12月30日  Forth Bridge

 
 昨夜から夜行列車で移動しておりエジンバラ到着は4時過ぎと聞かされていたが、5時頃目が覚めたときはまだ走っている最中だった。
 外を見てもあまり明かりは無く、途中通過する駅名もよく見えないため現在位置がどの辺かさっぱり判らない。
しかし寝台車の乗り心地は快適で、昨夜は途中で全く目が覚め記憶がない。今までは、結構夜行列車だと途中で目が覚めたりしていた物だが、そんなことは全くなかった。まあ日本の列車だと結構発車や停車でショックがくるが、こちらのではそんな事はなかったためかもしれない。

 そうこうしているうちに、結構大きな駅に到着したなと思っていたら、そこがエジンバラであった。別に8時までは車内にいて良いのであわてておりる必要は無く、車内でうだうだしていたら7時前に朝食が運ばれてきた。内容はクロワッサンにコーンフレークととりわけ大したした物ではないが、部屋まで届けてくれるはありがたいサービスだ。
 7時30分頃に列車を降りて本日の目的地フォース鉄道橋の最寄り駅ダルメニーに向かうが、エジンバラから3つ目なので、こんな時間に行っても夜明け前に到着してしまう。ここは一度急行で、フォース湾沿いに列車に乗ってみてから適当なとこで戻ることにしよう。
とりあえず、荷物を預けて身軽にならなければならないので、手荷物預かり所に行き預けるが、さすがにこの辺ではテロの心配が無いのかX線による検査はなかった。
 8時10分の急行アバティーン行きに乗り込み時刻表を確認すると途中のダンディーで上り列車に乗り換えると11時前にダルメニーに到着できるようだ。



 急行列車でまず1度目のフォース鉄道橋を渡ってみての感想は、やっぱり高いし、支柱の鋼管の太いこと、、、よくこんな物を19世紀に作り上げたものだ。さすが、産業革命発祥の国だと思い知らされる。
 列車はしばらく、フォース湾に沿って走っていくが、どことなく北海道に似たようなのどかな田園風景が広がっており、車窓に目を凝らしていると、結構野ウサギを目にしたりする。

 途中車内販売が廻ってくるので、たまにはコーヒーでは無く紅茶にしてみるが、ティーパックの紅茶の割に日本とは全くおいしさが違う。やっぱり水が違うせいだろうか?今まであまり紅茶は好きでは無かったが印象が一気に変わってしまった。
 約1時間でダンディーに無事到着するが、ダンディー手前でも結構大きな川を横断するのが印象的だったが、フォース鉄道橋に比べると高さが無いためか、小さな桁をいくつも並べたその姿がなかなかおもしろい。
 ダンディーで約15分の待ち合わせの後、エシ゜ンパラ行きの急行に乗車し、途中各駅停車に乗り替えてダルメニーを目指す。
 2度目のフォース鉄道橋は先ほどよりは余裕をもって見ることができたため、支柱をよく確認すると完全なパイプでは無く、折り曲げた鉄板をリベットで接合したものであった。以前から、19世紀にあんな大きなパイプが製作できたのか不思議であったが、これで疑問が解消した。

 フォース鉄道橋の南側の駅ダルメニーで降りて、駅前の道を線路に沿って約10分ほど歩き、鉄橋の見えるフォース湾に面した斜面にたどり着くと息を飲む絶景が広がっていた。
 遠くからではそれほど判らなかったが、列車が走ってくると豆粒のように小さく、鉄橋の大きさに圧倒される。
 幸い天気は快晴で風も無いので撮影には絶好のコンディションだが、私が立っている南側は背後が斜面で日が当たらないため、結構寒い。
 でも列車の本数もそれほどは無いだろうと思っていたら、結構な本数が通過していく。だいたい10分1本の割合で何かしら列車が来るのは予想外であった。ある程度写真を枚数を撮るためには長期戦になるだろうと思っていたが、これならすぐにとれそうだ。
 橋のたもとで適当にアングルを代えながら、撮影を進め、だいたい2時間もいたら十分堪能できた。


 


