早朝のStockholm 中央駅 |
Roslagsbanan探索。
本日の目覚めは午前3時、相変わらずヨーロッパに来ると時差ぼけで朝早く目が覚めてしまう。
本日の予定は9:11分の Regional(快速)でUppsalaに行き保存鉄道に乗車の予定だが、その前にStockholm近郊のナロー路線Roslagsbanan
(ロスラグスバナン)が気になるので、早めに動き出して立ち寄ってから行くことにしよう。
取りあえずネットにパソコンを接続しStockholmの都市交通を担うSLのHPより時刻検索をおこなうが、なぜか中央駅からだとバスで行くルートが検索される。
Roslagsbananの始発駅Stockholm北駅を調べたみたがガイドブックの路線図にはそんな駅名は見あたらない。
ちょっと考えた結果、地下鉄RedLineのTekniska hogskolan駅で接続していることがわかったのでそこで乗り換えることにしよう。
乗換駅までは、地下鉄で4駅なのでそれほど時間も掛からないだろう。
後は、本日夕方から夜行列車で移動となるので、チェックアウトのため荷物の整理をしておく。
取りあえずRoslagsbananに乗車して戻ってきてからチェックアウトすることにするか。
5時過ぎに一服のため玄関に向かい喫煙後は昨日と同様受付の人にロックを開けてもらってホテルに入るが分かっているので特に焦ることもない。 |
地下鉄Tekniska hogskolan駅 ホーム
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6時前にホテルを出発し中央駅で切符を買おうとするが、窓口は開いていないし券売機で買おうとするとどの切符を選ぼうとしてもSLcardをタッチするように表示され、ICカードを接触させないとダメなようだ。
取りあえず昨日買った24時間券の時間がまだ多少余っていることから、行けるところまではそのまま行くことにしよう。
地下鉄の方は6時過ぎにやってきて予定通りTekniska hogskolan駅で下車するとRoslagsbananの案内が出ており、表示に従い地上の駅へと向かう。
構内にはいるとRoslagsbananの駅の様子がおかしい。
構内の中央になにやら案内看板が立てられているが、あまりにも閑散としすぎている。
案内分の単語の様子からどうも工事で運休しているようだ。
道理で経路検索をかけるとバスになる訳だ。
ただ乗り換え案内で調べた雰囲気では奥の方の区間は運行しているらしい。
地下鉄でさらに4駅先の地下鉄駅の終点から乗り換えられそうなので、そちらに向かう必要があるが 駅構内には車両が留置されているので一通り写真を撮ってから移動することにしよう。
Stockholmの変わり種電車
この路線は軌間891mmのナロー路線で通勤路線として機能しており、一見すると特に目新しいようには見えないが使われている車両がある意味とんでもない代物だ。
車両自体は1990年代の製造のため特に古いわけでもなくどちらかというとかなり新しい部類となり、制御方式は近年主流のVVVFインバータ方式を採用しておりこれも珍しくもない。
最大の特色はその駆動方式にあり最新の制御方式なのに対して最近では電車では滅多にお目にかかれない古典的な釣り掛け駆動を採用している。
日本では大手私鉄ではほとんど絶滅し地方私鉄にわずかに残る程度の古い方式で、走ったときに発する轟音が特色だ。
インバータ方式も高周波の変調音が特色だがこの二つの音を同時に発する車両は私の知る限りでは電気機関車を除くとここにしかない。
元来「音鉄」ではない私だがこの変態車両はどんな音を奏でるのか興味津々だ。
取りあえず運休区間は4駅先のMorbyまでのようで本来ならその1駅先のDjursholms Osbyまで乗る予定だった。
この区間を乗ろうと思ったのはDjursholms Osbyから路線が分岐するのでここまでは列車本数が多いだろうという理由による。
8:30までにホテルに戻ることを考えると日曜の早朝ということもあり、それほど列車が運行されていないだろうから奥の方まで乗るのは時間的に危険だろう。
取りあえずMorbyの最寄り駅であると思われる地下鉄RedLineのMorby Centrumまで移動する事にしよう。
時間的にはまだ1日券が有効のためそのまま地下鉄ホームに向かうが、ちょうど電車が出たばかりでしばらく待つことになりそうだ。
この駅もStockholmの地下鉄路線らしく、駅構内の装飾が凝っており、電車が到着するまでいろいろと見物させてもらう。
次の電車もそのうちやってきたので地下鉄の終点であるMorby Centrumに向かう。
終点に到着すると時間はそろそろ7時になろうとしているのであまり余裕が無くなってきた。
ただ駅の案内を見てもRoslagsbananの案内が見あたらない。
駅前を見渡してもそれらしい施設が見えないので焦ってくるがハンディGPSで周囲の地図を確認するとMorby駅に近いのは1つ手前のDanderyds
sjukhus駅であることが判明し、似たような駅名だからこちらの方が近いと判断したのはミスだった。
取り急ぎ戻ろうとするがちょうど乗車券は時間切れとなるため構内の券売機で一番安いチケットを購入ようとするもののクレジットカードで無いとダメなようだ。
