2015年 9月13日 ウラジオストク移動日

本日の移動経路

 本日より念願であったシベリア鉄道横断の旅に出発だ。
 本当なら前日土曜日に出発したいところだったが、今回利用するS7航空は毎日運行されていないので仕方がない。
 韓国、中国経由のルートなら、前日出発も可能だっだのだが、料金と時間がかかるし露骨な反日国には寄りたくないので本日の出発となった。
 休み自体は前日の土曜から始まっているので、前日の内に散髪に行き、シベリア鉄道乗車中はシャワーなしとなることから、いつもより短めに髪を切っておく。

 今回は1人での旅行となり、本日から実家に里帰りする妻を送り出してから、こちらも動き出す。
 ウラジオストク行きの出発は15:40なので、午前中に自宅を出発して、12時過ぎに空港へ到着。
 現地通貨のロシアルーブルについては現地でキャッシングは可能であろうが、一応念のため空港で両替しておくべく予約をしていた両替所に向かう。
 名前を告げるとすぐに対応していただき、2万円分8400ルーブルを両替する。
 日本で両替するとレート的にはかなり不利となるのだが、小額紙幣を多めに確保しておきたいとの思惑もあり、成田で両替することにしていた。
 その後はすぐチェックインカウンターに向かうとすでに手続きは始まっているようだ。
 今回は昨年取得したワンワールドのエリートステイタスがやっと活用出来ることからエコノミー利用でも、ビジネスクラスのガラガラのカウンターが利用でき、ほとんど待たなくて良いのが助かる。
 Webチェックイン自体は先日の内に済ませていたので荷物を預けるつもりだけでいたが、カウンターでエコノミー最前列の席に変更してくれた。
 確か最前列の席は別料金で900ルーブル必要だったが片道のため正規料金でチケットを購入していたため便宜を図ってもらえたようだ。
 その他にもワンワールドのステイタスが効いているかもしれない。
 ウラジオストク行きは私が調べた限り、成田の国際線では釜山に続き短い路線であり、ソウルよりも短い。
 多少窮屈な座席でもそれほどつらい思いをしないと考えていたが、少しでも足下が広そうな席をいただけるのは助かるし、ウラジオストクの降機時にもビジネスクラスに続き真っ先に降りられると入国審査で待たされなさそうなので都合がよい。
 荷物にもプライォリティのタグを付けていただき、新しい搭乗券を受け取ったら早速出国させてもらうことにしよう。

 出国審査も昼過ぎで出発便が少ない時間のためか、開いているブースは2カ所のみで、それでもほとんど待たずに審査を通過する。
 免税店に寄って道中のタバコを確保したら、すぐさまサクララウンジに入室し、出発までくつろがせてもらうことにしよう。
 この辺りで時間は大体13時過ぎとなっており、昼食にサクララウンジ名物のカレーをいただいたら、後はソファで時間までくつろいで過ごす。
 それにしても今日はかなりラウンジが閑散としており一番空いている時間帯なのかもしれない。 

 搭乗開始は15:20からなので、サクララウンジから遠い97番ゲートまでの移動時間を考えて、15時前にはゲートに向かう。
 成田第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ通路も以前は、ケーブルカーの様な車両で結ばれていたのに、大分前から運行を止めて工事しているなと思ったら待合いスペースに変更したらしく、結構開放的な空間に変貌していた。
 もっとも今後はラウンジを使う機会が増えそうなので、私には余り関係無いかもしれない。

 ゲートには15:05頃到着し、周囲で搭乗待ちをしている乗客も大部分の人がロシア人のようだ。
 一応機材の写真を撮っておくが、黄緑色の機体がなかなか新鮮である。
 本日の機材はA320で成田から国際線でナローボディの機材で出発するのは初めての経験だ。
 もっとも機内の圧迫感が有るから余裕のあるワイドボディの機材の方が快適だとは個人的には思う。

