12月28日 モン・サン・ミッシェル


 本日の予定は9時過ぎのTGVでレンヌに向かい、そこからバスに乗り換えてモン・サン・ミッシェルまでの移動と観光だ。
でもいつもパリに1日程度しか滞在しないので、何となく不完全燃焼なままだな。今回もルーブル美術館によっていないし、、、

 8時過ぎにホテルを出発てし地下鉄でモンパルナス駅に向かう。
天気はいまいちだが、モン・サン・ミッシュルで回復することを祈るしかない。
切符は昨日購入してあるので、改札代わりの打刻機に切符を差し込むがよく使い方が分からない。
2,3回向きを変えて入れてみると何とか時刻が打たれたようだ。
これで記録がないと罰金取られてしまうので気をつけておかないと、、、
予定では明日もう一度モンパルナス駅に戻ってくる予定なので駅の見学はせずにさっさと列車に向かうことにしよう。
車内は去年乗ったユーロスターと大差なし。もともとこちらがユーロスターの原型なので違うわけはないが、やっぱり座席の間隔が狭くてかなり窮屈だ。
体の大きなこっちの人が座っているのを見ると滑稽なのを通り越してちょっと哀れのような気がする。
でも台湾新幹線の売り込みの時に新幹線は窮屈だと宣伝していたが、はっきり言ってそれは嘘だろうと言うような座席間隔の狭さで、行きに乗った飛行機とそれほど差がない。
まあ、売り込みのための文句とは言えやることがえげつないな。

 今回乗る路線はTGVアトランティック(大西洋線)で最初300km/h運転を始めた路線でもありちょっと楽しみではあった。
モンパルナス駅を定刻に出発するとしばらくは半地下の掘割りと地下区間が連続するが、車体が機密構造ではないため速度が上がってくると気圧変動で耳が痛い。
とどめに高速でトンネルに突入されたときは参ったが、トンネルはパリ近郊だけでその後はなだらかな田園地帯を快調に飛ばしていく。
 途中のル・マンで在来線に入ってからは多少速度が落ちたようだが、それでもかなりの高速でレンヌを目指す。
この列車はレンヌまで途中ノンストップなので途中駅も快調に通過していくが、不思議なことに途中すれ違ったり、見かける列車はTGVばかりで普通の列車は全く見かけなかった。
フランスも主要路線は特急街道になってしまって普通列車があまり走らないのであろうか?
モンパルナス駅から約2時間で定刻にレンヌに到着、さすが鉄道大国フランスも時刻には正確だねと感心しながら駅北側のバスターミナルに向かうが工事の影響かちょっと見つけるのにてまどってしまった。
建物自体がシックな装いのため建物の隣からバスが出てくるまでバスターミナルとは気が付かなかった。
無事バス乗り場も見つけられ、モン・サン・ミッシュル行きのバスに乗車すると車内には5,6人しかいないようだしねほとんどか日本人のようだ。
ここからモン・サン・ミッシェルまで1時間強のバスの旅だ。
フランスの地方の道にはほとんど信号機が無く、ランナバウト(ロータリー)で処理されている。交通量が少ないせいもあり、信号のように待たされることが無いので、結構合理的だとは思う。
景観上もこちらの方がいいようだが、日本のように土地の狭い国では導入しずらいのかもしれない。
結構うねりのある田園地帯をしばらく走りつづけ、視界が開けたと思ったら前方にモン・サン・ミッシェルの姿が見えてきて、1時前に無事到着となった。
        
とりあえず荷物を置きにホテルに向かうが、予約していたのは入り口を入ってすぐのラ・メーラプールと言うモン・サン・ミッシェル名物のオムレツを出すレストランが経営しているホテルだ。
値段的にはそれほど高く無いのだが、壁一面に過去に宿泊した有名人の写真やサインが所狭しと飾られている。
日本人で見つけたのは高松宮殿下夫妻の写真だけで、階段の途中に飾られていたのが印象的だった。
私の宿泊したのは5階で、エレベーターも無いので重い荷物を持って部屋まで向かうと内部はちょっと狭いが、なかなかかわいい感じの部屋だが、野郎一人で泊まっているとちょっと居たたまれなくなるような気がする。
屋根のため壁の一部が斜めになっており屋根裏部屋的な雰囲気が有るが、窓から修道院もよく見えるしなかなか良い部屋のようだ。
この部屋にも過去に宿泊した有名人の写真が飾られているが、あまり知らないばかりで唯一分かったのはアメリカの宇宙飛行士のアラン・シェパード位だった。

