2014年 9月14日 3日目 ブタペスト観光日その1

  朝一番で子供鉄道へ


モスクワ広場
 本日の起床も午前3時で、眠れないので喫煙しに外に出たり、パソコンをいじっていたら、妻からうるさくて寝られないとお小言をいただく。
 なるべく起こさないように明かりも付けず、静かに過ごしたつもりだったが、怒られるのは心外だ。
 本日は朝一番で、セーチェニ山にある子供鉄道に寄ってから市内観光の予定だ。
 昨日来たばかりなのに、いきなり子供鉄道に行くのは、明日月曜日は運休なので、チャンスはこの日が最後となるためである。
 ホテルの朝食は6時30分からで、起床後しばらく経って空腹に耐えかねていたのでオープンと同時にレストランに向かう。
 メニューの方は一般的なヨーロッパのホテルと変わらず、ハム、ソーセージにチーズなどだが、それなりに種類があり、満足度は高かった。

 食後は8時過ぎにホテルを出発し朝一番の子供鉄道に乗車すべく、アクセス路線となる登山鉄道の乗り場まで向かうため、まずはトラムの4号線に乗車する。
 この路線が西駅前を通過していることは知らず、昨日は地下鉄を乗り継いで帰ってきたが、今度からはトラムで行くことにしよう。
 ホテルのそばの停留所から乗り込んだが、乗り込んだ瞬間ものすごくカビ臭いと言うかすえた臭いがする。
 どうも車内に浮浪者がいるようで、その臭いのようだ。
 しばらく臭いに我慢してトラム4号線の西の終点モスクワ広場で次のトラムに乗り換えるが、浮浪者らしき人は車内で眠りこけたまま、引上線に引上そのまま反対方向に出発していった。
 モスクワ広場もガイドブックであまり治安がよくないとあるが、確かに何となく怪しい雰囲気が漂っている。
 広場のインフラもボロボロだし、何となく自分イメージする共産圏の負のイメージの都市といった印象を受ける。
 登山鉄道の乗り場となるVarosmajorはモスクワ広場から2駅ほどで、トラムの59系統と61系統の2路線が使える。
 とりあえずやってきた59系統に乗り、2駅目の停留所で降りると、すぐ前に登山鉄道の駅構内が広がるが、駅に通じる通路は門が閉まっている。
 まだ時間が早いのかと思ったが、門に張られた案内には、工事中のマークと9月は運休の様な事が書いてあった。(現地語のためあくまで想像ですが)
 当初は登山鉄道 → 子供鉄道 → トラムと乗り継ぎ、一方通行で市内にも戻ってくる予定であったが、登山鉄道が動いていないとなると、トラムで子供鉄道の反対側の終点まで行って子供鉄道を一往復する必要がある。
 
 トラムで先に進むため、子供鉄道の乗り場まで行く61系統に乗り込み、終点のHuvosvolgyに向かう。
 トラムの終点から子供鉄道の駅までは徒歩で5分程度。
 停留場裏の屋根付きの階段を上がっていけば、すぐそこだ。

 時間の方は9時過ぎで、初電の8時45分発には間に合わなかったが、2本目の9時15分発には余裕を持って乗れそうだ。
 切符売り場はホーム上にあり、窓口に行くと制服を着込んだ子供が対応してくれる。
 とりあえず英語が通じにくいので、身振り手振りで往復乗車券を購入する。
 他にあまり乗客はいないが、一人旅らしき日本人の男性がやってきているようだった。
 この鉄道は名前の通り、車掌や駅の業務、信号操作も子供が運営している。
 さすがに列車の運転は大人が行い、技術的な部分も大人が運営しているが、大部分は子供が大人の指導を受けながら業務を行う。
 もともと社会主義体制下の体験学習的なことから始められたようで、1948年から70年近い歴史がある。
 ここの子供たちは成績優秀ものが選抜され、10歳から15歳の少年少女が業務を行うが、やはり子供な様で駅務室内でふざけているあたりは普通の子供と変わらない。
 
 妻の方は正直あまり楽しめる場所ではないと思っていたが、意外と制服姿の子供たちに興味津々で、列車に乗車する前に一緒に記念撮影をさせて貰ったりしていた。
 列車の方は、10分遅れでHuvosvolgy駅を出発する。
 すぐに車掌さんの検札があるが、一緒にお土産も販売しているようで記念撮影の応じてもらったので妻の方はSLのストラップを購入していた。
 結構値段がするのかと思ったら、日本円で150円位と随分とリーズナブルである。
 
