で、確かにそれは伝わってくる。
 他の作品では個人的にムンクの「マドンナ」が意外と良い感じに思ったが、やっぱり有名な作品だったようだ。
 そういえば、叫びは以前盗難に遭ったらしいが、今回見た限りでは他の絵よりも簡単には持っていけないようにガラスのカバーが掛けられていたっけ。

 ムンクを一通り見終わると、美術館のその他の絵を見て回ることにしよう。
 他の作家としてはゴーギャン、ピカソ、モネ、セザンヌなど有名どころが取りそろえられており、じっくり見させてもらう。
 基本的には絵に詳しくなので絵を見て誰の作品かわからないが、1枚だけどこかで見たことあるタッチだと思ったら、マドリードで見たエル・グレコの作品だった。

 少し早足で回った感じもしないが、最後に再度叫びを見てから、12時前に国立美術館を後にして、隣の歴史博物館に向かう。

 歴史博物館では親切な係の男性に色々教えてもらいながら見学となるが、古代の出土品など見ても正直よくわからない所をいろいろと資料を引っ張り出してきて説明してくれる。
 ものすごく親切にされたのですっとばして行くわけにも行かず、よくわからないがゆっくり見学していたら熱心な見学者と勘違いされて、さらに説明の嵐になって正直参ってしまう。
 親切でものすごく熱心なのは良いのだけど、余りよくわかっていない東洋人に熱く語っても無駄だということには気がつかなかったようだ。
 最後の方は王宮での衛兵交代もあるとこから、逃げるように歴史博物館を後にする。

 王宮での衛兵交代式は13時30分からなので、13時前には王宮にやってきたが、見学しに来ている人は意外と少なそうだ。
 どこで待てばよいのかわからないので、王宮前の銅像の日陰部分に腰を掛けて適当に待つことにしよう。

 そのうち式典用意が始まったのだが、正直見学者が少なくストクッホルムの時のように整理する人もいないようだ。
 どこまで入って良いのかわからないけど、とりあえず人が少ないことからあわてなくても問題なさそう。 
 そのうち王宮の脇にある衛兵詰め所前に交代する衛兵が整列を始める。
 整列する衛兵をよく見るとなかなかの男前揃いであり、ストックホルムよりも断然格好良いな。
 整列時の兵士の動きもキビキビしており、リズミカルな動きには魅了される。

 時間が近づくと、正面の通の方から軍楽隊が騎馬警官の先導で王宮に向かってくる。
 どういう進行で交代式が行われるのかよくわからないが、整理する人もいないので観客は邪魔にならない程度に周りに集まり見学しているようだ。
 結局交代式は王宮正面ではなく詰め所の前で行うことが判明したので場所を移動するが、出遅れても全く問題にならない程度の見学者なので助かる。

 交代式は順調に進んでいくが、正直余り期待していなかったのけれども、ここの軍楽隊のパフォーマンスはなかなか格好よくて見入ってしまう。
 小太鼓の奏者は片手を交互に上げるのだが、全員の位置が全く同じでタイミングも全く狂わず見事と言うしかない。 
 思った以上にすばらしい式典に見入っていると、城内を1台のセグウェイが通過していく。
 初めてセグウェイを見たと思いつつも、何事もないように普通に通過していくのにはちょっと違和感がある。 
 コペンハーゲンでは自転車の乗り入れが禁止だったが、こちらは堅苦しいことは言わないようなのも好感が持てる。
 衛兵交代式も30分程度で終了し、予想以上の内容に満足して王宮を後にする。
 この後はとりあえず食事と行きたいところだが、王宮の裏側の公園から外に出てため、食事が出来そうな店がない。
 この後はヴィーゲラン公園に行くので、トラムの乗り場近くのコンビニでホットドックと飲み物を仕入れて、12系統の市電で公園に移動する。
 
 トラムに乗っているのは停留所で5カ所ほどのため、10分もせずにヴィーゲラン公園前に到着。
 園内に入り、入口近くのベンチに腰掛けてちょっと遅い昼食にさせてもらう。
 公園には平日の昼下がりと言うこともあり、赤ちゃんを連れた若いお母さんが多い。
 ホットドックにかぶりついていると、雛をつれた雀が寄ってくるので、パンをちぎってほうり投げると、親鳥が雛に一生懸命細かくして与えているのが微笑ましい。

