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この日は戦場に掛ける橋で有名なクウェー川橋梁のあるナムトク線で、ナムトクまで往復だ。
ナムトク線は列車の本数が少なく、日中に往復するにバンコク市内を8時前に出発する必要がある。
ホテルを6時30分頃に出発し、近所の7-11で朝飯と昼食、道中の飲み物を調達して、タクシーを拾って、ナムトク線への直通列車の始発駅トンブリ駅に向かう。
トンブリ駅はバンコク市内の西側にあり、再開発で路線縮小する以前の終着駅、バンコクノーイ駅と言った方が通りが良いため、タクシードライバーにバンコクノーイと伝えると一発で伝わり、順調に西に向かって進んでいく。
日曜日の早朝のせいか渋滞は全くなく、快調に飛ばして、20分ほどでトンブリ駅に無事到着。
ホテルからのタクシー代は約100バーツであった。
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早速、切符売り場に向かい、ナムトクまでの片道乗車券を購入。
ナムトク線は路線保全の特別料金が掛かるとの事前情報どおり、片道の運賃は100バーツであった。
出発まで多少時間があることから、ホームをうろついて構内の写真を撮っているが、以外とホーム上で列車で列車を待っている人が多い。
時刻表を見ると、私が乗る列車の前に2本列車があることから、そちらの乗客がどの程度混じっているのかは気になるところであった。
構内に停車している客車を観察していると、どうやらほとんどが日本製のようで、台車には日本の103系などでおなじみのTR201が使用されている。
先行する2本の列車が出発すると、ホーム上の旅客も大分減って、ちょっと閑散としてしまった印象もあるが、乗客が少ない方がのんびり行けるので一安心。
7時40分頃、乗車する列車が入線し、前から3両目で眺めの良い進行方向左側席を無事確保。
乗車率は30%程度と言ったところか。
車内は狭軌路線のため、あまり広くないが、ビニールカバーの掛かったクロスシートは、3+2の座席配置となっており、満席になった場合はちょっと窮屈そうな印象を受ける。
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列車の出発は7時50分だが、なにやらブレーキの点検に手間取ったようで、列車が動き出したのは8時過ぎてあった。
出発直前には、8時の国歌の放送があったものの、車内の人は立ち上がっていないので、そのままこちらも周りに合わせて座り続けるが、ホーム上の人たちは、キチンと直立不動で放送が終わるので、じっとしていた。
無事ナムトクに向けて、出発するがしばらくは単線のスラムの様なところをソロソロと進んでいく。
車内では、小さな女の子と男の子を連れたお母さんと相席となるが、子供たちはこちらに興味がないようなので、正直安堵する。
トンブリを出発して20分ほどで、ファランポーン駅から、バーンスージャンクションを経由してきた、南本線と合流。
南本線に沿って、真新しい高架線ができあがっており、てっきりエアポートレールの延伸部かと思ったが、そのうち南本線の線路と合流したことからどうやら違うようだ。
エアポートリンクは軌間1435mmの標準軌、タイ国鉄は軌間1000mmのメーターゲージのため、直通運転はできない。
高架線の駅設備を見てみると、高床式のホームとなっており、こちらについてもタイ国鉄の低床式ホームと異なっており、また開業していない様子なので私の把握していない路線計画があるのかもしれないようだ。
ただ、ホームの駅名表など、ホーム線路側の縁に建っていたりして、建築限界を侵しているようにも見られる箇所が多々あり、ちょっと理解に苦しむ構造になっているようだ。
(後日のバンコク出張で、現地の同業者に確認したところ、バンコクレッドライン一部区間であることが判明、通勤用路線として整備を行っているようだ。)
その後は意味不明な停車を繰り返しながら、西に向かって進んでいく。
途中のナコンパトーム駅で、一人の女性がボックス席にやって来たが、どうも挙動不審である。
何となく、麻薬中毒のような感じがすることから、基本的相手にせず、車窓を楽しむことに専念するのであった。
ノン・プラデュク駅のあたりで、南本線と分かれると、進路を北西にとり、熱帯の田園地帯をカンチャナブリにむけて、快調に飛ばしていくようになる。
カンチャナブリ駅には11時頃到着の到着で、発車時刻を30ほど過ぎているので、30分程度の遅れかと思っていたが、この駅で列車の前に客車を増結するらしく、入れ替え作業に30ほど掛かり、結局1時間遅れでの出発となる。
増結した客車以外にも、かなりの乗車客が有り、車内は80%程度の乗車率となったようだ。
クウェー川橋梁はカンチャナブリ駅のすぐ先だし、有名なタムカッセ桟道橋も有ることから、ここまでバスで来て、ハイライト区間のみ乗車する人も多いのだろう。
