2007年 6月4日 9日目 ハンブルグ移動

 シュバリーン→リューベック

 本日は9時前の列車でシュバリーンを発ち、バード・クライネンを経由してリューベックに向かってから、最終的にはハンブルクへ移動する。
 今日も移動距離が短いことからパスは使わず、普通の切符で移動となる。
 
  最初の乗換駅バード・クライネンまではシュバリーンから10分強だが、いきなり列車の到着が遅れたので、乗り換え時間がギリギリになりそうだ。
 Class114が牽引する2階建て客車に乗車するが、最近はこの2階建てばかりで、在来型客車に最近当たらないのが気にかかる。
 ドイツも列車の世代交代が進行しているようで、私の好みの車両が段々減ってきているようだ。
 
 バード・クライネンには5分遅れて到着だが、何とか接続のリューベック行きには乗車できた。
 バードクライネンでは以前にも乗り換えたことがあるが、このときも乗り換えがギリギリで駅をろくに見ることもなく発車となったが、今回も同様に駅の様子がよくわからずに去ることとなる。
 乗車した列車は2両連結のBR628型でローカル線用の一般的な車両だ。
 リューベックまでは約50分で快調に列車は進んでいくが、途中駅から小さな男の子をつれたお母さんが乗ってきた。
 この男の子がものすごく機嫌がよいのか乗車中はずっと嬉しそうに「アウフシュタィデ〜」と繰り返し言っていた。(意味は不明)
 お母さんの方は静かにさせようとしているのか時おり口をふさいでいるようで声がフェードアウトしていくこともあるが、男の子の方も負けずに繰り返している。
 最後はお母さんも根負けしたようでリューベックに付くまでご機嫌で繰り返していた。
 こちらとしては別にうるさいとか思うほどでは無かったのだが、男の子とお母さんのやりとりに笑いをこらえるのが必死だった
 
 リューベックには10時前に無事到着だが、駅の通路を工事しているらしく構内はずいぶんとゴチャゴチャとした印象を受ける。
 とりあえず荷物をコインロッカーに預けるために表示を探すがコインロッカーの表示が見あたらない。
 以前に来たときは連絡通路に設置されていたのだが、どうも工事に伴いどこかに移動させたらしい。
 しばらくウロウロしていたがホーム上にロッカーが有ることがわかり、そちらに荷物を預けて市内に向かうことにしよう。
 リューベック観光
 
 駅から観光を開始するが、正直この町はホルステン門と市庁舎くらいしか見所がなかった気がする。
 ただ前回は冬の雪の中の観光だったが、初夏だとまた印象が異なる。

 まず最初は町の入り口にあるホルステン門から見学していく。
 私の方は以前に見学しているが、妻の方は初めてなので一応内部にも入る。
 町の歴史に関して展示がメインで、説明を軽く読む程度で適当に流すことになる。
 ホルステン門を出て町の中心部に向かうと、門裏手の橋に戦車のマークが付いた標識らしき物を発見。
 どのような意味なのかはよくわからないが、トラックより戦車の方が数字が大きく、速度にしては戦車では早すぎることから重量に関する表記の様だ。
 ただ、重量制限にしても2つの数字が書かれている意味がよくわからない。

 ペトリ教会の裏を回ってから市庁舎の中庭マルクト広場に向かう。
 市庁舎の方は以前は工事中だったが、さすがに5年前なのでもう終わっていた。
 広場ではなにやら市が立っているようで、野菜やチーズなどの食料品の店が結構出ている。
 まだ観光を始めて大して経ってはいないのだが、ここのところ足がだるい私のリクエストでさっそくお茶休憩となる。
 日頃の運動不足がたたったようで、ふくらはぎの筋肉痛が結構ひどくなってきていたたため、後で薬局によって痛みを取る薬を購入する事にしよう。

 しばらくの休憩後隣のマリエン教会を覗いてみるが、見学途中でちょっとした説教が始まり、パイプオルガンの演奏もあったことから椅子に座って話を聞いていく。
 説教の時間自体は10分位で終了だが、ドイツ語のため、時折アーメンと言っている意外はわかるはずもない。
 ただ、周りでは我々と同じように観光客だが説教を聞いている人も結構多かったことから、我々が紛れ込んでも特に違和感は無かったようだ。
 マリエン教会の見学後は正直もう後は南側の大聖堂くらいしか見るところはないと思っていたが、妻の希望でマリエン教会の北側に有る聖霊養老院を見学することにする。
 聖霊養老院事態は13世紀に建てられた福祉施設で病院も兼ねているらしい。
 医療関係者の妻としてはドイツの病院がどうなっているのか非常に興味があるらしく、ぜひ見てみたいとのことだ。
 養老委に向かう途中にあった靴屋では妻がいきなり気に入った靴があり寄り道して1足購入する。
 途中寄り道したが聖霊養老院まではマリエン広場からは5分ほどの距離なのですぐにわかったが扉が鎖状されておりどうも様子がおかしい。
 扉に掲示されている開館時間を良く読むと月曜日は休館日のようで、妻の方は残念がっていたがあきらめるしかなさそうだ。
 次は大聖堂に向かうべくメインストリートを南に下る。
 途中シェパードを三頭つれたご婦人がホットドックの看板の前に陣取っているのを見て思わず1枚写真に納める。
 大した写真ではないのだが、他にも気が付いた人がいたようで軽いジョークでこっそり写真を撮っていた。
 市街を南北に縦断して大聖堂には13時頃到着。
 予定では14時過ぎの列車でハンブルクに向かうので、あまり長居はしていられないようだ。
 内部は普通の教会と言った感じで、大聖堂よりもマリエン教会の方が立派な印象だ。
 それにしても以前も思ったが、狭いエリアに大きな教会がいくつもあるが、そんなに細かい宗派に分かれているのだろうか?
 なんとなく信者の奪い合いになりそうな気もしないでもないが・・・

