2003.9.14 4日目 セメリンク峠経由、グラーツ移動 

本日は午前の列車でウィーンを出発し、次の目的地クラーツに向かう。
ただ、一昨日のウィーン観光の時は天気が悪かったが、この日は良い天気なので早めに起き出して、先日見落としていたモーツァルト像を見に地下鉄でカールスプラッツへ向かうことにする。
ただ、カールスプラッツの近辺ではコインロッカーを見かけなかったのでホテルに荷物を置いていき、1度戻ってから改めてチェックアウトして、ウィーン南駅に向かう。
カールスプラッツの辺りで預けられればよけいな時間も掛からないのだが、折角だから身軽な状態で見に行くことにしよう。
地下鉄に乗り込んだのは8時前で、月曜と言うこともあり通勤時間帯であることから混雑しているかと思ったが、意外と大した事はなかった。

モーツァルト像はオペラから市電で1つのブルクリンクのすぐ前だ。
モーツァルト像は綺麗に整備されていて、手前のトーン記号の植え込みがちょっとしたアクセントでしゃれている。
しばらくベンチで眺めていたが、5分ほどで飽きたのでリンクの向かい側にあるマリアテレジア像を覗いてから、ホテルに引きあげることにしよう。
 いったんホテルに戻り、チェックアウトしウィーン南駅に向かう。
 先ほど通ったルートを再度通ってカールスプラッツ駅を経由してオペラから市電のD系統で南駅に到着。

 さてグラーツへ直通するICは9:50発だが、駅に到着したのはその5分まえ、急げば間に合うが、別にそこまで慌てた旅でも無いので、1時間後の途中で乗り換えが必要なICにする事にしよう。
 ただ、ウィーン南駅は行き先ごとにホームが離れて配置されているため、自分が乗る列車のホームが何処だかよく分からず、どのみち走っても間に合わなかったようだ。
 構内でしばらく時間を潰し、発車時間の30分ほど前に列車が入線してきたが、どうやら1等車は窓が開く車両はなさそう。
 編成中に1両だけ窓が開く車両が有るので、今回は1等車パスでも2等車で行くことにしよう。
 世界遺産にも登録されているセメリンク峠の鉄道橋はウィーン発の場合は進行方向左側がベストとガイドブックにあるので、その通り左側の車両端部の席を確保する。
 峠では窓を開けて写真を撮るため、なるたけ廻りに迷惑を掛けないように配慮しないと・・・

 10:50の定刻通り発車し、しばらくはウィーンの近郊を走っていく。
 ウィーンを発って1時間ほどすると、それまで平坦だった線路の先にアルプスが見えてきた。
 線路の方も急に勾配がきつくなり、それまで直線ばかりだったのにとたんに急カーブの連続となり、列車の速度もガクンと落ちる。
 セメリンク峠はアルプスを最初に超えた路線として有名だが、その分地形に逆らわないように線路を敷いたため、色々無理が有るようだ。
 正直、セメリンクの鉄道橋が何処に有るのかはよく分からなかったので、カーブの途中に有る石造りの橋が見えるたびに、これがそうかな?と多少やきもきしていた。
 同じ様な橋が何カ所かあったのでひょっとしたらもう通過してしまったのかと思っていたら、進行方向に立派な石造りの2段アーチ橋が一瞬見えた。
 どうやら98km800mの標識の辺りが、橋の有る場所のようだ。
 ただ、最寄り駅のセメリンクからはそうとう距離があるうえ、地図もないことから、ここで降りて橋全体の写真を撮るのはかなり難しそうだ。

 土曜日に空港で会ったK部長は確か日曜日にセメリンク峠の視察に来ていたはずだが、相当な距離を歩いたことは想像に難くない。
 それに日曜日は天気が悪かったけど、問題なかったのだろうか?

 セメリンク駅では信号停車のため、しばらく止まるようだ。
 一応先ほどの橋がセメリンクの鉄道橋か確認すると間違いないらしい。
 無事写真には収めたので、本日の目的の1つは達成できたと一安心。
 
 セメリンク駅を過ぎるとそれまで登りだった線路も一転して下りに変わり、乗換駅のブリック.a.d.ミュラーまでもうそれほど遠くないようだ。
 

 1時前に乗り換え駅のブリック.a.d.ミュラーに到着し、隣のホームの接続列車に向かう。
 グラーツまでの列車は電車タイプの4010系のICで、塗装は違うが幼稚園児の頃に絵本で見た事がある車両だ。
 昔は、クリーム地に青のストライプが入ってとても高貴な印象が有ったのだが、今のオーストリア国鉄標準色ではその面影が余り感じられない。

 たまたま乗った車両は2等車だったが、車内は1+2列のゆったりとした座席配置で、乗客もほとんどいない事から、1等車まで移動する必要性を感じなかったので、そのまま2等車でグラーツを目指す。
 目的地グラーツまでは、途中ノンストップで約40分。
 2時前には2カ所目の滞在地グラーツに無事到着。

本日の宿は駅前のダニエルで、駅の正面玄関を出てすぐ右側だ。
 ちょっと時間が早いが問題なくチェックインし、荷物を部屋に放り込むと、早速旧市街の方に行くことにしよう。
 駅前から旧市街までは結構距離が有るので、市電を使って移動した方が便利なようだ。
 市電のチケット売場や自動販売機のたぐいが見あたらないことから、電車の運転手さんから24時間のチケットを購入。
 値段は3.6ユーロで、1回券が1.6ユーロだったからかなりお買い得度が高い気がする。
 3回乗ったら元が取れる計算だが、旧市街まで行って戻ってくるだけなら不要だったかも・・・

