2013年 7月11日 6日目 ウボンラーチャターニー、バンコク移動日

 本日は10時過ぎの列車で東北本線の東の終点、ウボンラーチャーターニーに向かってから、バンコクに戻る。
 もっともバンコクに戻る列車の切符は取っていないので、ウボンラーチャターニーに着いた時点で寝台がなければ明日の昼間の列車で戻るつもりでいた。

 8時過ぎに起きだしてホテルで朝食を取り、9時過ぎにホテルをチェックアウトしてナコンラーチャシマー駅に向かう。
 今日も朝から暑いのでとりあえずホテル前の大通りに出てみると、空車のトゥクトゥクがやって来たので駅まで乗せてもらう。

 駅に到着したらとりあえずウボンラーチャターニー行きの急行の切符を購入。
 多少混雑しているようだが無事窓側の座席指定も完了した。
 この列車は食事がついているはずだから特に昼飯については考えなくていいはずだ。
 その分値段は普通の列車に比べるとちょっと高い453バーツであった。
 切符を確保してしまえば列車が来るまでは構内の散策となるが、乗車する列車はバンコクからやってくるのでどうせ遅れてくるだろうからたっぷりと時間はある。
 構内を見渡すと日本から譲渡した14系座席車が留置されていた。
 塗装は褄面の警戒色を除けばオリジナルの国鉄色だが、放置されているようで大分色が褪せてきている。
 窓が開く12系客車と異なり固定窓の14系座席車はこちらでは使い勝手が悪いのかもしれない。
 そもそも客車列車ではエアコン座席車はほとんどタイでは使用されていないことから、こちらの用途に合わない車輌だったのだろう。

 しばらく構内をぶらついて見るが、やってくるのは一般気動車のRNH型ばかりで、定刻になってもこちらの列車はなかなかやってきそうにない。

急行 21列車 
 結局定刻に遅れること1時間でやってきた急行21列車は韓国デウ製のAPN型気動車であった。
 ひょとしたら英国製のASR型が来るかもと期待したが、さすがに最近はほとんど運用されていないらしく仕方がない。
 
 車内に入り座席に落ち着くとすぐ出発となり、こちらの路線も最近軌道改良を実施したのか120km/h前後で快調に飛ばしていく。
 すぐに昼食の配布がアテンダントより始まり、以前にも食べた様なあまり代わり映えのない弁当を平らげさせてもらう。
 
 その後は順調に走行を続けて当初の遅れを引きづったまま、15時過ぎに終点のウボンラーチャーターニー駅に到着。
 構内には緑の旗を持った団体さんが座り込んでおり、かなりの大混雑だ。
 何かのイベントなのかもしれないが、この分では今夜のバンコク行き急行の寝台は満席かもしれないな。
 
 列車を降りて人混みをすり抜け切符売り場に行ってみると、今夜のバンコク行き急行68列車の2等エアコン寝台下段は問題なく確保できた。
 では駅の団体さんは先発の快速なのかもしれないと一人納得して、とりあえず駅前と駅構内を回ってみることにしましょう。
 時間的には十分有るのだが、街の中心まで荷物を背負って歩く気にはならないので、基本的に駅で写真を取ったりして過ごすことにする。
 適当に写真も撮り、駅前の日陰で休んでいると、近くで休憩していた警官の団体さんに話しかけられる。
 日本人はあまりここまでこないようなので、向こうも珍しかったようだ。
 特に緑色の野戦服の様な制服を着た警官は私のカメラが珍しいようなので、しばらくカメラを覗かせたりしながら世間話をして過ごす。
 なかなか皆さんいいキャラで、意外と話が弾み30分ほど話し込んだあたりで列車に動きがありそうなので、そろそろ戻ることにしよう。
 最後にはベットボトルの水までいただいてしまい、丁重にお礼を言って駅構内に戻る。
 構内では先発するバンコク行きの快速列車の組成作業の真っ最中で、車輌の入れ替えを何度もやっているが、最後の連結にだけは手間取っており何度も連結しようとしても、その後解放されてうまく連結器がかみ合わないようで、操車係の人が大分切れ気味になっていた。

 ずいぶんと悪戦苦闘した組成作業が完了すると、快速列車はホームに入線し、先ほどの団体さんもそちらの方に続々と乗り込んでいった。
 おかげで混んでいた構内も大分、閑散としてきたが、まだこちらの列車の出発までは時間があることから、そのうち人が集まってくるのだろう。

 19時過ぎにはこちらの急行列車もホームに入線し、早速涼みに車内に入る。
 しばらく車内で待機していると通路の向かい側にはちょっとお年を召した人の良さそうなご婦人、私の向かい側には同い年くらいの女性がやって来た。
 とりあえず簡単な挨拶を済ますが、向こうはタイ語しか話せないので基本的にコミュニケーションは取れないが、近く座席の小さい女の子ず連れのお母さんがちょっと英語が出来たので、簡単な世間話をして過ごす。

 そのうち出発時刻になったのだが、どうにも列車が動き出しそうにない。
 外はいつの間にかすごい土砂降りになっている上、隣に停車している先発の快速列車すら発車していなかった。
 とりあえず一服のチャンスとばかりに列車を降りて、近くの駅員に状況を確認すると、アクシデントがあったが詳しい情報は分からないとのことである。
 
 適当なところで席に戻ると、向かい側の席の女性が真剣に寒そうにしており、ガタガタ震えている。
 確かに冷房が強いけど、こちらはちょうど良いくらいなので、バッグから上着を出して貸してあげることにする。
 まあ夜列車に乗るにしては荷物もほとんど持たない軽装なのが、ちょっと不思議だったけど、とりあえず上着を着込んで何とか寒さからは逃れられたようだ。

 結局1時間30分程度定刻から遅れた頃に発車のベルがなり、やっとのことでバンコクに向けて出発する。
 当初の予定では、朝6時頃バンコクに到着予定だが、この分では7時過ぎになるのかな。

 車掌の検札が終わり、なにやらタイ語で案内があったが、理解できないでいると先ほどのお母さんから、荷物の盗難が多いので、貴重品から目を離さないようにとの注意だと教えてもらう。
 とりあえず検札も終わり列車も動き出したので、いつものごく食堂車まで移動して、夕食にさせてもらう。
 ただ今日は食堂車はガッパガオ(チャーハン)しか出せないとのことで、あきらめてそのセットを注文する。
 味の方はまあまあで、食後しばらくタバコを吸わせてもらってから、自分の席に戻ると、席の方は寝台にセットされていた。

 向かい側の女性もカーテンをしめてタオルケットが有れば寒さは大丈夫とのことで、丁寧なお礼とともに上着を返却してくれると、自分のベット潜り込んでいった。
 
 こちらもしばらくは寝台で過ぎゆく車窓を眺めていたが、すぐに眠たくなってきたので、適当なところで横になったらいつの間にか眠りに落ちいてた。

 明日はバンコク到着時点で予定をどうするか考えよう。


本日の移動経路