2007年 6月18日 23日目 プレーケストーレン登山

 本日は今回の旅行の真の目的地であるプレーケストーレンへの登山だ。
 天気の方は曇っているが、予報では回復傾向だし今日しか行くことは出来ないので予定通り決行だ。
 プレーケストーレンに向かうには、8時に出航するフェリーに乗って対岸のタウという街からバスで登山道の入り口まで移動となる。
 7時過ぎにホテルを出発するが、登山のため昼食を用意しておかねばならず、フェリーターミナルに向かう道すがらサンドウィッチを購入しておく。

 フェリー乗り場には7時30分頃に到着し、窓口で登山道の入り口となるプレーケストーレ・ヒュッテまでの切符が買えるか確認すると、それぞれフェリーとバスでお金を支払ってくれとのことだった。
 8時前に対岸のタウからフェリーが到着するが、かなり変わった型のフェリーで低い車用デッキの上に門型の客室が設置された構造となっており,パッと見には船らしくない。
 予定通り8時に出航すれば、タウまでは30分の航海だ。
 船の中では検札が回ってくるが、結構広い客室を適当に回っているようで我々の所まで係の人がやってこない。
 無賃乗車するのもなんなので入り口の辺りまで係の人を探しに行くと切符売り場がちゃんと有るようで、乗船券を買って席に落ち着く。
 
 8時30分にタウに到着すると、ここでバスに乗り換えて30分ほどで目的地に到着だ。
 プレーケストーレンに向かう人はそれほどおらず、車内は4割ほどの乗車率で結構どもとの人の利用が多い。
 途中にあるヨースペランの市街を抜けたら、なぜか道のど真ん中でUターンを始めた。
 意味不明のUターンをいぶかしく思っていたら、バス停を一つ飛ばしてしまったらしく港のバス停に寄りなおしてから終点のプレーケストーレヒュッテには9時過ぎに到着。
 ここから先は店もないので、最後に用を足してから登山を開始だ。
 ガイドブックによるとここから2時間ほど登山すれば到着するらしいが、途中休憩しながら行ったらもう少し掛かるかも知れない。
 帰りのバスは15時30分なのでそれまでには戻ってこないと、20時過ぎまでバスがないので遅れないように気をつけないといけない。
 登山道を歩き始めるとすぐに岩場の登り坂になるが、ガイドブック書かれているほど大変そうではないようだ。
 道には経路を示す赤いT字マークが書かれており、それに沿っていけば迷うこともないだろうし、そもそもバスでは大した人は来ていなかったが、車で来ている人が大勢いるので常に周りには人がおり全く不安はない。
 岩の多い道を30分ほど進んでいくと、湿原地帯に出ると遊歩道が整備されておりしばらくは楽に歩くことが出来そうだ。
 途中小休止のため立ち止まると、小さな羽虫が大量に体にまとわりついて来て気持ちが悪い。
 まさか北欧で虫除けスプレーが必要になると考えずに用意していなかったが、休憩する場所を考えないとこの先大変そうだ。
 ガイドブックによると大変なのは最初だけで、後は緩い登りが続くような記述だったため、この先はもう大したこと無いだろう思った矢先に、その考えが甘かったことに気付かされた。
 湿原地帯を越えると、前方には大きな石が折り重なったどう見ても道ではないような光景が続いているが、ルートを示すマークがつけられており、ここを上がらないことには先に進めないようだ。
 結構お年寄りも登山をしており、ここの岩場が難所になっているようで、ちょっと渋滞しているが何とか無事と登り切る。
 
 岩場をよじ登った先にはちょっとした池があるので、虫もいないことから再度休憩していくことにしよう。
 歩き始めてからそろそろ1時間ちょっとなので、大体半分程度は来たようだが、意外と岩場が多く予想していたよりはハードな道のりだ。 
 
 先に進むとそこからは平らな岩の上をしばらく進み、時折岩場地帯を乗り越えていけば、段々とフィヨルドの視界が開けてきて目的地が近づいてきたことがわかる。
 意外と危なそうな道のりではあったが、歩き始めて2時間ジャストの12時20分に目的地のプレーケストーレンに無事到着だ。 
 教会の説教壇の意味を持つプレーケストーレンはフィヨルドの海面から垂直に600mの断崖が立ち上がった上にある50m四方の平らな場所だ。
 柵のような物のたぐいは一切無く、崖の縁ギリギリまで行くことも可能だが、落ちても当然自己責任となる。
 天気の方はちょっと雲が多いが、風もないなかなかのコンイディションだ。
 到着してしばらくは登山で疲れたので休憩するが、落ち着いた頃を見計らって端の方まで行ってみよう。
 岩の上に腹這いになり、恐る恐る下を覗いてみると、ものすごい高さに吸い込まれそうになる。
 あまりに高すぎて遠近感が麻痺しそうだが、崖の下を航行している遊覧船を見ると、改めてその高さを実感する。
 上からの風景を撮ったらお決まりになっているらしい写真の撮り方に挑戦する事にしよう。
 上向きに寝転がって頭だけを崖の外に出し、がけ下をバックに自分の写真を撮るのだが、はっきり言って怖いため頭が出し切れていない写真しか撮れなかった。
 撮影後は昼食とし、持参したサンドウィッチをほおばるが、意外と食欲が無いので半分しか食べられなかった。
 プレーケストーレンにいられるのは帰りのバスを考えると1時間程度が限界のようなので、食後は風景を見るのに専念し、最後に再度上から下をのぞき込んでから下山することにしよう。

