ハンブルグ→フレデリシア
本日はいよいよドイツを出国し、未知の領域となる北欧に足を踏み入れてやっと旅行の本番が始まる。
本日のルートはハンブルクからフリデリシアを経由してオーデンセを観光後コペンハーゲンへ移動となる。
列車は9時30分のEC(ユーロシティ)でホテルでの朝食が付いていなかったので、早めに出てハンブルク駅構内の店でサンドウィッチで朝食とする。
店ではこれから日本に帰るという女性と相席になるが、最近の円安を嘆いており払った金額に対する対価の満足度が低いと漏らしていたのには同感だが、我々はさらに物価高の北欧に向かうわけで、このあとどれだけ打ちのめされるか知る由もなかった。
列車の方は定刻の15分ほど前に入線してきて、車両はゴムチューブの縁取りが個性的なデンマーク国鉄のIC3型ディーゼルカーが充当されていた。
以前はフレックスという客車列車だったようだが、今回はそれではないようだ。
しかしIC3は最近塗装変更を行ったのだろうか?
たしかオリジナルは白に扉部分が赤の塗り分けだったはずだが、今回の車両はグレーに紺のツートンカラーをまとっていた。
列車は三両編成なのだが、連接車のため一両当たりが短く実質2.5両分しか輸送力がない。
我々は一等パスなのですいている一等車で問題ないが、二等車は結構な混雑だった。
ただ、一等車も座席指定の表示がデンマーク語のため理解できず、予約されているかどうか判断に苦しむところだが、区間で表示されていないので、予約されてない席だと判断し席を確保する。
この列車の前にもリューベック経由でフェリーで航送する列車があり、コペンハーゲンに直接行く場合は早いのだが、オーデンセに寄り道することと線路上を走って移動しないとヨーロッパの移動経路で北欧と中欧の間を線路で移動したことにならなくなるとの判断でフレデリシア経由とした。
列車は定刻で発車し、検札に来たのはDBの車掌さんだ。
DBの優等列車では一般的な座席に備え付けの乗車列車の時刻表も細かく書かれているのはドイツ領内のみでデンマークの区間は到着時刻だけで接続列車などについては表示されていないようだ。
車内は一等車のため座席は余裕が有りずいぶん楽だ。
おまけに一等車はコーヒーと紅茶がセルフサービスながら自由に飲めるように車端にポットとカップが備え付けられている。
ここでは貧乏根性が炸裂して結構コーヒーをいただいたが、こちらより図々しさでは上手がいて二等車の客が勝手に入ってきて飲んでいた。
列車は快調に北に向かって快走し、GPSで速度を計測すると170km/h位は出しているようだ。
加速も軽快だし、気動車でもなかなか侮れない物だと感心する。
国境のドイツ側の駅フレンスブルグまでは以前に乗車したことがあるが、その時非常に高い鉄橋の様なところを通過した記憶があったので、昼間の今回でその景色が見れるはずだ。
その鉄橋はレンツブルグ駅の手前にあるキール運河を越える鉄橋だと言うことはわかっており、レンツブルグに到着する時刻に近づくと、前方に高い鉄橋が見えてきた。
鉄橋は運河をまたぐ区間だけトラスとなっているが、その他の区間はプレートガーターが連続しているようだ。
鉄橋のレンツブルク方はループになっており、ループ線で一周して高度を落としてから鉄橋を下越ししてレンツブルクに至る配線だ。
ループ自体はレンツブルクの駅からよく見えるので、機会があったらここで降りて撮影してみたいものだ。 |
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レンツブルクを過ぎると徐々にデンマークとの国境が近づいていてきており、じきに国境駅フレンスブルグに到着だ。
ここから先は未乗車区間で有ることからなるべく居眠りしないでよく風景を見て置かねばと気合いが入る。
フレンスブルグを過ぎると線路の方は単線となってデンマーク側の国境駅パドブルグに向かうが、GPSの軌跡を確認したら、フレンスブルグに寄るためだけに、配線がルーブ上になっていることが判明。
貨物列車などはフレンスブルグによらず直接デンマークに向かうようだ。。
国境付近では何か明確に国境を示す物がないか目を凝らしたが、特に国境地帯を意識させる物もなく、普通のちょっと家がまばらな郊外の風景と言う印象だ。
パドブルグの手前で複線となり、架線柱がドイツの緑色から錆色に変わった事位しか変化は見られない。
パドブルグでは接続列車待ちのためしばらく停車するようなのでホームに降りてみるが、ホーム外れにはドイツの貨物機関車がたむろしており、駅名表のデザインが多少違う事を除けばあまりドイツと変わらないような印象だ。
10分ほど停車して若干遅れてパドブルグを出発し、後はあまり高低差の無い酪農地帯をフレデリシアに向かって進行していく。
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フレデリシア→オーデンセ
フレデリシアには13時頃到着し、乗り換えるコペンハーゲン行きのホームがよくわからずにいたら、近くの人が教えてくれた。
こちらの人はちょっと困ったような時にはすぐに声を掛けてくれるのが非常にありがたい。
五分の乗り継ぎでコペンハーゲン行きのICに乗車するが、こちらも先ほど乗車したのと同じIC3だ。
デンマークの優等列車はIC3ばかりであまり面白みはなさそうだ。
またサービスのコーヒーを飲みながら、一路オーデンセに向かうのだが、どうもドイツ語の時と異なり車内放送を聞いても明確に次の駅がどこかわからなくなりつつある。
列車の方は順調に進んでいるようで、一旦橋でフェン島に渡り大陸とはしばらくお別れになる。
今度は車内のサービスで果物かナッツが配られるようなのでお昼を回ってお腹もすいていることからナッツをもらって腹の足しにしていこう。
ナッツをかじっているうちに列車はオーデンセに到着。
