2009年 7月7日 5日目  Bodo移動日

 
Narvik市庁舎前広場
鉄道連絡バス

 本日は7時の鉄道連絡バス(Tog Bus)でOsloからの鉄道の終点となるBodoに移動して、夜行列車で南に移動する。
 本当なら全部列車にしたいがNarvikはノルウェーの鉄道網と接続していないので仕方がない。
 まあこのバス路線も定番のコースなのでたまには長距離バスも良いでしょう。
 
 昨日の就寝がちょっと遅かったため朝起きるのがつらいが、5時過ぎに動き出す。
 メールなどを送るため昨夜ホテルの受付でもらった無線LANのアクセスコードでアクセスポイントに接続しようとするが、どうもうまく繋がらない。
 どうもパソコンの無線LANの調子が良くないようでいろいろと設定を変えてみても一行に繋がらない。
 メールチェックだけでも思ったが困ったな。
 ちょっと対策を考えいると持参しているEMONSTER(S11HT)にルーター機能が有ったことを思い出した。
 S11HT経由でアクセスするとあっさり接続できたので、無事用件も終了。

 6:30頃ホテルをチェックアウトし、ショッピングセンター裏のバスターミナルに向かうがそばには昨日写真を撮影していた列車到着線があるので一応最後だからと覗いていくことにする。
 ヤードにはIORE型を先頭にした空車返送列車が待機している。
 写真を撮るには架線柱が邪魔だが最後のチャンスなので一通り撮影をしておく。

 バスターミナルに移動するとバスの方はすでに待機しており、運転手は荷物室に新聞の束を積み込んでいる。

 ほかに乗客はあまりいないようで待っている乗客は4人ほどだ。
 出発時間も近づいてきたので運転手に鉄道パスを提示して鉄道との接続駅Fauskeまでの乗車券を購入する。

 バスは定刻7:00に出発しフィヨルド沿いの国道E6号線を快調に進んでいく。
 Narvikの市内では少しずつ乗客を乗せていくが相変わらず車内はガラガラだ。
 Fauskeまでは5時間、終点のBodoまでは6時間も掛かる長丁場だが、車内にはトイレや無料のコーヒーサービスがあるため長時間でも問題はなさそう。
 ただあまりバスは身動きがとれないので好みではないが隣の席が空いていればそれほど窮屈というわけではないので何とかなりそうだ。

 バスは快調に進んでいくが途中のガソリンスタンドに寄るので、まさか給油するのか?と思ったら店のドアの前に積み込んだ新聞の一部を放り投げてそのまま進んでいく。
 先ほど積んだ新聞を地域に配達する役目も担っているのかと納得するが結構立ち寄るので時間的なロスがそれなりに有るような気もしないでもない。

 
ヤードに留置中の空車返送列車

バスターミナル

鉄鉱石積出港
   

乗船待ちのバス
 バスごとフェリーへ

 Narvikから1時間30分ほど移動したあたりでバスはフェリー乗り場に乗り入れて停車した。 
 車内のアナウンスでフェリーに乗船するのでしばらく待機と案内がある。
 
 せっかくの喫煙のチャンスなのでフェリーが到着するまで一服させてもらう。
 車外で適当に景色を見ていたら同乗者のおじさんが写真を取ってほしいとのことなので入港するフェリーをバックに撮ってあげたら写真がうまいとお世辞を言ってくれた。
 折角なので自分のデジカメを渡して、こちらも1枚お願いする。
 今回の旅行では自分の写真は1枚も撮って無かったのでこれが唯一のカットとなった。
 
 まだフェリーに乗船するまで多少時間がありそうなのでしばらく世間話をして過ごすがどうやらオスロ在住のイラン人のようだ。
 最初はミラノと聞き間違えたがイタリア人といってもあんまり違和感の無い風貌であった。
 オスロ在住20年とのことで夏休みでノルウェー北部の観光に来ているようだ。
 今夜は同じBodoからの夜行列車でTrondhimeにいくので同じような行程になりそうだ。

