本日は寝ぼけてたのか、寝台車に乗っていることを忘れて列車の揺れを地震と勘違いして冷や汗をかきながら目覚めた。
列車に乗っていることを思い出しながら時計をも見ると6時前で、車窓にはフィヨルドが広がっている。
まだ到着までは1時間あるが、降りる用意をしたら廊下に備え付けられている椅子に腰掛けて、しばらく車窓を見て過ごす。
ベルゲンには定刻どおり到着して列車を降りると、朝と言うこともあるがかなり寒い。
上着を用意すると荷物をコインロッカーに預けて、構内のカフェで朝食だ。
カフェは朝早いのに、列車で到着した客が多いのか意外と人が入っている。
あわててもまだどこも観光できないので、ゆっくりと朝食を取ってから、ベルゲンカードを買いに切符売り場へ向かう。
カードはすんなり買えたのだが、隣の窓口にいた女性の様子がおかしい。
急に床に座り込んでしまい急病かと思ったが、何かショックな事があったようで泣いている。
とりあえず我々ではどうしようもないので、カードを受け取ると町の中心に向かうべく、駅を後にするのだった。
|
駅を出発し最初に向かうのはベルゲン観光の中心となる魚市場だ。
駅から歩いて10分で市場には到着したが、まだ8時前なので当然店の方は準備中で、まだ商売を始めているところはない。
この時間では当然博物館も開いていないので、内部を見学するわけではないブリッゲンから見学してみることにしよう。
ブリッゲンは13世紀から16世紀に建てられたハンザ商人の住居兼倉庫で、狭いエリアに木造の建物が密集して建っており、世界遺産に登録されている。
建物の内部は基本的に入れないが、建物の間の路地は自由に歩けるので建物の間を散策する。
さすがに古いせいかほとんどの建物が傾いており、何となく大丈夫なのかと不安になってくる。
ブリッゲン自体は50m四方のエリアに建物が密集しているため路地を散策しても大して時間はかからず、見物の方も15分で終了となる。
ベルゲンで一番早くから始まる博物館はブリッゲン近くのハンザ博物館の9時からなので、時間がまだ早いことから岬の先にあるホーコン王の館の辺りまで歩いていって見ることにする。
|
|
ホーコン王の館までは5分程度到着だが、ここは開いてからゆっくり見学することとして、さらに先の岬の先端まで行ってみる。
岬の先は一寸した展望台のようになっており、港に出入りする船を眺めて過ごすが、風が強くて結構寒い。
15分程度景色を見ていたが、寒さのために限界となりちょっと早いがハンザ博物館に移動することにしよう。
ゆっくり歩いて、ハンザ博物館には丁度9時に到着、外が結構寒かったので屋内に入るとほっとする。
1階は干し魚料が最盛期だった頃の資料の展示、2階3階は当時の住居を保存して展示しており、結構良い状態で保存されているようだ。
変わった点としては相変わらずベッドが狭いのはいつものことだが、カプセルホテルの様に小さい空間に扉付きとなっている点が気にかかる。
ハンザ博物館の見学が終わると、この博物館とセットになっているハンザ商人の集会所の方も覗いて見るべく、ブリッゲンの裏側を通って集会所に移動する。
こちらは2階建ての建物で、集会所として使用する大広間が2階に3つある。
集会場はテーブルと椅子が並べられており、雰囲気的には昔の居酒屋といった感じだ。
実際には集会と称して飲んだくれていたのではないかと勘ぐってしまう。
1階の奥には巨大なキッチンが併設されていることから、たぶん今現在の集会を行う公民館の様な場所ではなく、ビアホールの様な場所だったのだろう。
集会場も15分程度で見学は完了し、そばにあるブリッゲン博物館の前に聖マリー教会があるので、一応覗いてからと思ったが、扉に鍵が掛けられおりまだ見学できないようだ。
先ににブリッゲン博物館を見学してから、後で再度訪れることとして教会を後にする。
ブリッゲン博物館はブリッゲンの出来る過程やベルゲン周辺の歴史について解説しているが、ここの展示は基本的にノルウェー語が中心で全く意味が分からない。(英語でも大した違いはないが・・・)
いつものごとく博物館を適当に見てから、館内のカフェで休憩していく。
ブリッゲン博物館の見学後は再度聖マリー教会に行ってみると今度は教会が開いている。
ベルゲンで現存する最古の建物で、内部は比較的こじんまりとした印象を受ける。
比較的シンプルな内装なのだが、説教壇の装飾だけがやたら立派でちょっとアンバランスな気もしないでもない。
次は朝に寄ったホーコン王の館とローセンクランツの塔を見学するべく、岬の方に移動する。
まずは手前のローセンクランツの塔から見学しようかと思ったら、ガイドツアーのみで12時にスタートするようだ。
まだ30分ほどあるので先にホーコン王の館を見学してから戻ってくることにしよう。
ホーコン王の館は大きなホールがあるだけだが、現在も王族の式典に使用することがあるようだ。
1階には式典の際に待合室する部屋があり、床の一部には基礎となる岩盤が露出しており一寸不思議な印象を受ける。