 12時30分に下山開始となるが、立ち去る際にプレーケストーレンと裏の山の間にずうと亀裂が入っていることに気が付いた。
 亀裂自体はものすごく古い物のようだが、深さが数10mあり、いずれはここも崩落するのかも知れない。
 もっとも崩落するまでには数万年の単位が掛かると思うけど。

 下山を始めるが上ってくる人はまだ続いており、狭い登山道では所々で譲り合わないといけないため、ちょくちょく渋滞するが余裕を持って下山しているので時間の方は問題ない。
 
 
 難所の岩場の手前まで戻ってくると、犬を連れた人が上ってきているが、犬の方は暑くてしょうがないのか、池を見るなり飛び込んでしまう。
 飼い主が戻ってくるように呼んでリードを引っ張るが、なかなか言うことを聞かないようで難儀していた。
 
 最大の難所も上ってくる人が多く、所々でやり過ごしながら無事下り終わるとまだ道中は半分近くあるのになにやら終わったような気分になってくる。
 その後は順調に下山するが、最後の区間では右膝が痛くなって結構辛い状態になったが、何とか14時30分にスタート地点まで戻ってくることが出来た。
 
 バスの出発は15時30分だが、ユースホステルに併設されたカフェで水分を補給することにしよう。
 登山に当たってはポットボトルの水を2本携行していったのだが、意外に暑くて下山する頃には無くなってしまっていたのでのとがカラカラだ。
 水分補給の後は風景の良いベンチに腰掛けて、しばら周りを眺めて過ごすが、今回の旅行の目的も達成し、明日で帰国になることからずいぶんと感傷的になってくる。
 帰ってもまだ仕事は決めてないし、再就職活動を行うことを考えるとちょっと気が重いな。

 バスは予定通りに出発しタウに向かうが、出発直後から眠ってしまい、目が覚めたらタウでみんな降りているところだった。
 あわててバスを降りるが妻も私も途中の記憶が全くなく、熟睡していたようだ。
 タウで連絡するフェリーに乗り込み、17時には無事スタバンゲルのホテルに到着だ。
 ホテルに戻れば今日の予定も終了だが、昨日寄ったレドールに女王様が来ているはずなので、衛兵がいるかも知れないと言うこともあり、見物に行ってみることにする。
 ホテルから歩くこと15分でレドールに到着したが、敷地内の様子は特に昨日と変わりがない。
 立入禁止になっているようでもないし、隣接した原っぱではピクニックをしている若者たちもいる。
 建物も窓には鎧戸が降りており、内部に人がいるような感じがしないので、昨日の話は聞き違いだったのかも知れない。
 とりあえず建物前のベンチに腰掛けていると、隣でピクニックをしていた女性がレドールの敷地に入ってくる。
 こちらは当初全く気にも止めていなかったのだが、塀の陰でなにやら怪しい動きをしている
 何をしているのかと思った瞬間、ジーンズをおろして真っ白なおケツをこちらに向けて用を足し始めた。
 正直びっくりしたが、妻の手前まじまじと見るわけにも行かずよそを向いているしかない。
 しかし王室の保養地の敷地内でこんな事をしているのがばれたら大変そうだ。
 件の女性はこちらに気が付かなかったのか仲間の方に戻っていったが、こちらの方は呆気にとられてしまう。
 気を取り直してからレドールの裏手に回ると、昨日の犬がいるので再度相手をしていこう。
 昨日以上に人懐こくなっており、こちらに腹をみせるなど完全に慣れたようだ。
 
 結局女王がいたのか確証は持てなかったが、確かめるすべもないので適当なところでホテルに戻る。
 夕食は一昨日のケバブで良いと言うことになり、一度ホテルに戻ってから妻が買い出しに向かう。
 部屋で食事にしたら明日の帰国に向けて荷物の準備をして置かないと。
 明日はオスロ、フランクフルト経由での帰国になるので一日飛行機に乗りづめになるな。