2003.9.14 3日目 マリアツェルのナローとシェーブル宮殿 

 本日はウィーンの西60kmにあるザンクト・ペルテンからのびるオーストリア国鉄のナロー路線を乗りに行ってから、ウィーンに戻りシェーンブル宮殿の見学だ。
 午後までにウィーンに戻るにはウィーン西駅を6時40分に発車するICに乗る必要がある。
 まだ時差ボケが残っているので朝の早起きは全然問題無く、まだ日の出前の5時30分過ぎにホテルを出発する。
 ホテルから西駅まで途中乗り換えがあるが地下鉄で4駅程度とそれほど離れてはいない。
 ただ日曜の朝早くから地下鉄がちゃんと動いているかよく分からないので少し余裕を持つことにする。
 地下鉄の方は思ったよりも待たされることなく、途中の乗り換えもスムーズに進み6時前には西駅に到着。
 まずは窓口でオーストリアレイルパスの使用開始のために窓口でヴァリディトしてもらい、朝食を仕入れ手からホームに向かう。
 乗車するIC940ザルツブルグ行きはすでに入線しており、早速1等のコンパートメントを占領させてもらう。
 乗換駅のザンクト・ペルテンまでは途中1駅で停車で40分だ。


 列車は定刻に西駅を出発し、明るくなり始めたウィーンの空の下を快調に飛ばして、ほぼ定刻の7時20分にザンクト・ペルテンに到着。
 途中工事区間のため、単線運転の徐行などか結構あったが、回復運転で飛ばしていたので遅れなかったのは助かる。

 ザンクト・ペルテンでは5分の乗り継ぎで、構内外れにあるマリアツェル行きのナロー専用ホームに向かう。
 ホームにはお目当ての電気機関車が牽引する客車列車が止まっており、最近は新型電車が入り始めたとの情報も有ったことから、初期の目的を果たせて一安心だ。 
 発車まで余り時間がないことから、機関車などの写真は撮らずにさっさと車内に落ち着く事にしよう。
 定刻でザンクト・ペルテンを出発するとしばらくは市街地を抜けていくが、すぐにとうもろこし畑のが広がる丘陵地帯になっていく。
 地形に合わせて走っていくため結構アップダウンが多いようだ。
 終点のマリアツェルまでは距離にして約85kmで乗車時間は約2時間30分とナローにしては結構大規模な路線のようだ。
 ただ終点まで、畑の中を走っていくのでは面白みがないなど思っていたら、行く手に結構な山脈が広がってきた。
 徐々に高度を上げ始め、行く手を山に遮られてもう行き場がなさそうな駅に到着。
 何気なく山の上の方を見ると、線路がつづら折りで上がっていくのが見える。
 どうやら後半は思っていたよりもかなりの山岳路線となることが判明。
 ただ、結構森が深くて、せっかくの路線もイマイチ視界が開けないのが残念なところ。

 途中駅では、電化路線なのになぜかDLと交換した。
 非電化の支線が別途有るようなのでそこの機関車が廻ってきているようだが、支線はもっと起点に近いところに有るのに、電気機関車と同じように扱われているのかも知れない。

 ザンクト・ペルテンから2時間半で終点マリアツェルにほぼ定刻で到着。
 折り返しの列車は50分後なので、巡礼教会がある街の中心部に向かうことにする。
 中心部まではバスが有るようなのだが、到着直後の列車の写真を撮っていたら、出発してしまったようだ。
 徒歩でも15分位との事なので、急ぎ足で行けば十分戻ってこれるだろう。 
 ダラダラと続く上り坂を急いで歩くこと、10分強で巡礼教会に到着したが、外側は修復作業のため足場が掛けられており、見るも無惨な状態だ。
 では内部の方はと思ったら丁度日曜日の朝10時過ぎだったためミサの真っ最中だ。
 異教徒がズケズケと入っていくのは、気が引けることから開けられている入口から内部をちょっと覗く程度で退散することしよう。
 後は教会の周りを適当に土産物屋でも覗きながら散策し、帰りの列車までそれほど時間もないことから早めに駅に戻ることにしよう。
 駅に着くと列車の方はすでに出発準備は完了しており、行きは余りじっくり機関車を見れなかったことから細部を観察させてもらう。
 ナローだからそれほど大きな機関車では無いだろうと思っていたが、下回りをじっくり見ると、ロッド駆動によるC−C配置のF級電気機関車とナローには不釣り合いとも思える様な構成だった。
 全体的に車体が小振りであるため、パンタグラフが異様に目立つし、台枠にはトラスも配置されるなどかなりの古典機の様だ。
 後、目立った装備と言えば暖房用の蒸気発生装置を搭載しており、屋根からは蒸気とボイラー用からの煙を噴いていた。
 車体はボイラーの煤のためちょっと薄汚れているのが残念だがかなり整備状態は良好の様だ。

