2016年 9月26日  Padang Besar移動日

本日の移動経路


ハジャイ駅

 本日の起床は6時前で、途中目が覚めることもなく熟睡していたようだ。
 車内を見渡すと多少下車した客が居るようで、昨夜に比べると空席が多くなっているようだ。
 身支度を調えると係員にお願いしてベッドを座席に変えてもらう。
 列車の方はそろそろハジャイ駅に到着する所のようだ。
 ここで、編成を切り離してマレーシアに向かうのはたったの2両になるため、列車の入れ替えでしばらく停車するようだ。
 一応この辺りはイスラム過激派が時たまテロをする辺りなので、多少警戒するものの、周りの空気はかなりのんびりとした感じだ。
 ハジャイ駅の到着前に朝食を頼んでいたが到着と同時に席に届けられたので、とりあえず置いておいてもらい、外に散策に行く。

 車両を切り離すため、牽引していた機関車が行ったり来たりしていたが定刻の7時前には準備が整ったようなので、車内に戻り朝食を取りながら出発を待つ。
 ここからマレーシア国境までは1時間なので、食事を済ませたら下車の準備を進めておく。
 車内には両替商が行ったり来たりしているので、レートは余りよくなさそうだが、3000バーツほどマレーシアリンギットに両替しておく(約9000円)。
 
 列車の方は順調に進み車掌さんが、国境だと告げて回る。
 乗客は全員荷物を持って、出国と入国の手続きが必要なため下車の準備が必要となる。
 8時前にタイ側のパダンベサール駅に到着するものの特に乗降客もなく、しずしずと国境を超えてマレーシア側の駅に到着する。
 ここでは時差が有るため、現地時間では9時前となるため時計を合わせ直す。
 それまで低床ホームだったタイ側から高床のマレーシア側に入ると、デッキのステップが逆に邪魔となり、ホームとの間にものすごい段差があり、落ちないように気をつけないと危なくてしょうがない。
 さて出国と入国の手続きはどうするのかと思ったら係員が誘導しているのでその方向に進むと、降りたホーム上の建物の中に審査場が併設されているようだ。
 とりあえずタイの出国審査だが、窓口が1つしか開いていないので、それなりに待たされた。
 出国審査の次はマレーシアの入国審査だが、途中に一応免税店が有るものの品揃えはキオスクに毛が生えた程度といった感じで特に立ち寄る必要もなさそうだ。
 マレーシアの入国も無事終了し、過去にトランジットの際にクアラルンプール市内まで行ったことがあるので、入国は2年ぶりとなる。

 この先の切符は持っていないので、とりあえず橋上駅舎にあがり、切符売り場で次の列車でバターワースまでの切符を買い求める。
 列車のほうは10時25分のコミューターとのことで、待ち時間は1時間ちょっとだ。
 すぐにホームに降りてみるが、ここまで乗車してきた車両はもうすでにホームにはいない。
 もう出発してしまったのかもしれないが、ちょっと早すぎるような気がする。
 結構早い順番で審査を抜けてきたし、まだ入国審査が終わっていない人もいるようなので、出発したとは考えにくい。
 あくまで個人的な推測だが、ここから南の区間は電化が完成しているので、タイ側の列車はここ止まりとなり、後はマレーシアのコミューターが接続するようになっているのではないか思われる。
 ただ、調べた限りではそのような情報も無かったので断言は出来ないが、結局バンコクから乗ってきた列車の車内で見かけた乗客が多数待合室にいることから上記のようなことになっているのではないかと思われる。 

デリバリーされた朝食

パダンベサール駅構内

パダンベサール駅マレー国鉄切符売り場

パダンベサール駅前北側の国境
向こう側の建物はタイ領内

パダンベサール駅前

駅前の猫

 ホームに居ても仕方がないので、一度外に出て喫煙しつつ、周辺の様子を観察すると、駅前広場のすぐ北側が国境となっており鉄条網で仕切られている。
 タイ側がごちゃごちゃしているのに対しマレーシア側は駅もきれいだし完全に別の国に来たことが実感される。
 
 適当なところで待合室に戻り売店でsimカードが無いか聞いてみるとちゃんと用意されていた。
 値段も適当なことから、カードと1週間1.5GBのプランでネットの設定もしてもらう。
 あまり店の人も慣れていないようだったが、こちらも勝手が分からないので設定が済むまで、しばし待機するしかない。
 カードの購入後は特にすることも無く、妻に生存報告のメールを入れておく。
 一応タイの南部は最近テロも有ったことからあまり安全とは言えない。
 以前にタイに出張していたときも現地の提携会社の人にマレーシアまで列車で行きたい話したら、通過するのは良いが途中で降りて寄り道はするなと言われていたので、タイ人でも南部の方は危ないとの認識なのだろう。
 マレーシア側に無事入ることが出来たのでもうここからはあまりテロを警戒しなくても大丈夫そうだ。

