2007年 5月29日 3日目 ゴスラー移動

 この日は7時過ぎのICに乗車して、ハノーハァー経由でゴスラーに移動する。
 ホテルでの朝食は7時からのため、早めに宿を出て、ケルン駅構内の売店でサンドウィッチで朝食をとる。
 ホームではちょっと列車の撮影をしたかったが、あまり時間がないことからほとんど撮影もせず、列車に乗り込む。
連結されていた一等車はコンパートメントタイプが一両のみで、予約で席が埋まっていたらまずいかもと危惧したが、予約されていない区画があり、一室を占領してケルンを目指す。
 列車は定刻で出発し、ケルン駅脇のライン川を越えてから一路進路を東に取る。
 途中の天候は雨のため、車窓を眺めていてもイマイチテンションがあがってこない。
 昨日のケルンも雨だったが、今日も一日天候はあまり期待できそうにない。
 ただ、ゴスラーは初めて訪れるのだが、雨だと観光に支障をきたしそうなのが残念だ。
 
 今回の列車は乗車時間が3時間と比較的長いことから、妻の方は睡魔と格闘していたが結局落ちてしまい、こちらも車窓を眺めるが結構瞼が重くなってくる。
 気分転換に隣のビュッフェにコーヒーを飲みに行ったりしながら3時間を過ごし、10時過ぎにほぼ定刻でハノーファーに到着。
 接続列車は20分後なので今回の乗り換えは問題ない。
 ハノーファーからは快速タイプの気動車に乗車し、快調に飛ばして11時40分に無事ゴスラーに到着。
 表は相変わらず、雨が降っておりホテルまでタクシーで移動するか思案のしどころだが、とりあえずお腹も空いてきたことから駅の狼がトレードマークのパン屋で軽い昼食とする。

 食事を終えても天候の方は回復する見込みが無いことから、傘を差してホテルまで歩いていくことにしよう。
 本日のホテルは町の中心から西側にあるHotel Die Tanneで、途中の道のりは石畳がでこぼこで、キャリーカートを引いていくのが一苦労だ。
 駅からおよそ15分でホテルに無事到着。し、時間はお昼過ぎでちょっと早かったがチェックインさせてもらう。
 部屋の方は建物が古いためか、ちょっと床が傾いているが、内部は清潔で問題なしだった。
 部屋に荷物を置いたら、ゴスラーの観光日は今日だけのため早速、雨の中を観光に出かけることにしよう。
 もっとも雨のためテンションは下がり気味で、いつもは肌身離さず持ち歩く一眼デジカメも今日は部屋でお留守番となるのだった。

 ホテルを出発したら一路、中心部であるマルクト広場に向かう。
 ゴスラーは世界遺産のため、途中には木組みの古い家々が立ち並び、なかなかの雰囲気だが、築数百年の家などは、ずいぶんとゆがんで建っているように見えるのが興味深い。
 またじっくり観察してみると、木組みの木枠部分のみペンキで茶色く塗ってごまかしている建物もあり、すべての建物が保存されているわけではないようだ。
 ホテルから10分ほどでマルクト広場に到着、あいにくの天候だが以外と観光している人が多い。
 広場の写真を適当に撮ってから、次の目的地である皇帝居城に移動だ。
 途中には小川が流れておりなかなかいい雰囲気なのだが、傘を持っての観光はどうも写真も撮りづらいし、イマイチ気乗りしない。
 皇帝居城の手前にはドーム入り口の間が残っているが、奥の部分は現存しておらず、ぱっと見は何かの祠のような雰囲気を醸し出している。

 丘の上の皇帝居城前では、コンサートか何かの会場の設営が行われており、居城全体を写真に納めることができず思いっきりがっかりさせられた。全体の写真はあっさりあきらめて早速内部の見学に移るが、一階部分は歴史的遺物の展示品となっており、ドイツ語のみの説明では一体なにがなにやらわかるはずもなく、あっさりと流して、2階の帝国の間に移動する。
 2階部分では皇帝の居住していた部屋が見られるのかと勝手に想像していたが、見学できるのは大きなホールとなっている帝国の間とその奥に続くチャペルのみだった。
 皇帝の間では壁画が見事なのに感心するが、内部ではコンサートでも行うのか現代的なイスが多数配置されており、どうも雰囲気が良くない。
 天候に続き、皇帝居城の見学も不発した感が否めないが、こればかりはしょうがない。
         
