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この日は昨夜から乗車している寝台列車の中で、6時半頃起床した。
GPSで位置を調べると列車の方は、デーン・チャイを過ぎたあたりのようで、2時間程度遅れているようだ。
昨夜は列車の揺れで起こされるかもと思ったが、意外なことに乗り心地がよく、熟睡できたようだ。
7時頃に朝食を取りに食堂車に向かうと、ちょうど列車は山岳地帯にさしかかったようで、ずうっと上り勾配を上がっている。
昨日タバコを吸っていたのを覚えていてくれたのか、今朝は黙っていても最初から灰皿が出されるので、とりあえず朝の一服とさせてもらう。
朝食の方はお粥にしてみたが、こちらのお粥は日本みたいにドロドロになるまで煮込まないようだ。
トラブル発生
食後は部屋に戻り車窓を眺めているが、ここのところこちらの方は大雨だったのか、あちこちで崖崩れが発生しており、その復旧工事を行っているようで徐行区間が多い。 これは到着が大分遅くなるなと思っていると、大規模な工事箇所にさしかかった。
結構線路のそばまで土砂崩れでえぐられており、最徐行の5km/h程度で通過していくが見ている方は大丈夫かとちょっと心配になる。
そのうち列車の挙動が怪しくなり、3m進んでは2mバックするような変な動きになり全然進まなくなってしまった。
勾配区間で再起動できなくなっているのかと思っていたが、そのうち完全に停止して動かなくなってしまった。
30分ほど列車が止まっていたが、そのうち列車が小刻みに前後動を繰り返すも、力尽きて坂を後進するような動きになってきた。
さらに30分ほど同じ地点で行ったり来たりを繰り返していたが、とうとう列車が下り坂を折り返し始めた。
ちょっと尋常ではないと思い、最後部のデッキに行ってみると、車掌が乗降ドアから身を乗り出して、無線でなにやら話している。
どうやらトラブルで坂を上がれなくなったようだ。
とりあえず車掌がたむろしているであろう食堂車に行き、コーヒーを飲みながら他の乗客に状況を説明しているのを聞いてみると、2台有る機関車のエンジンの内1台が故障してしまい、坂を上がれないので麓まで引き返すとのこと。
この先はどうなるかまではわからないようだ。
コーヒーとタバコがすんだら状況が理解できたので、一端自室に引き上げるか。 |
山岳地帯の上り坂を進む列車 |
下り坂を麓まで後退中 |
沿線の河川は豪雨のためか増水中 |
1等個室まで戻る途中の開放式2段寝台では、数少ない乗客がタオルケットにくるまって寒さをしのいでいるが、正直かわいそうなくらい車内が寒い。
麓のケーン・ラウンという駅まで引き返すと構内には救援機関車と思われる車輌が待機していた。
とりあえず駅構内で10分程の停車で機関車を先頭に連結し、再度上り坂にアタックを掛ける。
今度は、無事峠を越えることができたが、時間的には10時を回っており、本来であればチェンマイに到着している時間だ。
残りの距離を考えると今のところ4時間以上の遅れになっているようだ。
まあ、昨日の地下鉄の警備員の言うとおり、大幅遅れてはいるが、自分で言ったとおりトラブルを楽しまないとね。
その後の列車は快調に走っているように思えたが、チェンマイまで残り100km程度のナコン・ランポーンという駅に到着したので、廊下側の窓から駅構内を眺めていると、他の1等個室の乗客から今どこでいつ頃チェンマイにつくのか聞かれた。
GPSで現在地を確認して残りの距離が約100kmだから2時間程度ではないかと話したところ、ちょっとかわいそうになるくらい、絶望的な顔をしているのが印象的だった。
ちょっとうんざりしつつ、いつ発車するのかと待っていると、突然車掌がこの駅で運転を打ち切るので、バスに乗り換えてほしいと言って回ってきた。
どうやらこのままチェンマイまで行くと、今夜の折り返し列車に使用するのに支障があるようだ。
こちらは遅れても列車で到着すれば満足だったが、運転打ち切りは正直残念た。
まあ、明日の朝の列車でチェンマイからバンコクに戻るので、未乗車区間は発生しないが、ちょっと納得いかないな。
悪夢のバス代行
列車から降りた乗客は、駅前広場でバスを待つように指示されるが、一行にバスが到着する気配はない。