 列車の方は鬱蒼とした森林地帯を速度20km/h強といった速度で進んでいくが レールの幅が狭いナローのため、速度の割には結構揺れる。
 途中の駅に丹念に停車しては、各駅の駅長さんの合図で出発し、45分ほどで終点のSzechenyi-hegy駅に到着。
 距離としては12km程度だが、やはりそれなりに時間はかかる。
 ここからは登山鉄道の駅まですぐそこなのだが、運休中なので今来た路線を引き返すことになる。
 乗ってきた列車の次の列車は時刻表によるとレトロタイプの列車なので、駅での待ち時間が1時間近くとなるが、妻にお願いして1本遅らせることにする。
 構内を見渡していると、駅の外れに踏切があり、それなりに見通しがききそうなことから、到着する列車と出発する列車の写真を撮影すべく、妻に駅で待ってもらって撮影タイムにさせてもらう。
 列車の到着まで5分ほどのところで天気の方が崩れだし、小雨のパラつくあいにくの天候となったが、何とか撮影を終えて駅に戻る。
 我々が乗車するレトロタイプの列車は情報では、気動車との事だったが、今日は走らないようで、古いタイプの客車が使用されていた。
 折り返し列車に乗車すべく車内に入ると、中央にストーブの鎮座するなかなか趣のある車両なのでこれはこれでよかったかもしれない。

 意外と近所の人が子供を連れて乗りに来ているのか、それなりの乗客を乗せて、10時55分に出発し、一路Huvosvolgyへ向かう。
 帰りの車掌さんは、行きの乗車前に妻が記念撮影させてもらった子だったことから、お礼に何か買わないといけないと思いつつ、機関車の写真を挟み込んだマグネットを1つ購入。
 ただこのマグネットは帰国後に判明したのだが、磁力が異常に弱く、メモなどを挟んで吸い付けるほどの力はない不良品だった。
 もう一人の車掌さんは、おそらく最年少と思われる小さな女の子で検札するのもちょっと恥ずかしそうな感じがして、業務に慣れていないようだ。
 時々大人の指導係から、細かな指導を受けているので、まだデビューしたてなのだろう。

 意外と楽しめた子供鉄道であるが、妻の感想としては意外と日本の奥様方に受けるのではないかということであった。
 確かに奥様方がやってきたら制服姿の子供に黄色い歓声が飛びそうな感じがしないでもないが、ツアーなどではあまりここまで来ないのだろうな。

Huvosvolgy トラム停留所

子供鉄道 Huvosvolgy駅

子供鉄道 Huvosvolgy駅構内

Huvosvolgy駅構内(右から2人目は運転手の大人です)

車内の車掌さん

途中駅の駅長さん(女の子)

機関車のメーカーズプレート

連結器

Szechenyi-hegy駅舎

Szechenyi-hegy駅の飾り

Szechenyi-hegyに到着するレトロ客車編成

折り返しの通常客車編成

Szechenyi-hegy駅で出発を待つレトロ客車編成

レトロ客車室内

   西駅に戻り昼食

プタペスト西駅のマックで昼食
 最初に子供鉄道に乗車したHuvosvolgy駅に戻ってくると、時間は11時30分頃となっていた。
 とりあえず昼食と、昨日買い忘れたスリッパを買いたかったので、一度西駅に向かうことにする。
 西駅には、世界一内装が豪華なマックがあるとのことから、見物がてら昼食にさせてもらおう。
 トラムの61系統でモスクワ広場に戻り、トラム4号線に乗り換えて西駅に着いたのは、12時過ぎで、早速お目当てのマックを探すと、西駅の東側に隣接して、店があった。
 店内に入ると確かに豪華な感じはするが、世界一というほどではという印象だ。
 昼食としては私は、マックリブ、妻はフィレオフィシュッのセットを頼む。
 まさかこんなところまで中国産の鶏肉は来ていないとは思うが、もしもの事があるので鶏肉関係は注文しないようにした。

 食後は出発前に用を足しておこうと、荷物番をしながら妻と交代で、トイレに行くが、最初に行った妻がやっぱりトイレはチップが必要と話していたら、隣に座っていた、お母さんと中学生くらいの女の子が日本語を勉強中だったらしく、レシートを見せるとチツプは不要だと教えてくれた。
 突然のことにちょっとびっくりしたが、ありがたいアドバイスにお礼を言って私もトイレに向かう。
 戻ってくる頃には、先ほどの2人は退席していたが、妻が話してみたところまだそれほど話せるようではなかったようで、会話が成立するほどではなかったようだ。

