2007年 6月7日 12日目 シェラン島お城巡り

 本日はシェラン島北部にあるヘルシンオア近郊のクロンボー城とヒレロズのフレデリクスボー城の見学だ。
 
 この日もコペンハーゲンカードをオスタポート駅で購入し、ヘルシンオア行きの近郊列車に乗り込む。
 今回の列車はIC3の電車タイプとなるER型で、2等車での移動となる。
 9時30分頃オスタポートを出発した列車は各駅に停車しながら約40分で終点のヘルシンオア駅に到着。
 線路はここで行き止まりのようで、一部フェリー乗り場に通じている線路があるが、現在は使われていないようだ。
 駅の先にはフェリー乗り場があり、対岸に見えるスウェーデンのヘルシンボリがよく見える。
 また駅を出ると併用軌道の様な路線が駅前を通過して北側にのびており、これがノルド線の様だ。
 
 目的地のクロンボー城はここから徒歩20分程度で、駅前の道を港に沿って歩くとすぐ海沿いにお城が見えてきた。
 今日も昨日に引き続き日差しがきつく、上着はいらない。
 ドイツよりも北側に来たのにこちらの方が暑いとは想像外だった。

 暑い中徒歩で何とかお城に到着、お城の日陰に入ると石づくりでひんやりしており気持ちいい。
 一応コペンハーゲンカードが使えるか聞いてみるとすべては見られないが、一部はOKの様だ。
 メインのところが見られるので他の部分に付いては割愛することにする。
 このお城はシェークスピアのハムレットのとなったことで有名で、世界遺産でもあることから結構日本人観光客が多い。
 お城のロケーションとしては対岸のヘルシンボリをにらむ格好で建てられており、庭に据えられた大砲もヘルシンボリを向いていることから対スウェーデンの防衛拠点であったことが伺える。
 
 内部の方はどこかで見たことあるような肖像画が並んでおり、それなりに楽しいがハムレットは読んでいないため、このお城を見ることによる発見のような物は無い。
 ゆっくりと内部を見てまわりながら最後に土産物屋を眺めてから、お城を後にする。
 お城からの帰りは行きとルートを変えて海沿いではなく、市街地を抜けてヘルシンオア駅へ向かう。
 途中には特に見所と言うほどの場所は無かったが、お酒の高いスウェーデンからフェリーに乗って酒類を買いにくるようなので、結構酒屋を見かける。
 (噂では買った酒をスウェーデンに帰るまで待ちきれずにフェリーで飲み始めるようで、このフェリーは飲んだくれで荒れると聞いた。)

 駅に戻り次の目的地ヒレロズへの列車を調べるとまだしばらく時間があるようだ。
 この間に妻は駅前商店街のウィンドショッピングへ、こちらはノルド線のホームに旧型の気動車が停車していることから発車時刻を調べるとまもなく発車のようである。
 駅前の併用軌道っぽい区間で写真を撮りたいことから、線路沿いに北上して発車してくるところを撮影する。

 撮影後は特にすることもなく構内をブラブラして時間を潰し、ヒレロズ行きの列車の到着を待つ。
 ヒレロズ行きの列車は先ほど撮影した旧型のType ML かと期待したが、やってきたのはドイツでさんざんお世話になったBR642型と同型らしいType MQがやってきてちょっとがっかりだが、暑いので車内の冷房が心地良い。

 列車は定刻に出発し、約40分でヒレロズに到着。
 途中は普通の田園風景で特筆するような箇所は見あたらなかった。

 時間の方は1時過ぎでそろそろ昼飯と言いたいところだが、この駅にはコンビニが併設されているだけで、食事が出来るような場所が見あたらない。
 仕方ないので駅のコンビニのサンドウィッチと飲み物を仕入れて駅前のベンチで昼食にする。
 食事をしているとちょっと挙動不審な老人が近づいてくる。
 スリ置き引きのたぐいではないようだが、それほど汚い身なりではないのにゴミ箱の中をいろいろ覗いている。
 近くのベンチに腰掛けているがどうもこちらを伺っているような感じにも受け取れる。
 気分が悪いので早々に引き上げるが、福祉が充実しているはずなのに、老人が乞食みたいなことしているのにちょっとショックを受ける。

