1月 1日  London市内観光

  この日の天気は雨、今日だけしかロンドンを見て回ることができないのに、外は冷たい雨が降っていた。
こんなことなら、ボービントンの戦車博物館に行かずに市内を見ておくべきだったかもと後悔したが、今となってはどうしようもない。
 とりあえず9時前にチェックアウトし、パディントン駅で荷物を預けてロンドン塔に行ってみることにする。
サークル線でTower Hillに向かうが列車がなかなかやってこない、やっぱり今日も特別ダイヤか。
 10時前にTower Hill駅に到着し、すぐそばのロンドン塔に向かうと、さっきまでの雨は上がり日が差してきた。
ロンドン塔の正面に到着する頃には青空が広がり、天気は急速に回復しているようだ。やっぱりロンドンの天気予報は「晴れのち曇り雨か雪」のとおり目まぐるしく変わるようだ。



 さて、血なまぐさい歴史のロンドン塔はどんな所かと正面の入り口に行くが、残念なことに今日はやっていないようだ。
ビーフィーターのおじさん達が忙しそうに出入りしてはいるが、開館する様子は無い。仕方にないのでテムズ川に沿ってタワーブリッジに向かう。途中ロンドン塔の住人カラスのレイヴン達はいないかと探したが、城壁の外にはさすがに出てはこないみたいだ。
 
 ロンドンのすぐ隣にあるタワーブリッジも内部の見学はやっていないみたいで、入り口が閉まっていた。周りには、ロンドン一の絶景ポイントと各国語(日本語も有り)で看板が出ていたが、上れないのでは仕方ない。

 この辺で他の観光名所は巡洋艦のベルファスト号位なので、行ってみるとこちらは見学可能だったため中に入ってみる。
 戦闘艦の内部はやっぱり狭く、ちょっと太めの上に厚着していると階段の上り下りは結構大変であった。
 この船は比較的近年まで就役していたが、一般の乗組員のベッドは無く、食堂の様なところにハンモッグを吊って寝起きしているようだ。
 昔の日本帝国海軍も待遇はこれほどひどく無かったみたいだし、英国海軍の待遇は思いの外悪いようだ。
 
 ベルファスト号の見学後はロンドン橋まで歩き、市内観光のバスに乗ることにする。
 やっぱり基本的な所を見て回るのは、これが一番効率いいみたいだ。
 

 バスで中華街、ピカデリーサーカス、トラファルガースクェア、バッキンガム宮殿と、一応有名どころを押さえておく。
途中ウェストミンスター寺院の近くで新年のパレードのため渋滞してしまい全く動く気配が無くなってしまった。
 丁度ウェストミンスター寺院を見てみたかったので、降ろしてもらいパレードに沿ってウェストミンスター寺院に行くと内部に見学はものすごい行列のためもちょっと無理みたいだ。


 では、観覧車のLondon Eyeからビックベンの写真でも撮ろうかと、ウェストミンスター橋を渡って行ってみると、本日分の搭乗券は全て売り切れとなっており、乗ることはできなかった。
 このときLondon Eyeが英国航空が経営だと始めて知ったが、入場のシステムは飛行機の搭乗をまねているらしい。

 今日はどの観光地も満員のようだから別の所に行くことにしよう。
 他見てみたかった所はシャーロック・ホームズ博物館で、小説のとおりベイカー通りにあることから、地下鉄でベイカーストリート駅に向かう。
 正確な位置がよくわからないでいると、駅前にホームズの扮装をした案内の人がいたので、地図の書いてある名詞をもらい場所を教えてもらう。
 博物館の番地は小説に合わせてベイカー通り221番地であるが、本来の位置とはちょっと違うみたいであった。
博物館は一般の家を改造しており、1階がショップで2階から上が博物館となっている。
 2階は、ホームズの居間と寝室で小説の時代を再現しているが、私が上がったときはたまたま人がとぎれた時らしく誰もいない。
 貸し切りだなあなどと思いながら中を見ていたら、それまで微動だにしなかったのでマネキンかと思っていた(ちゃんと見ていなかっただけだが)女性が動き出したので、ビクッとしたら怪訝に思われたようだ。
 このままでは恥ずかしいので、片言の英語で人形みたいだったので判らなかったと伝えたら笑われてしまったが、何とかフォローはできたみたいだ。
(作者言訳:ちらっと見たときの衣装といい、無表情だったことと、比較的綺麗な顔立ちだったので、じっとされてたのでわからなかったのだ。)



