2009年 7月4日 2日目  Mariefred往復 グリップスホルム宮殿観光、保存鉄道乗車

 Stockholm近郊撮影

 本日の起床は午前3時、もっともまだ眠いので2度寝していたら妻から携帯に電話がありたたき起こされる。
 電話の内容は実家から連絡があったことのことで取り急ぎ処理するようなことでないので一安心だ。
 それに発信はうまくいかないものの着信は問題ないようなので、緊急時の連絡についても大丈夫そうだ。

 4時前には動き出すが取りあえずメールチェック等を済ませ、全館禁煙のため玄関まで一服しに行くことにしよう。
 玄関には灰皿と椅子が備え付けられており喫煙者は皆ここまで降りてきていると思われる。
 結構明るいのに早朝のため通りを歩いている人もほとんどいない。
 一服後ホテルに入ろうとすると自動ドアが開かない、おかしいなと思いセンサーのあたりを手で遮ってみたが反応はない。
 そのうち開いたので何だろうと思っていたら受付の人がニヤッとしている。
 それを見て深夜早朝は受付でコントロールするのだと理解してこちらも照れ隠しでニヤリとするしかなかった。

 その後は身支度を整え6時過ぎにホテルを出発する。
 今日は土曜日のためホテルの朝食は7時30分からとなり待っていると時間がもったいないので早々に中央駅に向かうことにしよう。
 ます始めは地下鉄で中央駅から南へ1駅のリッダーホルメン島のガムラ・スタンに向かうことにしよう。
 中央駅に向かう道すがら物乞いに金をせびられるが、ビシッと断り先を急ぐ。
 駅地下の地域交通の担うSLのサービスセンターに向かうと早朝にも関わらずオープンしていたので、24時間乗車券を100kr(クローネ)で購入。
 SLセンターの案内にガムラ・スタンのあたりのSJ(スウェーデン国鉄)の複々線化工事の概要について掲示されていた。
 確かに中央駅の南側1駅間のみ複線区間となっており、その他の区間は複々線になっているのでこの区間が隘路になっているのを解消するためだろう。
 逆に言えばこれから写真を取りに行くガムラ・スタンのあたりは列車密度が濃いので簡単に撮影枚数を稼げることになる。
 1日乗車券の自動改札への入れる向きが最初はなかなかわからず何回か試していたらやっと反応して地下鉄構内へ。
 電車はすぐにやってきたので1駅南のガムラ・スタンに向かう。
 前回Stockholmに来た際には駅そばの船上ホテルに泊まっていたので土地勘は問題ない。
 駅を出て南側の線路沿いに出ると目の前のメラーレン湖には工事用の台船が多数浮かんでおり工事の真っ最中となっていた。
 結構有名なリッダーホルム教会脇を通過する列車の写真を撮ろうとすると、どうしても工事用のプレバブ小屋が入ってしまい一気に興ざめとなってしまった。
 せっかくだからしばらくは粘ることにするが、やってくるのは新型のX60系列ばかりで在来型のX10やX1型は結局1本も来なかった。
 それどころかSJの中距離電車や優等列車も全く来ないので30分ほどで切りあげて別の場所に移動することにしよう。
 
  地下鉄で中央駅に戻りSJ線に乗り換え、1駅北側のRadhusetで撮影できそうなところがないか探してみるが、ホーム端のロケーションはあまりよろしくない。
  どこか別の場所に移動しようかと考えているとちょうど中央駅に向かうX2000とRc6型が牽引する客車列車が通過していく。
  どちらも撮影しておいたが全体的に良いアングルが見つからないので次の列車で今度は中央駅の南側に移動する事にした。
 
 通勤型のX60に揺られて分岐駅となるALvsjoで降りるとホームの南側に光線状態の良い見通しの良いカーブあるのでしばらくここで撮影させてもらうことにしよう。
 しかしながらやってくるのはX60系ばかりで、たまに来るのもX2000と近郊型のX40ばかりであり被写体としてX2000以外はあまり好みの物が来ない。
 結局9時位まで粘ったが旧型車は1本もやってこず空振りに終わってしまった。
 
 
 Stockholm中央駅に戻りそろそろ空腹となったので朝飯にさせてもらおう。
 店の方はそれなりにやっているようだが、取りあえず近くのMACに入ると朝食のエッグマフィンが40krとなっていた。
 日本円で500円程度とのことから2年前に比べるずいぶん安くなったようだ。
 以前だったら800円コースだったので注文するの気楽である。
 朝食を食べ終えると構内のコンビニなどを探索するが、なぜか出前一丁の袋ラーメンが棚に山積みされていた。
 こちらでも袋ラーメンを食べるのかとちょっと不思議な気になるが、味の種類も一通り取り揃えられていのでそれなりに売れているみたいだ。
 
