コンコルド搭乗記 2003年5月8日

    ニューヨーク観光


5月8日のAF001便 機体はF−BTSDの量産13号機
  この日は1日N.Y観光の予定。
 早くから目が覚めていたおかけで7時過ぎにはホテルを出発する事にする。
 ただホテルから直接マンハッタンに行くバスは無いようなので、いったん空港に向かう必要があるようだ。
 どうせ空港に行くのなら、明日の下見ということでターミナル1に寄って、コンコルドの出発を見てからマンハッタンに向かうことにしよう。

 ホテルのシャトルバスでターミナル1に向かう途中、ちらっとコンコルドの垂直尾翼が見えてちょっと興奮してくる。
 到着したのが8時前ため搭乗客はすでにおらず、構内にはほとんど人影がない。
 とりあえずどこか展望台が無いのかとうろついていたら、3階のスナックコーナーから空港内が見えるようだ。
 ただ、コンコルドはまだ建物の陰で見えないことから、朝飯を兼ねてゆっくり見学していくことにしよう。

 8時を廻った頃、トーイングカーに引かれたコンコルドの姿が見えてきた。
 スポットから引き出されて広い場所に移動してからエンジンスタートとなるので、ゆっくりと写真を撮ることができる。

 てっきり出発時にはコンコルドの特徴である機首のバイザーとノーズを下に降ろしているのかと思ったが、タキシングを開始した時点では降ろしてないようだ。
 ターミナルビルの陰になりコンコルドが一端視界から消えるが、使用している滑走路はターミナルから見える位置らしいので、確信は無いがそのまま離陸するまで粘ってみることにしよう。

 粘ること10分、コンコルドが爆音と共に目の前を横切って行くが、ほかの飛行機に比べると明らかにリフトオフする位置が遠いようだ。
 離陸後も他の飛行機が一気に高度をあげるのに対し、低い角度で排気ガスを引きながら上昇していく。
 それにしても腹に響くような爆音にちょっと感動。
 やっぱりターボジェットの音は凄いねぇ。
 
離陸中のAF001便

 さて、コンコルドの離陸も無事見れたし、マンハッタンに向かうことにしよう。
 この時、20分後には明日自分が乗る機体が到着する事をすっかり忘れていて、着陸してくるコンコルドを写真に納めるのを忘れていた。
 
 ターミナルの表に出るが、いくら待っても連絡バスも走ってこないし、マンハッタン行きのバスも現れる気配がない。
 待つこと15分でとりあえず来たバスに、駅に行くのか訪ねたところ行くようなので、最寄りの地下鉄駅からマンハッタンに向かうことにする。
 バスの運転手の説明では、終点まで乗れば地下鉄駅だとのことなので、地下鉄経由に変更するか。
 てっきりこのとき乗ったのは、最寄りのHoward Beach行きかと思ったら、全然別のクィーンズの方の駅まで連れてこられてしまった。
 やけに時間がかかるし、何となく走っている沿線の様子がちょっとやばめに感じたが、バス内にいる分には特に問題は無し。
 

 とりあえず自由の女神を見に行くにはと思ったら、丁度WTC(ワールド・トレード・センター)まで1本で行けるE線だったので、グランド0を見学してから船着き場のあるバッテリーパークに移動することにしよう。
 WTCまでは急行のため、それほど時間は掛からないようだが、ニューヨークの地下鉄は24時か運行のためか、線路の状態が良くないようでそれほど速度を出していないのに結構揺れる。
 ニューヨークの地下鉄と言うと犯罪の温床というイメージが有るが、当局による治安回復のため、それほど問題はなさそうだ。
 ただ、構内は何となく薄汚れていて、何度も使いたい気分の物ではないや。
       
 地下鉄から表に出るとすぐそばはWTCの跡地で、瓦礫などは全て撤去が終わっており、新しいビルのために工事が進行中のようだ。
 一部には外壁などがモニュメント的に残されているが、今の姿を見るとあの衝撃的なテロの現場と言う雰囲気ではなかった。
 ただ、周りのビルにまだテロの爪痕が残っており、ビルの外壁がシートで覆われいるのが散見される。
 何となく、大勢の人が亡くなった場所に居るのに居たたまれなくなり、歩いてバッテリーパークに向かうことにする。