 フェリーが接岸したようなのでバスに戻りバスごとフェリーに乗船するが、みんな船内のカフェテリアに行くようで朝食もまだだったのでこちらも食事にさせてもらう。
 船内のためあまり凝った物はないようだが朝と言うことから無難にサンドウィッチとコーヒーで済ませる。

 船の乗船時間は30分ほどで波も穏やかで全く揺れない。
 食後はデッキに出て周囲の風景を楽しむが昨日のKirunaほど寒くはないので助かる。

   

フェリー桟橋
 

フェリー

フェリー船上
   フェリーが対岸に到着する前にバスに戻り、着岸後は快調に南に向かって走り出す。
 車内の方は少しずつ人数が増えていくがまだま余裕は有りそうだ。

 途中のバス停でものすごく恰幅の良い女性が乗ってきたものの正直ドアを通れるのか?と心配してたら車内の通路は移動できないため、唯一座れる席となる運転席後ろに座っていた先ほどのイラン人男性が席を空けてあげていた。
 地元の人なんだろうけどこのバスを利用するときは指定席になっているのだろうか?
 
 そのうち運転手がなにやら無線でやたらと連絡を取り出した。
 ひょっとすると遅れているので鉄道側に連絡を取っているのかと思ったら、反対方向のNarvik行きのバスと合流すると互いの運転手同士が交代を始めた。
 運転手さんは区間の南北で担当範囲があり、途中で合流して戻る運用なのかと納得した。

 運転手の交代も無事終わりバスはフィヨルドの海沿いから若干内陸側に進路を取ったようで海は見えなくなりちょっとした峠越えの様なルートを走り出した。
 周囲の山は氷河に削られた地形のようで山頂付近がオーバーハングになっているように見える物が多い。
 前半区間に比べると極端にトンネルが多くなり、またそれぞれのトンネルが結構長い。
 途中ゆっくり走る一般車を余裕でぶち抜きながらバスは快調に南下を続けほぼ定刻の12:00にFauske駅前のバス乗り場に到着した。

 バスはここで15分ほど休憩し終点のBodoに向かうが、私はレールパスが有るのでバスはここまでとして後は列車で移動する。
 先ほどのイラン人男性がバスで終点まで行かないのか?と聞いてきたが私は鉄道が大好きなんだ答えたら納得したようだ。
 今夜の夜行列車に乗車するのでまたBodoで一緒になるだろうからと伝えて握手でそれぞれ別れていく。
   

Fauske駅バス停 (一番手前の後ろ姿はイラン人)
 
Trondhime行き列車 先頭はDi4型

駅の案内 (右下に300系新幹線のイラストが)
 
 またも足止め(ただし自爆)

 Fauske駅でのBodo行きへの接続時間は10分程度なのでホーム端で到着する列車の写真を取ろうとカメラを構えつつ待ちかまえるが一行に列車がやってこない。
 最初は遅れているのだろうと思ったが30分以上立ってもアナウンスもないしこれは何かおかしいぞ?
 結局50分後に反対方向のTrondhimeに行く列車が13時前に到着する。
 列車の写真を撮ってから状況確認すべく駅の時刻表をじっくりと読むが、乗ろうと思っていた列車にはなにやら注意書きが書かれている。
 内容についてはノルウェー語のため全く理解できないが注意書きの日付の部分より推測するに夏休み期間中は運休ではないかという結論に達した。
 前もってノルウェー国鉄(NSB)のサイトより時刻表はダウンロードしていたがこの部分は完全に見落としていた。
 予定していた次の列車も同じ注意書きあるのでBodo行きの列車は16時くらいまでないようだ。
 今回は自分の完全なミスだが旅行2日目より4日連続のトラブルに参ってしまう。
 まあ行程には多少のトラブルを想定して余裕を見込んであるので問題はないが、Bodoの観光時間がだいぶ削られてしまった。
 今いるFauskeもNarvik方面の接続駅といった性格が強く観光するようなところは皆無だ。
 仕方ないのでここはどっしりと腰を落ち着けて列車が来るのを待ちましょう。
 
