2007年 6月6日 11日目 コペンハーゲン観光

 この日も時差ぼけの方はだいぶ解消したが、早起きしてしまったので、6時頃よりカメラを持ち出し、ホテル脇で行き交う列車を朝から撮影するが、基本的にやってくる列車IC3タイプの電車かS-tagばかりなのであまり面白みはない。
 30分程度撮影してからホテルに戻るが、このホテルは入り口脇に無料のコーヒーサービスがあるので、よくごちそうになり、この朝も一杯飲んでから部屋に引き上げる。
 妻の方も起き出しているが、時差ぼけはとっくに解消しているようで早起きなこちらにちょっとあきれ気味のようだ。

 ホテルの朝食は通常のビュッフェ形式だが今までのホテルよりも品数がずいぶん増えて、選ぶ楽しみも増える。
 本日は交通機関と博物館などが無料になるコペンハーゲンカードを利用するためホテルのフロントで買えるか聞いてみると、駅の方で買えるとのこと、早速駅の切符売り場で24時間券を購入する。
 コペンハーゲンカードを購入したのだが、最初に見に行くのは、ここからだと徒歩しかない人魚姫の像である。
 ただガイドブックには無料自転車のスタンドが町中に有るように書かれていたので、駅そばのスタンドに行ってみるが1台しか無いようなのであきらめて歩いて行くことにしよう。
 
 オスタポート駅から地図を頼りにブラブラ歩いて15分ほどで人魚姫の像に到着。
 世界3大がっかりの1つと言われているが、行ってみての感想は別にがっかりするほどではなかった。
 結構観光バスの団体さんが訪れているようで、まだ9時過ぎだがそれなりに像の周りには観光客が多く、結構土産物屋が出ていたりする。
 この人魚姫像は結構災難続きのようで、首を切られたり、腕をもがれたり、4年前には爆破までされているようで修復の後が痛々しい。
 
 人魚姫像を後にすると、ゲフォンの泉を横目に見ながらカステレット要塞に向かう。
 要塞の中に入ると明らかに様子がおかしい、入り口の看板をよく見てみると軍の施設になっているようで、立入禁止では無いようだが観光客を歓迎するような雰囲気とはなっていない。
 早々に退散し、要塞からほど近い自由博物館に寄り道していくことにする。
 
 博物館自体は10時からのため15分ほど外で開館するまで時間を潰す。
 前庭にはレジスタンスが使用したらしい手作りっぽい装甲車が有るのだが、よく見ていると貫通している銃痕が多数開いており、これに乗っていた人たちが生き延びることができたのかが気にかかる。
 10時になり予定通り開館となるので内部の見学となるが、説明がよくわからないので兵器類などをさらっと見て流す。
 基本的にはドイツ軍への抵抗の歴史を解説しているのだが、展示の趣旨とはかけ離れ、ドイツ軍の装備が見られて喜んでいる状態なので、私の見方は正しい博物館の利用方法ではないなあ。
 
 博物館での展示物はあまり多くなく、20分ほどで、見終わって博物館を後にする。
 この後はデンマーク工芸博物館はお土産にぴったりの雑貨が買えるとのことなので、寄ってみることにするが開館自体は11時からなので、ここで待っているとこの後の観光に支障しそうなことから、一旦オスタポート駅に戻り、S-tagで隣のノアポート駅にむかう。
 
 ノアポート駅から最初に向かうのはローゼンボー離宮で、まっすぐ正面玄関に向かうと迷彩服を着て、銃を持った兵士が警備をしている。
 どうも観光客が気軽に入れる雰囲気ではない、しかしガイドでは財宝などが見られるとのことなので、よくよくチェックしてみると、入り口は正面ではなく、建物の向かって左側に有るらしいので、そちら側に回ってみる。
 しばらく歩くと入り口を無事発見。
 宮殿の前では衛兵が警備を行っているのだが、野戦服を着ており普通の兵士と見分けが付かないが、一応定期的に宮殿の前を行ったり来たりしているので衛兵なのらは間違いないようだ。
 そっさくコペンハーゲンカードを提示して内部の見学に移る。
 ここは王室の財宝の展示が目玉だが、象牙細工のコレクションが見事であり、その数の多さに圧倒される。
 このときどうも学校の社会科見学の中学生が来ていたようだがかなり騒いでうるさいなと思っていたら、管理のおじさんに怒鳴られてやっと静かになった。
 展示品を順調に眺めていくが、金細工などは見事なのだが使用されている真珠があまりにも不揃いなのが気にかかる。
 ヨーロッパでは真珠はあまり手に入らなかったのかな?
 最後の方には王冠の展示があり、巨大な宝石の付いた見事な王冠に驚きながら宮殿を後にする。
 そろそろ時間の方はアメリエンボー宮殿での衛兵交代式に間に合わせるため向かう必要がありそうだ。
 徒歩でアメリエンボー宮殿に向かい、11時45分頃に宮殿広場に到着すると結構な観光客が集まりだしているが、なんとか見学に良さそうな場所を確保する。
 広場では警官が整理に当たっており、どの辺まで出て良いのかは彼らの指示に従うこととなる。
 また広場内は自転車に乗る事が禁じられているようで、自転車に乗っている人は降りるように注意されていた。
 女王が宮殿に滞在しているときは国旗が掲げられているとのことだが、今日は上がっていないので外出中のようだ。
 交代式まではまだ若干時間があるが、交代する衛兵の一団は先ほど我々がいたローゼンボー離宮を出発してこちらに向かっているだろう。
 このとき我々のそばでは日本人のデレビクルーが撮影しており、カメラマンと女性ディレクターがなにやら打ち合わせをしてた。
 このときは気にも止めなかったのだが、この後は我々の行く先々で遭遇することになるとは、この時は想像もしなかった。