金額からすると200円程度なのだがこんな少額でカードを使うことになるとは思わなかった。
地下鉄で1駅戻り、Danderyds sjukhus駅で降りるとRoslagsbananへの案内が小さいながらも表示されていた。
案内を頼りに300m程度歩くと道路を跨ぐ鉄道のコンクリート橋が見えてきてそこがRoslagsbananのMorby駅であった。
構内の表示を見ると次の列車は7:34で15分ほどの待ち時間のようだ。
1駅乗って戻って来るなら時間的には何とかなりそう。
また券売機で切符を購入するがこちらは硬貨が使えるようで何とかなるようだがお金を入れても戻ってきてしまう。
故障かなと思ったがよく見たらポンド硬貨が財布の中に混じっており違う通貨を何度も入れていたようだ。
ちゃんとスウェーデンクローネを入れたら反応して無事乗車券も購入できた。
有効時間は1時間なので往復に使っても問題はないでしょう。
駅のホームで電車を待っていると日曜の朝と言うこともあり利用者は少ないようだ。
ただ、多少はいるのだがそのうちの1人がやたらと私の後ろ側に回り込むような動きをする。
現地人だろうが白人では無くアラブともアジアとも違うような風貌をしている
あからさまに警戒しているのを態度に出すのもどうかと思い後ろ側に回り込もうとするたびに電車のパーツの写真を取るフリをして場所を移動するのであった。
しかしその後も同じような動きを何度かするのでさすがに何か用か?というような顔で相手の顔をしっかり見るとその後そのような動きをしなくなったことからやはり良からぬことを考えていたのではないかと勘繰ってしまう。
その後列車の方は発車時刻の5分ほど前には入線してきたので早速音が楽しめる電動車に席を確保する。
乗っているのは1駅間なのでビデオ代わりにデジカメを動画モードにして車窓と音を記録しておくことにするか。
電車は定刻で発車するが最初はインバータのヒューン、ヒューンという変調音が聞こえたと思うとすぐに台車から釣り掛け駆動の轟音が響き渡る。
インバータは低速度で特に変調音がきこえるので動き出してしばらくがの頃が一番にぎやかだ。
速度が速くなると釣り掛けの轟音のみが響き旧型車に乗っているのとの違いは分からないようだ。
1駅乗車のため乗っているのは1分強で、次駅のDjursholms Osbyに到着だ。
あまりに短い乗車時間だが今後の予定に支障するのでしかたない。
反対側のホームに移動すると10分の待ち合わせで戻る電車が到着するようだ。
この駅は分岐駅のため駅のホーム配置も扇型に広がって配置しているが分岐線側の線路の先は枕木が積み重ねられて封鎖されていた。
こちらも工事中のようでどうやらタイミング悪いときに来たようだ。
折り返しの7:46分発の電車に乗り、元来たルートを通って中央駅に急ぐことにしよう。
中央駅に戻ってきたのは8時過ぎですぐにホテルに戻りチェックアウトをする。
これから向かうUppsala駅は夕方に乗車する夜行のノルドピーレンでも通過するのでそこから乗車しても良いが、やはり始発のStockholmから乗りたいので荷物は中央駅のロッカーに預けていくことにしよう。
昨日に引き続き朝から動いた関係でホテルで朝食を取っていないので、またMACに立ち寄り昨日と同じエッグマフィンを購入し朝食とする。 |
運休中のStockholm北駅ホーム |
運休中のStockholm北駅ホーム |
Morby駅に進入する電車
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Roslagsbanan車内 |
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Stockholm C→Uppsala
9:11分発のRegional(快速)Uppsala行きは3番線の発車で、定刻の20分前には入線してきていた。
今回乗車するのは両端に黒色塗装のRc6型電気機関車を配置したスウェーデンの一般客車編成だ。
今日からはスカンジナビアレイルパス(2等周遊券)を使用するため2等に乗車するが車内はガラガラだ。
列車は定刻に発車し北に向かって快調に走り出した。
GPSを使って速度を計測するとだいたい160km/hで走行しているようだ。
そのうち女性車掌の検札がやってきて日本人と分かると「コニチワ」と言ってくれたのでこちらも「HAY、こんにちは」と返す。(HAYとHEYはこちらの一般的な挨拶です)
パスのチェックを終えて車窓さんが最後に「サヨナラ」と言うのかな?などと思っていたら全く予想もしない「カンパイ!!」と言って去ろうとする。
こちらも素で「!?What?!」 と返すとやはりサヨナラのつもりで言っていたらしく、「乾杯」の意味と挨拶は「サヨナラ」だと教えてあげた。
しかしどこで乾杯なんて日本語を知ったのだろうか?非常に気に掛かる。
列車の方は快調にとばし約40分で終点のUppsalaに到着した。
駅構内はどうも工事中のようでずいぶんと雑然としている。
Uppsalaといえば大聖堂が多少有名らしいのだが、正直教会は食傷気味なのと保存鉄道の乗り継ぎ時間が余り無いので駅裏の保存鉄道乗り場の方に急ぐことにしよう。