とりあえず荷物をロッカーに預けたいところだが、デンマーククローネの持ち合わせは無い。
構内にATMはあることから現金をキャッシングして構内の食堂で昼食を取って小銭を調達する。
食事も無事終わり、ロッカーに荷物を預けるとラッキーなことに硬貨が戻ってきた。
扉の方はちゃんとロック出来るようなので、ちょっとした機械の誤作動かもしれない。
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オーデンセ観光
オーデンセと言えばアンデルセン童話のアンデルセンで有名であるが、観光名所はその生家を保存したアンデルセン博物館となる。
駅前に出ると三輪自転車のドライバーが声を掛けてくるが、歩いても大したことないので歩いていくことにする。
駅前に広がる王様公園をぬけてオーデンセ劇場の角を回ればアンデルセン博物館はすくそばだ。
途中大通りを信号で渡ったが、歩行者信号が赤に変わるのが早すぎるような気がする。
二人ともなにげに疲れているのかわずかな段差に結構足を引っかける様になり、たまにはちょっと転びそうになったりする。
アンデルセン博物館の方はあっさり見つかったなと思い油断して最初に入った建物は別の博物館で、改めてアンデルセン博物館に入り直す。
展示には生い立ちなどが英語で書かれており、わかる単語を拾って読んでいくと、最初は役者志望で俳優学校を優秀な成績で卒業していたらしい。
他には彼はよく自分で鏡を見て外見に異常に気にしたらしいので 「ふ〜ん。ちょっとナルシスト系か?」などの考えが頭をよぎる。
童話については親戚の女の子たちに話して聞かせたのが始まりのようだが、その様子を絵にしたところを見て一瞬・・・・・「え〜と、ロリコン?」
と言った具合によその国の国民的英雄にけちを付けるのは良くないのだが、生涯独身であったようだし、どうもこれらのイメージが頭について離れない。
アンデルセン自体は多芸な人で作家活動の他に切り絵なども得意だったらしく、博物館にはその作品も展示されていた。
館内の博物館には世界中の言語で訳された本が集められており、日本語で出版された本もそれなりのスペースをしめており、日本での人気の高さが伺える。
まあ私も昔は聞かされたはずだが、中には本のタイトルを見てもどんな話だが思い出せない物もチラホラあった。
館内の見学後は表からアンデルセンの生家がを眺めていたら、そろそろ良い時間になってきた。
駅の方に戻り、後続のICでコペンハーゲンに移動だ。 |
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オーデンセ →コペンハーゲン
オーデンセの駅でICを待つが到着まではもうしばらくかかるようだ。
構内には他のIC3タイプの車両が止まっており、その前面のゴムチューブはどんな感じなのかと手で押してみると、ものすごく堅い物ではなく、ちょっと力を入れれば普通に凹むような物だったが、ゴムの生地は結構厚そうな感触だ。
また、たまには破損するらしく自転車のパンクの修理に使用するようなパッチが当てられているところもあった。
到着したICに乗車したら目的地のコペンハーゲンまでは約一時間30分、今度の編成も二編成併結となっていることから連結面の運転台がどのように収納されているか覗いてみることにしよう。
ゴムチューブの中にある運転台は連結時には扉のように開いて、チューブ内が貫通路になるが、やはり扉として開く関係上、運転台のスペースは無駄に広いように感じる。
内部の観察に納得して戻ろうとしたときに一瞬ドアが開かず閉じこめられた?と思ったが、脇に開閉用のスイッチが有り無事戻ることが出来た。
列車の方は相変わらず160km/h以上で快調に飛ばしてフュン島からシェラン島に渡るストアベルトを通過する。
前半区間は橋で通過し、後半区間は海底トンネルとなるが、長いトンネルで電化しているのにディーゼルカーの特急がバンバン走るのは換気とか防火上問題ないのか、ちょっとだけ気になった。
シュラン島に上陸すれば本日の目的地コペンハーゲンまではのどかな田園風景が続くだけで、特に気に止めるような物は無かった。 |
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コペンハーゲン中央駅には18時20分に到着、ホテルはここからS-tag(エストー)で三駅目のオスタポート駅だが、食事できる場所が有るかわからないので、中央駅のケバブ屋で夕食にする。
夕食後はS-tagでオスタポート駅に向かうが、このS-tagの車両もずいぶんと変わった車両の様だ。
一両の長さが短く、タルゴの様な車輪配置となっているのだが、タルゴとも微妙に異なるようだ。
またその短い車体にごまかされがちだが、実はこの電車かなり大きい断面を持っている。
車内は片側3人掛のシートが両側に並ぶが、窓際に座ると反対側の窓までの距離がとてつもなく遠く感じる。
変わった電車だと車内ではキョロキョロしていたので車内では不審人物に見えたかもしれないが、すぐにオスタポート駅に到着。
ホームから出口に向かうエスカレーターが稼働しておらずちょっと重い荷物を持って上がるのが辛い。
本日から三泊するホテルはこの駅前にあるコンフォートホテルオスタポートで線路に沿った細長い建物だ。
部屋は線路側とその反対側となるが、我々の部屋は線路側ではない方だった。
妻は私が線路側を希望すると思ったらしいが、窓のすぐそばを列車が駆け抜けるようなロケーションはさすがに遠慮したいので、線路側でなくて本当に助かった。
ただ、ホテルの玄関前からは線路を走る列車がよく見えることから、適当に2,3本撮っておくが、朝の方が光線状態が良さそうなことから明日以降早起きしたら撮りに来ることにしよう。 |
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