 12時前になり、詰めていた衛兵の一団が王宮前広場の一角に整列し、交代の衛兵の到着を待っている。
 真正面から整列している彼らを見ると、熊の毛皮の帽子と白いベルトをたすきがけにしているせいか、非常にでっぷりとした体型のように見えてしまう。
 実際にはかなりスマートなようなのだが、制服のせいで動きも多少コミカルな感じになってしまうのが惜しい。

 衛兵の交代式には別に軍楽隊の演奏などもあるようではなく、ある意味事務的に進んでいくが、今日は結構気温が高いのでじっと立って整列している彼らも大変そうだ。
 交代式はだいたい30分で終了するが、あまり動きがない場面もあり30分ずっと見ているのは結構退屈だったりする。
 交代式の後は宮殿に併設された宝物展示室を見学する。
 ここは宝物展示室と言っても歴代国王の書斎などが当時の状態で保存されているのを見られたり、女王のドレス類が大量に展示されている場所だった。
 見学の方は正直結構あっさりと終わり、王宮から見えるフレデリクス教会を覗いてからニューハウンで食事にすることにしよう。

 フレデリクス教会は王宮のすぐそばにあるので、すぐに到着だ。
 内部は円形の建物となっている事からどことなくベルリン大聖堂と雰囲気が似ているようだ。
 装飾も無意味に華美ではないようで個人的には好みの内装だ。
 しばらく椅子に腰掛けて、パイプオルガンの演奏を聴いた後そろそろお腹も減ってきたことからニューハウンのレストラン街に向かう。
 ニューハウンは運河沿いにレストランが並ぶ結構な繁華街だ。
 運河には帆船が停泊し、遊覧船も行き交い華やかな雰囲気だ。
 適当な店で食事でもと思ったが、かなり人出が多く席が空いている店がなかなか見つからない。
 何とか開いている店を見つけて、やっと落ち着けた。
 本日の昼食は鳥肉のソテーに決まりだが、妻の方も同じ物を注文するようだ。
 ここのところ感じていたのだが、示し合わせたわけでも無いのに同じ物を頼むことが多い。
 と言うのも物価高のデンマークのため、値段と内容を吟味すると自ずと選ぶメニューは限られてきてしまうので、同じになってしまうのである。
 食後は徒歩で南に向かい、スロッツホルメンのクリスチャンボー宮殿にむかう。
 途中は証券取引所や国会議事堂があり、適当に眺めながら宮殿に到着。
 しかし入り口らしく物が見あたらない、しばらくウロウロするが人が出入りしている様子もないし、誰もいないので見学はあきらめる。

 この後はこちらの希望で王立武器博物館の方を見学させてもう。
 展示物は年代物の大砲が多く、近代の武器は比較的少ないが、2階にある銃のコレクションはすさまじく、とてつもない数の小銃がケースに納められ展示されていた。
 ほとんどの銃はアメリカ、イギリス、ドイツ、ベルギーあたりの物だが、1丁だけ日本の銃が展示されていた。
 ただ種類については書かれていないので38式歩兵銃だとは思うのだが、ちょっと自信がない。
 
 王立武器博物館を後にすると、繁華街のストロイエを覗いてみることにする。
 妻の方はデンマークの靴メーカー、ECCOの本店が有るので覗いてみたいとのこと。
 店の方はすぐに見つけられたが、特に本店だから安いというわけではなく日本で買ってもも同じくらいの値段なのと、特に欲しい物はないようなのでそのまま店を後にする。
 
