5月3日  阿里山観光

 この日の起床は3:40、祝山の御来光見学のためだが、宿の人がモーニングコールで起こしてくれた。
でもベッドが合わなかったのか、余り寝られなかったなあ。
 4:00過ぎに新阿里山駅前に行くと、屋台が1台出ているだけだった。
宿の人の説明だと、ここで待っていれば白タクが来ることになっているので、肉まんとコーヒーを買ってしばし待つ。
そのうち1台の1BOXが来て乗れというような仕草をするので、いくらか聞くと駅まで50元とのこと、観光地価格なのかもしれないが他に交通手段がないので頼むことにする。
 沼平駅に行くと、すでに数人の客が待っていたが、なんだか閑散としている。
駅の時刻表で午前中眠月線の発車時刻を調べると、なんと運休になっていた。
地震の影響か、はたまた昨日の客の少なさを見て運休にしたのか不明だが予定が狂ったなあ。
祝山線列車の発車は4:40、多客期には3本の御来光観光列車があるそうだが、今日は1本でも相当余裕がありそうだ。
列車は予定どおり出発し、約20分で祝山駅に到着する。
観日楼は改札前の階段を上がってすぐのところで楽チンだ。
**御来光** **祝山駅**
 日の出まで約30分、だんだんと山の稜線が燃えるようなってくる。
感動的な風景だが、肝心のところで雲が出て朝日は拝めずに終わってしまった。
まあ、ここ1週間ほどずっと雨だったそうなのでずいぶんと運がいい方らしい。

 帰りは遊歩道で歩いても帰れるそうだが、列車に乗って沼平駅に戻る。
駅についても今度は白タクもいない、仕方ないので20分ほど歩いて宿まで戻るが、眠月線の列車も無いので9時くらいまで2度寝する。

 9時過ぎに宿をチェックアウト、昨晩メールの送受信で電話を使ったので言うが、記録が無いのでいらないとのこと、なんか悪いなあと思いつつそのまま宿をでる。
 とりあえず観光しようとするが、またコインロッカーが無いので重い荷物を持って山道へ行くと、日頃のデスクワークで体がなまったか、すぐ息が上がる。
 情けないと思いつつ、良く考えると足腰は元気一杯なのに、息が苦しいだけのようだ。
ここら一帯は標高が2200mを超えてるので、ひょっとしたら空気が薄いのかもと思いペースを少し落として意識的に深呼吸しながら歩いたら別になんともなくなった。
**三代木** **遊歩道**
 阿里山で有名と言ったら、三代木と神木だろうと遊歩道を歩くことしばし、途中慈運禅寺を抜けて神木駅まで行く、3年前の豪雨で神木は倒壊していたが、駅構内にその巨体を横たえていた。
 しかし、さすがは巨木の森といったところか、いたる所に檜の巨木が生えている。
**神木駅** **神木**
**新阿里山駅前**  山道を重い荷物を背負って歩いたせいか結構バテたので、一度新阿里山駅前に戻り、ちょっと早い昼食にする。
 適当に頼んだ料理は豚足の煮込みだった。豚とは書いてあったが、足の字は見えなかったぞ。なんか、ポルトガルでも似たようなことがあったなあ。
一緒に頼んだスープも小を頼んだのに、3人前くらいあり、結構な量を残してしまった。

 店の人に沼平駅に行く車は無いのか筆談で聞くが徒歩しかないようだ。
列車の中での飲み物に水と梅ジュースを買って、また沼平駅まで戻ることにする。
今日はこの間を何度も行き来してるなあ。
 いいかげん疲れたころ沼平駅に到着、さっき買った梅ジュースを飲むが、余りのまずさに1口含んだだけで、すぐ捨てた。
 よくパッケージを見てみると梅果汁とお茶がブレンドされたものだった。
昨日と同じ列車で嘉義まで戻るが、乗客は昨日と面子が違うが、私を含めて6人だけ。
 本当にこんなんで大丈夫なのかなあ。人ごとながら心配になってくる。
列車は定刻に発車したが、天気がまた悪くなってきた。
雨にはなっていないが、視界が悪い。
 途中開けっぱなしのドアから身を乗り出してカメラを構えるが、湿気でレンズが曇って全然撮れない。

 列車は順調に山を下り、途中の駅で何人かの乗客を拾うが、みんなこんななにも無いところでどうやって生活しているのか不思議だ。
 交力坪で上る列車と交換するが、あちらは通路に立っている人がいるほど盛況だった。やっぱり乗るときは結構乗るんだなあ。
 しかし、交力坪を定刻になっても発車する気配がない、そのうち運転手が私の席の下あたりでブレーキ用らしい空気弁を盛んにいじり出した。
操作する運転士の表情は真剣そのもので、ひょっとしてブレーキの不調か?
無事、生きて帰れるのか不安になる、10分遅れで発車したときは思わず十字を切りそうになった。
 その後は順調に進んで、17:00頃嘉義駅に到着。
  明日は朝1番の飛行機で帰国するため、今日中に台北に戻らないといけないので、すぐ窓口で自強号の切符を買う。
座席が無ければ、自願無座でもかまわないと思ったが、一昨日と違い簡単に取れた。
 ホームのベンチで列車を待っていると隣の爺様が何か話し掛けてきた。
でも言っていることが判らず、「I’m japanese」と英語で言うが、今度は相手がわからないのようなのでノートに「我日本人」と書くと、日本語で話出した。
そっか、お年よりは日本語が話せるのか、思いつつも本人も言うとうり、50年以上使ってないので完全なコミュニケーション取れないようだ。
 自強号に乗車すると弁当の車内販売が来たので、どんなものか興味があり、1つ買ってみる。内容はご飯に牛肉を焼いたものと、メンチカツ、さつま揚げみたいな練り物とセロリ、ピーナッツの炒めものだった。どうでもいいけど油がきつい、こんなのばっかし食べてる割に太っている人がいないのが不思議だ。
 でも先程の爺様も油物が多くて、年寄りは日本食みたいなほうがいいと言っていた。

列車は相変わらず途中で徐行を繰り返し20分遅れで台北駅に到着した。
この日の宿は初日と同じ金府大飯店なので地下鉄で移動しチェックインする。
部屋ではBSが入るので、NHKを見ながら荷物をまとめ直すが、九州ではバスジャックがおきていた。最近は日本も物騒だと思いつつ犯人が少年と聞いて、こちらの中高生には日本みたいにチャラチャラしたヤツはいないので、そのうち日本は台湾に抜かれるなあなどと、日本の将来を憂いてしまった。