 食事が終わったら公園の奥に進み、有名にモノリッテンを見物することにしよう。
 今日も暑くて相変わらず、歩くときは日陰を選んで行かないと、熱中症で倒れてしまいそうだ。
 公園は結構奥行きがあるので、のんびりと散策となる。
 途中の橋の上には有名なおこりんぼう像があり、周りに人がいないのを良いことに同じポーズで写真を撮っておく。
 橋からモノリッテンにかけては無数の銅像が置かれているが、様々なポーズを取っているのに一切の説明とか題名がないので、作者のヴィーゲランは何を表現したかったのか想像を巡らす。
 ただ正直なところ意味不明なポーズが多いというか、ほとんどが訳がわからないポーズなので、凡人の感性では作者の意図は全く理解できない。

 丘の上に有るモノリッテンに到着するとここにもたくさんの銅像が配置されている。
 しばらく周囲の像を鑑賞するのだが、こちらの方はさらに訳がわからなさに拍車がかかっている。

 見学後は公園前の市電乗り場に移動し、そろそろホテルに戻って荷物を引き出すことにしよう。
 公園前の市電乗り場で電車を待っていると、中国人の3人連れから市庁舎に行きたいのだが、切符をどうやって買うのかと聞かれる。
 こちらはパスのため乗り放題なので切符の買い方はよくわからないが、ガイドブックをたより教えるがイマイチ伝わらない。
 他に停留所にいた人も観光客のようで分からない様子だ。
 停留所の販売機の使い方がどうしてもわからないようで、最悪でも運転手から変えることを教えたら、車内で買うことにしたようだ。
 市庁舎は12番系統なので、来た電車に乗ればそのままいけれるので、他の人が一緒に連れて行くこととなり一件落着となる。
 我々は王宮裏の停留所で一旦下車し、13番系統に乗り換えてホテル近くの停留場で下車する。
 ホテルに戻る前にそばにある雑貨屋を妻が覗きたいとのことなので、一寸寄り道しようとしたら先ほどの中国人の一行がいるではないか。
 あんたら市庁舎に行ったのでは無いのかと思いつつ、我々が最短ルートで来たはずなのに、先に到着していたことに驚愕してしまう。
 一体どういうルートでやってきたのかわからないが、自分のルート選定に問題が有ったのかとちょっと自信喪失となる。

 その後は雑貨屋で土産物を物色するが、鍋つかみを買いたくても適当な物が見あたらず、ここでも購入を見送ることななる。
 しかしそろそろ旅行も終盤戦にさしかかってきたので、この後は大都会もないことから、ちゃんと購入できるのかちょっと心配になってくる。

 雑貨屋を後にするとカールヨハン通りのカフェで休憩していくことにするが、最初に入った国会議事堂正面のカフェは店の人はいるのにいつまで経っても注文を取りに来ない。
 しばらくは待ってみるが、こちらの席のそばを通る気配もないことから、適当なところで店を変えることにする。
 2件目の店ではすぐに注文を取りに来るので、飲み物を飲んで、しばしの休憩だ。
 そのうちカールヨハン通りの奥の方からパレードの一団がやってくる。
 機能に引き続き、夕方になるとここでは毎日パレードをやっているのだろうかと思いつつ、店を後にして沿道でパレードを見物させてもらう。
 衛兵交代式の軍楽隊と比べると年齢層がかなり高そうな印象だが、行進の様子は統制が撮れており、さすがと言ったところ。
 ただ演奏している方は暑さもありかなり大変そうで、ホルンの奏者は顔を真っ赤にしてホルン左右に振りながら行進しており、今にもぶっ倒れそうだ。  