 次の目的地グリップスホルム宮殿への乗換駅Laggeastaへの列車は10:51なのでまたしばらく駅構内で撮影しながら過ごすことにしよう。
 ホームに上がる前に往復乗車券を購入しようとしたが有人の窓口は開いておらず、自動販売機で購入するが買った切符は行き帰りの乗車列車が指定されているようだ。
 別に指定券があるわけではないが乗る列車を決めておくと運賃が割り引かれるシステムの様だ。
 取りあえず1等車があるようなので、滅多にないことから1等車にしておくことにしよう。

 ホームに上がり行き止まりホームの8番線のあたりで写真を撮っていると見慣れない塗装の機関車が入線してきた。
 驚いたことに編成の中程には元ドイツ国鉄のラインゴルドのドームカーが連結されている。
 確かノルドピーレンのBodenから先の区間で使われていたことがあるはずだが、最近は運用を離脱してものと思っていた。
 どうやらヨーテボリ行きの列車に使用されているようだが、通常のSJによる運行では無くVEOLIAと言う会社が運行しているようだ。
 機関車もドイツのDB185型の様だし、どういう位置づけの列車なのかよくわからない。
 ただ、あこがれの車両に図らずも対面できて、しかもゆっくり駅に停車していることからここぞとばかりに写真を撮りまくっておくことにしよう。

  10時30分頃ドームカーを連結した列車は駅を出発して行きその後は私の乗るRegional 927列車が入線してくるが、ホーム上には結構な人数が列車を待っており2等にしていたら座れなかったかもしれないと安堵する。

 Laggeastaへ向かう列車は近郊型の2階建て列車X40型で最高速度は200km/hを誇る。
 メーカーはフランスのアルストム製ということだが前面の造形は芋虫の様で正直あまり好みではない。

 列車は定刻に出発しメラーレン湖に沿って南西に進んでいく。
 車内は2等車は満席だが1等車にはほとんど乗客がおらず、ゆったりとしており気持ちがいい。
 車掌の検札時にサービスのコーヒーを進められたが乗車時間は40分ほどなのでそれほど時間も掛からないため遠慮しておくことにしよう。
 列車の方は途中まで快調にとばしているが、どうも乗り心地の面では疑問符が付く。
 2階席なので多少ロールリングするのは仕方ないとしても、細かい振動が結構発生している。
 振動の感じからは車輪によるものではなさそうだが、結構不快な振動だ。
 速度に関係なく発生しているようなので台車系の問題だろうか?
 確かスウェーデンは伝統的に軸箱支持は積層ゴムのシェブロン式を採用していたはずだが、この車両は円筒案内式のようなため、慣れない方式でメンテがうまくいっていないかもと勘繰ってしまう。

 途中では複線化工事をおこなっているようで、何度か徐行する場面もあったが、ほぼ定刻に目的地Laggeasta駅に11時30分頃到着。

 乗り継ぎの保存鉄道のSL列車は10分ほどの待ち合わせになるので、急いでStocholm方の連絡口へ急ぐ。
 連絡口といってもただの砂利道で、もう少し整備しても良いのではと思わずにいられない。

 

 
保存鉄道乗車

 Laggeastaからは宮殿のあるMariefredまで、保存鉄道のSLに乗車となる。
 駅の窓口で往復券を購入すると、出発まで時間もないことからさっさと乗り込むことにしよう。
 この路線は線路幅が600mmと通常のナローゲージよりもさらに狭いため、客車もかなり小振りのようだ。
 木製椅子のロングシートの両側に人が座ると、通路を通るのもちょっとと大変そうだ。
 列車の方はそれほど混雑もせず、連絡客がすべて乗り込んでから、目的地のMariefredに向けて走り出す。
 線路も狭く、小型の蒸気機関車が牽引するためそれほど速度が上がらないが、延長4km、乗車時間も15分ほどなので、乗っている時間はだいぶ短く、あっという間に終点に到着だ。

 終点のMariefredは機関区が併設されており、様々な機関車がたむろしている。
 駅のホームにはなぜかスタジアムの様な観客席が設置されているが、何かイベントでもあるのだろうか?
 降車した乗客は適当に散っていくが、何人かはそのまま機関区に入って写真を撮っている。
 こちらではあまりうるさいことは言わないのかと思いつつ、それに混って一通り写真に納めておくことにしよう。
 構内には古い車のボティを使ったレールカーもあり、いろいろ変わった車両が集められてそうだ。
 
