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      | 8月20日 ホーチミン行きSE7列車 1日目  | 
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      2023年゜8月20日移動経路図 (出展: Google Map) 
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      ハノイ駅待合室 | 
      本日はハノイ駅を6時10分に出発するSE7列車でホーチミンまでの統一鉄道乗車日の1日目となる。 
      ホーチミンに行く列車はベトナム国鉄のサイトで調べた限りでは1日4往復。 
      ホーチミンまでは片道35時間以上を要するため早朝に出発するこの列車以外は車内で2泊する必要があるし、未明にホーチミンについてもホテルには入りづらいので私としてはあまり都合がよくない 
      そのためこの列車を予約したが、速達列車ではないので、時刻表での所要時間は36時間を要する。 
      最速のSE3列車だと35時間なので1時間程余計に時間がかかるが長時間乗車なので誤差範囲といった感じだ。 
      以前は32時間で走破する列車もあったようだが、事故が起こってからは無理な運転はしないようにしたらしい。 
      ハノイ−ホーチミン間は約1700kmあるので日本の地理に当てはめると東京-鹿児島がJRで1500km程度なのでそれより長く、福島−鹿児島間の距離に匹敵する。 
      かなり昔に東京−西鹿児島間を走っていた寝台特急富士でも1500kmを24時間で走破していたのでそれよりも1.5倍くらい時間がかかかるということは速度は大分遅そうだ。 
      ベトナム南北統一鉄道は全線単線なので途中での対向列車の待ち時間などもあるのだろう。 
       
      朝の5時前に起床し、準備をするとすぐにホテルをチェックアウトする。 
      まだ日の出前なので暗いが、ハノイの町は街灯が少ないので特に暗く感じる。 
      駅までは歩いて5分程度なので、すぐに着くが相変わらず湿度が高いので5分程度の距離でも大分汗ばんでしまう。 
      煌々と明かりがつく駅待合室に入るとすでに改札は始まっているようだ。 
      とりあえず駅の売店で道中必要になる水と朝食用のパンを買ってから印刷しておいた乗車券を改札の係員に見せて構内に入る。 
      乗車券にはQRコードが印刷されており、改札と乗降口で係員がスキャンして確認するとのことだったが、現在スキャンは行っていないようで目視での確認のみだった。 
      ホームに進みまずは先頭の機関車を見ようかと思ったが、機関車はホームから外れたところに停車しているので近づくの難しそうだ。 
      あきらめて指定された8号車に向かい、入り口の車掌さんのチェックを受けて車内に入る。 | 
    
    
        
      改札 | 
        
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      車内に入ると意外と奇麗かもと思ったがよく見るとそれなりにくたびれているようなところが見受けられる。 
      2日間車内で過ごすが特に問題となる程度ではなさそうだ。 
      ただトイレはボロボロで日本人女性では使用するのを躊躇しそうだ。 
       
      予約したのはソフトベッドの下段ベッドでソフトベッドは4人部屋の2段ベッド、少し安いハードベッドは3段ベッドの6人べ部屋だ。 
      ベッドの幅は70cm弱といった感じで日本のB寝台と変わらない感じだ、座席として座ると奥行があるが枕を背もたれ代わりにすればそれほど疲れることもなさそう。 
       
      出発まではまだ時間があるので今のところは私一人のようだ。 
      外から入ると冷房が効いていて心地よいが、しばらくすると冷房が強すぎるようで少し寒くなってきた。 
      このために用意した上着を着こむ。 
       
      空が明るくなり出発時間が近づいてきた頃同室の乗客がやってきた。 
      同室となるのはフランス系と思われるギターケースを持った若いバックパッカーで、向かい側の下段ベッドを予約していたようだ。 
      お互い軽い挨拶をする程度で特に話すこともない。 
        
      定刻の6時10分に列車は出発し、一路ホーチミンを目指して南下する。 
      しばらくは市街地を走るが、そのうち水田と住宅地が点在するエリアを進むようになる。 
      車窓としては特筆するような感じではなく、あまり高低差ののない田舎の風景といった感じだ。 
      同室のフランス系の若者は早々に車窓を見ることをやめてベッドに寝転がりながらスマホで動画視聴し始めた。 
      私のほうは特に変わりなくぼんやりと車窓を眺めたまま列車は進んでいく。 
      速度の方は大体70km/h程度で、遅くて揺れるとのことだが特に問題になるような感じでもない。 
      若干上下方向のピッチングが大きいような気もするがコイルばねの上下動が逆に心地よい。 
      あんまり急カーブは無いようなので、列車は淡々と進んでいくが時たま徐行しているなと思ったら、線路脇には使い古したフランス式のツーブロック枕木が積み上げられ、枕木交換の工事による徐行のようだ。 
      その後も時たま徐行がかかっており、そのたびに線路際に枕木が並べられていたので軌道強化をあちこちで実施しているのだろう。 
       
