9月26日 ライン川下り、ケルン移動日

 本日の移動経路
 マインツ → ザンクト・ゴアール → コブレンツ → 
ケルン

 マインツ→ザンクト・ゴアール
 この日は念願のライン下りだ。
昨日はもの凄く早く寝てしまったため、えらく早く目が覚めたが結構疲れがたまっているのかスパッと起きられずしばしベットでうだうだ過ごす。
8時頃ホテルをチェックアウトし、徒歩でライン下りの乗り場まで行くが昨日と同じで何となくどっちに進んでいいかわからない。
どうもこの街の道路は私に合わないようだ。天気の方も何となくどんよりしており、せっかくのライン下りなのに全くついていない。
途中ちょっと方向を間違えながらも8:20頃KDラインの乗り場に到着し、ジャーマンレイルパスを見せて乗船券を受け取る。
乗り場には2隻停泊していたが私が乗船したのは小さい方の船だった。
でも乗船券売場のおじさんはこの船を「ボート」と呼んでいたが、このくらいの大きさでも「シップ」と呼ばないのか。
時刻表では9時出航のはずだが、なぜか15分早い8:45頃出航する。時間にうるさいドイツにしては珍しい。
お客の方は全部で30人ほどだが、上部のデッキには私を含め3人だけで残りは2階のレストランに行ってしまったようだ。
マインツからしばらくは観光ルートと言うほどでも無いので、観光客も余り乗らないのだろう。
取りあえずイスを引っ張りだして景色を見ているが結構寒いな、、、、
船内の観光案内はドイツ語、英語に日本語とやはり日本人観光客の利用が多いらしいがマインツから乗船したのは私だけのようだ。
しばらくは上部のデッキで景色を見ていたが、そのうちもの凄い濃霧になってしまいほとんど視界が効かなくなってしまった。
いい加減寒くなってきたので船内に避難するが、この霧では肝心の城は見えないかもしれないな。
 船は途中いくつかの街に寄りながら進んでいくが、霧の方はますますひどくなり、よくこんな中操船する物だと関心してしまう。
何気なく岸を見ていると数字を書いた看板が立っている事に気づくが、どうやらキロポストのようだ。
高速道路や鉄道みたいだが、これだけ交通量の多い河川だと現在地が分かるように起点からの距離を表示しておく必要があるのかもしれない。

 乗船してから約一時間半で古城地帯の入り口リューデスハイムに到着すると船乗り場は黒山の人だかりで良く見るとほとんど日本人であった。
たしかにガイドブックにもリューデスハイム〜ザンクト・ゴアール間はツアー客の利用が多いと書いてあったが、これほどまでとは思わなかった。
リューデスハイムを発ってしばらくすると先ほどまでの霧も晴れて、両岸の風景もはっきりしてくるとそれまで閑散としていたデッキの上が急に賑やかになる。
ねずみの塔までくると完全に霧は晴れて、船は古城地帯に入っていくが、大した距離を置かずに次々と城が出てくる。
これらの城は通行税をとるために設置されていたらしいが、こんなにちょこちょこ通行税をとられて船乗りは商売になったのか不思議でしょうがない。
車で走っても有料道路でちょこちょこお金を取られると腹立つので、当時の人もやっぱり面白くはなかったのだろうな。


ねずみの塔


ラインシュタイン城

     ゾーネック城(たぶん、、、)
 ライン川の両岸には鉄道が通っているのは知っていたが、船から見ているとかなり頻度で列車が通過するのが分かる。
やっぱりこの辺はドイツの動脈と言える部分なのだろう。
それにしても城の数が多すぎる、写真を撮るため右舷と左舷を行ったり来たりと忙しくてたまらない。
中州に建つプァルツ城の辺りまで来ると完全に天候も回復し青空が広がってきた。
やっぱり川下りはこうでなくては意味がない。

 そのうち川幅が狭くなったと思ったら前方右岸にローレライの岩山が現れた。
当然船内にはハインリッヒ・ハイネのローレライが流されるが、ぱっと見はただの岩山にしか見えない。
でも確かにこれまでの川幅に比べたらかなり狭いし、流れも速そうなのでそれなりに難所だったのは想像に難くない。