皇帝居城の見学後は昔の武器や拷問道具を展示しているツィンガー博物館に行ってみることにする。
 ガイドブックの地図を頼りに向かうと、博物館は小振りな要塞のような建物に、レストランに併設される形で営業していた。
 このときの予感では内部は大した展示ではないのではとの予感が頭をもたげるが、階段をあがって博物館内部に入ってみるとまあ予想道理の展示であった。
 あまり見るものが無いみたいだと見切りをつけようとしていたところ、管理人の老婦人がなにやら拷問道具などを無造作にいじりだした。
 ひょとしてここの展示品はさわってもOKなのかなと思い始めたところ、手招きしているので行ってみると、昔の手枷をはめてくれたり、見せしめ用の鉄仮面をかぶったり、剣や投石機をいじらせてくれるなど非常にサービスが良く、思いの外楽しめていろいろと写真を撮らせてもらう。
 予想以上にいろいろ体験させてもらい管理人の老婦人にお礼を言って博物館を後にすると、結構歩いて足が痛くなってきたことから一度マルクト広場に戻り、広場のカフェで休憩となる。
 ここのところドクターストップで甘いものは食べられなかったが、結構お腹も減っていたので、このときだけはワッフルを注文して、体力の回復を計る。
 カフェでの休憩後はマルクト広場脇のマルクト教会を見学後、町の西側にあって中庭が美しいらしいジーメンスハウスに向かうことにする。
 マルクト教会は比較的こじんまりとした教会で、内部の装飾も質素で私としては好感が持てる教会だった。
 どうも最近は大聖堂のようなゴテゴテと装飾された教会は食傷気味なので、あまり飾り気のない教会を見ると何となく、落ち着くようになってしまった。
 
 マルクト教会の見学後はジーメンスハウスを目指すが、この町も私が苦手な通りが微妙に曲がっているため、方向感覚を狂わされる。
 しばらくうろうろしていたら、いつの間にかマルクト教会脇に戻ってきてしまっていたことから、ジーメンスハウスに行くのはあきらめることにする。
 時間の方は4時をすぎたあたりで、ちょっと早いが繁華街をぶらついてから、ホテルに戻ることにしよう。
 ホテルの部屋で飲む水を補給するため、ドラッグストアに入ってみるが、どうもただの水は無いらしい。
 繁華街の通りを歩いてもKIOSKのような店もないので、何とかスーパーを探さないとと思っていた矢先、路地の奥の方にスーパーを発見し、無事飲み物と軽い食料を購入する。
この時買ったアップルチップスは日本で市販されているものとはだいぶ様子が異なり、リンゴの味はするのが、湿ったおがくずを口に含んでいるような食感のためあまり食べようと言う気にはならなかった。

 買い物が完了後はいったんホテルへ引き上げ、部屋で休憩していたらいつの間にか私も妻も眠りこけていて、時間はすでに9時前だ。
 とりあえず食事に出るのがめんどくさくなっていたが、妻は食料を調達に外出する気満々だ。
 ホテルのそばに店は無かったし、マルクト広場の方まで行ったら、妻一人では路頭に迷うのは必至だ。
 見知らぬ土地で雨の夜に迷子になるのは最大の悪夢だ。
 私もこの町では間違えて迷う位なので、ここで妻を一人で行かせるのは危険と判断して、二人で食事をとりに外出する事にする。
 とりあえず外に出てみると、日中には気がつかなかったが3軒隣にレストランがあるようだ。
 外から見てみると結構繁盛しているようだし、ほかに当てもないのでこの店で食事することにしよう。

 店の名前はプラトンで、応対してくれたのはリアルジャイアンといった風貌の男性店員だったが非常に気さくでよくしてもらい、非常に印象がよい。
 とりあえずスープを注文して妻は豚肉のソテー、ハーブバター添え、こちらはランプステーキの玉ねぎ炒め添えで夕食となる。
 味付けはドイツ料理というと塩味がきつい印象だが、ここは塩加減がちょうどよく、店の雰囲気と合わせて大満足の夕食となった。

 食後はホテルに戻るが、時差ぼけは解消できそうになく、眠くて仕方ないため早めに就寝するのであった。