2011年 7月8日 7日目 Dresden観光

 本日はドレスデン北西部でSLを運行しているLossnitzgrund bahnを乗りに行き、途中にあるモーリッツブルグ城を観光する。

 ホテルを9時過ぎに出発し、トラムの1日券を自動販売機で購入してから、Post Platz経由で中央駅に向かう。
 Lossnitzgrund bahnの始発駅、ラーデボイル・オスト(Radebeul Ost)駅は中央駅からSバーンで15分ほどの場所だが、Sバーンの乗り場がよくわからないので、駅のインフォメーションで聞いてからホーム向かうと丁度出発したばかりだった。
 ラーデボイル・オストに行くS1系統の運行本数はあまりないようで、朝のこの時間帯でも20分に1本程度の運行のようだ。
 本日は鉄道パスで余ってしまう分を使用したので、片道15分の道のりだが、1等車で移動させてもらう。
 天気の方は小雨がパラつく状況だが、せめてお城観光の間くらいは晴れてもらいたいものだ。

ラーデボイル・オスト
 2階建てのSバーンに揺られて、10時16分にラーデボイル・オストに到着、SLの出発は10時30分頃なので、直ぐに隣のホームに移動して、車掌さんから終点のラーデベルグ(Radeberg)までの往復券を購入する。
 
 この路線は路線長17kmほどだが、終点のラーデベルグまで行く列車は3往復しかなく、途中のモーリッツブルグ折り返しを含めても6往復しか走っていない。
 朝1番のラーデベルグ行き列車は6時代の出発のため、さすがに早過ぎることから10時過ぎのこの列車にしたが、モーリッツブルグのお城観光をしようと思うと効率よく列車の時間と組み合わせるのが難しい。

 一度終点のラーデベルグまで行ってからモーリッツブルグに戻り、お城観光をしてからラーデボイル・オストに戻る行程としたが、お城観光の時間は1時間半しか確保できない。
 もっとお城を見ようとすると、今度は帰りの列車がなく、3時間後になってしまい今度は時間が余ってしまうのだ。
 
 SLの方は、定刻に出発し、しばらくは住宅街の中を進んでいく。
 最初の駅Weisses Rossでは、トラムの走る道路と平面交差するため、トラムを待たせて踏切をSLが通過していく。
 意外と途中駅での乗降もあり、純然とした観光路線ではなく、生活路線としても利用されているようだ。
 その後は住宅も少なくなり、木立の中の上り坂を右に左に進路を変えながら進み、田園風景に景色が変わってくると、路線の中間で観光地のモーリッブルグに到着。
 ここはモーリッツブルグ城が有るので、ほとんどの乗客がここで降りてしまうようだ。 
 駅前には観光馬車が客待ちをしているが、悪天候気味の上に乗車客も余り多くないので、誰も乗らないようだった。
 その後はなだらかな丘陵地帯を進み、11時20分頃終点のラーデベルグに到着。
 ラーデベルグもちょっとした住宅街となっており、私達のように折り返す乗客のほかは、駅の外にそれぞれ散っていった。
 折り返し時間は20分ほどだが、一応機関庫が併設されており、折り返しの合間に軽い整備を行っているようだ。
 結構立派な駅舎があるが、1日3本しか列車が来ないためか、余り使われていないようだ。

ラーデベルグの機関庫

ラーデベルグ駅 駅舎
 11時40分の折り返し列車で中間のモーリッツブルグに引き返す。
 折り返す乗客以外には、新しいお客はほとんどおらず、ガラガラの状態で、ラーデベルグを出発する。
 途中のモーリッツブルグまでは約20分で12時に予定通り到着。
 モーリッツブルグ駅に到着する頃には天気も回復してきており、駅からちょっと距離のあるお城まで歩いていくのも問題なさそうだ。

