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この日は朝から列車でバンコクに戻るだけだ。
列車の出発は8時50分だが、駅の構内を見て回るため、6時半に起き出して、7時前にはホテルをチェックアウトする。
まずは駅に行かなければならないので、トゥクトゥクを呼んでもらい、朝のさわやかな空気を浴びながら、チェンマイ駅に到着。
時間が早いためか特に渋滞もなく、正味10分ほどの乗車時間である。
さて、発車までは1時間半程度あり、駅の中をうろつく時間は十分ある。
構内の手荷物預かり所はすでに営業していることから、邪魔な荷物を1時間ほど預かってもらう。
手荷物預かりで対応してくれたのは20歳くらいの女の子だが、受付書類の最後のサイン欄に漢字でサインしたら中国人なのかと思われたらしく。
中国人なのかと聞かれて、日本人も漢字を使うのだと答える。
身軽になり、ホームの端まで行ってみるか、長編成の列車が到着するホームは結構距離が有り、大して気温が上がっていないのにもうすでに結構汗をかいている。
しかし構内には特に車輌も留置されておらず、私が乗るはずのスプリンターも見あたらない。
これは昨日乗った列車の遅れが響いてダイヤが混乱して、昨夜到着している列車がまだ到着していないなどとなっていなければよいが・・・・ |
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駅構内を適当にうろついてみたが、見える範囲には列車が留置されておらず、写真の被写体になりそうなものもないことから、一度駅正面に向かい、駅前広場の方を見て回ることにする。
駅舎から出ると、やたらとタクシーが声を掛けてくる。
一応規則でタクシーの客引きは駅舎の中に入れない決まりのようで、駅舎のすぐ外で何人も客引きが待機しているようだ。
こちらは駅前広場を見て回るだけなので、当然断り、駐車場を兼ねているため結構広い広場を適当に一巡する。
広場の外れには、使われなくなったSLが保存されているが、屋根も無いため保存状態はあまりよろしくないようだ。
適当に見て回った後は駅舎に戻るが、朝食を食べていなかったので、構内の食堂で唯一注文できそうだった、チャーハンでちょっと重めの朝食とする。
後は12時間に及ぶ道中のため、飲み物と簡単なお菓子を購入しておこう。
時間の方はそろそろ8時になるのに相変わらず、乗り場の案内などとも表示されない。
ちゃんと列車が運行されるのかそろそろ心配になってくる。
このへんで荷物を預けて1時間が経過するので、手荷物預かり所から荷物を引き出し、しばらくは駅構内のペンチで案内が始まるのを待つことにしよう。
8時30分頃にはバンコクからの長距離列車が到着するので、到着シーンを撮影するが、どうもTVのスタッフが取材中らしく、こちらがカメラを構えている前をウロチョロするのが気に食わない。
そうこうしている内に駅員が、ホームの入り口に有る表示板を差し替え始めたので、確認に行くと8時50分発のバンコク行きは3番線から発車のようだ。
一応案内が掲示されたことで、列車が運行されるのは間違いないので少し安心した。 |
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チェンマイ〜バンコク 12列車 特急スプリンター
列車が入線したのは、出発時刻の8時50分頃で、入線時ですでに定刻を過ぎている。
乗車してすぐに発車となるかと思われたが、どうやら車体の清掃を行うらしく、外面をデッキブラシで磨いた後に高圧水で洗浄しており、これはすぐには出発しそうもない。
本日乗車するのは、タイ国鉄が航空機に対抗するため投入した特急気動車スプリンターでチェンマイ〜バンコク間を12時間で結んでいる。
車内サービスを充実させて、食事が無料でつくなどいろいろとがんばってはいるが、いかんせん時間が掛かりすぎることと、定時制に問題か有るため、結果は惨憺たるもののようだ。
本日のチェンマイ出発時の乗客は、私が乗車した1号車では3人だけで、運転室に詰めている乗務員とサービス係のアテンダントの方が人数が多い。
車輌の方は韓国デウ製のディーゼルカーの3両編成で、バンコク方の1号車のみタイ国鉄の新塗装で、残り2両は旧塗装のままだった。
車内は意外ときれいにされており、最近座席を交換したのか比較的新しめのバケットタイプの回転クロスシートが装備されている。
結局30分遅れでチェンマイを出発し、一路バンコクを目指して南下していく。
発車してすぐにコーヒーとパンの軽食が配られるあたりは飛行機のサービスに確かに似ている。
ただ配られたパンの底についている紙が異常にはがしにくく、結構イライラさせられる。
コーヒーの方も列車の揺れが激しいためか、カップに半分ほどしか入れられていない。
それでも気をつけていないとこぼれてしまいそうだ。
列車の方はそれほど速度も上がらず、60km/h程度で巡航している。
チェンマイを出発してから1時間30分ほど経過した11時頃、タイ最長のトンネル、クンタントンネルの出口にあるクンタン駅で大休止となる。