 大聖堂を後にすると川に沿ってホルステン門の有るメインストリートに抜けて、駅に戻る事にする。
 駅に戻る途中で薬局が有ったことから筋肉痛の痛みを緩和するスプレーを購入。
 丁寧に説明してくれた薬剤師さんは飲み薬を勧めていたが、急場しのぎなのでスプレーの方をチョイスする。
 値段の方は5.8ユーロだったのだが最初は58ユーロと勘違いし、そんなに高いのならいらないと思いつつも懇切丁寧に説明してくれた薬剤師さんの手前断れないしどうすべきか一瞬真剣に悩んだ。
 聞き直したら5.8ユーロなので安堵して1本購入となる。
 
リューベック→ハンブルク

 さて列車の発車まではあまり時間もないが、食事がまだなので駅前の屋台で二人そろってブルストで昼食にする。
 時間を気にしながらなので、結構あわただしく食べた後はハンブルグまでの切符を購入して荷物を引きだし、Class218が推進運転する2階建客車に席を確保する。
 この列車でドイツの列車は最後となるはずだが、結局最後まで在来型の客車列車には当たらずじまいで、各駅停車、快速ともに2階建て客車ばかりだった。
 
 列車は定刻にハンブルクに向け出発するが、この路線は電化工事の真っ最中らしくあちこちで架線柱を立てているようで、工事区間が結構あって徐行運転を繰り返していた。
 ハンブルクまでの乗車時間は50分で15時頃ハンブルク中央駅に到着。
 
 本日の宿は駅前のHotel Furst Bismarckで中央駅の真正面のためすぐにチェックイン出来るのが助かる。
 予約時の値段が安かったことから大して期待していなかったのだが、ロビーの感じは結構豪華かもしれない。
 これまでの安宿とはちょっと雰囲気が違うかもと期待が高まる。
 チェックイン自体は問題なく、部屋へはボーイが案内するのでついていくように言われたことからてっきり高級ホテルだったのかと錯覚したが、ボーイが向かう先は玄関の外である。
 あれあれ〜?ホテルここじゃないの?と思いつつついていくと我々が泊まる部屋は三件隣の別の建物のようだ。
 内装はちょっとくたびれた印象が拭えないが、通された部屋はまあこんなもなのかという印象で、清潔だし広さもまあまあと言ったところ。
 ただ最初の期待が裏切られたような感じでちょっとしっくりこない気もする。
 深く考えてもしょうがないことから、荷物を置いてさっさとハンブルクの見物に出かけるが、ここも絶対はずせないと言うほどの物はないので適当に見て回りましょう。


ハンブルク観光


 中央駅で一日乗車券を購入し、Sバーンで二駅目のStadthausbruckeで下車し、とりあえずは市庁舎に向かう。
 駅からは市庁舎の裏側の方が近かったようで、最初は大したこと無いのかと思っていたが正面に回ったら大きな塔があり、カメラのフレームに収まりきれないほど大きく立派だった。
 ただ前の広場にたむろしている人々のガラはあまりよろしくないような印象を受ける。
 写真を撮ったら早々に移動することにしましょう。

 ハンブルグの観光はまだ始まったばかりなのだが、いきなりここでお茶タイムを要求。
 今日は観光始めてからすぐに休憩するパターンだが、本当に足がだるくてたまらない。
 聖ペトリ教会近くのカフェで休憩となるが、このあたり綿の様な物がたくさん舞っておりオープンテラスを陣取るには不適切な場所と気が付いたのは飲み物が運ばれてきてからだった。
 飲み物は綿埃が入らないようにさっさと飲むが、足が結構だるくてなかなか出発する気にならない。
 しばらくはウダウダしていたが、とりあえずそばの聖ペトリ教会を軽く見学。
 ここのところ明るい教会が多かったが、ここは照明が暗めで結構雰囲気がある。
 もっとも今までの教会は周囲の敷地に余裕がが有ったため、窓から十分な光が入っていたようだが、ここはビルに囲まれていて薄暗いだけのようにも思える。