 そろそろ列車の出発時刻が近づいてきたので、ホームで待っているとやってきたのはコミューターの名前の通り、通勤型の電車であった。
 まさかここでロングシートの通勤型が来るとは思っても見なかった。
 マレー縦断するのにロングシートでは景色が見づらいと思いつつもどうしょうもないので、あきらめて行くことにしよう。
 車内にはいるとイスラム系のスカーフをした女性が目立つようになり、タイとは違うことを実感する。
 車内は丁度良いくらいの冷房の入り具合で、タイの様に寒くて震えていくようなことはなさそうだ。

 バターワースまでの所要時間は2時間弱で、最初の内は車内も混雑していなかったが、停車駅ごとに乗客がふえて、最後の方は結構な立客も出ていた。
 車窓の方はロングシートに座席もきっちり乗客が座っている状況ではあまりゆっくりすることは出来ない。
 途中日本のDD51と思われる機関車が見かけたが、マレーシアにDD51がやって来ているとの話は聞いたことがなかった。
 後ほど調べた結果では、複線電化工事を実施した際、施工会社が中古のDD51購入して工事用車両としていた模様だ。

 列車の方はほぼ定刻での運転となり、終点バターワースには12時15分頃到着。
 この後は駅に隣接したフェリーターミナルからペナン島に渡るが、その前に一度駅前に出て駅舎の写真を撮っておく。
 その後フェリーターミナルに向かい、ほとんど待ち時間も無くフェリーに乗船してペナン島に向かう。
 船内は座席が真ん中の辺りに固まって配置されており、その両側は自動車用の航走デッキとなっており、座席に座ると車が邪魔で周りの景色はあまり見えない。
 そのため外周部の航走デッキの柵にもたれて行くことにした。
 どのみち乗船時間は15分程度なので、たいした時間ではない。
 出航後は大して揺れもなかったが、海峡の中程まで来ると海峡を通過する船の航跡を横断することからそれなりに揺れが激しくなってくる。
 揺れが激しくなってくると車セキュリティシステムが作動したのか、しばらく警報のクラクションが響き渡るが、ドライバーがすぐに戻ってこないため、何かとやかましい航海となった。
 バターワース側は港湾施設が色々と整備されており、この辺りでは結構重要な港であることが伺えた。 

パダンベサール駅待合室

コミューター列車

バターワース駅

バターワース駅前

バタワース駅構内

フェリー乗り場入り口

フェリー乗り場待合室

出航前、遠くにペナン大橋

出向直後

ペナン島側の客船

フェリー内部
 フェリーを下船するとペナン島側のジョージタウンでフェリー乗り場とバスターミナルが一体となり、この島の交通の要衝となっているようだ。
 フェリーに乗船街をしている車がかなり多く、場内に収まりきらずターミナル前の大通りまで車の列がはみ出してきてしまっている。
 
 とりあえずホテルにチェックインすべく、本日の宿ザ ロイヤル ビンタン ペナンに向かうがこちらのホテルについても事前に調べた限りではネットの予約サイトの地図の位置と実際のホテルの位置が異なっていることは把握していたので、最初から正しいホテルの位置に向かう。
 予約サイトの地図を信じていたら、ターミナルを挟んで正反対の方向となるのでこのような情報についてはきちんとしておいて欲しいのものだ。
 ターミナルから歩くこと約10分でホテルに到着、レセプションに行くと意外と高級そうなたたずまいをしている。
 部屋に入ってみるとなかなか居心地の良さそうな部屋で、しばらく休憩したくなるがジョージタウンは今日しか見て回れないので、荷物を置いたら早速観光に向かう。

 まずはホテルからほど近い、コーンウォリス要塞方面に向かうことにしよう。
 ホテルから徒歩5分ほどで、要塞前の時計塔のあるローターリーにやってきたが日差しの強さにすでにばて気味である。
 まだ観光を始めたばかりと思いつつも、日陰を探しながら歩くな状態である。
 時計塔の裏の要塞にたどり着くと、入るのに入場料が必要なようだ。
意外と高くて20リンギット(約600円)だが、まあせっかく来たことだからと入場券を求めると、腕にバーコードが印刷されたチケットをバンドの様に巻き付けて留められた。
 しっかりチケットを腕に取り付けさせることから、さぞ内部は立派なのかと思ったら、想像を絶するほど内部は狭く、見所はほとんど無い。
 唯一絵になりそうな辺りは、海側の大砲が鎮座している辺りのみで、正直入場料に見合う施設ではない。