どうせ、手配してもすぐには来ないだろうと思い、しばらくは駅構内をウロウロしつつ、適時駅前広場をチェックすることにして、構内の写真を撮りに行くのであった。
10分おきに駅前をチェックするが、相変わらずバスはやってこない様子で、12時30分頃からは私も飽きて駅前でバスを待つことにするのであった。
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2等開放式2段寝台 |
ナコン・ランポーン駅構内 |
ナコン・ランポーン駅構内 |
ナコン・ランポーン駅舎 |
ナコン・ランポーン駅前広場 |
救援機関車ALS系(ALSTOM製) |
故障した機関車GEA型機関車(General Electric社製) |
バスの方は13時前になってようやく到着するが、タイ国鉄の説明では2台やってくるとのことだった。
1台目には乗客が殺到しているので、余裕がありそうな2台目することにしてさらに5分程度待ってやっとバスに乗車できた。
もともとバスには興味のない私だが、今回のバスは金龍製となっており、乗り込んでからスマートホンでどこのメーカーかと調べたら案の定中国製であった。
正直大丈夫か?との一抹の不安もあるが、ここで降りるわけにはいかないので渋々チェンマイまで我慢することにしよう。
バスは乗客を乗せると町の中心をどう見てもチェンマイに行く国道とは逆方向に行っているようなと思ったらいきなり給油のためにGSに入っていく。
さらに驚いたのは軽油を入れると思ったのにナントLPGの前で止まり、ガスを注入しだした。
中国製品と言えば近頃はネットで爆発のニュースばかりで、何でこんなものまで爆発するのかと驚愕する事件が多発している。
まさかここでガスなどという爆発の危険が有る中国製の乗り物に乗るのは正直怖い。
有名なチャイナボカンにここで遭遇しないことを祈るしかないか・・・・・
ガスの充填には思ったより時間が掛かるようで、エンジンを止めたバスの車内の温度はグングンと上昇していく。
暑さに耐えられなくなった乗客が、三々五々と降車していくが、何とか最後まで我慢してGSを出発する。
しかし走り出してもなかなか冷房が効かないのは、やっぱりチャイナクオリティだから?
それとちょっと気になるのは、駅を出発したときよりも乗客がの人数が少なくなったような気がしないでもないが、こちらも何人乗車したか把握していないし、杞憂からもしれないのでとりあえず気にしないことにしよう。
バスは片側2車線の高速道路並みの国道をチェンマイに向けて100km/h程度で巡航するが、調子が良かったのは平坦部だけで、山越えのの上り勾配では、道路の線形が非常に良いのに40km/h程度しか速度が出ない。
LPGで力がないのかもしれないが、あまりにお粗末過ぎるバスのようだ。
外観はそれなりに整えているが、中身はお粗末なのはさすが中国製と納得してしまう。
それでもどうにか峠を越して、チェンマイ駅に到着したのは15時頃で実に5時間遅れでの到着となった。
しかしながら無事到着できてバスを降りられることにはっきり言って安堵した。
これはやはり昨日のバンコクのお寺で家内安全と旅の無事を祈願したからに違いないと確信するのであった。
ただちょっとの不注意でバスを降りる際に、メークロンで買ったサブバックの肩紐を引っかけて引きちぎってしまった。
何とかホテルまでは大丈夫そうだが、明日の帰りのことを考えると再度別のバックを買うことにするか。
構内を見るため一端駅に入り、内部の様子を見てからタクシーを捕まえて、ナイトバザールのそばのディシットD2ホテルに向かう。
ドライバーの話では、2,3日前まではひどい豪雨だったようで、天気が良くなったのは今日からだとのこと。
天候に恵まれるのはうれしいが、あまりに遅れ過ぎたので、ゆっくりと観光している余裕はなさそうだ。
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代行バス 信用できない中国製 |
チェンマイ駅 |
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チェンマイ観光