 搭乗開始は定刻よりもやや早めに始まり、優先搭乗で指定されたエコノミー最前列の右窓際3F席に落ち着く。
 てっきりバルクヘッドの壁かと思ったら、前はビジネスの席がそのまま配置され、仕切りでカーテンが引かれている程度で、特別広い席では無さそうだ。
 それでもパッと見は他の席よりは若干余裕がありそう。
 隣の席は空席で窮屈な思いはせずに済みそう。

 ロシア機のアテンダントはアエロフロートの伝説から太ったおばさんとのイメージがあるが、今回の便で搭乗しているアテンダント3名はそれなりに若くて皆スマートなので、ちょっと拍子抜けだ。
 機内は8割の搭乗率といった感じだで、淡々と搭乗が進み定刻よりも10分早くドアクローズとなり、出発する。
 ロシア人乗客が多いせいか、機内は大分静かで余り話している人がいない。 

 今回の離陸は滑走路が長い16Rからで、特に先行機もおらずスムーズにエアボーンする。
 離陸後は進路を北北西に取り、新潟県の上空で機内食が配られる。
 メニューはクレープの様なもので、チキンと紅茶をチョイス。
 それなりに美味いのたが、結構歯ごたえがある。

 途中機長のアナウンスが有ったがもの凄い早口の英語なので全く聞き取れない。
 とりあえず順調そうなので問題は無さそう。

 機内は国際線だが、モニター等もないので、特にすることが無く、適当に外の風景を見て過ごすが、雲が多く下の様子はよく分からない。
 佐渡島を過ぎた辺りからは特に揺れもなく快適な巡航で、離陸から1時間10分ほどでロシアの沿岸が見えてきた。
 ウラジオストク空港への進入は北東側からとなるようで、一端内陸側に入り込み高度を落としていく。
 周辺の地形は結構山がちなようで、たまに道路や送電線が見られる程度で民家などは皆無のようだ。
 
 その後は順調に降下を続け、現地時間18:30頃に25R滑走路に着陸。
 ロシアの航空機では着陸時に拍手が起こるといわれていたが、西側の機体の導入が進んだ昨今では、以前のように無事降りられるか分からないというようなことがないためか、全く拍手が起こらなくなっていたようだ。
 本当に拍手するのか興味があって期待していただけに残念だ。

 降機もビジネスクラスは1名しか乗客がいないことから、ほとんど先頭に近い状態で降りられたので、さっさと入国審査に向かうことにしよう。
 ロシアの入国審査は時間がかかると聞いていたので、後の方になると随分待たされるかもしれない。
 通路には警備の人員が複数配置され、厳しいまなざしで監視していることから空港内での写真撮影は不可能そう。
 カメラを出すと面倒なことになりそうだから、余計なことをせずに通路を進んでいく。

 入国審査のブースは5カ所ほど開いており、パスポートを提示する。
 入国審査の書類はビザに書かれたナンバーを審査官が打ち込むと書類が印刷される事になっており、特にこちらで用意する必要はない。
 しばらくパスポートの写真と見比べられた後、書類にサインすればおおよそ2分ほどで審査も完了し、無事入国できた。
 後はこのときもらった出国時に必要となる半券については厳重に保管するようにしておかないと後々面倒なことになる。

 正直ここが一番の難関と思っていただけにすんなりと審査が終わり拍子抜けだ。
 後はターンテーブルで自分の荷物が出てくるのをしばし待つが、プライオリティタグが付けられていたので、意外と早く出てきた。
 その後の税関も申告するような物はないので、そのまま免税のレーンを素通りし、やっと表に出る。
 到着ロビーでは手配していた送迎のドライバーが私の名前を掲げて待っており、合流すると空港前の駐車場に移動する。
 このときは現地時刻は日本に対して+2時間と勘違いしていた。
 後で気がついたが実際は1時間の時差のようで、現地時刻ではまだ19時前のようだ。
 スマホの世界時計がおかしいのか、このときは気がつかなかったがかなりの早着で、本来の到着時刻前には空港の建物の外に出ていた。
 これなら送迎を頼まなくてもアエロエクスプレスまで十分な時間がとれたので、そちらのほうが良かったがこればかりはしょうがない。

