9月22日 ミュンヘン観光、フュッセン移動日


 この日の起床は6時頃で、昨日遅くまで起きていた割にはまだ現地時間に体が慣れていないみたいだ。
まあ、今一爽快な寝覚めといかないが、目覚まし無しでも起きられたのだから良しとしよう。
でもここのホテルはオクトバーフェスタの関係で通常の3倍の料金だったのだが、滞在時間が短い分何か損した気分だ。
7時過ぎに食堂に向かい、昨日の晩余り食べられなかったので朝から一生懸命食べる事にしよう。
本場のドイツハムやソーセージ、チーズと結構な量を平らげたが、総じて塩味がきつい。
あとチーズもちょっと癖が有るので、チーズ大好きと言う人でないとちょっとツライかもしれない。
でもさすがドイツのパンはおいしく、特にケシの実入りとゴマのパンは一発でお気に入りとなった。

 ミュンヘン観光
 ホテルを8時過ぎにチェックアウトし、荷物をコインロッカーに放り込むため一度中央駅に向かう。
荷物を預けて身軽になり、取りあえずミュンヘン観光の目玉市庁舎に行くことにする。市内交通の1日券を購入してからUバーンでオデオンスプラッツ(オデオン広場)に向かう。
本当は市電のほうが近いのだが、どれに乗ったらいいのかよく分からないので地下鉄にしておこう。
別に時間が有ればいいのだが、実質半日の観光なので間違うわけにはいかないし。

写真左:オデオン広場のテアティーナー教会
写真右:ミュンヘン市庁舎
 オデオン広場から適当に散策しながら市庁舎前まで移動するが、天気は最悪な事に雨になってしまった。
市庁舎はミュンヘンの目玉なのでさすがに観光客が集まっているが、塔への入り口は閉まったままでどうやら上には上がれないようだ。
市庁舎の周辺にはソーセージやハムを扱う店が軒を連ねており、なかなかいい雰囲気で、有る意味ドイツらしいなと勝手に納得する。
市庁舎もからくり時計が有名らしいが時間が悪いので、ちょっと見られそうにないため次の聖母教会に向かうことにする。

 聖母教会
 市庁舎から歩くこと約10分でタマネギ型の塔を持つ聖母教会に到着。内部をさらっと見学してから塔に登る事にする。
塔の高さは結構あり、徒歩で上がるのはきつそうだと思っていたら、意外にも内部にはエレベーターが設置されていた。
さすが技術大国ドイツ、こんなとこにまでうまく文明の利器を持ち込むなど、さすがだと関心しながらその恩恵に与ることにする。
塔の上からの眺めは天候が今一のため余り見通せないが、市内はあちこちで工事が行われているのかやたらとクレーンが目に付く。
意外なことにミュンヘンは大都会の筈だが、高層建築は皆無であった。景観に配慮して都市計画が行われているのだろうが、目に付く大きな建物は教会ばかりのようだ。

 ドイツ博物館
 

写真左:ドイツ局点戦闘機「ナッター」

写真右:ドイツ迎撃戦闘機Me262(下)と局地戦闘機Me163(上)
 正直言うと私的にはここがミュンヘンの目玉であり、大戦中の名戦闘機Me262とMe163が置いてあるので是非見てみたいと以前から思っていた。
ここは、総じて言えば交通博物館といったところで、陸海空のドイツの技術について展示されている。
入場すると最初は船舶関係の展示場だったので素通りして奥の航空関連の展示場に直行すると、お目当てのメッサーシュミットが鎮座していた。
 ここの展示の目玉で有るわけだし結構な人が展示を見ていてなかなか写真が撮りずらいが、人が切れた瞬間を見計らってカメラに納める。写真を撮ったら後は各部の観察だが、Me262にはちゃんとエンジン脇の翼に対空ロケット用のブラケットが残されているし、原型のまま残されているようだ。
しばらく観察して堪能すると、その隣にもなかなかレアでマニア心をくすぐる「ナッター」が展示されていた。
この「ナッター」、コンセプト的には日本の特攻機に近い部分があり、日本の特攻機が対艦ミサイルの原型なら、こちらは地対空ミサイルの原型と言える。どういった用途に使用されたかというと、アメリカの爆撃機の迎撃専用に使用されたようだ。
迎撃にあたってはロケットエンジンで垂直に打ち上げて敵に接近し、機首の対空ロケット弾を撃ち込んだら後はおしまいという変わった使用方法がとられた。
打ち上げた後は、使い捨てのため着陸する車輪も無くパイロットは脱出しパラシュートで地上に戻る算段だったようだ。
ちなみに使い捨てのため機体は木製らしい。
ただ相手の爆撃機が上空を通過する一瞬を狙って打ち上げるので、タイミングが合わないと全く役に立たず、ほとんど戦果は挙がっていないようだ。
日本の様にパイロットもろとも自爆というのはキリスト教圏では考えられないので体当たりまでは行かないが、こっちの方がまだ人道的だと国民性の違いを感じる。もっとも今の日本でも特攻などは考えられず、カミカゼアタックはアラブの専売特許になってしまったが、、、
航空館を見た後は、鉄道関連の展示を見てから市電で一度駅に戻る事にする。