 マックを後にすると、駅地下の商店街に向かい靴屋を覗いてみると、スリッパは無いがサンダルが売られており、値段も大変リーズナブルだ。
 私の方はPumaのバッタ物のサンダルを一足購入し、妻も日本ではなかなか合うサイズが無い上、こちらの方が安いとのことなのでスニーカーを一足購入する。

プタペストに西駅のマック店内

  サイトシーイングツアー Hopon Hopoff

観光バスの待ち時間に通過するトレロトラム
 用事も済ませたことから、本格的に市内観光に切り替えるが、昨日ホテルのチェックイン時にサイトシーイングツアーのパンプレットをもらっていた。
 今回は自分の足でちょこまかと歩き回る気がなかったことから、観光バスで有名どころを外から見て回ることにしよう。
 鎖橋の近くの停留所から乗車すべく、トラムの4号、2号と乗り継ぎ、鎖橋へと向かう。
 バスの停留所は昨日のうちにチェックしていたので、すんなり見つけてそばにいた係員の女性より、チケットを購入する。
 システムとしては、30分ごとに循環ルートを回るバスに乗り降り自由で、有効期間は購入日の翌日まで。
 さらにドナウ川クルーズも含まれているので、クルーズをする予定でいた我々には非常に使い勝手のよいツアーである。
 ルートはRedとYellowの2系統があるが、今回は比較的小回りで市内を回るRed Line乗車する。
 バスは2階建で、屋根は有るものの、2階席の側面は完全に吹き抜けだ。
 
 14時前のバスに乗車し、2階席に無事確保すると、日本語もあるガイドを聞きながら地下鉄1号線が走るアンドラージ通りわ北東に英雄広場方面に向かう。
 天気の方は残念なことに小雨がぱらついてきているが、屋根のおかげで濡れるようなことはなく、側面からも吹き込んでは来ないので、観光には支障はない。
 ただし、このバスに乗るときの最大の注意は街路樹で、よそ見をしていると枝で顔をはたかれそうになる。
 バスは英雄広場一巡し、進路を南東に向けて、今度は東駅方面に向かう。
 ガイドを聞いているが、これといった観光の目玉はなさそうだ。
 東駅から、ホテルの前を通過して、Blaha Lujza terを右折すると豪華な内装のNew York cafeの前を通過する。
 ガイドで聞くまでは存在自体知らなかったが、明日あたりにお茶をしに行ってみることにしよう。
 バスは再度右折して、ホテル脇の道から、ラーコーツィ通りに戻ると、進路を西にとり、ドナウ川の左岸となるブダ地区に進んでいく。
 王宮前のバス停で下車し、観光名所の漁夫の砦、マーチャーシュ教会の方から観光することにする。
 漁夫の砦からは、対岸のペスト地区がよく望め、国会議事堂などがよく見える。
 今回教会は内部にはいるつもりはなく、チケット売り場で漁夫の砦の入場券だけを購入する。
 このときは漁夫の砦の入り口がよく分かっておらず、教会の周りをグルグルと彷徨ったが、結局のところチケット売り場のすぐ横が入り口であった。
 入り口を探して歩き回ってちょっと休憩したいことから、漁夫の砦の直下にある見晴らしのよいカフェで休憩していくことにしよう。
 普段はオフィスワークで運動しないことから、食べないスイーツ類だが、このときはちょっと疲れていたので疲労回復のため、ケーキもいただくことにする。
 
 しばらく休憩していたら時間は16時を過ぎているので、漁夫の砦に上がってから王宮方面に行くことにしよう。
 漁夫の砦は入場料を取るだけ有って眺望がかなり良く、ゆっくりと風景写真を撮りながら一巡する。
 その後は王宮に向かうが、あわてる旅でもないので、途中の土産物屋でハンガリーの土産事情をリサーチしておく。
 適当なところで王宮に向かうと時刻はそろそろ17時である。
 王宮内部は博物館となっているが、正直みたいというほどでもないので、正門のあたりを適当に覗いたら、バス停に戻ることにしよう。