      ベトナムは喫煙者に寛容な国なので車内でもデッキに灰皿が備え付けられているため時たまデッキで喫煙させてもらう。 
      完全禁煙だったらシベリア鉄道のように長時間停車の駅で喫煙するしかないと思っていたが、南北統一鉄道の場合そこまで長時間の停車は無く、時刻表上での停車時間は3分程度となっているので駅で外に出るのは基本的に難しい。 
       
      最初の停車駅フーリーではサンダル履きのおいちゃんが私の上のベッドへ、2駅目のナムディンでは3歳くらいの男の子を連れた若いお父さんがフランス人の上のベッドにやってきて室内は満席となった。 
      最初は寒く感じた室内も外気温が上がっているのと人の体温で若干暑くなってきている感じがする。 
      もう上着はいらないので片づけさせても背う。 
      男の子は非常に行儀がよく、おとなしくしており好感が持てるが隣の部屋の家族連れの子供が非常にうるさく、奇声を発して廊下を駆け回り私の後ろの壁をたたいたりするのでイライラが募るがしょうがないと諦める。 
       
      室内ではそれぞれ思い思いに時間を過ごし、男の子はお父さんにスマホで動画を見せてもらっておとなしくベッドで座っている。 
      フランス人とおいちゃんは昼寝を始めたようだが、私は変わらず窓際で車窓を眺めて過ごすものの、水田ばかりであまり風景に代り映えはしないが退屈はしない。 
       
      列車は時折徐行を繰り返すものの、あんまり遅れていないように思われたが、ハノイから175kmのタンホアあたりから15分程度遅れ始めた。 
      その後の列車は速度を上げたようで時折80km/h程度で走行するが80km/hが最高速度でそれ以上出すことはなかった。 
      その後は列車が若干遅れが拡大しながらも南下を続ける。 
       
      昼過ぎに車内販売が昼食を売りに来てフランス人が購入していたが、あんまり食欲がなかったので、昼食はパスする。 
      最悪空腹になれば食堂車があるようだが、私の車両からは相当先になるのでそこまで移動するのも狭い廊下を進むのも面倒なので行くことはないだろう。 
       
      午後になり列車は若干山がちな地形の谷間を進む、途中Ωループやトンネルがあったりとなかなかの難所のようだ。 
      トンネルも内部で補強工事をしているようで南北統一鉄道はあちこちでリフレッシュ工事の真っ最中といった様相だ。 
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        交換済みのツーブロック枕木 | 
    
    
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      ドンホイ駅  | 
      ハノイから522kmのドンホイ駅には約30分遅れて到着。 
      このままいくとホーチミンに到着するころは遅れが拡大しそうな雰囲気だ。 
      途中駅でも意外と貨物列車と交換しているので旅客列車は少ないものの、貨物輸送で線路容量にはあまり余裕がないのかもしれない。 
       
      夕方になり夕食の車内販売があったので今回は購入するが山盛りご飯におかずを乗せるスタイルのようだ。 
      さすがにご飯は多すぎてかなり残すことになったが、おかずのキャベツは塩味でなかなかよい感じだし、卵焼きと豚の角煮風のおかずもそれなりに満足する味付けだった。 
      値段は55万ドンと大体350円くらいなので街中よりは高いけどまあこんなものかなぁという値段だった。 
       
      日が沈み帰路に立ち寄るフエ駅には若干遅れを取り戻し、20分遅れの20時30分頃に到着。 
      この先には南北統一鉄道最大の難所ハイヴァン峠があるのが夜間なので外は見えない。 
      車窓を堪能するのは帰路のお楽しみだ。 
      21時過ぎて、サンダルのおっちゃんが照明を消してもいいかとジェスチャーしてきたので、室内の皆が同意して全員ベッドにもぐり込む。 
       
      横になってウトウトしていると私の後ろの壁を向こう側から金属でたたくような大きな音が響きだした。 
      部屋のみんなが何事と思い身を乗り出している。 
      1回で終わるかと思ったが何度もたたいてくるのでさすがにムカついて壁を蹴とばすと静かになった。 
      またやりだしたら怒鳴りこみに行こうかと思っていたら車掌が隣の部屋に文句を言いに来たのでその後は壁をたたくことはなくなった。 
      車掌の控室までそれなりに距離があるのにすっ飛んできたところを見ると相当響いたのだろう。 
      ただ夜になっても相変わらず子供が奇声をあげて走り回って入るので、静かな車内からは程遠い状態のままだ。 
      こちらの部屋のちびっ子は本当に行儀がよくて時たまちょっと愚図るが騒ぐことがないので好印象だが、隣の部屋の親子連れは本当にどうしょうもない。 
      ベトナムではこれが普通なのかなと思い、文化の違いならは諦めるしかないだろう。 
       
      その後は心地よい列車の揺れに身を任せで眠りに落ちていくのだった。 
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      乗降口の号車表示  | 
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