この日の起床は3時過ぎで、相変わらず時差ぼけがなかなか解消されない。
天気の方は朝から快晴で、絶好の観光日よりとなった。
この日の移動は10時前の列車なので、ゆっくり動き出せばよいのだが、早めに朝食を取った後8時頃宿をチェックアウトし、駅の方で時間をつぶすことにさせてもらう。
駅までの道のりは途中写真を撮ったりしながらゆっくり進んだため、8時30分に到着。
本日は移動距離が短いため、ユーレイルパスは使用せずに、直接片道切符を購入しての移動となる。
いつもならパスで一等車の利用となるのだが、田舎の区間ということもあり席の心配も必要ないことから今回は二等車の利用となる。
駅での待ち時間は1時間半ほどあることから、妻に荷物番をお願いして駅の様子や到着する列車の写真を撮影したりしながらすごす。
乗車する列車のほうは入線しているが、乗車できるようになったのは発車の30分ほど前で、案内が表示されてから車内の方に移動する。
駅構内には我々のほかに1組の日本人の老夫婦がいたが、海外旅行にしては軽装でずいぶんと旅慣れた印象を受ける。
列車の方は定刻通り出発し、途中の乗換駅となるビンネンベルグまでは10分の道のりだ。
ここでヴェルニケローデ行きに乗り換えるのだが、待ち合わせ時間が1時間あり、接続のよいドイツにしては結構な待ち時間だ。
ここの駅は待合室が無いようで、ホームのベンチに腰掛けて待つことになるが、今日は天気も良く気温も高めなので待っていても問題は無いが、これが悪天候だった場合、ここでの待ち時間は最悪の状態となるところだった。
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ビンネンベルグの駅構内には昔の車両を側線に止めてちょっとした博物館のような形になっていることから、ちょっとした時間つぶしに、跨線橋を渡って車両を見に行ってみることにしよう。
留置されている車両は客車が3両、入換え用の小型ディーゼル機関車が1両、貨車が3両の陣容だが、貨車も客車もかなり古い物が置かれており、なかなか興味深い。
ただ、客車の方は内部が倉庫として使用されているようであり、外から覗いた限りでは保存状態はよくないようだ。
留置車両の見学を終えるとホームに戻り、後はひたすら列車の到着を待つのみとなる。
後は駅に進入してくる列車を撮影すべく、跨線橋でカメラを構え待つのは、いつものことだ。
その後我々の乗車するヴェルニゲローデ行きの列車が入線してきたが、車両は最近ドイツで増備が続いている2両連結のディーゼルカーで、DBの標準塗装ではなく青い見慣れない塗装を纏っていた。
表記のなどから推測した感じでは、第3セクターによる運行のようにも思われるが詳細については不明だ。
ヴェルニゲローデ行きの列車は11時過ぎに出発し、30分ほどで無事ヴェルニゲローデに到着。
駅の構内は工事の真っ最中で駅手前の貨物ホームのような場所に停車して乗降することとなる。 |
駅前の様子は以前と特に代わりがないようで、とりあえずホテルに荷物を置きたいのでマルクト広場近くのホテルLa Rustica Altstadthotelに向かう。
駅から歩いて10分強でホテルに到着したが、まだ12時前なのでチェックイン出来るかどうかと思ったが、特に問題なく部屋に入れさせてもらえた。
ここのホテルはレストランに併設された小規模なホテルの様で専用のレセプションなど無く、レストランで手続きをするようだ。
ヴェルニゲローデの町の観光自体はこの日しか設定していないため部屋の方に荷物を置いたらさっそく観光に出かけることにする。
ここの町は以前に来たことあるため地理的にも全く問題なく、マルクト広場とその裏にあるシーフェスハウスの見学に行く。
このあたりは魔女伝説のため、土産物屋には魔女の婆さんの人形が多い。
ただ、どれもかわいいと言う感じではなく、ちょっと怖い表情の物が多いが、マルクト広場裏の土産物屋で妻が自分用の小さな人形を購入し、この後はずっとバックに吊るされて旅行の最期までお供してもらうことになる。
ここらでお腹の方もすいてきたことから、マルクト広場外れのケバブ屋で昼食とする。
ケバブはトルコ料理だが、ドイツではファーストフードとして定着しており、手頃な値段でボリュームも多く、野菜も多くて栄養バランス的にも悪くないのでこの後もしょっちゅうお世話になるのだった。 |
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食後はシーフェスハウス脇から出ているピンメルバーンという観光バスに乗り、山の上に有るヴェルニゲローデ城に向かうことにする。