 ローレライを過ぎると下船場所のザンクト・ゴアールはもうすぐだ。
12時頃ザンクト・ゴアールに到着するが、リューデスハイムから乗船してきた人たちもここで下船する様だ。
でもこのツアーの方々結構年輩の方が多いのだが、若い女性のツアーコンダクターに連れられて歩く姿が何となく保母さんと幼稚園児を彷彿とさせる。

プァルツ城

ローレライ
  
  
 ザンクト・ゴアール 
 ツアー客はここからバスだろうが、こちらは列車での移動なので取りあえず駅は何処かと探すと船着き場のすぐ目の前であった。
ここの駅は各駅停車しか停まらないので列車の時刻を調べると12:30頃にコブレンツ行きがあるようだ。
でも食事をしたかったので1時間遅らせて13:30の列車にして、船着き場前のレストランに入り昼食にする。
メニューがよく分からなかったのでウェイターのお薦めを頼むとマッシュルームのクリームスープとローストチキンが出てきた。
味の方は良かったのだが、いかんせん付け合わせのポテトが多すぎて全部食べられない。
食後はケーキを勧めてきたが、もう食べられないのでコーヒーで締めることにする。
かなりのボリュームだったが、結構値段は安く22マルクであった。(1300円程度)
 
 ザンクト・ゴアール → ケルン

 13:30の各駅停車は2階建だったので当然2階席に陣取ってコブレンツを目指す。
列車の車窓はそれなりに良いのだが速度が速いので船の時のようにゆっくり城を見るのには不向きだ。
途中ボッパルト中央駅で予定外の長時間停車をしてからコブレンツに向かうが、コブレンツ手前の信号場で停車していつまで経っても動き出す気配がない。
この後はコブレンツで後続のICEに乗り換えるのにどうなってんだと思っていたら、隣をICEがのろのろ通過していくではないか!
そんな馬鹿な、時間的にはどう考えてもこちらが先に着いてるはずだったのだが、、、、
ちょっとびっくりしたが、まあ行ってしまった物はしようがない、その後のICで行ってもそれほど変わらないし、たまにはICに乗るのも良いかと思った矢先、今度はICが横を通過して行った。
開いた口がふさがらないが、いったいこれはどういうこと?
こちらの列車はもういい加減にしろよと思い始めた頃、のそのそ動きだして結局20分ほどの信号停車の後コブレンツに到着した。
先ほど抜いていったICE、ICの時刻を確認するとどうもかなり遅れていたようだ。
どうやら今日はダイヤが乱れているらしいので次に来たICかICEでケルンに行くことにする。
ちょっと小腹がすいたと言う訳ではないが、構内の売店で売られていたチェリーパイがうまそうだったので、おやつにさせてもらおう。
 3時前のICでコブレンツを後にすると1時間足らずでケルン到着だと思っていたら、2〜3才の男の子が東洋人が珍しいのか遊びに来た。
 この子はサーシャ君で名前からするとどうやらロシア系のようだ。(往路のJALで見たスタリーングラードに出ていた子供が同じ名前だったので分かった。)
でも、よだれだらけの手で荷物にさわるのは勘弁してくれと思って両手首を捕まえたら遊んでくれるのかと勘違いされたらしく、しばらくの間往生した。
そのうち母親に呼ばれて帰ってくれたが、ふと車窓に目をやるとレマーゲンの駅を通過しているではないか!
大戦中の激戦地レマーゲン鉄橋跡を見たかったのだが、サーシャ君の相手をしていたら通り過ぎてしまったようだ。
残念、今日はどうもタイミングが悪いようだ、あきらめよう。

途中ボンを通過し、3時半頃ケルンに到着するが中央駅到着前に最近希少となりつつある103型電気機関車のオリジナル塗装機を発見。後で撮りに来ることにしよう。
取りあえず荷物をコインロッカーに放り込もうと思ったが、ちょっとハイテクな感じのロッカーでなかなか使用方法が分からなかった。

