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本日はベルゲンから最終目的地のスタバンゲルに移動する。
本当なら列車で移動したいところだが、スタバンゲルに移動するには一旦オスロを経由する必要があり、はなはだ効率が悪い。
幸いなことにベルゲン〜スタバンゲル間は高速船が就航しており、一日一便が運行されている。
他の選択肢としては飛行機という手もあるのだが、空港まで移動する手間と料金を考えると現実的ではない。
高速船乗り場はホテルのそばで、出航も10時過ぎなのでこの日もゆっくりと動き出す。
9時過ぎにホテルをチェックアウトし、乗り場に向かうが歩く時間は正味5分と言ったところか。
天気は快晴で風もなく、波が穏やかなフィヨルドを通過していくので、船の揺れも余り心配しないで済みそうだ。
しばらく乗り場で待つことになるが、途中の街にも寄るせいか意外と乗客が多い。
高速船は一旦別の街からベルゲンに来る運行のようで、まだ到着していないが、微妙なタイミングで捕鯨船らしき船が出航するらしく港の入り口をふさいでしまっている。
ちょっと遅れ気味でやってきた高速船は双胴タイプの船のようでそれほどは大きくないようだ。
船に書かれている表示を見ると、ベルゲン近郊でバスを運営しているtide社の船らしい。
乗船はすぐに始まり、景色が良さそうだと思われる左側の席を確保する。
飛沫がかかるらしく、窓が意外と汚いので船内から写真を撮るのには向かないようだが、後部デッキは走行中でも出入り自由なようなので写真を撮るときは表に出ることにしよう。 |
船は入港の遅れが響いたのか、10分ほど遅れて出航となる。
船内は7割ほどの乗船率で、そこそこ乗っているようだ。
スタバンゲルまでは4時間の航海なので、昼食は船内で食べることになるが、ちょっとした軽食類も販売しているようなので食いっぱぐれる事はないだろう。
出港直後は港の中をゆっくりと進んでいくが、外に出ると順調に加速していき、GPSで速度を計測すると巡航速度は約60km/h程度で船にしては高速なようだ。
途中の風景は低い島が点在する独特な景観をしている。
島は多いのだが、そのほとんどで岩肌が露出しており、木が生えていないことから非常に荒涼とした印象を受け、地の果てに来たような気分になってくる。
写真を撮るため何度も後部デッキに出てみるが、速度が速いため風が強くいつまでもデッキにはいられないなあ。
船は島々間を縫って進んでおり、外洋ではないため波も全くなく船酔いについては心配しなくても大丈夫なようだ。
途中小さな村に立ち寄りながら進み、ほぼ中間と思われるVEIRVIKに到着する頃になると船内放送が入り、ほとんどの人が降りる準備をしている。
そんなに乗り降りが激しい街なのかとも思ったが、あまりに下船する人が多すぎる。
船員に確認してみるとここで降りて、VINGTORと言う船に乗り換えろとのことだ。
てっきり乗り換えなど無いと思っていたのであわてて荷物を担いで下船する。 |
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しばらく港で待機していると、言われたとおりVINGTORと言う船がやってくる。
先ほどの船よりだいぶ大きいようで、今度は2階建ての船のようだ。
乗船するのにちょっと出遅れだたが、進行方向右側の席を確保して、今度こそスタバンゲルを目指す。
出航したのが丁度昼過ぎと言うこともあり、船内の売店でハンバーガーを購入して昼食とする。
船の方は先ほどより少し速いようなと思ったら今度は70km/hまで速度が上がっていた。
結構加速も良いし、船もバカに出来ない物だと感心しつつも、先ほどよりは外洋に近いところを進むせいか、ずいぶんと揺れてきたようだ。
最初のうちは何とかがんばり、後部デッキに上がって写真を撮ったりしながら過ごすが、さすがに揺れに参ってきてしまい、席に落ち着いて一眠りさせてもらうことにしよう。
最後の1時間は完全にお休みモードになっていたため何とか致命的な船酔いにはならずスタパンゲルに到着することが出来た。
やっぱり陸の上の方が良い。
私は海の男には不向きなようだし。
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高速船を下船したら、ホテルにチェックインすべく、町の中心部に歩いていくことにしよう。
幸いスタバンゲルはそれほど大きな街ではないので、歩いていっても大した距離ではない。
もっともこれでもノルウェー第4番目の都市とのことで、人口が少ないことを実感させられる。