 とりあえず西側のハドソン川に出て、南に向かいマンハッタンの南端を目指す。
 天気の方はかなり湿度が高くて余り見通しが利かないが、気温の方は低めで歩いているとチョット肌寒い。
 10時過ぎに無事フェリー乗り場に到着し、チケットを買って乗り場に行くと、金属探知器とX線検査機を通る必要が有るようだ。
 金属類を全て外して、さらにはベルトまで外される厳戒態勢にちょっと引くが、アメリカの象徴だからテロを警戒するのは仕方のないことだろう。
 フェリーの方は余り混んでいないので、ほとんど待たずに乗船できた。
 自由の女神の有るリバティ島行きは大混雑だから早い時間に行った方がよいとアドバイスを受けいたので、結構待つかもと思ったがうれしい誤算だ。 
      
 途中エリス島を横目に見ながらフェリーに揺られること約15分でリバティ島に到着。
 小さな島なので、周りを1周してみるが、自由の女神以外特にめぼしい物もないみたい。
 特に博物館も見てみたいわけでもないので、適当に写真を撮ってからフェリーで戻ることにしよう。
 
 帰りのフェリーはエリス島に寄るので、行きに比べるとちょっと時間が掛かる。
 バッテリーパークに到着したら12時前だった。
               
 次の目的地はハドソン川に浮かぶイントレピッド航空宇宙博物館。
 ここにはM3.0で飛行するSR−71偵察機が展示されているらしいので、ちょっと覗いて見たかったのだ。
 とりあえず空母のそばには地下鉄の駅がないので、タクシーで移動するが、乗ったタクシーの運転手はアラブ系の不愛想な親父だった。
 まあそんなことは気にしないのだが、車内でコーランを流すのは正直勘弁して欲しい。
 別にお祈りの時間でもないだろうに・・・
 もっとも今のアメリカでイスラム色を全面に押し出すとは、有る意味チャレンジャーだな。

 バッテリーパークから15分ほどで目的のイントレピッドに無事到着。
 艦内に入るのにここでも金属探知器を通過する。
 艦内の格納庫に入るとA−4スカイホークがお出迎えをしてくれる。
 格納庫の方は大戦機の展示が主力のようで、中にはパパ・ブッシュ(ジョージ・ブッシュ元大統領で今の大統領の親父)の乗機だったアベンジャー攻撃機もおいてある。
 奥の方に進むと、大戦中から稼働していた空母だったことも有り、日本軍との戦闘記録や撃墜機数などを誇らしげに展示してあったのは、元敵国民としてはちょっと複雑な心境だ。
 格納庫内を一通り見終わってから、上のフライトデッキへ移動だ。
 フライトデッキ上には、結構な数の航空機が展示されているのだが、空母だからほとんどが海軍機かと思ったが、以外と空軍機が混じっている。
 ただ、マイナーな機体が多く、こんなの有ったの?と思われ物が結構有り、ジェット機の開発競争の陰であっという間に消えていった機体達にいろいろと思いをはせる。
 最近は冷戦の初期の頃のように、物になるのかよく分からないような機体までとにかく造ってみるというような事がないので、ちょっと寂しい。
 最近、余り新型機が登場しないのは経済状況が許さないのと、ある程度技術的に行き詰まっているためなのだろうか? 

パパ・ブッシュのアベンジャー

F14

F16

A−12 ブラックバード (SR−71のバリエーションの1つ)

 フライトデッキの前方には目的のSR−71が黒い機体を横たえていたが、普通の航空機とは明らかに異なるその容貌と黒一色というカラーリングのためか非常に禍々しさを感じさせる。
 個人的な印象としては飛行機と言うか、ロケットに近い。
 説明書きを読んでみるとこの機体はSR−71なく、A−12との事だ。
どうやらこの機体にはいくつかバリエーションが有るようで、この機体は単座のA−12で(Aナンバーだから攻撃機?)、他に偵察用のSR−71(複座)が有るようだ。
 ちなみにSR−71はRS−71が正式名称となる予定だったが、発表の時に大統領が間違えてSR−71と読んだので、今の形式名になったとの逸話を聞いたことがある。(偵察機は通常Rナンバーがあたえられる。)