 送迎車はトヨタ プリウスで、委託を受けたタクシーのようだ。
 ドライバーは英語が話せないので、ロシア語版のホテルのバウチャーを見せて確認すると問題ない様子。

 高速道路で一路市内を目指すが、2012年のAPECで整備を行ったようで、高速道路などのインフラの状態は非常に良い。
 沿線の風景も普通のヨーロッパの都市郊外といった趣で想像していたような年代物の建物がずらりと並ぶ様なところは見られなかった。
 空港からホテルがあるウラジオストク駅周辺までは、車で約1時間。
 だんだんと中心部に近づいてくると、結構賑やかな街の様だがそれなりに渋滞があるようだと思ったら、道路のど真ん中で1台故障で止まっていた。
 走っている車種についてはほとんど日本車のように見える。

 以前は軍港都市で外国人立ち入り禁止の街であったため、あんまり発展していないかもと思ったがヨーロッパの町並みと特に変わりない。
 日本から2時間でこんなヨーロッパみたいな街があったことに関心しながら、日本とロシアの歴史的背景から結びつきが弱いのは致し方ないかと納得する。

 1時間のドライブで無事今夜の宿ジェムチュジナ ホテルに到着し、トランクから荷物を引っ張り出していると、私の名前を呼ぶ現地女性に話しかけられる。
 てっきり送迎はドライバーだけかと思ったら、一応ホテルのチェックインなどは日本語ガイドがサポートしてくれるらしい。
 事前情報ではこのホテルの受付は英語が通じるとあったので、問題は無さそうだけどせっかくなので手続きはガイドさんにお願いする。
 このときレセプションに掛かっていた各地の時計を見て、時刻の認識にズレが有ることを自覚し、スマホの世界時計が全く当てにならない事が判明。
 現地時刻も違うが、明日以降お世話になるシベリア鉄道が採用しているモスクワ時間もずれていたので、腕時計を現地時刻に合わせ直し、モスクワ時間との時差を入念に確認した。

 チェックインの手続きは5分で完了し、滞在登録で1晩預けないといけないかもと思っていたパスポートもすぐに戻ってきた。
 後はこの後スーパーに買い出しに行く予定なので一応場所のみ確認し、ガイドさんと別れて部屋に引き上げる。
 部屋の方は若干狭い印象を受けるが、1泊だしこんな物でしょう。 
 本来なら、より駅に近いプリモリエ ホテルにしたかったのだが、いつも人気で空きがないようなので今回はジェムチュジナ ホテルにしていた。
 こちらのホテルでも駅にはそれほど遠くなく、歩いて5,6分程度なので大した違いはない。

 部屋に荷物を置いたら、早速ホテル裏の24時間営業のスーパーに明日以降の食料を買い出しに行く。
 スーパーはそれほどは大きくないようだが、一通りの物はそろっているようだ。
 基本的に日持ちする物が必要になるので、カップ麺、インスタントのマッシュポテト、黒パン、ピクルス、サラミソーセージ、杏ジャム、水(4l)を購入。
 日本から持ってきた食料もあるし、もし途中で必要となれば停車駅でも買えるので問題ないだろう。
 部屋に戻って確認してたら紅茶を買うのを忘れていた。
 日本からアップルティーのティーバッグを持ってきていたが、おそらく足らなくなるだろうし追加購入しに再度スーパーに向かう。

 買い物が済めば後はサブバックに食料をしまえばすることはない。
 一応無事到着したことを伝えるべく、妻に電話したら後は明日の朝から駅などを見て回るため早めに就寝することにした。

 明日はいよいよシベリア鉄道に乗車だと考えたら、ちょっとワクワクしてきてなかなか寝付けなかったが、しばらくベッドでウダウダしていたらいつの間にか眠っていた。