この日はだいぶ体がこちらに慣れたためもあるかと思うが、最終目的地に到着した安心感からかちょっと寝坊してしまった。
9時前に食堂に行くと結構広い食堂の割にもの凄い人で席に座れそうもない。
まあ、ホテルの大きさに比べたらそれほど大きい食堂と言うわけではない様なので混雑してしまうのだろう。
別に急ぐ訳ではないが、結構待たされそうなので朝食についてはあきらめることにしよう。
今日はベルリン市街の観光だけなのだが街の概略をつかむため取りあえずバスツアーで街の様子を見てみることにする。
ホテルのコンシェルジュでバスツアーのチケットを購入してからホテル前の乗り場に向かう。ここのホテルはどうやら巡回経路に組み込まれている様で乗り場もすぐ分かった。(一応コンシェルジュで場所を聞かないと分からないとは思います。)
バスの運行は10時からで今回はここが始発であることから、2階席に無事席を確保できた。
ガイドはテープで日本語も流されるので、ちゃんと見ようかと思っていたいなかった所もさらっと見れるので結構便利だ。
バスはアレキサンダープラッツから、ハッケシャーマルクト駅を経由して、ウンターデンリンデ、ブランデンブルグ門と進んでいく。
ちょっと遠目に見たブランデブルグ門はリンクさせて頂いている「旅好き3女王様の小帝国」からの事前情報で、2002年2月まで修復中のため門の絵が描かれたシートで覆われているはずであったが、どうやらもう終わっていてちゃんとした姿になっているようだ。
しかし、門に近づくにつれ何か違和感があるなと思ったらやっぱり精巧に書かれた絵のシートで覆われていた。
確かシートの絵は門を変形させた状態で描かれていたはずだったが、どうやら交換されていたようだ。おかげで完全にだまされたがもともと修復中であったことは分かっていたからしょうがないと納得する。
ブランデンブルグ門を通りすぎると次は連邦議会だが、議会の周囲は工事中のためほとんどがさら地になっていた。
ベルリン攻防戦の時も議会の周辺は破壊され尽くしていたらしいので、現在の光景はその時に近かったのかもしれない。
その後はベルビュー宮、シーゲスゾイレ、ツォー駅、オイローパセンター、ベルリンフィルハーモニーとバスで見て回り、チェックポイントチャーリーでバスを降りることにする。 |
フォーラムホテルとテレビ塔 |
連邦議会議事堂
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チェックポイントチャーリーは壁があった頃には東西ベルリンをつなぐ米軍の検問所があった場所だ。
現在はその時の検問所の小屋と看板が残っているだけで周囲は結構開発されてしまい、以前ここで米軍とソ連の戦車がにらみ合っていた場所には全く思えない。
すぐ脇には壁博物館があるので覗いてみるが、旧東側から西側に脱出した人の資料や、失敗して命を落とした人の展示がなされていた。
こういった物を見せられると今現在の自由の有り難みを痛感するが、ほんの10年前まで壁が機能していた事を思うと遙か昔の事では無かったことがもの凄い違和感を感じさせる。
博物館の最後ではちょっとした売店があったので、自分の土産用に壁のかけらを購入する。
一応博物館の保証付きの様なので、ちゃんとした物に違いないだろう。
まあ一番手っ取り早いのは壁まで行って削ってくるのが簡単なのだろうが、最近は壁も取り壊しが進んで意外と残ってないようなのでここで買っておくのが賢明かな。 |
ベルリンの壁 |
Chech Point C(Charie) |
博物館の後はちゃんとブランデブルグ門と連邦議事堂を見学するため地下鉄で移動する。
博物館近くのコッホシュトラーセ駅からフランツェジッシェシェトラーゼ駅まで乗車するが、この地下鉄、よく考えたら先ほどの検問所の直下を通過しているではないか。
かなり古そうな地下鉄なので最近作られた様ではないので、壁が存在する前から運行されていたと思われるが、2大大国がにらみ合う検問所の下を普通に地下鉄が走っていたとは想像もつかなかった。
ただ、当時は西側か東側だけの駅に停車してそれそれ人の行き来が出来ないようにしていたとは思うが、、、、 |
ブランデンブルグ門(修復中) |
再度連邦議会議事堂 |
フランツェジッシェシェトラーゼ駅で地下鉄を降りてウンターデンリンデンを通ってブランデンブルグ門に向かうが、ツアーバスが途中渋滞に巻き込まれて時間が掛かったせいかもう昼過ぎだ。朝飯も食べてないしそろそろ食事にしておこうと、ウンターデンリンデンのちょっと高級そうなレストランに入る。
ここは結構英語が通じたので助かった。でも結構メニューを見ると良い値だな。
一応お薦めを聞くとアヒル料理が良いとのことなのでそれにする。
出てきたのはローストしたアヒルとほうれん草にソースをかけた物とポテトのグラタンで意外に量があり結構満足できた。
ただお値段はランチにしては結構高かったが、明日で帰国なのでたまには良いか、、、、
食後はブランデンブルグ門に行くが、修復中なのでそれほど真剣に見てもしょうがない。
でもブランデンブルグ門のすぐ前にロシア大使館がでかい面して建っているのには、さすがは占領軍、やることがえげつないなと妙に感心してしまった。
ブランデンブルグ門から連邦議会までは大した距離ではないので歩いて向かう。
途中騎馬警官の写真を撮らせて貰いながら約5分で到着した。
内部は見学出来るようだが、結構な人が並んでいるし、中央のドームはガラス張りで内部の構造が昔とは違うようなので外から見るだけにしておく。