 後ほど調べた所、この路線の開通は1890年頃、電化は1910年頃に実施されており、この機関車は電化時からの生え抜きですでに90年以上使われている長寿な機関車で有ることが判明。

 写真も十分に撮ったので行きと同じ車両に収まるとすでに先客がいたが、どうやら現地の同好の士の様だ。
 たまたま私と同じカメラを持っていたいたため結構話が弾んだ。(実際はドイツ語のため会話は成立せず、互いに英単語とジェスチャーで意志の疎通をはかる。)

 出発は到着列車が遅れたため10分ほどの遅れて11時の出発となったが、到着した列車に合わせて付近に有るトラム(市電)博物館から迎えの客車がひかれてきていたようだ。
 今回は時間が無かったけど、また来ることが有れば今度はもっとゆっくりしていきたいところだ。
 帰りの車内では知り合った人と窓から身を乗り出して写真を撮ったり、車両の説明などを互いに必至に伝えたりしながらザンクト・ペルテンをめざす。
 行きには気がつかなかったが途中トンネルに入ると当初はSL用に造ってあったのを電化したためトンネル内では架線の高さが確保できず、パンタグラフが畳まれてしまいそうなほど高さを下げることで対処しているのが印象的だ。

 14時30分頃、定刻より若干遅れてザンクペルテンに到着、先ほどの人と別れウィーン行きのIC693で14時30分頃西駅へ到着。
 この後はシェーンブル宮殿を見学すれば今日の予定は終了だ。
 地下鉄を乗り継ぎ10分ちょっとでシェーンブル宮殿に到着、とりあえず内部の見学を先にしてから後でゆっくり庭園のほうを見て回ることにしよう。
 宮殿の見学は2コース有り、見学可能な部屋数が25部屋か40部屋の違いがある。
 どうも有名どころの部屋を見たければ40部屋のコースにしないとだめらしいので迷わず40部屋のコースとする。
 今回はガイドつきのコースではなく自由見学にしたので自分のペースで回れるが、音声案内がどの部屋も異常に長く途中でちょっと飽きてしまう。
 ただ、後半に出てくるフランツ・ヨーゼフの執務室や馬鹿でかい天蓋のついて寝室などやはり見所は多い。 
 宮殿内の見学が終わると裏手に広がる庭園の散策となるが、丘の上に有るグロリエッテまでは結構な距離がある。
庭園内の花壇は綺麗に手入れされており、冬場に訪れたベルサイユより数段華やかにみえる。
 宮殿全景が見渡せるグロリエッテまで坂道をプラプラ散策士ながら進み、頂上のカフェでお茶でもしようと思っていたが、見晴らしが良いため
店内は満席でずいぶんと待っている人が多いことからあきらめる。

 しばし宮殿が見えるベンチでくつろいでいたが、こちらもでかいカメラをぶる下げているせいかやたらと写真を撮るように頼まれた。
 5時前には宮殿を後にして、地下鉄でホテルに一度戻ることにしよう。
一度ホテルに引き上げ、7時過ぎに食事のためオペラ近辺に繰り出すことにするう。
 ウィーンに来たからにはヴィーナーシュニッツェルを食べておこうとや思い、ガイドブックを頼りに、オペラからほど近いレストランへ。
 店内は満員のため5分ほど待たされたが、無事席を確保し前菜にレバークヌッデルズッペ(レバーの肉団子入りのコンソメスープ)とメインでヴィーナーシュニッツェル(子牛のカツレツ)を頼む。
 スープは癖が有るかとの思ったが、コンソメと肉団子がマッチしてて結構くせになりそうだ。
 メインのシュニッツェルは皿からはみ出るほど大きく食べきれない事があると聞いていたが、ここの店はちょうどよい大きさで持て余すことも無かった。
 食後はコーヒーて締めて、結構混雑してきて待っている客がチラホラ見え始めたことから長居せずに退散することにしよう。

 食後は腹ごなしも兼ねて夜のシュテファンを見にフラフラ歩いて行くが、メインストリートのケルントナー通りはストリートミュージシャンが結構出ていて、なかなかにぎやかだ。
 シュテファンをしばらく眺めていたが、ウィーンに来てまだザッハトルテを食べてないことを思い出した。
 折角だからと、昨日寄ったカフェで食べて行くことにするか。
 食事してから大して経っていないので、そんなに食べられるかとも思ったが、意外と甘さが押さえてあり抵抗無く食べられた。
 
 カフェでしばらくくつろいでいたが、9時前にはホテルに戻り、荷物の整理をして明日の移動に備えることにした。
 明日は午前の列車でセメリンク峠を越えて、2カ所目の滞在地グラーツに移動だ。