13世紀には政治の中枢機関であったようだが、大戦中にすぐそばの港で爆薬を満載したドイツ軍の船が爆発事故を起こして破壊されてしまった。
現在の姿は戦後に修復した後のものだ。
ホーコン王の館の見学が終わるとそろそろ12時が近づいてきたので、ローセンクランツの塔に移動する。
しばらく入り口で待ったが、案内してくれるガイドの女性はどこかで会ったことがあるような?と思っていたら、ハンザ商人の集会場で受付をしていた人だった。
こういった観光施設では同じ人が何カ所も掛け持ちしているのかもしれない。
この塔は堅固な要塞の一角をなしており、何度も増改築が行われたため、ずいぶんといびつな構造になってしまっているようだ。
そのため最初の築造時と現在では床の高さが異なっているため、窓の高さが不自然だったり、入り口が低い箇所など、いろいろとおかしなところが出ているようだ。
ガイドの方は英語だが、早くて聞き取れないので内容についてはほとんど理解できずじまいだった。
|
塔の見学は約30分で終了し、そろそろ昼食にしたいので魚市場で名物のエビのサンドウィッチを仕入れることにしよう。
いろいろと店を見て回った結果、小エビとカニ、キャビアとサーモンがセットになったサンドウィッチにする。
市場内は結構人出が多く、落ち着いて座れそうな場所がないことから、隣の広場に移動して、石造りの台に腰掛けて食事とする。
歩いているときは余り気にならなかったが、じっくり座って食事をすると、風がかなり冷たく感じ、ずいぶんと体が冷えきたなぁ。
食事後は外でじっとしているのも辛いことから西ノルウェー工芸博物館に移動し、寒さをしのぐのも兼ね見学していく。
ここは雑貨や椅子などの展示が多く、変わったデザインの椅子にも実際に座ることが出来たりしてなかなか楽しい。
中でも廊下に置かれていたソファーは一度座るとあまりの居心地の良さに根っこが生えてしまいそうだ。
家が広かったらこれが一つ欲しいところだが、日本の住宅事情では導入は難しいな。
西ノルウェー工芸博物館を後にすると、そばにあるベルゲン美術館を覗くことにしよう。
ガイドブックではムンク、ピカソ、ミロが展示してあるとのことだが、建物が3つに別れておりどこに行けばよいのかよくわからない。
適当に入った建物では現代アートの展示のみではっきり言って訳がわからない。
さっさと見切りをつけて2つ目の建物に入ってもこれまた同様に現代アートばかりで、お目当ての絵画類は一切見あたらない。
3度目の正直と言うことで、3つ目の建物に入るとやっと絵画が展示されている。
内部をウロウロして探しい見るもののどこに何があるのかよくわからない。
しばらくあちこち見てみたが、結局有名な画家の絵が有ったのかはよくわからずじまいだった。 |
|
美術館を出ると時間はそろそろ16時だ。
美術館から駅まではそれほど距離もないことから、駅で荷物を引きだして一旦ホテルにチェックインすることにしよう。
予約したホテルはブリッゲンから港を挟んで反対側のAUGUSTINで、駅から歩くとそれなりに距離があるが、次の移動の時にはフェリー乗り場が近いので、ここだけは我慢しよう。
チェックインすると部屋の方は予想以上に広く、バスタブも付いていて設備的には問題ない。
一旦部屋に荷物を置いて休憩するが、夜行列車で到着して一日市内を歩き回るとさすがに疲れた。
ただ部屋に引きこもるには早いのと、パスが有効なうちにフロイエン山に上がっておかないといけない。
17時過ぎにホテルを出発し、魚市場に近いケーブルカー乗り場に向かう。
入り口でパスを提示すると引き替えに往復乗車券を受け取るが、パスでの乗車は1回限りのようでパスにチェックが入れられる。
やってきたケーブルカーはスカンジナビア半島で唯一の物らしいが、結構新しい車両のようで最近更新でもしたのだろうか。
乗車時間はおおよそ3分程度で、フロイエン山の山頂に降り立つとベルゲンの町が一望できる。
しばらく展望台で風景を見て過ごすが、やはり山の上は結構冷える。
近くのホテルにカフェが有るのでそちらで暖を取ることにしよう。
カフェでしばらく暖を取っていたが、夕食の時間帯になるためか、夜の営業に向けていろいろと店内の配置を変更していて落ち着かない。
適当なところで下山することにしよう。
最後に町の風景を撮影していたら、日本人女性の3人組に写真を撮るように頼まれるが、小声で「あの人日本人かな?」などと話しているのが筒抜けだ。
ケーブルカー乗り場近くに巨大なトロールの像があり、珍しさもあって記念撮影する。
ケーブルカーで麓に降りると本日の予定も終了だ。
夕食をどうするか悩んだが、ホテルのそばには適当な店がないようだ。
しばらく彷徨った末にバーガーキングを発見し、面倒くささも手伝ってハンバーガーを買ってホテルで夕食にする。
明日は今回の旅行のハイライトの一つ、ゾグネフィヨルドの観光だ。
ちょっと早起きしないといけないので、早めに休むことにしよう。 |
|
|
|