 説明書きを読んでいてこの機体の最高速度はM3.6だと始めて知ったが、とりあえず明日のコンコルド搭乗で、その半分よりは早く飛ぶことができるか。
 フライトデッキ後は艦橋に上がってみると、昔この艦に勤務していたらしい退役軍人の方々が操舵室で昔を懐かしんでいた。
 この人達が手入れをしているのか操舵室はピカピカに磨かれており、まるで現役の船のようだ。
 一応これで空母の見学が終わったので、艦内のスナックコーナーで遅めの昼食をとり、空母の反対側に係留されている潜水艦の内部を見学してから次のエンパイアステートビルに移動する事にしよう。 そう言えばパソコンのモデムを忘れてたので、どこかで買っていくか。

 ガイドブックにはパソコンショップは載ってないが、マンハッタンモールというショッピングセンターなら有りそうだと当たりを付けて、タクシーで移動する。
 今度のタクシードライバーは陽気な黒人のおじさんだった。
 私のへたくそな英語にも耳を傾けてくれるし、いろいろなジョークで楽しませてくれて、あっという間にマンハッタンモールに到着だ。
 インフォメーションでパソコンショップが無いか確認すると電気店ならあるとの事で行ってみると、残念な事にイーサネットカードは有るが、モデムは置いてないみたいだ。
 ただ、周囲にはカメラ屋が多いようなので付近をうろついてみると、その中にパソコンも扱っている店もあり何とか入手できそうだ。
 問題は私のパソコンにはフロッピーもCDドライブもついてないので、デバイスドライバが入れられない可能性がある。
 そこは店のパソコンにスマートメディアを接続してコピーさせてもらおうなどと考えていたが、予想外の出来事に遭遇しそんな事はできずじまいだった。
 対応してくれたのはアラブ系の店員で、モデムは問題なくモトローラ製の物を入手できたが、私の持っていたVAIO−Uを見たとたん、それを売れとしつこく言ってきてとりつく島が無い。
 今このパソコンが必要だからモデム買いに来てんだろうがと言ってもお構いなしで、欲しいから売ってくれでラチが開かない。
 そのうち段々雲行きが怪しくなり、売らないのならモデムを買ってさっさと出ていけ言われる始末。
 こんな状態ではデバイスドライバの事など切り出せる状況手ではない。
 さっさと買って引き上げることにしよう。
 とりあえず最新型のモデムと言った感じではないからパソコン側にドライバが入っていることに期待するしかない。
 買い物も無事とは言えないが、なんとか完了したのでエンパイアステートビルの展望台に上がることにしよう。
 ここも混んでいるので相当待つとの事前情報だったが、それほど混雑もしておらず10分未満の待ち時間で上がることができた。
 上から眺めたニューヨークの街は高層ビルの多さに圧倒されるが、しばらく見てたら直ぐ飽きてしまった。
 どうも大自然の景色を見たときに比べると感動が持続しないみたいだ。

 そろそろ夕方になってきたので、ホテルに戻ることにしよう。
 ガイドブックにはペンステーションからも空港行きのバスが出てるようなので、バス乗り場を探したが見つけられず仕方ないので、ちょっと勿体ないけどタクシーで行くことにするか。
 ドライバーにホテルの名前を告げるとどうやら場所が分からない様子、こちらも住所までは分からないので、とりあえず空港に行くように頼んだら、混んでいるからバスで行けとふてくされて行ってきた。
 何だこいつ?と思ってたらグランドセントラルの近くで降ろされてしまった。
 こんなやつにチップわ払うのも勿体ないので、きっちりメーター分のみ渡して、悪態をつきながらタクシーを後にする。
 どうも感じ悪い奴だとは思ったが、人種差別をされたようだ。
 グランドセントラからもバスがてているが、降ろされた場所からは駅でちょっと離れているので、5分ほど歩いて、駅に向かう。
 駅前に行くと丁度バスが到着したところのようで、ほとんど待たずにJFK行きのバスに乗ることができた。

 バスの中では眠りこけてしまい、空港までどのくらい時間が掛かったよく分からないが、渋滞のため結構時間が掛かったようだ。
 昨日到着したターミナル4に寄って、再度ホテルのシャトルバスを呼んでもらい、6時前にホテルに戻ってきた。

 モデムも手に入ったことだし、ネットに繋いでみようかといろいろトライしてみたが、どうもうまくいかない。
どうやら折角買ったモデムもやくにたたないようだ。
 明日はコンコルド搭乗で朝早いし、今日は早めに休むことにしよう。