ただ外から眺めながら、ベルリン陥落の時にはあの屋根に赤軍の兵士が登って赤旗を振ったのかなどと、普通の人では余り考えないような事に考えを巡らすオタクな自分に改めて気が付いた。 |
ソ連戦勝記念碑 |
シーゲスゾイレ(戦勝記念碑) |
連邦議会を後にすると、6月17日通り沿いに歩きソ連の戦勝記念碑を見るが、何で旧西側あるのかちょっと不思議に思った。
冷戦の時にこんな物とっくにぶっ壊してしまってもおかしく無いような代物だし、ドイツ人にはソ連に占領された時の碑だから余り良い印象は抱かない思うが、、、
まあ、だからと言って簡単に壊せば良いという物でも無いし、たぶん前大戦へのドイツの反省の現れでもあると思うが、もうちょっとソ連も遠慮して作れば良いのに言うのが正直な感想。まあ、自分勝手の権化のようなソ連に遠慮の2文字などある訳ないか、、、、、
さらに6月17日通りを西進し対デンマーク、対仏戦争に勝利したときの戦勝記念碑ジーゲスゾイレまでやってきた。
何となくドイツというと第一次、二次大戦と負けたのでどこかに勝ったという印象が薄いがやっぱり勝つこともあったのかと不勉強な自分に反省する。
結構歩いて疲れたので100系統のバスに乗りツォー駅に向かうが、一緒に乗ってきた中国人と思われる団体がうるさい上にその中の一人が何度もこちらを押してくるので睨み付けたら多少はおとなしくなったようだ。
意外とベルリンは渋滞するようで、結構時間が掛かりながらも4時頃駅に到着する。
後はベルリン大聖堂を見たかったので、Sバーンでハッケシャーマルク駅に向かう。
駅からは大聖堂まで大した距離ではなく、すぐ到着だが教会は食傷気味なので外から写真を撮るだけで中には見学せずに後にする。
カール・リープクネヒト通りの反対側ではアジアフェアをやっているらしく、ちょっとした出店があったので覗いてみるが、アジア各地の郷土料理の店などが多少は出ているようだ。ただドイツまで来てアジアンフードは食べたくないので、そのままさらっと覗いてから赤の市庁舎に向かう。
赤の市庁舎の赤とはてっきり赤軍の赤なのかと思っていたら、見た目が赤いからその名が付いた事を初めて知る。
何でも赤と付くと共産主義に結びつけてしまう自分にまたまた反省するが、もともと旧東側の地区を歩いているので、いつもにもまして共産主義に結びつけてしまったのかもしれない。 |
ベルリン大聖堂 |
赤の市庁舎 |
一度ホテルに戻ろうかと思ったら赤の市庁舎の向かいの広場で祭りがあるのか露店が結構出ていた。
冷やかし半分で覗いていたら、旧ドイツ軍の放出品を売っている店があり、ガスマスクや帽子などが売られていた。
中でも冬に兵士が被る帽子がかなり安いので、買うかどうか悩んで居たら店の主人が被ってみたらとジェスチャーしてきた。
せっかくだからと思い被ってみたら意外と小さくて、頭に入らない。
頭を指さして英語で「俺の頭は特大だからこれじゃ小さすぎる」と言ったら主人は英語が分からないようでキョトンとしてたが、隣に居た兄ちゃんには大受けでいきなりギャハハハと笑い出して肩をバンバン叩かれた。
この兄ちゃんが通訳してくれたのでもっと大きいサイズがあることも判明し、せっかくだから一つ買っていくことにする。
どうせ1000円くらいだし、日本じゃちょっと手に入らないだろうからなあ。
結構勢いで買ってしまったがよく考えたらどこで被るんだろう。イギリスのホームズ博物館で買った鳥打帽も被ることなど無いだろうし、こうして使われもしない帽子のコレクションが増えていくのだった。
一度ホテルに戻り荷物を置いたら、明日で帰国なのでお土産を仕入れに行くことにする。
でも今日は土曜日で夕方になるとほとんどの店は閉まってしまうようだ。ガイドブックを見るとブランデンブネグ門の近くにチョコレートで有名な店があるようなので、取りあえず100系統のバスで向かう事にする。
店の方は閉店に近かったが何とかお土産を買うことが出来一安心。後はワインを頼まれていたが、もう今日は無理の様なので明日空港で買うことにしよう。
直接ホテルに戻るのも何なので再度ツォー駅まで出てからSバーンで戻る事にするが、ツォー駅構内のスーパーがまだ開いていたので、そちらでワイン類を仕入れることにする。
でも意外とイタリア産やフランス産が多いので慎重に吟味するが、それほど品種も無いのでフランケンワインとモーゼルワインを買ってホテルに戻ることにする。
ホテルに戻ってもまだ外は明るいので、再度赤の市庁舎前の露店を見に行くことにする。
取りあえずいつも旅行に来ると、こういった露天で売られている安い腕時計を買う癖があるので、ここでも一つ買っておく。
他には衣料品や古本などが多く、何となくフリーマケットに近い印象を受ける。
後はソーセージの屋台があったので、夕食代わりにホッドドックを買ってから、もういい加減ホテルに引き上げる。
今日で最後なのでメールチェックをすると明日はベルリンマラソンがあって高橋尚子が走る事を初めて知った。
でも別に興味無いのでムリして見に行くことも無いか、明日は昼過ぎの飛行機で帰国だし、テレビ塔に上がる程度にしておこう。 |
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テレビ塔(ホテルの部屋より) |
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