 全く見所が無いことに驚きながら、正味5分で要塞を後にすることになる。
 いきなりしょぼい観光地でこの先、見所が有るのかと不安になってくるが。

 要塞に西側に隣接した公園では、広場にカラフルな熊の置物が円周上に置かれている。
 色づかいの毒々しさもあるが、腕を上げたポーズの熊が置かれている様は、円陣の中心から魔物でも召喚しそうなほど禍々しさを醸し出している。
 公園内には日陰のベンチが結構あるが、どれも人が横になって昼寝をしているため休憩できるような感じではない。
 まあまだホテルを出て20分程度なので、休憩が必要なほどではないのだが、暑さとしょぼさすでにかなり精神的に後退気味である。

 ひょっとするとここは外れの観光地だったかと思いつつ、公園の北側の海外沿いを経由してから、セント・ジョージ協会の方に行ってみる。
 

公園内のモニュメント

セント・ジョージ協会
 公園からセント・ジョージ教会まではたいした距離もなく、10分も掛からずに到着。
 正直外から見る程度て゜中に入る気はないので、そのままリトル・インディア方面に歩いていくことにしよう。
 途中には観音寺など多少は見所がありそうだ。
 観音寺方面に歩いていくと周りの建物の、何となく私がイメージする東南アジアらしくなってきた。
 暑さにバテ気味になりつつも観音寺に到着、途中のベンチでは現地の人が昼寝をしている姿が多数見られたので、この時間帯に歩き回るのは余り得策ではないような気がする。
 観音寺の方も中に入ってじっくり見るほどではないので、適当に街の中を散策することを前提にさらに道を進んでいく。
 そのに先にはカピタン・クリン・モスクがあり、いろんな宗教がごちゃ混ぜになっている印象を受ける。

 モスクの先のヤップ・コンシーの辺りで、ちょっと気になる感じの路地が有ったことから、進路を海側に取り、進んでみると何となくいい感じも土産物屋が並ぶ路地で、特に買い物するわけでもなかったが、ゆっくりと雰囲気を楽しむ。
 路地の終わり辺りには喫茶店があったので、そろそろ暑さにバテ気味なので休憩していくことにしよう。
 お店のお勧めはコク・ルピアというジャコウ猫の排泄物からコーヒー豆をより分けた高級品である。
 以前聞いた話ではコーヒー好きにはたまらない一品とのことなので、果たして自分に違いが分かるかどうか分からないが、話の種に注文してみる。
 味の方はモカ系統のように思われ、酸味などもあまりなく確かに飲みやすい印象が有り、うまいコーヒーなのは確かだが、病みつきになるほどではないようだ。
 値段も高級品と言うことで、1杯1000円相当なので、一度飲んでみれば十分な感じだ。
 その後はリトルインディアの内部をしばらく散策してみるが、何となく以前出張で行ったスリランカと同じような印象だ。
 所々でインド系の音楽を流しており、音量が大きいのでちょっとうるさい程度で、特に目にとまるような物もなく、適当に通り過ぎる。
 そろそろ歩き回ったので、一度ホテルに引き上げることにしよう。
フェリー乗り場のバスターミナル前を通って、16時30分頃にはホテルに戻る。

観音寺

カピタン・クリン・モスク

ヤップ・コンシ

コク・ルピア

夜のカピタン・クリン・モスク

 ホテルに戻ると大分汗をかいたことからシャワーを浴びてしばらく休憩していた。
 夕方になり、そろそろと夕食ということで外に食べに出かけるが、ホテルのそばに有った屋台街はどうやら今日は営業していないようだ。
 ペナンは屋台街が有名ということなので、屋台を覗いてみる気でいたがやってないものはしょうがない。
 とりあえずガイドブックも持たずに外出してきたが、適当に歩けば何かあるだろうと昼間歩いた辺りを再度歩いてみることにした。
 モスクの辺りや、土産物屋の路地などほぼ昼間通ったコースを歩いて見るものの、食事するのに丁度良い感じの場所がなかなか見つからない。
 まあ夜の町並みもなかなかおもしろそうなので、適当に歩いて街を見ていると、結構繁盛していそうな食堂を発見。
 店内に入るが、注文のシステムが良く分からない、適当に料理を指さして頼むと適当に席について待っているように言われたので、待っていると持って来られた料理は一人で食べるにはかなりのボリュームになってしまった。
 まあ何とか失礼にならない程度に食べはしたが、ちょっと食べすぎてしまったようだ。
 食事も済んだのでホテルに戻るが、ちょっと胃もたれする。
 ホテルにもどれば明日は朝早い列車でバターワースを出発するので、荷物の整理をして、早々に就寝することにした。
 明日は5時起きだから寝坊しないようにしないと・・・・。