カンチャナブリを1時間遅れで、発車した列車は、橋の手前で保存SLがおいてあるクウェー川橋梁駅でさらに乗客を乗せて、最初のハイライト、クウェー川橋梁をゆっくりと進んでいく。
橋の待避所には大勢の観光客が列車を避けて待避しており、橋を徒歩で渡っている人がいかに多いか実感する。 |
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クウェー川橋梁を通過すると、すぐにチョンカイの切り通しで、そこを抜けると後はしばらくまた熱帯の田園地帯を進んでいくのであった。
ただ、沿線の畑のの作物を見ていると、どうもほとんどが麻畑のようで、大麻らしき葉っぱがそこら中に群生しているのであった。
カンチャナブリから1時間30分ほど、走った13時頃、2つめ利ハイライトとなるタムカッセ桟道橋に列車が進入していく。
木造の橋脚を川と山の間の狭隘な空間に延々と並べた2つの橋はこの区間の名物と言うこともあり、乗客はみんな窓から身を乗り出して、写真を撮っている。
こちらも負けじシッャターを切り続けるが、どうせなら車内からではなく、沿線から写真を撮りたいところ。
もっとも列車でやって来て写真を撮るのは、運行本数の少なさから、日帰りでは不可能なことから、次回はタクシーをチャーターして、やって来ることを考えておこう。
橋の両端にはそれぞれ駅があることから、渡りきった先の駅で、カンチャナブリーから乗った乗客はほとんど下車してしまい、車内は一気に閑散となる。
その後は終点ナムトクを目指して、列車は上り坂を進み、終点ナムトクには13時40分頃に到着した。
ダイヤ通りなら12時35分着なので、約1時間遅れでの到着となった。 |
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ナムトク駅の上り列車の発車時刻は12時55分なので、到着時点ですでに発車時刻を過ぎてしまっている。
取り急ぎ帰りの乗車券を買い求めると機関車の着回し作業はもうすぐ終わりそうな様子なので、取り急ぎ駅前の写真を2,3枚撮ったら、急ぎ列車に戻り座席を確保する。
もっともここから折り返す旅客はそれほど多くないようなので、行きとは車輌を替えて、最後尾に近い車輌に乗車する。
本当であれば、最後尾に乗りたかったのだが、団体専用らしく車掌さんからダメだしを食らってしまった。
乗車した車輌は行きとは違い、座席が木製で長時間の乗車はきついかもしれないが、耐えられなかった場合は、カンチャナブリあたりから車輌を移ることにして、とりあえず発車を待つ。
列車の方は、結局15分ほどの停車時間でナムトクを発車して、元来た線路をトンブリに向けて引き返していく。
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帰りは下り勾配のためか、列車も速度を上げ気味にして、バンコクを目指す。
結構車内には物売りがやってくるので、とりあえず食べても大丈夫そうな焼き鳥を買って、車内でほおばりながらタムカッセ桟道橋までは、のんびりと過ごす。
タムカッセ桟道橋の手前の駅では、またもや大量の観光客が乗車するようだが、大半は最後尾側の専用車両に乗車するようで、こちらの車内はあまり乗客は無い。
行きには川側ばかりに気を取られていたが、帰りは余裕もあることから山側についても観察すると、手を伸ばせば崖に手が届く場所によくぞ線路を引いたものだと感心する。
タムカッセ桟道橋を過ぎれば、後はクウェー川橋梁までは、また車窓をのんびりと眺めながら過ごす。
クウェー川橋梁では行きと反対側の北側の車窓を観察すると橋の手前に大きな観音像が建っていた。
タイは仏教国だから、あまり違和感は無かったが大仏ではなく、観音像を見たのはここだけだったかもしれない。
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カンチャナブリーを過ぎれば、特に見どころとなる箇所もないことから、後はひたすらバンコクに到着するのを待つが、以外と木製の椅子でも体にフィットするのか、お尻も腰も全く痛くない。
とりあえず車輌も移動せず、そのままバンコクに向かうことにしよう。
南本線と合流すると、乗っている列車が遅れているせいか、途中駅での対向列車待ちでの停車が増えてきてなかなか前に進まない。
結局終点のトンブリに到着したのは、1時間半遅れの19時頃で、あたりはすっかり暗くなってしまっていた。
駅前の大通りで、タクシーを捕まえて、ホテルに戻ると、20時前となっており、11時間近く列車に乗った疲れからか、夕食も取らずに部屋に引きこもるのだった。
明日は夕方の寝台列車でチェンマイに向かうので、荷物の整理だけはしておかねば。 |
本日の移動経路
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