このときは馬車でも上がることが出来たのだが、馬車だと帰りの待ち時間が長くなるだろうと判断してあえてバスにした。
出発自体は馬車の方が先だが、坂道が馬にはきついらしく途中でこちらの乗車したバスに追い抜かれていた。
城の下の停留所で降りて、前庭まではしばらく坂道を上っていくが、以前よりは土産物屋の数が減ったような印象を受ける。
以前来た時は前庭は工事中で合ったが今回は工事も終わってきれいになっており、花が植えられているおかげでだいぶ印象が異なる。
前回は工事で町を見下ろせるあたりには近づけなかったが、今回は問題ないことからしばらくは前庭で町の風景を眺めて過ごしてからお城内部の見学に移る。
お城事態は18世紀に改築されているため、比較的近代的な内装をしており、展示物も前回来たときと代わりがないようだ。
内部を適当に見学した後は、バス乗り場へ向かう道の途中にある土産物屋でまたまた魔女の人形を妻が購入するが、今度は義母へのお土産用にするとのことだ。
バス乗り場でしばらく待った後、下山のバスで町に戻る。
後このあたりで観光するのにクライステンハウスははずせない事から、そちらにむかう。 |
クライステンハウスはヴェルニゲローデで一番小さい家とのことで間口は3mほどでドイツにしたら確かに小さいのだが、悲しいことに日本ではこんなのは良くありそうなので、特に小さいと驚くほどではない。
内部の見学が出来そうなので、中に入ろうとすると家の前のベンチに座っていた女性が管理人だったようで、そちらに入場料を支払い、中に入るが思ったほど狭い感じではない。
一応3階建のようだが入れるのは2階までで、3階を物置としたら間取的には1DK+Sになるのかな?
クライステンハウスの見学が終わると、基本的な見所は終わりのため、とりあえずマルクト広場に戻り、カフェで休憩となる。
以前はこのあたりは旧東側のため、英語が通じず注文するのも苦労したが、以前の訪問から6年立っているため、今ではそんなこともない。
また、以前来たときよりも観光客でにぎわっているような印象をうける。
時間の方は午後4時過ぎで、この後は特に見所無いことから町はずれのハルツ狭軌鉄道で撮影タイムとさせてもらう。
妻の方も1本目の撮影までは付いてくるとのことで、西駅の先にある大通りの踏切で列車を狙う。
撮影自体は順調に進み、次の列車までは時間が有ることから一度水などを補給した後、ホテルに戻ってから再度出直すことにしよう。
水などは以前街角に小さなスーパーが有ったはずと記憶を頼りに探すと、ちょっと場所を勘違いしていたが無事発見できて、飲み物を調達しホテルに戻る。
妻の方はメインストリートの店を見て回りたいとのことなので、裏通りに有るホテルの位置をしっかりと説明し、18時30分頃に戻ってくることら伝えてから分かれるが、迷子にならないか一抹の不安がある。
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こちらの方はハルツ狭軌鉄道の西駅に再度戻り、駅付近でヴェルニゲローデ行きの列車を2本撮影してからホテルに戻ると丁度18時30分だったが、妻のほうはまだ帰ってきていないらしい。
仕方ないのでホテルのレストランでコーヒーを飲んで時間を潰すが、妻の方はなかなか戻ってこない。
19時近くになっても戻ってこないので、さすがにこれは迷子になったのではと不安になってくる。
妻の方が英語が話せるとは言ってもここは旧東側、英語がわからない人も多いはずで、このとき私の頭の中には半べそかきながら夕暮れのヴェルニケローデを彷徨う妻の姿がよぎっていた。
さて捜索はどのようにしようかと思案のしどころだが、とりあえず19時30分まで待ってみて、その後探しに出かけることにしよう。
この状況をホテルの人に伝えるべく、頭の中でどのように伝えたら良いか整理し始めたら、妻の声がするので振り返ってみると、驚いた顔をした妻が立っていた。
表情からして迷ったけど何とか生還したのかと想像したが、向こうはこちらの方が早く戻ってきていることに驚いたらしい。
妻の方は私が列車の撮影に夢中になってどうせ時間通りに帰ってこないと思っていたようだが、先に帰ってきてコーヒーを飲んでいることに驚愕したようだ。
とりあえず迷子ではなく私の取り越し苦労だったが、これからは妻の地理感覚を信用することにしよう。
明日はハルツ狭軌鉄道に乗ってブロッケン山への往復だ。 |
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