取り急ぎホテルへチェックインすると、まずは帰りの飛行機の予約変更を真っ先に行う必要がある。
JALのホームページで空席状況を確認した後、国際電話で日本のJALに連絡して、15日の朝発の便に変更してもらう。
本当ならもう2,3日後でと思ったが、これを逃すと19日の夜便まで空席がないので、休みが長くなりすぎることから15日発とした。
後はホテルの予約が14日の朝までなので、1泊追加で手配しておくことにする。
とりあえず懸念事項が解決した頃には16時を回っていたが、とりあえずチェンマイを見るのは今日しか無いことから、急ぎ旧市街の方まで観光に出かけることにしよう。
本当なら郊外のワット・プラ・タート・ドーイ・ステープまで行ってみたかったのだが、そこまで余裕がないことから有名に旧市街の入り口ターペー門のあたりで見られるところを観光することにする。
ホテルからターペー門までは約800mで適当にプラプラ歩いて、向かっていくが、バンコクの様な大都市といった感じではなく、比較的こぎれいな地方とし行った趣だ。
ターペー門近くでは初めてタイのマックを発見するが、こちらのドナルドは合掌しているのがちょっと新鮮だ。
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ターペー門から旧市街に入り、とりあえずは巨大な仏塔があるワツト・チェーディー・ルアンを目指す。
地図では以外と近いかもと思ったが意外と距離があり、到着する頃には汗だくとなってしまうのだった。
まずは本堂に向かうと、お坊さんの読経の真っ最中でしばらく後ろに正座して聞いていたが、どうも日本のお経とは雰囲気が異なるようだ。
しばらくして足もしびれそうになってきたので、退出して裏にある仏塔の周りを一周してから、もう一カ所くらい見学するため、比較的近いワット・チェン・マンに移動するのであった。 |
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ワット・チェン・マンに到着すると時間は18時頃で、境内にはほとんど人がいない。
あんまり境内をウロウロするのもどうかと思い本堂にだけ上がらせてもらうと、女性が一人熱心にお参りをしていた。
こちらもしばらく正座して拝んでいたが、女性の方は私が来ていたことに気がつかなかったようで振り返りざまにちょっとビクッとされてしまう。 |
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日も大分傾いてきたので、ホテルに引き上げることにするが、暑い中を歩いたので体力を消耗気味だ。
帰りは楽をするべく、トゥクトゥクを捕まえてホテルまで送ってもらうことにした。
チェンマイのトゥクトゥクはバンコクのものと大差ないようだが、 後部座席の乗降口が左右についている点が唯一の相違点だろうか。
ホテルに戻ったらとりあえずシャワーで汗を流し、日暮れを待ってナイトバザールに出かけることにしよう。 |
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ナイトバザール
20時頃、夕食を兼ねてホテルそばの通りで開かれているナイトバザールに行ってみることにする。
ナイトバザールは道路の両脇に夜店がずらりと並び、観光客用の土産物が大量に売られているが、品物はどこも似たり寄ったり言うところなので、値切り交渉して納得のいく値段をつけたところで買うことにしよう。
会社への土産物はここで購入しようと考えていたので、女性用に石鹸を花型に加工したものと男性用に象柄のネクタイを購入。
一応値切って買ったけどそれほど安くはしてもらえてないかもしれない。
後は、壊れたサブバックの代わりを買って、ナイトバザールのフードコートで肉野菜炒めの夕食を食べたら、ホテル引き上げて休むことにしよう。
明日は朝からバンコク行きの列車に乗るので、荷物をまとめておかないと。
意外とチェンマイは過ごしやすそうな町なので、1泊にしたのはちょっと失敗だったかも。
また来る機会があるかはわからないが、次に来るときはもう少し余裕を持ってくることにしよう。 |
本日の移動経路
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