運転室の乗務員も客室にやって来てシートに腰掛けて新聞を読み始めた。
また、運転室前面の貫通扉から地元民と思われる女性が数人車内に乗り込んできた。
最初は物売りかとも思ったが、運転停車した列車に便乗させてもらう地元民のようだ。
乗務員も顔見知りといった様子で、列車があまり止まらない小さな駅での乗客に臨機応変に便宜を計っているのかもしれない。
運転室と貫通ドアが開けっ放しなので、休んでいる乗務員に許可をもらい、貫通ドアからトンネル入り口の写真を撮らせてもらうことにしよう。
結局30分に及ぶ運転停車の後、トンネルから出てきた対向列車は、保線用のマルタイで11時30分頃にやっと出発となる。 |
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クンタントンネルを抜けると一転して下り坂となるが、あちこちで復旧工事中で、徐行を繰り返すため、それほど速度は上がらない、もっとも制限がない箇所でも列車の速度は30〜40km/hと低速だ。
12時30分頃に前日運転打ち切りとなった、ナコン・ランポーンに到着。
前日の未乗車区間を踏破できたことに安心する。
この駅で昼食を積み込んだのか、発車後すぐに知友食が配られた。
内容は、ご飯に薩摩揚げ、カレーとデザートにゼリーが用意されていた。
車内は途中から乗った乗客が2名ほど増えていたが、相変わらずガラガラなの変わりない。
しかしながらこの車輌も冷房が効き過ぎで、長袖を着て着ていたが、それでも寒いので、もしものために用意していたウィンドブレーカーを着込むことにする。
この列車は全面禁煙だが、事前情報では車輌間の貫通ホロが無い吹きさらしのため貫通路ではタバコが吸えると聞いていたので、向かってみるとちょうど清掃担当の乗務員が一服中であった。
一応確認してみると、ここは屋根がないから車内じゃないとのことなので、久しぶりに一服させてもらうことにしよう。
ただ、列車の速度は速くないものの巻き込まれる風は結構強いので、火をつけるのも大変だ。
バンコクに近づき速度が上がると、ちょっとここでタバコを吸うのも怖いかもしれない。
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列車の方は、徐行を繰り返しながらも先日のトラブルの発生した区間を通過していくが、トイレに行った際、意外とトイレの窓が大きく開くので、何気なく後ろを見てみると、驚いたことに巡回用のトロッコが列車のすぐ後を追いかけてきている。
列車の速度は確かに速くないが、意外とトロッコも速度が出るものと感心するが、営業列車のすぐ後を追いかけてくると言うのも日本の感覚ではちょっと信じがたい。
その後は1時間に1回程度、貫通路にタバコを粋に行く程度で、単調な車窓にもかかわらず意外と時間の経過が早く、退屈に思うことなく淡々と列車は進んでいく。
座席の方も特に腰やお尻がが痛くなったりすることもなく、ちょっと冷房がきついなと思いつつも、着込んでいるせいか寒さに震えるようなことも無い。
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乗車から10時間経過した、ナコーンサワンに20時頃到着。
定刻であれば17時頃の到着なので、3時間遅れだ。
バンコクの到着は20時25分が定刻だが、この調子だとバンコク到着は日付が変わりそうだ。
ナコーンサワンで夕食を積み込んだようで、発車後に夕食が配られる。 夕食の献立は、目玉焼きと豚の挽肉の香草炒めで、ちょっと癖があるが大分お腹がすいていたので、全部平らげてしまう。
21時頃からは、いつの間にか居眠りしてしまったようで、アテンダントにもうすぐバンコク到着と行って起こされるまで熟睡してしまった。
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バンコク到着は3時間遅れの23時30分。
出口で乗客を見送るアテンダントにお礼を言って列車を後にする。
意外と疲れは無いが、15時間の座席車の旅もなかなか大変だ。
食事は出てくるし、タバコも吸えたので、特に苦痛は感じなかった。
ただ、1日移動につぶれてしまうことを考えると、この区間は飛行機が夜行列車での移動が現実的だと考えさせられてしまう。
とりあえずホテルに戻るが、地下鉄の営業終了時刻に近い。
ここは楽をして、タクシーでホテルに行くことにするが、駅前でたむろしているタクシーは法外な値段をふっかけてくる。
こんな奴ら相手にしていられないと思い、駅前で流しのタクシーを拾い、ホテルに到着したのは24時過ぎ。
その後は写真とGPSのデータを整理をしていたら、就寝は26時となってしまった。
明日はアユタヤに行こうと思っていたが、ちょっと早起きがきついかもしれないな。
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本日の移動経路
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