2006年 9月21日 8日目 レーティシュバーン撮影日




 本日は単独行動のため、7時過ぎの列車でサンモリッツを出発する。
 最終目的地はランドヴァッサー橋の最寄り駅となるフェリズールだが、地形の関係から撮影は昼から午後にかけてがベストと思われるので未乗車区間の乗りつぶしを行いつつ、フェリズールに向かうことにしよう。
 
 まず最初はオーストリア国境近くのシュクオルに向かうが、本日はスイスパスを使い切っているので別途切符を買う必要がある。
 距離的には大した距離ではない様だが結構良い値段がするなあ。
 これまではスイスパスで1等車だったがこの日は節約のために2等車となる。
 サンモリッツからシュクオルまでは直通列車はないようで、途中のSamedanとSagliainsで2回乗り換えが必要となる。
 ただ、列車の接続が非常に良いため、乗り換えもスムーズだ。
 途中の車窓は山間を川に沿って進んでいくが、牧歌的な景色が続くだけでちょっと単調な感じがしないでもない。
 
 クロススターズへの短絡線である、フェライナトンネルが口を開けているSagliainsで2回目の乗り換えを行い、シュクオルへの最期の区間では谷が深くなり、それなりに景色が良くなってくると終点のシュクオル駅に到着。
 町の中心部は駅から東に1kmくらいのところにあり、駅前自体はバス乗り場と売店が有るだけでほとんどなにもない。
 駅の手前で列車の編成を入れての撮影に良さそうな場所があったことから、とりあえず一本列車をやり過ごして、撮影してから戻ることにしよう。

Sagliains駅                                 

 シュクオル駅構内 

シュクオル駅駅舎                               

シュクオル駅前の風景
 撮影も問題なく済んだため、駅に戻り10時の列車でフェライナトンネルの向こう側となるクロススターズへ向かう。
 Sagliains駅までは行きに来たルートを戻り、Sagliains駅の先に口を開けているフェライナトンネルに入ると19kmもあるトンネルのため、しばらくは暗闇の中となる。
 ちなみにこのフェライナトンネルは狭軌鉄道の山岳トンネルとしては世界最長の長さとのことだ。
 暗闇の世界を抜けると、すぐにクロススターズの駅となり列車を降りるが、次の乗換駅となるダボス方面はホームで列車を待つ人が非常に多い。
 これでは座っていくのは難しそうだと思いつつ、ホーム外れのあまり人が待っていない場所で列車を待つ。
 接続列車はすぐに到着し、意外と下車客が多かったため何とか窓際の席を確保。
 後は峠を上がっていく列車に身をまかせ、11時半頃、無事次の乗換駅ダボスプラッツに到着。
 フェリズール方面への列車はしばらく時間があることから、駅構内で昼食用のサンドウィチと撮影地での水分補給用に飲み物、もしものために非常食などを仕入れておく。
 ダボス自体はリゾート地として有名だが、駅から離れるほどの時間もないことから駅構内で列車の写真を撮ったりして過ごすのはいつものことだ。  

Sagliains駅へ進入する列車、右はフェライナトンネル入口            

 ダボスプラッツ駅  

 12時前の列車でダボスを後にすると、次は目的地のフェリズールまで、約30分。
 列車は快調に飛ばして、12時20分頃無事フェリズールに到着するが、以前降りたときと駅の様子がずいぶん異なる。
 以前は駅のホームも線路と同じ高さだったし、ホームも屋根も無かったはず。
 どうやら最近駅の改装を行ったようで、ずいぶんと近代的な感じに変貌していたが、以前の方が趣があって好みだったのだが・・・ 
 
 さてここからはランドヴァッサー橋まで徒歩で約30分位のはずだが、おおよその位置だけで正確なルートはよくわからない。
 とりあえず駅前に地図が有ることからデジカメで記録しておき、GPSをたよりに橋の方向へ歩き出すことにしよう。
 駅前の階段を下の方に降りて通りにでたら橋がある右方向に歩き出すが、GPSの地図もこの辺はあまり細かく表示されないため、イマイチ信頼が置けない。
 何とかそれらしい方向に進んでいるのだ、どうも駅から線路沿いに進めば良かった物を遠回りしていたようで、ちょっと時間をロスしてしまった。

 それに道路脇の標識をよく見れば、ランドヴァッサー橋への表示も出ているようだ。
 とりあえず、標識に従っていけば大丈夫とのことで、従っていくが、そのうち標識から橋への表示が消えてしまった。
 標識に沿って歩いているつもりだったのだが、どういうことだろう?
 GPSで地形を確認すると、想定していた位置よりもずいぶんと東よりに来てしまっているが、目的地までの距離はそれほど遠くなさそうだ。
 道に迷ったときは元に戻るのが基本なのだが、ここは自分の方向感覚を優先させ、牧草地を突っ切って橋があると思われる方向に行くと、森に続く獣道を発見し、そのまま進んでいくと目的の展望台に何とか到着した。

 どうやら途中で曲がる場所を見落としていたようだが、結果オーライなので深く考えないことにしよう。。
 太陽の位置も申し分なく、天候、光線状態ともこれ以上無いベストコンディションのようだ。
 列車の方は1時間あたり上下列車が1本づつ来るダイヤなので、列車の時間まで昼食にさせてもらおう。

 撮影の方も順調に進み、予備のカメラも動画モードにしてカメラ2台で列車がくるたびに撮りまくる。
 結構ここの展望台は地元の人も良く来るようで寂しい場所かと思ったが、意外とそうでもないらしい。
 
 中でもビデオカメラを持った年輩の紳士はこの辺の撮影ポイントをいろいろ教えてくれたのだが、教えてもらった場所までちょっと距離があるためこれから場所を変わるのは躊躇してしまう。
  結局4時過ぎまでこの場所まで粘り、十分なカット数が稼げたことかからサンモリッツに引き上げることにしよう。

 帰りは展望台のそばに駅への標識があったことからそれに従い約20分でフェリズール駅に到着。
 
 
 フェリズールから列車に乗り、18時頃無事サンモリツツに到着、ホテルに戻ると妻たちも戻ってきており、今日はサンモリッツ近辺の展望台に上がっていたようだ。
 展望台では昨日列車で相席となった紳士とたまたま再会したらしく、それなりに楽しい一日を過ごせたようで安心した。

 この日の夕食も二人の食欲がないとのことなので、近所の店でホットドッグを仕入れて軽くすますことにする。
 明日はベルニナ線でイタリアに向けて出国だ。