 待合室に移動するとドアにはなにやら案内が掲げられているが、なぜかそこには日本の300系新幹線のイラストが。
 何でこんなところで使っているのだろうと不思議でしょうがない。
 最近ノルウェーも最高速度200km/hの電車を入れたのだからそれを使えば良いのに・・・・
 幸いなことにこの駅にはしっかりとした食堂が併設されている。
 しばらく野菜不足だったことからサンドウィッチとサラダで昼食にさせてもらう。

 その後は適当に駅構内をブラブラしてたまたまやってきた貨物列車の写真などを取りながら時間をつぶす。
 ようやく15時50分頃折り返しBodo行きとなるBM93系気動車が到着した。
 最近やたらとヨーロッパで幅を利かせているボンバルディア製の連接気動車だが正直よく見るのでこいつには来てほしく無かったが仕方ない。

 列車は定刻にFauskeを出発する。
 乗車したのは2両連結の連結部に近い席だが、連接台車の調子が良くないのか走行中は車体が揺れるたびに不快な接触音を出し続けていた。
 走行の方には特に問題ないようで海沿いの路線を快調に飛ばして16:40頃少々早着で港の一角にあるBodo駅に到着。

Bodo行き列車 BM93系

Bodo駅構内
 
Bodo駅駅舎

大聖堂
Bodo市内観光

 Bodoはオスロから続くNSB  ヌールラン線の終着駅だ。
 最北端の駅Narvikがあるオフォート線はスウェーデン側にしか線路が繋がっておらず、オスロから鉄道で来るとここが北の終点となる。
 Narvikからバスで移動してくるとFauske駅でTondwhime方面との連絡がおこなわれるため余裕のない行程だと、ここまでは来ていない人も多いが、末端区間を未乗車にするのも何なので立ち寄ることにしていた。

 町は北極圏ではかなり大きいが大戦中に破壊されまくった関係で古い建物はごく少数となる。
 この町では観光名所もあまりなく北の始発駅として立ち寄りたかったので、夜行列車の出発となる21時過ぎまで時間が有れば見て回るには十分だろう。
 急いで回っても見るところもないので後続の長距離列車の入線を撮影してから市内をぶらつくことにしよう。

 とりあえず荷物をロッカーに預けて身軽になると町の中心部にある大聖堂を目指して歩き出す。
 平日の17時過ぎだが中心部のショッピングモールのあたりは結構人手がありそれなりににぎやかだ。
 ちょっとした坂道をブラブラ歩いていったら目的地の大聖堂まで10分ほどの道のりだ。
 大聖堂自体は結構新しいのか近代的な外観をしている。
 内部については閉まっているので見学できないが時間が時間なので仕方のないところ。
 
 他に見所はとガイドブックを調べると港に突き出した展望台が有るようなのでそちらに行ってみることにしよう。
 大聖堂からまた10分強で桟橋の付近に来たが展望台までは桟橋を結構歩く。
 途中ではドラマの撮影らしきことをしていたが分かるわけでもそのまま素通りする。
 地元の人も気にもとめていないようだし大したことはないだろう。
 
 展望台に到着するが港の中を見渡せる程度で特に展望がいいと言うほどでもない。
 しばらく風景を眺めていたが5分もいれば十分だ。

 市内の見所らしき箇所は以上のようなので適当に散策しつつ駅の方に戻ることにするか・・・・

 駅には19時前に到着しお腹がすいてきたので駅2階のカフェに行ってみるが、丁度閉店時間だったようで食べ物にはありつけなかった。
 こちらは店が閉まるのが早いので再度町に行っても営業してなさそうだ。
 途中にコンビニらしき物もなかったし、列車には食堂車が有るのでそちらで晩飯にすることにしよう。