保存鉄道も本来なら駅の一角まで乗り入れいてるのだが、この工事により現在は400m程度手前の仮駅までの運転となっている。
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Uppsala中央駅 |
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SL列車その1
駅はすぐに見つけられたがホーム上には結構なお客が列車を待っているようだ。
切符を購入するため駅舎の窓口でこの路線の終点のFaringeまでの往復乗車券を購入する。
ただし行きの列車は直通せずにSL列車を2列車乗り継ぎ最後はレールバスに乗り換えとなる。
まず最初のSL列車は途中のMarielundまでの運行となる。
軌間が891mmと昨日の保存鉄道より広いことから、やってきた軸配置が1+D級の蒸気機関車も結構立派に見える。
車内は結構混雑しているかもと思ったが意外とゆったりしており席の確保も問題ないようだ。
列車10:25にUppsalaを発車し東に向かって走り出す。
基本的に保存鉄道のようなのだが地域交通の一翼を担っているようで、結構こまめに停車して途中駅での乗降もそれなりにあるようだ。
鉄道の施設も途中高速道路を横断する橋梁など最近掛け替えられたばかりのような箇所もあるし意外と施設は立派である。
途中の沿線風景は最初のうちは住宅近郊といった趣だったがそのうち林の中を進むようになる。
沿線には意外と野生の鹿が多く、列車に驚いて逃げていく姿を何匹も目撃した。
最初の乗換駅Marielundまでの所要時間は30分ほどで次の列車に乗り換えとなる。
乗換駅の Marielundは1面2線の行き違い駅でこの駅で上りのレールバスと行き違うため乗り換え列車は側線で待機している。
結構な乗客が乗ってきたSL写真を撮るのに夢中になっており反対からやって来るレールバスに気が付かずいるようなので危ないので声をかけることになる。
SL列車その2
レールバスが発車後はこれから乗車する2本目のSLが入線してくるが、ここで切符に問題があることに気が付いた。
買うときに終点のFaringeまで購入したはずだったが切符の表記はこの駅までだった。
乗る前にもらった時刻表の運賃を見ても支払った額は終点までの金額になっている。
これはどういうことかと2本目の列車の車掌に相談すると取りあえず車内で話を聞くので乗っていてくれとのことだった。
列車は定刻にMarielundを出発するが、今度は小型のタンク機関車のたため牽引している客車も小振りな物が多い。
それでも速度はそれなりに出ているが1本目に比べるとちょっと迫力に欠ける印象だ。
そのうち車掌さんが来たので分かる範囲で何とか事情を説明すると、駅で支払ったのは正規の往復料金で間違いないので車内補充券に事情を書いて追加料金なしとしてくれたので助かった。
その後は列車は快調に飛ばして2回目の乗換駅Almungeに11:43に無事到着。
SLはこの駅で折り返しとなるが約50分後に終点Faringeまでのレールバスがやって来るのでしばらく駅で待機となる。
駅のホームで写真を撮ったりしながら過ごすが途中で切符を買ったときのレシートがポケットとに入っていたことに気が付いて、先ほどの車掌氏に提示しておくと、彼も納得したようだ。
SLの方はこの駅で折り返すため石炭の補給など出発準備に余念かせ無い。
その間乗客は駅舎の簡易売店でコーヒーなどを購入してベンチで思い思いに過ごす。
レールバス
12:25にレールバスが到着したので早速乗り込むが、ほかの乗客はほとんどSLで折り返すようで乗車客は私のほかには2,3人しか乗らないようだ。
10分ほどの停車後レールバスは終点のFaringeを目指して走り出すが、残りの区間は距離もそれほど無いので15分ほどの乗車で終点に到着だ。
レールバスの車掌さんはお客が少なく手持ちぶさたなのと東洋人が珍しいのか色々と話しかけてくるが、あまり込み入った話になると英語が理解できなくてかなり弱ってしまった。
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Marielund駅
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Almunge駅
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Faringe駅
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終点のFaringe は2面3線のホーム配置に側線が多数配置され、本路線の車両基地も兼ねているようだ。
構内の片隅ではSL用の石炭の選別作業を行っていた。
構内にはいろいろな車両が止まっているが勝手に入っても大丈夫か?と躊躇していたら同じ列車に乗っていた老人が大丈夫だからと構内に入っていく後を付いていくことにする。
この老人にいろいろと車両の解説を聞いて構内にいるDLでもっとも古い1947製の1号機について色々と教えてくれた。
もっとも内容的には身振り手振りでチェーン駆動であるとか、ちょっと変わった機構について示してもらって何とか理解したようなもので会話が成立したほどではない。