 市電に揺られて10分弱で、市庁舎前のハウプト広場に到着、広場には食べ物関係の屋台が何軒も出ているようだ。
 そう言えば今日はまだ昼飯を食べてなかったので、その内の1軒でシェニッツェルバーガーを買い、広場食べる。

 グラーツの観光と言えば、まず最初は2重の螺旋階段が珍しい王宮に向かう。
王宮の前には大聖堂マウソレーム(皇帝フェルディナンド2世の霊廟)が有るのだが、非常に狭い場所に林立しているため全景を写真におさめるのは難しい。
 王宮自体は何度も改築されて昔の面影はほとんど残っていないようだが、この2重螺旋階段だけは築造当時から残されているらしい。
 王宮の入り口にある案内所でチケットとか買うのかと思っていたら、階段しか見所が無いためらしく場所を説明してくれただけで特に料金が必要ではないらしい。
 また、王宮自体の見学はしてないためか入り口の辺りでとまどっている人たちが結構多く、そのまま立ち去ってしまう人も結構いるようだ。
 おかげで階段自体は私の貸し切りでゆっくり見学できるが、上がっても特に良い景色が見える訳でも無く、1往復して写真を撮ればそれで十分であった。
 王宮を後にすると、ハウプト広場まで戻り、世界最大と言われる武器博物館に行ってみるが、どうも場所が良く分からない。
博物館が面したヘレン通りをしばらくうろうろしていたが、それらしき建物が有るのに入口が見あたらない。
おかしいと思ってガイドブックで確認すると、本日月曜日は休館日らしく、入口が閉ざされていたため見つけられなかったようだ。
中世の甲冑などが大量に展示しているとの話だが、見れないのではしょうがない。
 次は隣の市庁舎に向かい、中庭を覗いてみる見事な、渡り廊下がすばらしい。
窓辺には花も飾られなかなか華やか雰囲気だ。
 しばらくはその渡り廊下を眺めながらベンチで休憩し、適当なところグラーツの目玉の城山にあがる事にしよう。

 城山へは徒歩でも上がれるのだが、ハウプト広場から市電で2つ行った先にケーブルカーが有るので、楽をしてそちらで上がることにしよう。
 ハウプト広場に戻り市電を待つがなかなか列車がやってこない。
 歩いても大した距離では無いのだが、折角の1日券なので使わないともったいなさそうということで、15分ほど列車を待つ。

やって来た市電乗り込むと最初の停留場で城山に有る有名な時計台と城山へ続く階段が見えたことから、大して移動してないがいったんおりる事にしよう。
 さっき乗った停留所がまだ見える場所なので、歩いても3,4分もなさそうな距離だったので、無理して市電を待つ必要は無かったな。
 一応麓から時計台の写真を撮り、また市電を待つのも億劫なので、歩いてケーブルカー乗り場向かう。
 城山に登る階段はかなり急なので、歩いて上がるのはちょっと気が引ける。
ケーブルカーの里場までは歩いて5分足らず、最初からハウプト広場から歩いたらもうとっくに着いていたな。
 ケーブルカー乗り場でとりあえず往復券を買って、大した待ち時間もなく城山に上がることができた。
 ただケーブルカー乗り場から時計台の辺りまではちょっと距離があり、緩い下り坂を時計台目指して歩いていく。
 途中の見晴らしは結構よく、グラーツのレンガ色の屋根の町並みを眺めながら時計台に到着。
 時計台はなぜか裏側に黒い色をした同じ形の建物がある。
 何かの施設の様だが、遠目から見たときには陰のような感じなので、それほど違和感が無かったがそばによると邪魔なだけでしかない。

 ここの時計台はかなり古く、当初は長針のみで時間を表示していたが、後から短い分針を追加したので普通の時計とは見方が異なるので注意が必要。

 時計台の周りは展望台となっており、グラーツの町並みが一望できる。
 少し下がった辺りでは、ちょっとしたテラスになっているので、夕暮れ時までここでのんびりしていくか。
 この後は特に見に行くところも無いので2時間ほどベンチに腰掛け、町並みを眺めて過ごす。
 6時過ぎには、日もだいぶ傾いてきたので、そろそろホテルに引き上げることにしよう。
 帰りはケーブルカーの切符が有ったけど折角だから階段で降りてみる。
 大した勾配ではないようだが、結構グルグル廻らされて、結構な距離を歩いたようだ。
 ハウプト広場に戻り、外れのカフェで軽くお茶をしてから、市電で中央駅前のホテルに戻る。

 さてこのままホテルで引きこもっているのも何だし、パスが有効な内にどこか近郊まで乗りに行って見ようかな。
 地図を見ていると意外とスロヴェニアまで距離が無い。
 ほとんど日本ではなじみのない国だが、ちょっと行ってみたい衝動に駆られる。
 ただ時刻表を調べた限りでは、意外と行くのに時間が掛かるようなのであきらめるか。
 それにビザ必要かどうかもよく分からないし・・・・

 7時過ぎに夕食のため、表に出るが意外と駅周辺はレストランのたぐいが無いようだ。
 仕方ないので、駅に行ってみるがこちらもそろそろお終いのようで、あちこちが閉店準備のようで食べられそうもない。
 ただ、駅にはスーパーが併設されているのでそこで簡単な飲み物を買って後は唯一営業していた寿司のテイクアウト店で握り寿司を買ってホテルで食べることにしよう。
 内容的にはまあまあの味だが、かに蒲鉾がそのまま乗っているのだけはいかにも安っぽくていただけ無いな。
 ただ値段的には内容の割には意外と高いような気がする。

 食後はメールチェックのためネットに接続しようとしたが、どうもうまく繋がらない。
 今日はメールチェックもできそうないので、さっさと休むことにするか、明日は8時過ぎの列車でハルシュタットに移動だ。
 明日の晩はホテルを予約してないので、うまく見つけられると良いが・・・・