   
 宮殿観光

 機関区での撮影も一通り終わったので、駅のそばにあるグリップスホルム宮殿の観光に行くことにしよう。
 城はメラーレン湖に面して建っておりなかなか良いロケーションだ。
 早速内部の見学に向かうが、内部は撮影禁止のようで、受付で窓から外は撮っても良いが内部は撮影禁止と念を押された。
 内部はやたらと肖像画が多く、壁中に肖像画に飾られているが中にはこんな絵でモデルになった王族が怒らないのか?と思うよな物もあり、すべての絵が一級品というわけではなさそうだ。
 この城で有名なのは宮廷劇場で舞台裏には色々と大がかりな仕掛けが施されておりなかなかおもしろい。
 
 宮殿見学後は駅に戻り、駅近くの軽食屋でハンバーガーの軽い昼食を取ることにしよう。
 食後は駅の近くでSLが発車するところを撮影すべく駅のLaggeasta側の開けた場所で列車を待ち受けることにする。
 発車時刻前に場所を決めて列車を待ち受けるが一行に列車がやってくる気配がない。
 発車時刻を30分すぎた頃、オープン客車に楽団を乗せた列車がしずしずと進んできた。
 何か特別なことをするのかと思ったがこちらからかなり手前で止まってしまった。
 なにやら打ち合わせらしきことをしているがいっこうに動く気配がない。
 後続の列車の露払いとして演奏しながら列車を運行するのかと思っていたがそのうち駅の方へ引き返してしまった。

 予定外のミュージカル上映による足止め


 どうも様子がおかしいことから駅に引き返してみると駅の周りが警察に封鎖されたように立ち入れ禁止となっている。
 さらに進むとどうやら先ほどの観客席のあたりでなにやらイベントをおこなっている。
 案内のポスターらしき物をまじまじと見てみるがスウェーデン語のため全く理解できない。
 駅の内部の様子からは構内と列車を使ってミュージカルを上演しているようだ。
 駅の回りをうろついて何とか係員を捕まえて次の列車はいつ出るのか確認すると、当初の予定よりも1時間遅れの16時になるとのことだった。
 さらに悪いことに帰りの乗り継ぎ列車の接続が悪く乗換駅のLaggeastaでさらに1時間待ちになってしまうようだ。
 代行バスはないのか確認したがタクシーしかないとのことで、折角往復券を買っているのにこのままタクシーで帰るのも不本意だ。
 仕方がないので駅構内が見渡せる場所に陣取って次々登場する列車の写真を撮ることで時間をつぶすことにしよう。
 ミュージカルには在籍車両に総動員がかけられているのかほぼ全部の保有車両を使っていろいろと劇を進めている。
 おかげで予想外にカット数は増やせたがアングル的にはあまり良くないのが残念だ。

 途中写真を撮ることにも飽きたので市街地の方を散策するが、教会が1つある以外は特に目玉となるのはお城以外なさそうなのが、つらい。
 結局2時間無駄に過ごしてミュージカルの終了を待ち、運行を再開した16時頃の列車でLaggeastaに戻る。
 乗り換えようと連絡通路を歩いていると大粒の雨が急に降り出してあわてて駅待合室に逃げ込む。
 この駅は最近できたばかりらしく付近の線路や施設も新幹線並に立派なように見えるが、この時間帯は2時間に1本しか列車が来ないのが痛いところだ。
 さらに確か購入した切符も列車変更ができないのでは?との疑念が浮かび、検札の時に揉めるかもしれないのが気掛かりだ。
 
 雨の方は強くなったりを止んだりを繰り返しながら1時間ほど待合室で時間をつぶすと、やっとStockholmへ向かう列車が18時30分到着した。
 2等車の方は相変わらず大混雑だが1等車は私しか乗客がいない。
 発車後すぐに検札が来たものの切符に付いては特になにも言われず、再度コーヒーを勧められたが今回も断ってStockholmを目指す。
 
 Stockholm中央駅へは19時過ぎに到着したが、当初の予定がだいぶ狂って疲れてきた。
 朝も活動開始が早かったし今日はこの辺でホテルに引き上げるが、あまり食欲はないので途中の駅のコンビニで簡単なお菓子を買って晩飯代わりとして、ホテルで早々に休むことにするのであった。
 あと明日からはスカジナビアパスでの移動となるのでヴァリデートしておくのを忘れないようにしないと。

 明日はUppsala近郊の保存鉄道乗車と最北端の駅Narvik行きの夜行列車に乗車だ。
 これからは移動の連続になるので荷物の方を整理しておくか。 
 他にはStockholm北部の電化ナロー路線が気に掛かるので朝早起きしてそちらも回っておくことにしよう。