 部屋に荷物を置く早速名物のオムレツを食べに一階のレストランに向かうが、もの凄い混雑で1時間待ちとのこと、そんなに待っていられないのでオムレツは夕食にして他のレストランで昼食にしよう。
修道院へ向かう参道は道幅も狭く人も多くて大混雑。
車も入れないようなので荷物の移動などは小型のフォークリフトが使用されているようだ。
適当にブラブラレストランを探しながら参道を上がって行くが、どこも満員でなかなか食べられそうに無いなと思っていたら、参道の最後の方で何とかすぐ食べられそうな所を見つけた。
値段はコースで150フランと昼食には言い値段だが、ちゃんとしたフランス料理もまだ食べたことがないのでここにさせてもらう。
コースメニューから生ハムとサラダの前菜とシーフードのメインを頼むが、生ハムはやっぱりちょっとしょっぱかった。
でもシーフードのメインは鮭、鱈のグリルにムール貝と海老とソースがけだったが、このソースが絶品で、「やはりフランス料理の神髄はソースだな」などと一人納得していた。
食後はセットのデザートにコーヒーでしめて店を後にするが、ゆっくり食事しすぎたようで昼食に1時間以上かけてしまったけど、うまかったので満足満足。
食後は早速修道院に向かい、内部の見学に向かうが一時は監獄として使われていたことも有るため内装については特筆するような感じではないが、中庭から見下ろす大西洋はちょっと感動的だった。
ただ、この時間は引き潮のため、干潟が広がるだけで海面は遙か彼方だが、満ち潮になるともの凄い速度で潮が満ちるため結構危ないらしい。(ちなみに現地で買った解説本によると潮の速度は毎分60m、人が歩く速度よりちょっと遅い位か?)
モン・サン・ミッシェルは当初大西洋に浮かぶ島だったようで、引き潮の時に巡礼者が歩いて渡っていたそうだが、急に満ちてきた潮による犠牲者が多かったことから陸地とつながる堤防がその後建設された。
ただ、この堤防のせいで潮の流れが変わってしまい土砂の堆積がひどくなり、陸続きになってしまいそうなのでこの堤防を橋に変える工事が近々始まるようなので、堤防がある姿ももう少しで見納めのようだ。
修道院を後にすると、島の外周に沿って作られた城壁に沿ってしばし散策する。
もともと大きな島で無いので、島中のすべての道を歩くのもそれほど難しい事ではない。
ただ、途中にもの凄く細い路地が有ったりするので興味は尽きない。
とりあえず島内の散策が終わると、島に通じる1本の道をひたすら歩いて、島全体の写真を撮りに行くことにしよう。
堤防からだいたい10分ちょっと歩くと良い感じに写せる所まで来たが、完全に島として海上に浮かんだ姿で写すのは無理みたいでちょっと残念。
まあ、後は日が暮れてからまた夜景を撮りにくることにしていったん宿に戻る事にしましょう。
結構歩いて、のどが渇いたので宿前のカフェでちょっと休憩するが、さすがは観光地価格、コーラ1杯25フランとは結構ぼってるね。(約500円弱)


その後は夕暮れまでちょっと休憩したのち、再度1本道を歩いて全景がとれる所までくるが、持って来ていた三脚が超小型のため地面に置くとほとんどファインダーがのぞけない。
まあ、台の上に置くことを前提としていたので、使用するのに無理が有ったのだからしようがない。
何とか納得できるカットがとれたので宿に戻るが、どんどん暗くなってほとんど足元が見えない。
歩道は有るが、岩だらけで足元が悪いので、夜景を撮りに行くときは小型の懐中電灯が必要だったかもなあ。
何とかこける事も無く無事宿に到着して、早速オムレツを食べようかなと思ったらちょうど閉店時間で今日はもう終わりだそうだ。
まだ6時30分なのにもう終わりとは思わなかったが、他の店もほとんどしまって閉まっているようだ。
ここは店が閉まるのが早いらしいがおかげで今夜は飯抜きとなってしまうようだ。トホホ、、、
さて明日の予定は一度TGVでパリに戻ってから、再度スペイン国境のイルンまでTGVでの移動で有ったが同じ所を往復してもつまらないし、時刻表とにらめっこして検討した結果ナント、ボルドー経由でも間に合うことが分かったのであっさり経路を変更する事にする。
大西洋岸に南下したのち、イルンからさらに夜行列車と明日以降はハードな移動日程になりそうだ。
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