 駅からお城までは1km強あるが時間が限られているので早速そちらに向かって歩いていく。
 駅横の踏切を曲がればお城まで1直線だが、ちっょとした丘の向こうらしく最初はお城の姿が見えない。
 途中にはちょっと立派な教会も有るのだが、寄り道している時間もないので、先を急ぐことにしよう。
 駅から急いで歩いて20分ほどで、無事お城に到着。
 湖の中の島に立てられており、なかなか雰囲気は良さそうだ。
 ただ、外壁は最近修復されたようで、かなり派手な黄色系の色に塗られていた。
  とりあえずお城見学と言うことで、チケットを購入して内部に入ると、羽毛を使ったタペストリーが有名らしく、なかなか豪華そうな天蓋のあるベットが置かれた部屋を見学する。
 ただ、羽毛のため近づいて見ると模様がよくわからず、また違和感があるので、少し離れてみるのが良いようだ。
 その後は各部屋を回るが、ガイドフォンも借りずにちょっと急ぎ気味に見ていたので余り印象に残るところはなかった。
 内部見学が終わると、まだちょっとだけ余裕があるので、お城の外側を1周してみることにする。
 裏側には庭園が広がっているが、そちらまで回る時間はなさそうなので、あっさりパスする。
 お城の正面に戻る頃には1時過ぎとなっており、列車の出発時間まで30分ほどとなったのであわただしいが駅に戻ることにする。
 お城の前にタクシーでもいないかと思ったが、馬車以外はいないようで当初の予定通り歩いて戻る。

道中の教会

モーリッツブルグ城

お城正面玄関より、駅方面

上部が修復済み、下部は未修復の状態
 モーリッツブルグ駅に戻るとまだ列車は到着していないようだ。
 予定ではラーデボイル・オストから来た列車が折り返すので、駅に到着しているかと思ったが幸いなことにちょっと遅れているらしい。
 駅のラーデボイル・オスト側はちょっと長い直線で、駅の手前でカーブしていることから、カメラを構えて列車を待っていると、直ぐに汽笛が聞こえて列車がやってきた。
 本格的に撮影ポイントを探して撮るほどの余裕はなかったが、走行シーンを撮影できたので満足する。
 
 到着した列車は直ぐに機回しを行い、ラーデボイル・オストに向けて出発。
 車内での検札では、往復乗車券ですでに2回検札を受けている我々の切符を見て車掌さんがちょっと怪訝そうな顔をしていたが、特に何も言われることはなかった。
 列車は14時前にラーデボイル・オストに到着し、接続するSバーンで一度中央駅に戻ることにする。 

モーリッツブルグ駅到着時

モーリッツブルグ駅到着時
 中央駅に戻り、構内の売店で軽い昼食とする。
 本日の昼食はハンバーグとジャーマンポテトで終了。
 味の方はまあまあで、量も適当だったのでこんな物でしょう。

 さてこの後はどうするかと言うことだが、SLの車内でもらった時刻表を見ると他のSL路線の方も行って来れそうな感じだ。
 当初の予定ではお城を出発するのが16時過ぎになりそうだったので、あきらめていたが、駆け足で見たおかけで余裕が出来た。
 
 結局いつものことながら、モールなどを見て回る妻と別れ、ドレスデンの南側にある、Weisseritztal bahnに行かせてもらうことにする。
 もともと行くつもりではなかったので、下調べはしていなかったが、もらったパンプレットを頼りに位置関係を把握する。
 距離としてはラーデボイル・オストと同じような物でそんなに遠くなさそうだ。
 始発駅のフライタール・ハインスベルグ(Freital-Hainsberg)への行き方をインフォメーションで聞いて、乗る列車を確認するがインフォメーションでは切符は売っていないらしい。
 妻と別行動なので二人用パスは使用できないのため、構内の自動販売機を使って悪戦苦闘しながら何とかか切符を購入。
 買うのに時間がかかり、乗る列車が出てしまったため、恥を忍んで再度インフォメーションに次の列車を聞きに行く。
 係りの女性に「何でまた来たの?」と言うような顔をされ、かなり恥ずかしかった。
 ドレスデン中央駅からSバーンのS3系統で約15分、今度は2等車でフライタール・ハンスベルグに移動する。
 フライタール・ハンスベルグはDBの路線が盛土となっており、Weisseritztal bahnはDBの線路の西側の地平にかなり大きなヤードを配置した形で広がっていた。
 構内には貨車が留置され、以前は貨物輸送も盛んだった様子がうかがえるが、現在は貨物輸送は行っていないようだ。
 駅舎はDBの線路を挟んだ反対側で地下道を通って、Weisseritztal bahnの事務所で往復券を購入する。
 駅前は大きめの道路と広場が有るが、売店などもなく、かなり閑散とした印象を受ける。
 出発まで1時間程度有ることから、構内の車輌の写真を撮ったり、DBのホームでやってくるSバーンの写真を撮って過ごす。