  ケルン大聖堂
 荷物を放り込んで身軽になると、駅前に文字通りそびえ立つケルン大聖堂に向かう。
ここも見てみたい物の1つであったが、いざ前に立ってみるとその大きさ圧倒されるし、写真を撮ろうと思っても大きすぎてフレームに納まりきらない。
でも全体的に黒っぽい色をしているので、大聖堂なのになんとなく禍々しい印象を受けてしまう。
内部を見学すると結構あちこち修復中のようで何とな雑然しているように思える。
ここはマインツの大聖堂に比べると大混雑と行った様子で中を歩くのも一苦労なほど人が多かった。
内部の見学が終わると大聖堂の塔に上がる事にするが、狭い螺旋階段をぐるぐる廻って目が回りそう。
いつまで経っても螺旋階段が終わらずこのまま永久に続くんではと錯覚を起こしそうになる頃やっと階段がとぎれ、やっと頂上かと思ったらそこに鎮座している物体を見て思わず脱力してしまった。
何でまだ鉄製の階段があるんだ?まだここは頂上じゃないのか?もうすぐ終わりと思っていただけに結構精神的ダメージが深いが何とか気を取り直してさらに登る。でも結構疲れて途中の踊り場で息を整えながらでないと上れない。
本当の頂上に到着すると100m近い高さなので見晴らしは最高なのだが、なぜか管理人らしき人が小屋の中で番をしていた。
ひょっとしてこの人毎日上がってきているのか?何となく怖くて聞けなかったが、、、
ずいぶん上がってきたので汗だくだが、風が気持ちよくしばらく景色を眺めてから降りることにする。

大聖堂を出て正面のベンチで休憩していると隣に1人のお爺さんが座った。
タバコを吸いたかったので吸っても良いかと聞いたら結構英語が話せるので簡単な会話を交わした。
このお爺さん日本にも来たことがあるらしく、京都と東京の間で新幹線に乗りとても早かったと誉めていたが、こちらもサービスでICEの方が快適だと誉めておく。
いろいろ話したが、大聖堂の塔に上がって疲れ切ったと言っていたら若いのにだらしないと笑われてしまった。
10分ほど話し込んだ後、お礼を言って別れるとライン川の向こう岸から大聖堂の写真を撮るべく反対側まで歩いていく。
でも情けないことに結構膝が笑っていたようだ。写真を撮ろうとしても足ががくがくしているのがわかる。
ここから大聖堂の夜景が取れるみたいなので、日が暮れてからまた来ることにしよう。

 後は大聖堂をバックに列車の写真を撮ってから、ケルン中央駅と西駅の間の機関区にあった103型電気機関車の写真を取りに行くが、近郊列車の乗り場が分からないのでインフォメーションで聞いてからホームへ向かう。乗車した電車は最新式であったが、ガラスにスモークが入っており、ちょっと写真を撮るのは無理なようだ。
西駅で降りてから一度南駅まで足を延ばして、中央駅行きの普通列車から再度撮影に挑むことにするが、今度は機関車の前に客車が留置されて全体が見えなくなっていた。
こんな事ではへこたれるわけには行かないので、再度西駅まで往復してみるが今度は暗くてブレてしまっていた。
どうやら写真は無理らしいな、一応見られただけでも運が良かったのかもしれないし。

 中央駅に戻ると、翌日のICEの座席指定をしてタクシーでホテルに向かう。
本日の宿はメルキュール・ゼンベリンホフで初日のミュンヘンと同系列のホテルらしい。
部屋は適度な広さで丁度よい、ここではネット繋げられるので溜まっていたメールをやりとりする。
  ケルン大聖堂の夜景
 メールチェックが済んだ頃には周りが完全に暗くなったので再度タクシーに乗ってドイツ・ケルン駅まで行って貰う。
川岸までは人気が無く、ちょっとやばそうな雰囲気だ。
一応周りに注意して、いつでも逃げられるよう警戒しながら川岸に出る。
川岸まで出てしまえば結構人がいるので安心だ。
15分ほど写真を取るが3脚を持ってこなかったので撮影にはちょっと苦労した。
撮影後は徒歩でライン川を渡って中央駅で食事にしようかと思ったが、夜の9時頃ではほとんどレストランは閉まっているようだ。
しょうがないからファーストフードで簡単な食事を済まし、またまたタクシーでホテルに戻って就寝する。