構内の探検後は帰りの列車の出発までは50分ほどあるので駅周辺の散策をしたが結局なにもなしで、売店等もないので昼飯は抜きになりそうだ。
13:45に上り列車は定刻に発車するが乗客はかなり少なく、全員で私を含めて4人だけで全員下り列車に乗っていた乗客だ。
列車の方は快調にUppsalaに向かって進んでいくが行きに乗り換えたAlmunge、MarielundでSL列車と交換するするたびに乗客が増えて終点のUppsalaに着く直前には車内は満席となっていた。
終点のUppsalaには途中遅れて15:15に到着した。
乗り換えのIC(インターシティ:特急)まであまり時間がないので、急いで国鉄駅の方に移動することにしよう。
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Faringe駅
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1号DL
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レールバス運転台
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レールバス車内
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Uppsala→Stockholm C
UppsalaからStockholmに戻るには15:35のインターシティに乗車する予定だが、どうやら遅れているようでなかなか列車が到着しない。
結局30分遅れの16:00頃到着するが車内はそれなりに込んでいるものの何とか席を確保できStockholm Cを目指して南下していく。
ただ行きとルートが違うようで行きには通らなかったアーランダ空港を経由するルートだったらしく、ちょっと時間が掛かったものの17:00前に無事Stockholm Cに戻ってきた。
この後乗車するノルドピーレンは18:12の発車予定なので1時間程度の待ち時間になったのは丁度良かった。
昼食を食べそびれたため構内の食堂で野菜等のバランスが多少良さそうなケバブを注文するが、思っていた以上にボリュームがあり、全部は食べきれなかった。
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ノルドピーレン号 Stockholm C駅
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ノルドピーレン乗車 Stockholm→Narvik
列車の方は17:30頃に入線したので予約してある寝台車の10号車を探すと、機関車の直後が私の乗車する車両だった。
途中各車両の行き先をチェックしていると編成後部はLuleaに向かうが、中間の座席車が終点Narvikとなっているのに対して、寝台車はすべて途中のKiruna止まりとなっているようだ。
寝台車の入り口に立っている女性車掌に切符を見せてチェックを受ける際にNarvikへは途中で車両を移動するのか確認したところKirunaで座席車に移るように言われた。
まあ取りあえず終点まで列車で移動できそうなので安心したが、実はまだこのほかに重大な問題が残っていた。
予約した寝台車だが最近は個室寝台を連結しておらず、3段寝台に相部屋となることだった。
言葉があまり通じない人と20時間近く狭い部屋に一緒と言うも結構きつい。
取りあえずStockholm出発時には同室者がいないのでこのまま来ないと助かるな。
同じ車両にはどうやら日本人女性の2人連れが乗車しているようだ。
廊下ですれ違った際に情報交換ではないが寝台車はKiruna止まりになると車掌に言われたことを伝えておく。
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Stockholmを出発して焼く30分強で先ほどまでいたUppsalaに到着したが、ここでついに同室となるスイス人カップルが乗車してきた。
スイス西部の町からやってきたこの二人、Kirunaでキャンプをしにやって来たとのことだった。
こちらも最初のうちは色々と世間話をするようにするがそのうち話題が尽きて気まずい空気が流れてくる。
これを明日の朝まで耐えなければならないのかと思っていたら乗車時にチェックを受けたのとは別の赤鬼のような女性車掌がやってきて、Narvikへ行くやつはこっちに来いと言っている。
何事だろうと思っていたら空いている寝台を別途割り振ってくれて1人部屋にしてくれた。
正直助かったと思いつつ安堵したところに別の大問題を通告してきた。
「この列車はKirunaで打ち切りとなり、その先はバスになる。」
最北端の駅に列車で行くのが目的なのにバス代行ではそれが達成できない。
そもそも昨日の列車がバス代行になるから予定を変更したのに何で今更という印象が強い。
ただ車掌さんにそれを言ってもはじまらないので目的達成のための方策は無いか色々対策を練るしかなさそうだ。
予定どおり行けば明日の14時過ぎには、Narvikに到着の予定だったが、さてどうした物やら・・・・ |
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