 待合室でくつろいでいたらFauskeで別れたイラン人がやって来た。
 昼過ぎにバス到着し適当に回ってきが、こちらもあまり見所は無かったようだ。
 お互い発車までは時間があることから適当な世間話をして時間をつぶすものの、英語能力に問題がありいつものごとくこちらは必死である。
 イラン人はこれまで回ってきた場所の写真を見せてくれたが、正直写真を撮るのはあまりうまくなさそう。
 使用しているデジカメはどこの製品だろうと思っていたら中国製の安物だと笑っていた。
 見たことも聞いたことも無いメーカーのデジカメなので別の意味で興味津々である。
 先方はこちらは職業カメラマンかと思ったらしいが、ただの鉄道好きと答えてノルウェーの幹線鉄道の乗りつぶしに来たことを説明すると理解できないようである。
 盛んに北の方は自然がすごいと説明してくれるが日本人は休暇が短いんだと説明ししたらそちらまで回っている余裕がないことについては納得したようだ。
 後は私一眼デジカメの値段がどれくらいするのかと聞かれたで日本円で10万円くらい思いつつ、勘違いして1万USドル(100万円)と答えてしまう。
 先方はそんな高いカメラなのかと驚愕していたがこちらは10万円のつもりで言っているので全く話がかみ合わない。
 おかげで偉い金持ちと勘違いされたようだが、こちらが間違いに気が付いたのは後になってからで、この時は何でそんなに驚くのか理解できていなかった。
   
   
 
Trondhime行き 夜行(最後尾2両は寝台車)
 
Trondhime行き夜行 Bodo駅21:00
  Bbodo→Trondhime 夜行Tog476

 8時過ぎにアナウンスが有り、列車への案内は8:30から開始とのこと。
 本日の編成はDi4型ディーゼル機関車が先頭に立つB5系客車を主体とした編成のようだが寝台車のみ最新のB7系になっているの。
 以前の旅行でB5系列はフロム線でしか見ていなかったのでもう本線系統はB7系列に置き換わっているのかと思ったが、北のはずれのこちらではまだ現役のようだ。

 最後に喫煙しておこうと思い表に出ていたらイラン人とははぐれてしまい、どこに行ったか分からなくなってしまった。
 適当な時間にホームに出ると車掌さんが待機しているので乗車券を提示して個室の鍵を受け取る。

 今日の車掌さんは3人体制のようでチーフと思われるショーン・コネリー似の渋い男性車掌と金髪の若い女性車掌が2人で計3人の乗務のようだ。
 ただこれまでは町中ですれ違う人を見ても格好良いなと思うこともなかったがこの3人組はものすごく格好よく見える。
 自分でも珍しく関心してたがどうもこのときは紫色のベストの制服にだいぶ誤魔化されていたようだ。
 その後黒いジャンパーを着てバックパックを担いでいる3人を見たときにはなにも思わなかったことから、このときは制服補正係数1.5〜2程度を乗じて見ていたのだろうと納得する。

 個室の方は以前にも乗っているので特に新鮮味はないが、窓が小さく車窓を見るには不向きになことから荷物を置いたら食堂車へ移動する。
 出発前ということもありまだ食堂車は営業していないので、取り合えず空いているテーブルに席を取り営業するまで待たせてもらおう。
 
 列車は定刻にBodoを出発するとすぐに食堂車は営業開始となったので、暖かい食べ物はなにがあるのか確認させてもらうがピザとピタの2種類しかないとのこと。
 とりあえずピザで晩飯にさせてもらおう。

 しばらくは食堂車で海沿いの景色を見ていたが食事も終わり眠くなってきたのでそろそろ個室に戻るとするか。
 明日のTrondhime到着は7:40なのでゆっくり寝てられそうだ。