 食後はこの町の目玉フレデリクスボー城に向かうが、ガイド本にはこの町の地図が無い。 お城は湖沿いであることからGPSの地図をたよりに湖の畔へ向かう。
 駅からおよそ10分で湖に到着するが、お城は丁度対岸側だ。
 湖に浮かぶ姿は美しく、これぞ宮殿といった趣に思わずシャッターを押す指に力が入る。
 湖を反時計回りに回ってお城に向かうと、お城の正面にかなり広い庭園があるようで、お城の前にこちらを覗いていくことにする。
 最初はちょっと覗く程度と思っていたが、予想以上に奥が広いので一番奥まで進んでいくが高低差があるので結構疲れた。
 庭園の見学後はお城の内部を見学するが、このお城は火災にあっているため比較的近年に改修されている。
 そのため内部はかなりきれいで見応えがある。
 この城は肖像画の数が半端ではなく、どの部屋も壁中に肖像画が掲げられている。
 
 少し離れた謁見の間には人力エレベーターが備えられているのだが、あまりの小ささに挟まれたりする事故はなかったのかちょっと心配になったりする。

 お城を見学し終わっての感想は今回の旅行でもいろいろなお城を見てきたが、今までの中で一押しは今回のフレデリクスボー城であることで妻と意見が一致し、名残惜しいがこの辺で駅にむかうことにしよう。
 
 駅にむかう途中の商店街で、Tigerという店を発見するが、店前のワゴンの商品はすべて10クローネだ。
 ひょっとしてデンマークの100円ショップかと思い中を覗いてみると、まさしく中は100均なのだが、値段の方は完全に10クローネに統一されているわけではなく、100、200、300などがあるようだ。
 これまでのデンマークの物価を考えると恐ろしく安く感じるため、ちょっとしたお菓子と私の普段持ち歩いているバックが非常に重いことから、町歩き用に軽いデイバックを1つ購入して店を後にする。
駅に戻るとヒロレズは中央駅からS-tagが通じているので1本で帰れるのだが、このままホテルに帰ってもおもしろくないので、一度北側のGillelejeに向かってからノルド線でヘルシンオアに抜けてから帰るルートにする。
 時刻表をほ見ると列車は20分ヘッドの運転なのそれほど待たされることもなさそうだ。

 ヒロレズからGillelejeまでは先ほどと同じMQ型気動車だが、その先で乗り換えなるのでそちらでは旧型のML型に乗れるだろうと期待する。

 ヒロレズを発車した列車はしばらく鬱そうとした森の中を快調に進んでいくが、遮断機の無い踏切が多いのか警笛を頻繁に鳴らしているのが印象的だ。

 終点のGilleleje手前では乗り合わせた話好きなおじさんに捕まり、いろいろと質問責めに合うが、最後に終点の駅からちょっと歩けば、シェラン島の最北端に出られることを教えてもらう。
 終点のGillelejeでは乗り継ぎ列車はまだ来ていないようだが、10分程度で発車時刻となるため、駅からは出ずに構内でうろうろするが、17時半なのにいっこうに日が暮れる気配はない。

 しばらくしてヘリシンオア行きの列車が到着したが、期待はずれなことにこれまで乗ってきたMQ型気動車であった。
 ちょっと残念ではあるが、反対にこんな大柄な気動車がヘメシンオア手前の併用軌道を走るのかと思うとそれはそれでおもしろそうだと納得して、ヘルシンオアに向かう。
 ノルド線の車窓は海岸線に近いところを線路が走っているため海が見えるかと思ったが、意外と見晴らし良くなくほとんど見えずじまいだった。
 車内はほとんど人が乗っていないが、意外と沿線には住宅が多く、朝などは需要があるのかもしれないと思われた。
 
 そのうちヘルシンオア手前の併用軌道区間にゆっくりと進入していくが、速度が上がらず警笛をこまめに鳴らしているだけで、特に変わったこともなく無事ヘルシンオア駅に18時30分頃到着。

 ノルド線にも乗れて気が済んだことからコペンハーゲンに引き上げるが、本日も夕食の事を考えて中央駅に向かってからホテルに引上る事にする。
 中央駅までは前面はIC3タイプのゴムの縁取りが付いているが、連接車ではないET型電車だった。
 中央駅までは1時間だが、歩いて疲れたのか睡魔がおそってくる。
 途中居眠りしながら、中央駅には8時過ぎに到着。
 結局一昨日お世話になったケバブ屋で夕食をとり、S-tagでホテルに引き上げると9時を回っていた。
 明日はストックホルムへの移動なので、荷物の整理をしておかないと。