 パレードが通り過ぎたら、ホテルに戻り荷物を受け取って一度中央駅に向かうことにしよう。
 時間はまだ6時過ぎのため、夜行列車の出発までは5時間もあることから、中央駅のロッカーに荷物を預けたら、市電と地下鉄の様子を見学するべく、適当なところまで乗ってみることにしよう。
 最初は外を通る市電の方を明るい時間に乗りたいので、駅前の市電乗り場から18系統のLjabru行きに乗り込んでみる。
 市電はしばらくは市街地を併用軌道で進んでいくが、そのうち海沿いの高台を専用軌道で走るようになる。
 一番高い地点と思われるJomfruatenと言う停留場で降りて、海が見える方に行ってみようと企んだが、どうも道がないようなのであきらめて次の市電で中央駅に戻るる。
 
 市電で中央駅に戻るともう19時過ぎになっており、停留場のそばに地下鉄の入り口があったのでそのまま地下鉄乗り場向かう。
 中央駅の地下鉄乗り場はホームが広いのが印象的だが、照明がちょっと暗い気がする。
 やってくる電車は2両と4両だったが、ホームの長さに対して短いようだ。
 何本か見送って2号線の電車に乗ってみると車内は横幅は広い感じがするが、天井が低い印象を受ける。
 照明が何となく暗いのは駅と一緒だが、落書きが結構多く、薄汚れた印象が強い。
 何となく治安があんまり良くなさそうな印象だが、主内は適度に人も乗っているので特に心配はないようだ。
 
 とりあえず4駅ほど乗ってみて戻ろうかと思ったが3駅目で地上に出たので、こちらで下車して明るいところで車両の写真を撮らせてもらうことにする。
 降りた駅はEnsjoと言う駅で、ホームの外れに跨線橋が有ることから、ここで列車を2本ほど撮影して中央駅に戻ることにする。
 まだまだ周りは明るいが、だいぶ日が傾いたようで日中に比べると気温が下がってだいぶ過ごしやすくなってきたのが助かる。
 ホームで列車を待っていると、線路が砂で埋もれ気味なことが気になった。
 地下鉄なのに滑り止めの砂をまくのかもしれないが、地下でまいたら大変なことになりそうだけど大丈夫なのだろうか?
 
 中央駅に戻ったら、構内のインド料理屋でカレーを注文して夕食だ。
 カレーの方はちょっと甘口なのとライスが長粒米なのでパサパサした印象を受けるが、ここのところパンばかりだったので、久しぶりのお腹に貯まる食事をしたという満足感があった。

 食後は構内で時間を潰すが、私の方は相変わらずホームに行って写真を撮らせてもらうことにする。
 列車の出入りは結構多く、空港連絡列車などは最新の車両を導入しているが、近郊型の主力は正面が2枚窓のBM69系ばかりだ。
 ただ前に見た写真では暗い赤1色の塗装だったのに、塗装変更を行っているようでスカーレットとシルバー、ダークグレーの塗り分けに変わっている。
 正直なところ第一印象はウルトラマンみたいで個人的には前の方がシックで良かったように思える。
 まだまだ旧塗装の編成も有るため新旧ともカメラ納めることは出来たが、近いうちに旧塗装は完全になくなってしまいそうだ。
 
 22時前には列車がホームに入線したので、発車まで1時間以上あるが車内に移動させてもらうことにしよう。 
 列車の方はスイスRe460と同型のClass18型が先頭に立ち、寝台車3両、食堂車、座席車3両の7両編成となっていた。

 寝台車に乗り込み我々の個室はすぐに見つかったが、入ろうとしても鍵がかかっており内部に入れない。
 困ったなと思っても周りでも同様に入れない人が廊下にあふれている。
 まだ検札にはこないのかと思ったら、隣の食堂車に車掌さんがおり、そこで検札を受けて鍵が受け取るシステムだった。
 無事、鍵を受け取り中にはいると新型車のため室内はきれいで、一泊するには十分な広さだ。
 列車は定刻の23時11分に出発し、明日の朝の7時前にベルゲンに到着する。
 本当ならオスロ〜ベルゲン間は車窓がすばらしいらしいので、昼間に移動したかったがこればかりは仕方がない。
 今回もおとといに引き続き妻が上段を使用し私が下段を使わせてもらうが、窓際にはテーブルのような台があって外を見るのには不向きな構造のようだ。
 今日はシャワーの無い列車なので、出発してしばらくしたらさっさと寝ることにしよう。
 明日は一日ベルゲンの観光だ。