 見学後は1階のショップで何を血迷ったかトレードマークの鳥撃帽を購入してしまう。
ゴルフの時にでも被ってみるか、でも被るためにはニッカボッカにチェック柄のベストがいるかな。

 そろそろ日が傾き掛けてきたので、お土産用の紅茶を買うためヒカデリーサーカスのフォートム&メイソンに行ってみるが、今日は営業していないようだ。しかたない、空港の免税店でも売っているだろうからそちらで買えばよいか。
 ちょっと時間が余ったので夕暮れの中、トラファルガースクエアに行ってみると、文字通り足の踏み場無いほど大量の鳩がいる。
ネルソン提督とライオンの銅像を写真に納めてから、空港に向かうためパディントン駅に戻ることにしよう。
 昼食がまだだったため夕食を兼ねて構内のバーガーキングで食事を済ましてから、荷物を受け取り5時頃のヒースローエキスプレスで空港に向かうが、15分程度の距離なのに12ポンドもするのはちょっと高すぎるだろう。




London〜Paris〜成田
 ヒースロー空港はパリに向かうため日本行きが発着するターミナル4では無くターミナル2だが、駅からターミナルまでが異常に遠いなあ、重い荷物が肩に食い込むー。
 去年の夏のポルトガルでの飛行機が飛ばないとの経験から空港には早めに到着するようにしていたが、インフォメーションで確認すると予定通りフライトの様だ。
 安心してチェックインすると1本前のフライトに替えてもいい?と聞かれたので何も考えずにOKしてしまったが、搭乗開始は10分後だからと言われて始めて買い物している時間が無いことに気づく。
 もう搭乗券は発券されているので、変更してもらう訳にもいかず、しぶしぶ14番ゲートに直行する。
どうもヨーロッパの空港ではゆっくり買い物できない運命にあるらしいな。
 待合室に行くと、丁度日本の団体の人たちも搭乗するようで、久しぶりの日本語が飛び交うのを耳にする。
今回の機材は、ヨーロッパではおなじみになりつつあるA320で、座席は3列席の真ん中だ。
搭乗手続きの時に窓際でと言ったのに、パリ→成田しか窓際になっていなかったみたいだが、隣の席は先ほどの団体の人だった。 話を聞いてみると京都から元旦の朝に日本を出てきたばかりで、この後パリでさらに乗り換えニースと向かうとのことだ。
 
 ロンドン〜パリ間は東京〜大阪程度の距離なのでフライトは1時間にも満たないが、このフライトは今までで一番手に汗握るフライトとなった。
 と言うのも、それほど今日は風が無いように思われていたが、離陸滑走では右に左に機体がのたくっているのがよくわかるし、リフトオフでは、左に機体が思いっき流されていた。こんなハードな離陸は始めてだと思っていたが、いつまでたっても機体の揺れが収まりそうにない、予想以上に気流が悪いようだ。
 距離が短いため、上昇してもすぐ降下を開始するが相変わらず機体は揺すられたままで、ファイナルアプローチも進路を修正してばかり、前に本で読んだが着陸直前まで小刻みに機体を修正する時は結構難し着陸だと聞いたことがある。
 しかし今回はまさにこの通りで、窓から滑走路が見えてもまだ右に左に修正しているのでちょっと不安になるが、多少ハードランディング気味ではあったが無事シャルル・ド・ゴール空港に到着した。
 到着したのはターミナル2のホールBで成田行きはホールFのためバスで移動し、先ほどの団体の人と別れ1人になる。
ヒースローで買い物できなかったので、こちらでと思っていたら結構あちこちの店が閉まり始めていたので、あわてて買い物を済ましてから、ベンチに腰掛けているとどっと疲れがでたようだ。
 機内に入ると早々に眠りこけてしまい、離陸滑走と食事で目が覚めた以外は、日本到着までほとんど眠りっぱなしであった。

 初めてのイギリスはちょっとマニアックな所ばかり見ていたので、ロンドン市内も肝心なところはさっぱりとなってしまった。
このパターンはポルトガルの時と一緒なので、またそのうちイギリスに行くことだろう。 でもこんどは気候のいい夏場にしよう、冬のイギリスはやっぱり寒い。
 でも食事のまずさだけには本当に泣かされぱなし旅行だったが、これだけはもうちょっと何とかしてほしいものだ。