 ちょうど撮影を終えるとお昼過ぎだったので、橋のたもとにTwo Bridgesというパブが有ったので、昼食をとることにする。
 メニューを見ると、カレーが有ったのでイギリスのカレーはどんなものか興味があったので頼んでみる。
 出てきたのは、チキンカレーでライスとサラダがついていた。
ライスはインデイカ米のため、それほど日本人の口にあわないみたいだが、カレーはなかなかいけるので、久しぶりにまともな食事にありつけたと安堵する。
 このパブは鉄橋が見える絶好の位置に建っており、食事しながら行き交う列車を眺めるのもまた格別であった。

 元来た道を戻り、駅に戻ると丁度橋を渡る列車が来たので、再度鉄橋を渡り、北岸のInverkething降りてエジンバラに引き返す事にする。












 エジンバラに1時過ぎに到着、駅前に出るとどこからかバグパイプの音色が聞こえてきたので、音の方に行くスコットランドの民族衣装に身を包んだバグパイプ吹きがいた。観光用だろうが、やっぱり珍しいので、チップを払い写真を撮らしてもらう。
 しかし、この寒空にスカートは寒そうだ、膝のあたりが霜焼けみたいになっていたけど、、、

 さて、エジンバラ城に行くにはと考えていたら、観光用の循環バスがちょうど来たので乗り込むと今日はあんまり残り時間か無いからと1日限りのチケットを明日も使える用にと翌日の日付で売ってくれた。こういった所の融通が利くのは、とてもありがたい。
 バスの観光案内は日本語もあるので、あまり予備知識がなかったことからとて助かる。
 だいたい街の中の位置関係がつかめたころに城の近くに差し掛かったので、エジンバラ場を覗いてみることにしよう。


 ホリールード宮殿から続くロイヤルマイルをしばし歩くと、エジンバラ城の正面に到着したが、入場無料のはずが、有料であった。
別に無料じゃなければ入らない訳ではないが、結構いい値段だな。
 入り口脇で解説用のガイドを借りて、上にあがっていくが、今まで見てきた城とちょっと赴きが違い、城と言うより要塞に近いような印象を受ける。しかし城の外周部は高台にあるため眺めが最高だ。先ほど写真を撮っていたフォース鉄道橋も一部ではあるが望むことができる。
 城内を1通り見終わる頃には、かなり日も暮れて来たが、まだ3時過ぎだ。
直接ホテルに行くにはちょっと早すぎるので、しつこいようだが、もう一度フォース鉄道橋まで行って戻ってくるか。
各駅停車で北岸のInverkethingまでいくが、帰りの列車がなかなか到着しない。
日もとっぷり暮れて、寒空のした待っていると、他の乗客の中に民族衣装のスカートをはいた男性がいた。民族衣装のスカートはもう一般的では無いのかと思っていたそうゆうわけでも無いようだ。でも冬場には辛いと思うが、、、、、正装の場合には下着も何も着ないはずだし、、、
 Inverkethingで約30分待ったのち、ロンドン行きのHST125が到着したので乗り込むと車内のほとんどの座席が予約席となっていた。
別に5駅程度なので立っていても問題ないが、座席予約の紙が差し込まれていたので、どこからか確認するとエジンバラまではこないので座らせてもらうことにしよう。(注:イギリスでは、予約席には予約されている区間が書かれた紙が座席に挟まれているので、区間外なら座ってもよいのである。)

 5時過ぎにエジンバラ駅に到着し、荷物を受け取ってからタクシーでホテルに移動する。
本日の宿はホリデーインガーデンコートで駅から結構離れているが、エジンバラのホテルがなかなか取れなかったため文句を言っていられない。
 でもこのホテル、造りも今までの安宿と違い、部屋の広さと設備は今回の旅行で最高だし、フロントで応対してくれた係りの女性は線の細い感じが印象的なものすごい美人であったのでポイントが高いなと思ったのもつかの間、なぜか部屋の電話が使えない。
故障かと思いフロントに聞くと、今日は使えないのでロビーの公衆電話を使ってくれとのことだった。
メールのやりとりをしたかったのだが、こんなところで店を広げるのも何なので、今日はあきらめよう。
しかし、せっかく先ほど高得点を付けたこのホテルもこれだけで大減点だ。 もっともこんなことで、文句を言うのも私くらいかな?