漁夫の砦

国会議事堂

鎖橋

マーチャーシュ協会

漁夫の砦と聖イシュトバーンの騎馬像

漁夫の砦のカフェで休憩

漁夫の砦

王宮近くの衛兵

王宮近くの衛兵

  予想外の悪天候


ゲリラ豪雨で雨漏りする観光バス
 バス停に戻り、展望台となっているゲッレールトの丘に向かうことにしよう。
 バスの待ち時間は15分程度だが、バスが到着する頃には雨が降り出した。
 結構な距離があるものの降りるのは次の停留場なので、2階には上がらず、1階に席を確保する。
 これまで雨になっても、タイミングよくバスに乗車中で、傘を差さずにすんでいたが、走行中に随分と激しい雨となってきた。
 それまで2階にいた人たちも1階に避難してくるようになり、ゲッレールトの丘につく頃は激しい雷雨となっていた。
 ここでは展望台で撮影時間が取られており、バスは15分ほど停車するが、風も強くなってきているので、あきらめて明日改めてくることにしよう。
 外では傘も役に立たない荒れ模様で、歩いている人はみんなずぶ濡れだ。
 
 この頃になると2階でがんばっていた人もすべて1階に降りてきてしまい、 1階の席は結構満席に近くなってきている。

 嵐のような中をバスは鎖橋方面に進んでいくが、さらに風雨が強くなり、2階へ通じる階段から水が流れ込んでくるようになる。
 丘を下りきり、ドナウ川まで戻ってくる頃には、さらに天井のパネルの隙間から雨漏りが始まり、車内にいても濡れてしまう人が出る始末であった。
 
 そのうち当初降りるはずであった鎖橋付近のバス停に到着したが、雨は相変わらずなので、降りるのを断念しそのまま乗車を続けることにする。
 小降りになったあたりで、どこか地下鉄などと接続していそうなバス停で降りるか、もしくはホテルそばまで行くことを考えていたら、デアーク広場のバス停で運行が打ちきりとなり、降りるように言われてしまった。
 まだ外は雨が結構降っているが、仕方ないので意を決して車外に出ると、そばのアーケードに逃げ込みしばらく雨宿りすることにした。
 しかしながら激しい豪雨に道路は冠水し、行き交う車から激しい水しぶきが上がるため、アーケードの中でも油断できず、車道から離れた位置でしばらく待機するのであった。

 この後はどうするかと思案のしどころだが、日も暮れる時間だし、雨も上がりそうにないので、ユーロッパ大陸最古の地下鉄1号線に乗車させてもらうことにしよう。
 そういえば妻の方も靴をもう少しみたいと言っていたので、地下鉄を乗り継いで西駅に先に行って買い物をしてから、1号線に乗車しようと思ったが、妻のスニーカーは水が染みしまっており、濡れた靴下のまま試着するのは悪いとのことで、明日改めて行くことになった。

 雨が小降りになるのを見計らって地下鉄駅に移動し、1号線の北の終点Mexikoi utを目指す。
 最初に乗車したデアーク広場の駅は普通の地下鉄駅だったが、次の駅からはレトロな感じの内装になっており、開業時の雰囲気をうまく残している。
 車両も非常に小さく、連接台車方式で台車の上は運転室か、機械室となっており、客室は台車間の低床部分のみとなる。
 それでも車内の天井はかなり低く、身長の高い人は頭をぶつけそうだ。

 一応終点まで乗車し、そのままとんぼ返りとなるため、いったん階段を上がり反対側のホーム移る。
 昨日今日と地下鉄に乗車するときは全ての駅の入り口で職員が切符の確認をしているのが、ここもその例には漏れなかった。
 聞くところに寄ると、車内で抜き打ちの検札があり、不正乗車は高額の罰金となるが、最近は最初から改札して、抜き打ちの検札はしていない模様だ。

 ずくに来た列車で折り返すが、レトロな内装の駅で写真を撮りたいので、適当なところで一端下車してホームの写真を撮ってから、デアーク広場に戻り、2号線に乗り換えてホテルに戻る。

地下鉄1号線

地下鉄1号線のつり革

地下鉄1号線のホーム

切符売り場

 ホテルには19時前に戻って来たが、私の方は食欲がない。
 結局昨日のヨーグルトの余りを貰い、夕食はパスさせてもらうことにしよう。
 妻の方は食べなくてよいというほどでもなく、私がいらないのでは外に食べに行くほどでもないので、持参していたカップ麺で済ますようだ。
 3日目という予想外の早さでカップ麺が底をついてしまっているが、本来非常用のはずなのに主食になってしまっているような気がする。
 まあ、これで帰国するまで醤油味はお預けになりそうだ。
 明日もブタペスト観光だが、天候が回復することを祈るしかない。

本日の移動経路