 レジデンツ博物館
 一度中央駅に戻り、構内の売店でサンドウィッチを買って昼食とするが、まだ1時過ぎだ。
次のフュッセンへの移動の列車は3時頃なので、宮殿を開放しているレジデンツ博物館に向かう。
朝と同じ地下鉄でオデオン広場に向かい、宮殿庭園を散策してから宮殿正面に向かう。
内部は宮殿博物館と宝物館に分かれておりチケットも別料金のようだが、両方入れるコンビネーションチケットを購入する。
最初は宝物館から見学するが、バック類の持ち込みは禁止らしくクロークに預けさせられた。
でも内部は撮影禁止では無いようなので、カメラを預けた事をちょっと後悔。
展示物はドイツの職人気質を十分感じさせる逸品ばかりで結構楽しめる。

 宝物館の次はメインの宮殿だが、今まで各国の宮殿を見てきた中ではドイツのものが一番センス良くかつ豪華に見えるような気がする。まあ、ベルサイユ宮殿など行ったことないので何とも言えないが、個人的見解としては、イギリスは意外と質素というかシンプル。
スペイン、ポルトガルはちょっと仕事が雑な上に今一趣味が良くないように思われるが、ここの内装はキッチリした印象を受ける。
特に床の木製タイルなどどうやって作ったのか不思議な模様で、かなり手の込んだものが使われていた。
この床のタイルを見入っていたら管理しているおじさんに、「目の付け所が違う」と誉められた(多少の意訳あり)のでやっぱり目玉1つのようだ。
宮殿の見学後は移動のため、市電で中央駅にもどることにする。

  フュッセン移動  (写真はミュンヘン駅)
 中央駅に14:30頃戻り、ロッカーから荷物を引き出すと14:55発のフュッセン行きに乗車する。
取りあえず2等車に陣取るが余り乗車率は高く無いようだと思ったら、発車直前に結構な人数が駆け込んできた。
結局女子高生らしき女の子達と相席になるが、余りお行儀はよろしくないようだ。
結構でかい声で話していて回りでも迷惑そうだが、言葉も分からないこちらはもっと迷惑であった。まあ、この辺は日本もそうだし万国共通のようだ。
この嵐の様な一群は結局3駅ほどで降りていってくれたので助かったが、最後まで一緒だったらと思うとちょっとげんなりだ。
その後は淡々と田園風景の中を走り続け、ミュンヘンから約2時間で行き止まり式のフュッセン駅に到着する。
今日の宿は駅から歩いて5分位のゾンネと言うホテルで、土産物屋とレストランが併設されていた。
ガイドブックによると結構日本人の利用が多いようだが、この日は私だけの様だ。
取りあえず、ホテルに入ると恒例のメールチュックとなるが、電話回線がうまくつながらず、フロントのおばさんにいろいろ教えて貰いながら、何とか接続に成功する。
後は、ホテルのレストランで簡単に夕食を取り、この日は10時頃就寝する。
明日は、前半のメインであるノイシュバンシュタイン城だ。