 この後はストロイエにあるランド・タワーに上がってみることにしよう。
 天体観測所として建てられた建物の内部は螺旋となっており、ゆっくりと上がっていくが、中には元気な若者もいてスロープをものすごい勢いで駆け降りたりしている。
 スロープの方は特にきつくもなく、頂上にはものの数分でで無事到着。
 正直周りの建物よりものすごく高いというわけではないので、それほど見晴らしがよいわけではない。
 ランド・タワーの見学後は近くのカフェで休憩してからそろそろチボリ公園に行くことにしよう。
 ストロイエから市庁舎の前を抜けば、コペンハーゲン駅前にチボリ公園の看板がすぐ目にはいるが、市庁舎脇の入り口は蝋人形館の入り口らしく、1ブロックほど南に移動してそちらから入場する。

 公園とは言っても実質遊園地だが、浅草の花屋敷みたいに古いアトラクションばかりなのかと思ったら意外と新しい絶叫マシーンなどが設置されているようだ。
 特にアトラクションに乗りたいわけではないので、内部を散策してみるが射的など日本の夜店でおなじみの遊具も有ることからいくつか挑戦してみることにする。

 射的系のゲームをいくつか試すべく光線銃で動く標的を撃つゲームに挑戦したが、最初にやってみた銃はちょっと故障気味だったようで、4列ある標的のうち左側の列は当たっているのに反応しない。
 このままでは不完全燃焼なので、銃を変えて再挑戦しようとしたところ丁度小銭が無い。
 ポケットをまさぐっていたら隣の顎ヒゲがダンディーなおっさんが5クローネを私にくれた。
 このゲーム持弾は20発で、発射数と命中数が表示されるので、ゲーム終了時に腕前がモロバレとなる。
 これは何が何でも高得点を出さねば格好がつかないと密かに気合いが入る。
 
 注目の結果は自分でもびっくりの20発全弾命中で、隣のおっさんは13発の命中であった。
 こちらのスコアを見たおっさんも目を丸くして、「You are Killer!(おまえは殺し屋か!)」とお褒めの言葉をいただき、お礼を言って別れる。
 
 この後も故障気味のもぐたたきや弓矢などに挑戦し、童心に帰って楽しいひとときを過ごす。
 遊園地はディズニーランドの様に隙のない所よりもちょっと緩いチボリ公園みたいなところの方が正直落ち着くな。  
 チボリ公園を出ると中央駅はすぐ目の前。
 時間の方も18時を回っていることから、一度ホテルに戻ることにしよう。

 一度ホテルに戻って杞憂系するが、さて今夜の夕食だが、どうしよう。
 オスタポート駅周辺は余り食事が出来るような所がないので、また中央駅に戻ることにするが、私の希望で隣のノアポートから出ている地下鉄に乗車してから中央駅にむかうことにしよう。
 S-tagで一駅進み、表示にそって地下鉄乗り場に行ってみると、まだ新しいのだがホームがかなり短い。
 やってきた列車は2両編成で完全自動運転のため運転台が無く、前面の窓から座席が並んでおりもろかぶりつきシートとなっている。
 やってきた列車に乗りこむと幸運なことに最前列のシートが空いている。
 最前列に陣取らせてもらって、とりあえず3駅ほど乗ってみることにしましょう。
 トンネル内は蛍光灯が短い間隔で並んでおり、結構明るい。
 列車の加速はなかなか良いようだが、減速時には停車位置あわせのためかなかなか止まらず、イマイチの印象だ。
 
 下車した駅はAmagerbro駅でホームは地上まで吹き抜けになっており、かなりモダンな印象を受ける。
 ホームまで自然光が入るため地下鉄特有の薄暗さが感じられないのもその一因だろう。
 一応駅の外に出てみるが、普通の住宅街のようで特に何もないようなので、ノアポート駅に戻り、再度S-tagで中央駅に戻る。
 
 夕食は何にしようかと迷ったが、結局簡単なマックですますことにするが、正直物価高のためちょっと倹約しないといけないかもとの判断が働いたためでもある。
 こちらのマックはハンバーガーは肉だけで、ピクルスとかも入っていないようで、日本のマックに比べるとちょっと落ちるような気がするが、値段の方はだいたい4倍くらいになるのだろうか。
 2人でマックの夕食が3千円と言うの驚愕だが、こればかりは仕方がない。

 適当に食事を終えるとホテルに戻り本日の行動は終了となる。
 明日はシェラン島北部のお城めく巡りだ。