 列車の出発は16時40分頃で、乗客は私を含めて6人ほどだ。
 天気がいいので、オープンカーに乗車するが、7両くらい連結してるのに1両だけ連結されたオープンカー以外には乗客はいない。

 フライタール・ハンスベルグ駅を出発すると、直ぐにDBの線路の下をくぐり、DBの東側に移ると、築堤の上に上がってしばらくは、DBの線路と併走する。
 進路を東に取ってDB線路と分かれてしばらくはまだ市街地だが、ショッピングセンター脇を抜けた当たりから深い森の中へ分け入っていく。
 線路は川沿いの上り坂を急カーブでチョコマカと進行方向を変え、森の奥に進んでいく。
 沿線の登山道にはハイキングを楽しむ人が多く、みんな列車に手を振るので、こちらも振って応える。

 途中の橋や石積が新しいなと思っていたら、水害で壊れた箇所を最近復旧したばかりらしい。
 駅なども場所によっては構内が真新しい状態なので、かなりの規模で被害を被っているらしい。
 途中駅の駅では、ハイキング帰りの人たちの乗車があり、ちょっとづつだか乗客が増えていく。
 区間利用者もそれなりにいるようで、切符を売ったり検札したりと車掌さんもそれなりに忙しそうだ。  

 マルター湖が右手に見えてくると、終点のRoteWeiberitzももうすぐで、17時30分頃無事到着する。

フライタール・ハンスベルグ駅

駅での給炭作業

往路の列車

RoteWeiberitz駅での機回し

復路の列車

フライタール・ハンスベルグ駅での機回し
 

ドレスデン中央駅のSバーン
 RoteWeiberitzでの折り返し時間は10分ほどで、本来なら路線の先が有るのだが水害から復旧しておらず、現状ではここが終点のようだ。
 帰りの列車も往路と同じ、オープンカーに席を確保するが、ハイキング帰りの一団が乗り込んできているので、大分にぎやかだ。
 途中のマルター湖にかかる橋の近くの湖畔では、全裸で日光浴する男性が一瞬視界をかすめ、あまりの大胆不敵さに戦慄を覚える。

 その後は特に問題もなく、18時30分頃フライタール・ハンスベルグ駅に戻ってきた。
 機回しの様子を撮影してから、接続するSバーンで中央駅に戻るが、妻の方から連絡が合ったので19時30分にPost Platzで待ち合わせして食事をする事にする。
 
 中央駅ではここのところ一等車でも意外と混雑していることが多かったので、明日の移動に備えてICEの座席指定をしておくことにした。
 座席指定も問題なく取れ、トラムでPost Platzの待ち合わせ場所に移動するとちょっとだけ早かったようだ。
 カーゴトラムの写真撮っていなかったので、やってくることを期待したが、妻を待っている間には遭遇しなかった。 
 妻の方と無事合流し、モールで明日の朝食の買い物をしてから、ドレスデン城脇のレストランで最後夕食にする。
 料理の方は牛肉のザクセン風にジャガイモのダンブティング、ザワークラウトの付け合わせにする。
 妻も同じメニューにするが、今日の料理はおいしいとのことで、最後の最後で満足できたようだ。
 ただ、ウェイターが親切なのだが、どことなくオカマっぽい仕草なのが気に掛かる。

 食後は最後と言うことで、エルベ川の方まで行ってみるが、どうやら何かのお祭りのようで、対岸では野外コンサートをしているし、遊覧船乗り場の当たりは屋台がたくさん出ている。
 何のお祭りなのかよくわからないまま教会などを一巡し、トラムでホテルに戻るのであった。

 明日はフランクフルトに移動して、そのまま帰国だ。