 聖ペトリ教会の後はニコライ教会廃墟に向かうが、間違って倉庫街そばのカタリーネン教会脇に出てしまった。
 ここからはとりあえず倉庫街を見ていくことにするが、このとき私はガイドブックの地図に非常に重要な表示が出ていることに気が付いた。
 それは倉庫街に出来てハンブルク名物となりつつある「ミニチュアワンダーランド」の表示であった。
 噂では倉庫街の一角にとてつもなく巨大な鉄道模型のレイアウトを設置し、凝ったギミック満載で一日居ても飽きないらしい。
 正直なところ倉庫街に迷い込むまでは寄る気は全くなかったのだが、せっかく倉庫街に来たのだからその場所くらいは探してみるか。
 時間の方は17時近いしそろそろ閉館だろうから見るのは無理だろうし・・・・
 倉庫街をブラブラ歩きながら妻には悟られないようにアンテナを張り巡らす。
 しばらく倉庫街を眺めた感じではどうもそれらしい場所が見つけられず、あきらめて橋を渡っているときに何のになしに振り返ると今まさに脇を通り抜けた建物の上層階がミニチュウアワンダーランドだった。
 このときは1階に有るハンブルクダンジョンというお化け屋敷に気を取られ上の方まで目がいかなかったため気が付かなかったようだ。

 とりあえず妻には事情を話し、営業時間を確認するだけだからと入口の案内を見ると6時まで営業しているらしい。
 まだ一時間有るので大急ぎなら何とか見れるかもしれないと思った瞬間、見学することに決定となるが妻の方からはわざと間違えて倉庫街に来たのでは無いのかと疑惑のまなざしを向けられることとなる。
 何かハルツ狭軌鉄道のドライ・アイネン。ホーフェンと同じ構図の様な気もするが、仕組んだつもりはなくとも結果的には疑惑を向けられる様な行動をとっているらしい。
 入り口では一時間しか見れないけど良いのかと確認されたが、そんなことは百も承知で、さっさと奥に進むことにしよう。
 最初は中が三層構造になっていることに気が付かず、一番奥まで言ってもレイアウトが無いので焦っていたが、最上階に据えられたレイアウトの大きさには驚かされる。
 こんな巨大なレイアウト見たことない。
 
 倉庫の建物を利用しているためか、奥行きがとんでもなく長く、ざっと40mくらいは有るだろうか。
 一応区画を分けて地域のカラーを出しており、本線の列車以外にも市電や自動車も動くようになっている。
 周期的に昼と夜になるように照明が切り替わるのだが、建物の照明、街路灯は当然として車のヘッドライトまで走行させながら点灯させるのはどのようにしているのか非常に興味深い。
 また人形の数も半端ではなく、サッカースタジアムなども観客の他に暴れるフーリガンがいたりとただ並べるだけではなく、ストーリがあっておもしろい。
 中でも一番の変わり種は水死体の発見現場で、警察の現場検証が行われているなど結構ブラックだったりする。
 他にも火災発生現場に消防自動車が集結する演出など、只列車を走らせているだけではないのでいつまで見ていても飽きない。
 正直一時間しか時間をとらなかったのは残念だが、見られただけでも良しとしよう。
 それにいつまでも見ていると自分レイアウトにもいろいろしたい衝動に駆られてくるが、こんなスキルはないのでやばい病気が発症する前に退散だ。
 ミニチュアワンダーランドを後にすると、当初の予定どおり聖ニコライ教会廃墟に寄ってから一度港の見えるザンクト・パウリ桟橋に行くことにしよう。
 
 地下鉄で桟橋の最寄り駅まで移動し、駅前の桟橋でしばし港を眺めてすこず。
 港では特にすることもなくベンチに座って、明日のドイツ出国にちょっとだけ感傷的な部分もあるが、明日からは足を踏み入れたことのない未知の国を訪問するので期待も高まってくる。

 桟橋を後にすると、そろそろ夕食の時間のため倉庫街に近いダイヒ通りで魚料理を食べることにしよう。
 先ほど乗った地下鉄の駅で降りて、ダイヒ通りに向かうが、まだ時間がちょっと早かったのかやっている店は少な目のようだ。
 どこにするかあまり選択肢はないが、それなりに混んでいる店に入り、ヒラメのムニエルを二人とも注文する。
 飲み物は妻も最後のドイツの夕食と言うことでビールを頼むが、ここのビールも口に合わなかったようで、この後はずっと炭酸水ばかり飲んでいた。
 料理の方は当たりで、量はちょっと少なかったが十分満足できる内容だった。

 うまい魚料理が最後に食べられたので気分良くドイツも出国できそうだ。
 地下鉄で中央駅にもとってこの日はホテルで休むことにしよう。
 薬局で買った筋肉痛のスプレーを試したところまあまあ効果が有るようでずいぶんと足が楽なった。
 これならまた明日から歩きづめになっても大丈夫そうだ。