本日の宿はソンホテルマリティムで、市街中心部のブレイア湖の周りにある。
ただ、ソンホテルはノルウェーでやたらと幅を利かせているホテルであるため、あちこちにソンホテルがあり、我々のホテルがすぐ見つけられるちょっと自信がない。
地図を頼りにフェリーターミナルから10分ほど歩くとブレイア湖の畔に出るが、ホテル位置が地図と微妙に異なっていたため、ホテルの前を一瞬通過しそうになる。
通りからちょっと奥まったところにあったため見落としがちだったが、無事到着だ。
早速チェックインするがツアーの団体客が多く、ロビーは人でごった返している。
対応してくれたのは眉間に縦皺があるちょっと偉そうなスタッフだが、特に問題なくチェックインとなる。
部屋の方は6階で意外と見晴らしが良い、広さも十分でノルウェーのホテルでは外れを引かないで済んだようだ。
今日からここで3泊するが、このまま部屋に引きこもっても仕方ないので荷物を置いたら観光に出ることにしよう。
天気の方はずいぶんと曇ってきており、今にも雨が降り出しそうな様子だ。
スタバンゲルでも予備日を1日設けていることから今日中にあわてて観光する必要はない。
とりあえず今日の所は旧市街を覗いておくことにしよう。
ホテルを出発し大聖堂の裏からマーケット広場を横切れば、旧市街はすぐそこだ。
ここの街は火災に遭わなかったようで、木造の旧市街がきれいに保存されている。
どの家も庭がきちんと手入れされており、花が咲き乱れている。
白い建物で統一された旧市街は予想以上に雰囲気が良く、ゆっくりと歩きながらメインストリートを往復する。
旧市街を後にするとマーケット広場にあるインフォメーションによって後日向かうプレーケストーレンへの時刻表をもらっておく。
ついでに天気の様子を聞いてみると、明日はにわか雨で、明後日は曇りの予報らしい。
対応してくれた職員の人の感想では明々後日の方が良いとのことだが、その日はもう帰国日なので、明後日向かう方が良さそうだ。
インフォメーションを後にすると、国鉄駅を覗いてから隣のバスターミナルに寄って空港連絡バスの時刻表もついでに入手しておく。
意外とバスの本数が多く、20分に1本は走っているようなので、空港に向かうときも特に心配はいらないようだ。 |
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バスターミナル経由で、ホテルに戻ると小雨がぱらつくあいにくの天気となってしまったので部屋に引きこもることにするか。
このホテルもロビーに無料のコーヒーが置かれているので、これ幸いといただくことにするが、ホテル前のテラスに飲んだ後のカップが散乱している。
先ほどの眉間に縦皺のあるスタップがさらに縦皺を深くして片づけているが、本気でむかついている様子なので、こちらの方は飲み終わったらきちんと片づけておくことにしよう。
しばらく部屋休憩した後、夕食をどうするかが問題となるが、マーケット広場に店が何軒か有ったようなので、そちらに向かってみることにするか。
何軒か表からメニューを見てみるが相変わらず値段が高いな。
結局はそばのケバ屋に入るのはいつものことだ。
いつも同じような物で我ながら良く飽きない物だと思うが、店によって結構ソースが違っているようで、結構食べても意外と飽きない。
店内で食べていると、店もそろそろおしまいの時間のようで店内にいるのは我々だけだ。
そろそろこちらも食べ終わりそうなタイミングで店主がなにやら言っている。
早く帰れと言っているのかと思ったら、全く違って店の奥に行くのでちょっとだけ番をしていて欲しいとのことだ。
客に店番させるのもどうかと思うが、我々が悪さをしそうに見えなかったと言うことで、有る意味光栄なことなのかも知れない。
結局番をしていたのは2,3分で無事店主が戻ってきてお役ご免となり、ホテル戻る。
ホテルに戻って再度ロビーのコーヒーをいただいてからエレベーターに乗ろうとすると、裸足の女性がワインの瓶を持ってかなりご機嫌な様子だ。
エレベーターの中で歌いながら飛び跳ねるように途中の階で降りていった。
言葉の感じからフランス人だったようだが、ものすごい物を見た気がしてこちらの方はかなり引いてしまった。
部屋に戻ってからは一応確認のためネットで天気予報を攪乱するが、インフォメーションで聞いたとおり明日は天気が悪いようだ。
仕方ないのでプレーケストーレンに向かうのは明後日として、明日は市街をゆっくり見て回ることにしよう。
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